神世界関係者逮捕

10、えんとらんす関係者逮捕

佐野 孝 被疑者 佐野りら 被疑者
淺原史利 被疑者
淺原嘉子 被疑者
2011年5月30日(月)深夜に逮捕され、31日(火)午前1時頃、横浜・加賀町警察署に連行される4名のえんとらんす関係者


神世界幹部4名逮捕
 2011年5月30日(月)の深夜、(有)神世界の傘下にある、えんとらんすグループ関係者等4名が逮捕された。今回逮捕された4名は、いずれも神世界幹部であることが特に注目される。
2011年5月30日(月)に逮捕された4名

佐野 孝(42) [大神霊教会会主]
佐野りら(27) [えんとらんすグループ統括室室長]
浅原史利(48) [えんとらんすアカサカ代表取締役]
浅原嘉子(47) [えんとらんすアカサカ取締役]

 2011年3月に、E2の杉本明枝被告ら7名が逮捕されたときには、”神世界関係者の初逮捕”ということで、それなりに注目を集めたが、今回のえんとらんす関係者の逮捕に比べると、E2関係者の逮捕は「前振り」でしかなかったかのように見える。杉本明枝は、”雇われ経営者”でしかなかったが、今回逮捕された4名は、神世界を取り仕切ってきた中心的幹部だ。被害対策弁護団の荻上弁護士は、佐野孝を「神世界の実質的ナンバー2だ」と述べている。

えんとらんすアカサカの顧客数約4,300名
 えんとらんす系の被害者数はE2とは比べものにならないほど多い。佐野孝は、(有)えんとらんすアカサカ、(有)えんとらんすわーるどヒルズ、(有)えんとらんすスリーツー1(ワン)の、えんとらんすグループ3社を統括する立場にあった。2001年から2008年にかけて、このグループ3社の収益は約39億円に及んでいる。3社の中でも際だって被害者数が多いのが、えんとらんすアカサカ(甲斐市竜王)だ。(有)えんとらんすアカサカは、今回逮捕された淺原史利・淺原嘉子が統括してきた会社であり、およそ4,300人が顧客として登録されている。上記グループ収益39億円中、約29億円の収益をえんとらんすアカサカ1社が上げていた。
 えんとらんすグループの売上げは、その約4割を(有)神世界に上納していたとされており、今後の捜査では、資金の流れからも、(有)神世界及び代表者斉藤亨の事件への関与を追及していくことになるだろう。
 今回逮捕された4名の逮捕容疑は、2006年5月頃、浅原被疑者夫妻が役員を務める甲斐市の「えんとらんすアカサカ」が運営する都内のサロンで、子宮筋腫に悩む会社員女性に、「子どものころから医者に処方された薬の毒素で病気になった。御祈願を受ければ良くなる」などとうそを言い、祈願料名目で100万円を詐取した疑いが持たれているが、これらと同様の行為が神世界内部で日常的に繰り返されてきたことは、現在係争中の民事訴訟の訴状を見れば一目瞭然であり、今後、他の神世界グループ関係者にも司直の手が下されることは明らかだ。

トカゲの頭をおさえるまで捜査は続く
 前回、E2関係者の逮捕が行われた際には、杉本明枝を逮捕・送検し、”トカゲの尻尾切り”で事件捜査を終わらせるのではないかとする悲観的観測もあった。しかし、今回、神世界幹部4名が逮捕されたことによって、それは杞憂であったことが明確となった。
 今回の神世界幹部4名の逮捕内容を精査すると、他の神世界幹部に対しても同様の理由で逮捕が可能であることは明白である。今回の逮捕は、今後、えんとらんすわーるどヒルズ関係者、みろく関係者、びびっと関係者等に対しても同様の捜査が及ぶことを示唆していると思われる。そして最終的には、「組織の頂点」である、神世界トップ・斉藤亨逮捕に至る道筋が見えてきたのが今回の逮捕だ。
 前回のE2関係者逮捕は神世界事件解決に向けた、”小さな一歩”だったが、今回の神世界幹部4名の逮捕は、”大きな一歩”と言える。
 これまで何度も警告をしているが、神世界に対する捜査は今後も続けられていく。未だに神世界系列サロンで働いている者、未だにサロンに客として通っている者は、今回、神世界幹部が逮捕されたことの意味をよく考え、自分の身の振り方を熟考すべきだ。

