神世界ガラクタ博物館



部屋番号 主な展示物
展示室01 佐野孝が書いた「光明」、「光」。斉藤亨が書いた「美」、「力」、「奇」の色紙など
展示室02 斉藤亨が書いた「超」、「楽」の色紙。佐野が描いた富士山の絵や御歌など
展示室03 えんとらんす系列の「祝詞」、「光魂祝詞」、佐野会主の「御歌」と称する紙切れなど
展示室04 世界救世教教祖・岡田茂吉が描いた千手観音図を、「教主が描いた」と偽って販売していた証拠の品々
展示室05 えんとらんす系列の「神霊」と称したメッセージカードなど
展示室06 観音会の「神示観音経」、みろくの「天宮の符命」、えんとらんすの「天空の御詞」
展示室07 改名後の姓名鑑定書3点、ヒーリングサロンの宣伝チラシ、安産祈願など
展示室08 大神力、神力、力などのライセンス各種。初期の頃は観音図を使ったライセンスもあった
展示室09 神世界の偽物御神体や新・御神体「神」、事件後に観音会で配布された「神のお文字」など
展示室10 神書(赤本、ゴールド版、携帯版)、参拝の栞など
展示室11 神世界が発行していた占いの本や料理本。手広く商売をしていた。
展示室12 神世界の大祭プログラム各種。大祭申込書や関係資料など
展示室13 神世界の”水ビジネス”の実態。エレヴァシオンの紹介記事
展示室14 えんとらんす系列で使われていたチラシ等
展示室15 えんとらんす系列で使われていたチラシ等
展示室16 えんとらんす系列で使われていたチラシ等
展示室17 えんとらんす系列で使われていたチラシ等
展示室18 えんとらんす系列で使われていたチラシ等
展示室19 えんとらんす系列で使われていたチラシ等
展示室20 えんとらんす系列で使われていたチラシ等
展示室21 えんとらんす系列で使われていたチラシ等
展示室22 えんとらんす系列で使われていたチラシ等
展示室23 びびっと系列で使われていたチラシ等
展示室24 びびっと系列で使われていたチラシ等
展示室25 びびっと系列で使われていたチラシ等
展示室26 その他系列で使われていたチラシ等
展示室27 その他系列で使われていたチラシ等。「許可証」4種類
展示室28 その他系列で使われていたチラシ等
展示室29 その他系列で使われていたチラシ等
展示室30 びびっと深沢サロン内部
展示室31 神世界の看板
展示室32 びびっと関係者の名刺、びびっと会主の書、教祖の書
展示室33 2007年(平成19年)頃に横浜のホテルなどで行われていた「大祭」の動画や静止画


”1,000円”というお手軽さが罠
 どんなに”優秀な”詐欺師でも、最初から何百万円もの大金をすぐに騙し取れるものではない。大がかりな詐欺を成功させるためには、周到な”仕掛け”が必要であり、その仕掛けは相手に警戒心を持たれるようなものであってはならない。右記の、「お試しモニター券」を何の先入観も持たずに見たとき、この裏に大がかりな詐欺組織が潜んでいることを見抜ける人は、あまりいないだろう。
 神世界による霊感商法詐欺は、”キレイを生み出すヒーリング”、”ナチュラルスイーツ付”など、女性が興味を持ちそうな謡い文句と、”お試し1,000円”とハードルを低くした価格設定で、女性に警戒心を持たれずに、客をおびき寄せる手口が巧妙であった点が一つの特徴だ。
 こうした手法は、フット・イン・ザ・ドア・テクニックというセールス・テクニックの一つであり、神世界もこれを多用していた。「宗教ではない、会社です」と言って客をを安心させていたのもその一環で、「宗教」と思われると警戒して客が逃げてしまうので、敢えて「会社です」と言い張っていた。  また、ある程度サロンになじんできた客に対しては、知人・友人をサロンに誘うことで勧誘した者が神様から”評価”されると言葉巧みに信じさせ、客が新たな客を連れてくるという”マルチ商法”的要素も採り入れていたため、被害は客から客へと更に拡がっていった。

 一旦、神世界のサロンに足を踏み入れた客は、にこやかな笑顔で親切に相談に乗ってくれるスタッフと、豪華なサロンの雰囲気に徐々に心を許し、自分が大がかりな詐欺に飲み込まれているとは全く気づかなかった。
 人間の心理には、一度自分が認めたものは、その姿勢を継続しようとする「一貫性の原理」が働きやすい。自分が神世界のサロンに足を運び、例え低額な金額であろうとも金を払ったという行為があれば、そうした自分の行動を正当化しようとする心理が働く。一旦自分が認めたものを、「あの判断は間違いだった」と自ら否定するのは、人間は苦手だ。こうした詐欺に騙されたことがない人にしてみれば、神世界の客が、教祖や会主が描いた下手な絵や書を高額で買ってしまったり、「御祈願」と称するものに数十万円、数百万円の金を出し続けたことを不思議に思うかもしれないが、人間の心理にある「一貫性の原理」を悪用すれば、こうしたことは意外に簡単なことなのだ。
 「神世界ガラクタ博物館」で紹介する各種グッズは、安い物から高額な物まで色々あるが、これらを段階的に用いることで、最終的には数百万円の御祈願代をも出さざるを得ないように客は心理操作されていた。
 神世界の心理操作は、こうしたグッズによるものだけではなく、日常的に繰り返し行われる言葉巧みな騙しと、サロンや神世界本殿、最盛期には有名ホテルを使った祭典に客を参加させることで更にエスカレートして行き、多くの客を巻き込んだ組織的詐欺が全国で繰り広げられてきた。

 斉藤亨ら被告全員は、組織的詐欺を行ってきたことを裁判で認めながらも、「御神業の全てが詐欺だった訳ではない」と証言したが、詐欺ではない神世界の御神業とは一体どの部分なのか? 宗教団体にとって最も大切な御神体が、世界救世教教祖・岡田茂吉の著作物を無断で改ざん・詐称するような団体に、宗教的正当性などあろうはずもない。神世界教祖・斉藤亨や会主・佐野孝が描いた絵や書など、1円の値打ちもないガラクタでしかない。
 教祖や会主が描いた書に、あたかも霊的な能力があるかのように偽り、高額で購入させたり、特別の能力もないのに「神霊鑑定」と称して御祈願に誘導するなどして高額な金員を詐取してきた行為は、典型的な霊感商法以外のなにものでもない。

 神世界の詐欺師達が客を騙すために、どれだけたくさんの品々をでっち上げてきたのかを「神世界ガラクタ博物館」に展示し、こうした霊感商法詐欺の被害に遭う人が再び出ないように注意喚起していく。


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