顔を上げて連行された被疑者
加賀町署に連行される4人の被疑者

 今回の逮捕を報じたニュース映像を見て、私は笑ってしまった。それは、逮捕された者の中に顔を隠さずに連行されていった者がいたからだ。今回の逮捕の8日前(5/22)の掲示板[7185]に私が、「まだ逮捕されていない神世界関係者へ」と題して、「”自分たちは悪いことをしていない”という自負があるならば、逮捕された際には、堂々と顔を上げて連行されるべきだ。今からその覚悟を固めておこう。」と書いたのを見て、早速実践したのかもしれない。おかげで私は逮捕された関係者の顔をよく見ることができた。
 佐野夫妻は顔を隠す動作をしなかったが、淺原史利は下を向き、カメラから顔を背けて歩いていた。そこには、「天野先生」としてスタッフの前で威勢よく檄を飛ばしていた当時の姿はなかった。淺原史利が下を向いて連行される姿を見て、「顔を上げろ」と言っていた本人自ら、下を向いていたことは、それが答えだ。伏し目がちなあの男の姿を見て、これまで必死にA先生を演じてきたんだろうなぁと妙な気持ちになった。」HAPPY FLAVOR SENSEに書かれている。
 妻の淺原嘉子は夫以上に体を深く前に倒し、終始顔を下に向けたままだったので、表情をうかがい知ることはできなかった。深夜の逮捕であったため、嘉子は化粧を落としていたので素顔をカメラに晒すのが耐えられなかったのだろうか? それとも罪の重さを感じて顔を上げることができなかったのだろうか?

身体検査
 逮捕された者が拘置所の居室に入れられる際には「身体検査」がある。男性の被疑者であっても刑務官監視下で全身の身体検査を受けるのは屈辱と感じるものだが、被疑者が若い女性であれば、その屈辱感は耐え難いものがあるだろう。今回逮捕された4名の被疑者も、あの連行後、身体検査を受け収監された。
 収監される際の身体検査の内容について、具体的に述べるのは少々はばかられるので、その内容が書かれているページへのリンクを示す。参考:逮捕後の身体検査

神世界からは一切のコメントなし
 今回、幹部4名が逮捕されても、相変わらず(有)神世界からは何のコメントも出されていない。逮捕された4名の被疑者は、「詐欺はしていない」などと、いずれも容疑を否認している。「詐欺はしていない」と否認するだけで済むのであれば警察はいらない。「火のないところに煙はたたない」のだ。杉本明枝が逮捕され、更に起訴もされているのに、今回逮捕された者が起訴されずに無罪放免されることなどあり得ないことは、子供でも分かることだ。この期に及んでまだ一言のコメントも発しない神世界という団体は、日本一とんでもない団体なのだろう。「社会的責任」という言葉は、彼らの辞書には載っていないようだ。
 組織の中枢が逮捕されたえんとらんすグループが、今後どのような動きをとるかに注目していきたい。逮捕直後の6/1(水)の月例祭典は行われたのだろうか。甲斐市竜王のえんとらんすアカサカ本部には、5/31には数名の女性が出入りしていたが、記者の問いかけに対して「取材には答えられない」と述べた。
 組織の中枢が逮捕されても目が覚めない者がいることは驚異であるが、それがこうした霊感商法の怖さでもあるのだろう。今回の逮捕を受けて、えんとらんす系列から観音会に移籍する者も出てくるものと思われるので、観音会の動向にも注意して行きたい。
 E2関係者の逮捕が3/10。えんとらんす関係者の逮捕が5/30。この間2カ月と10日であった。次に神世界関係者が逮捕されるまでには、やはり同じ程度の日数を要するとすれば、次回の神世界関係者逮捕は8/10頃か? 次に逮捕されるのは誰なのか、推測してみるのも一興かもしれない。


(参考)2011.5.30に逮捕された神世界幹部4名に関する補足情報

佐野夫妻
 (有)えんとらんすアカサカは、佐野孝が2001年に創業し、その後、浅原史利に経営を引き継いだ会社だ。(有)えんとらんすアカサカはその後分社化し、新たに(有)えんとらんすわーるどヒルズと、(有)えんとらんすスリーツー1(ワン)という会社が作られ、えんとらんすグループ会社は3社となった。佐野孝被疑者は現在でも、これら3社を統括する立場にある。その後更に分社化は進められ、(株)京、(株)都、(株)宮などの会社が作られたが、そのいずれにも佐野孝が取締役として就任している。
神世界の祭典で話をする佐野孝

 佐野孝は神世界の中でも3名しかいない「会主」という肩書きを持った男だ。神世界で年に2回行われてきた祭典では、佐野孝は壇上から「講話」を行うなど、教祖・斉藤亨に代わって組織運営をしてきた男だ。

 佐野孝は、えんとらんすグループを各社を統括するセクションとして、「統括室」なるものを作り、その「室長」に自分の妻である佐野りらを就任させた。りらが室長に納まった後、えんとらんす内部では、こまごまとした指導、指摘、改変がされるようになった。その頃、インターネット上では神世界に対する批判が相次いでおり、りらはそうした批判をかわすための”指導”もしていたようだ。
 佐野りらは、2006.12.12に上記分社化により設立された、(株)都の代表取締役にもなっている。佐野りらを知る、ある元神世界関係者は、「あの娘は、なんというか男好きのする雰囲気バリバリでしたよ。私服のときはなんというか、ピンクのふりふり系なんだけど、清楚という感じではなくて、欲しいものは何でも手に入れたがるわがままお嬢、同姓からはモロ嫌われるタイプでした(笑)」と酷評する者もいる。
 佐野孝と佐野りらは名前からも分かる通り夫婦だ。”佐野りら”の旧姓は「栗山」といい、りらの母親は、えんとらんすグループ企業の、”(有)えんとらんすわーるどヒルズ”経営者の栗山E子だ。佐野孝は、自分より2才年上の元妻・葉子と離婚した11日後に、14才年下のりらと結婚した。佐野孝と別れた葉子は、その6カ月後、神世界教祖斉藤亨の妻となっている。「神世界は宗教だ」と言っている割には、ドロドロした男女関係も垣間見えてくる。

淺原夫妻
 淺原嘉子(当時は別姓)は姉が看護師として働いていた山梨県韮崎市の病院に勤務していた。病院勤務といっても看護師等だったのではなく、嘉子は受付のようなところで働いていた。同じ病院に淺原史利が理学療法士として働いていた。この職場で二人は知り合い、1990年3月9日に結婚した。
 淺原嘉子が神世界(当時は千手観音教会)に通うことになったのは次のような経過だった。知人女性から千手観音教会に誘われた淺原嘉子は当初は千手観音教会に興味を示さず、再三の誘いを断わっていた。しかしその後、1997年10月になって淺原嘉子が千手観音教会に行ってみようと思ったのは、色々な体調不良が原因だった。1年前と同じ日に再び体調不良に見舞われるなどの事象が続いたので、「これは何かあるのではないか」と思い、それがきっかけで彼女は千手観音教会を訪れた。その当時、彼女は他の病気にも苦しんでいた。
 千手観音教会で告げられた言葉によって、自分の周りで起こっていることが先祖の因縁である、現代医学では自分は助からない等と言われ、自分が助かるのはここしかないと思い込んだようである。嘉子は千手観音教会の中でお手伝いとしてしばらく働き、その後、スタッフになった。嘉子は教主(当時。現在は教祖)の食事係などもしていたこともある。彼女が直接指導を受けたのが佐野孝(会主)で、教会内で毎日佐野に怒鳴られ、泣きながら仕事をしていた。
えんとらんすアカサカ(竜王)
の祭典で話をする淺原史利
 ある日、教主(斉藤亨)が一斉に多くのスタッフを辞めさせ、スタッフの総入れ替えをした時期があったが、嘉子はスタッフとして残り、その後、徐々に頭角を現していった。
 神世界の前身は千手観音教会であり、当初は山梨県内で細々と営業している小さな団体だった。しかし「神世界」と名前を変えた後、営業方針を大きく変え、積極的勧誘を行うなどして徐々に規模の拡大を図っていた。神世界トップ・斉藤亨の命により、神世界は東京に進出することとなり、佐野会主(佐野孝)が東京進出の責任者となった。佐野の東京行きに併せて、淺原夫妻も東京へ行くことになった。そして佐野会主がニューヨークに行く際に、淺原史利は経営者の立場を譲り受けた。

 淺原嘉子は、当初の佐野会主の指示では”永田町計画”(永田町計画とは、「天野先生の特別なサロン」を都内一等地の豪華なマンションでオープンさせる計画)には入っておらず、それまで担当していた柿の木坂のエレヴァシオンを担当することになっていた。ところが淺原嘉子は佐野会主に泣きつき、柿の木坂のエレヴァシオンを他の者に押しつけ、永田町計画に割り込んだ。
 当時、「永田町計画」に使用する物件がすでに決まりかけていたが、淺原嘉子は、”昔テレビで見たドラマであの部屋が使われており、ずっと住みたかった”という理由で、独断であのプルデンシャルタワーレジデンスの部屋に決めた。内部の家具も小物も全て、「教会長がお選びになった」ものに入れ替えさせ、ワガママを押し通した。当時の様子を知る者は、「彼女は自分の”お城”を築きたかったのだろう」と言っている。
 こうして永田町サロン(プルデンシャルタワーレジデンス)は、「えんとらんすアカサカの象徴的サロン」とし、「教会長がいらっしゃる特別な場所」になった。淺原嘉子は柿の木坂からごく一部の客とスタッフを引き連れて永田町サロンに移った。
 2007年9月頃から、”淺原史利は山梨”、”淺原嘉子は東京”という流れになり、淺原史利が9割方山梨勤務となったため、「月額100万円以上」と言われるプルデンシャルタワーレジデンス3705号室は、その後半年間は実質、嘉子一人が寝泊まりする場所になっていた。しかし、この永田町サロンは事件報道後の2008年2月15日契約違反により強制退去させられた。

2人で4つの名前を持つ夫婦
 神世界内部では、「神霊能力開発講座」というものが2002年12月から始まり、淺原史利がその講師をしていた。「神霊能力開発講座」はたった3回の講習だが、受講料は30万円と高額だった。この講座を受講した者は、受講料とは別に、”謝礼”を支払わねばならないように迫られ、250万円の謝礼を支払った者もいた。淺原が着物を着るようになったのはその講座のときからで、2003年秋頃からは、それまでの”淺原先生”から、”天野響”と名乗るようになった。それ以後、淺原史利は組織内では、「天野先生」と呼ばれるようになり、佐野会主からの指示で、高額の鑑定などもするようになった。
 妻の淺原嘉子も神世界内部では橘遼加(たちばなはるか)と名乗っており、客からは「教会長」と呼ばれていた。今回の逮捕報道を見た神世界関係者の中には、淺原史利が天野先生、浅原嘉子が教会長であることに気づいていない者もいるかもしれない。念のために再度整理すると、下記の通り、この夫婦は2人で4つの名前を持っているのだ。

淺原史利(あさはらふみとし)=天野 響(あまのひびき)=天野先生
淺原嘉子(あさはらよしこ) =橘 遼加(たちばなはるか)=教会長


自らをCEO、COOと主張
 淺原夫妻は、スタッフらに対して自ら「私はCEOよ」とか「私はCOOだ」と主張し、「私は偉いのだ。だから私に従え」という空気を漂わせていた。事件が明らかになった今、その言葉通り、しっかり責任をとってもらうことを期待しよう。決してスタッフに罪をなすりつけたりはしないように。

●最高経営責任者 (CEO) Chief Executive Officer
 淺原嘉子(橘遼加)

●最高執行責任者 (COO) Chief Operating Officer
 淺原史利(天野響)

 淺原の経歴や千手観音教会のことを詳しく知る人物は、「淺原氏は大した修行もせずにいとも簡単に”先生”になってしまった。彼が先生になってから3万円を払って彼の”ご相談”を受けてみたが、言われたことはごくありきたりのことでしかなく、中身のないものだった。これではこの団体も大したことはないなと思った」と述懐している。

淺原史利の逮捕時の姿(左)と祭典時(2007年頃)の姿。
スタッフにはいつも、「顔を上げろ!」と檄を飛ばしていたが・・
淺原嘉子の逮捕時の姿(左)と祭典時(2007年頃)の姿。
逮捕時には、終始、深く顔を隠したまま連行されていった。







11、スタッフに罪をなすりつける神世界

勾留理由開示を伝えた神奈川新聞

 2011年5月30日(月)深夜に逮捕され、31日(火)午前1時頃、横浜・加賀町警察署に連行された佐野孝、佐野りら、淺原史利、淺原嘉子の4名のえんとらんす関係者は、横浜県警で取り調べを受けた後、横浜地検に身柄送検された。
 4名に対する勾留理由開示手続きが6月9日(木)、横浜地裁であり、4名はいずれも「(逮捕容疑の)詐欺をしたことはない」と意見陳述したが、木田佳央人裁判官は「証拠隠滅や逃亡の恐れがある」と勾留理由を説明し、4名を引き続き勾留し、取り調べを続けることを告げた。
 この件について神奈川新聞から取材を受けた弁護士は、「被害者をだますという詐欺の実行行為をしたスタッフ女性が逮捕されず、共犯とされる4人が逮捕されるのは不当」と述べた。
 逮捕された者が、「詐欺をしたことがない」等としらを切るのはよくあることなのでさほど驚くほどのことはないが、佐野孝ら4名についている弁護士が、上記のような発言をしたことは本当に呆れてしまう。
 まだ神世界に残っているスタッフは、この現実をしっかり見届けておかねばならない。上記発言は逮捕された4名の代理人となっている弁護士が述べた言葉であるが、代理人はクライアント(顧客)の意向に沿って発言する。代理人弁護士の発言は、逮捕された4名に代わって言葉を発しているのであり、上記発言は神世界経営者達の意向を代弁したものだ。あなたたちの経営者は、このようにして罪をスタッフに押し付け、自分たちは素知らぬ顔をする経営者たちなのだ。
 神世界で行われてきた金銭収受や一連の行為は、全て上からの指示に基づいて行われてきたことであり、スタッフが独自に判断して実行したものではない。先日行われた口頭弁論で、「元スタッフを訴訟告知する」と述べたのと軸は同じで、神世界経営者は自らの責任を全く顧みず、「悪いことをしたのはスタッフ。我々経営者は詐欺などしていない」として、全ての責任を末端のスタッフに押し付けようとしている。もちろんこのようなバカげた主張が通ることはあり得ず、裁判官は「証拠隠滅や逃亡の恐れがある」として勾留を続ける理由を説明した。

 神世界のやり方を見ていると、暴力団幹部が末端組員に指示して犯罪行為を行わせ、幹部は手を汚さずに甘い汁を吸い上げ、警察に捕まるのは末端組員だけという構図がそのまま当てはまりそうだ。しかし、こうした神世界のやり方はすでに解明されており、捜査当局の目は神世界幹部に向けられている。

 しかしこの弁護士、何を血迷ったか、「被害者をだますという詐欺の実行行為をした」と述べており、神世界において「被害者をだます詐欺の実行行為があった」ことを認めているようだ。更に、「共犯とされる4人」とも述べており、逮捕された4名が詐欺の共犯であることを認めるような発言をしている。きっと、つい本音が出てしまったのだろう。ついでに、4名は「共犯」で、「主犯」は斉藤亨だと言ってくれると更に分かり安いのだが・・。

 口頭弁論での発言や勾留開示をめぐる発言を見ていると、神世界の実態がいよいよはっきりしてきたようだ。




12、えんとらんすスタッフも逮捕

6/20に逮捕された
小塚麻衣子被疑者

 2011年6月20日(月)、(有)神世界による霊感商法事件を捜査している神奈川県警神世界事件捜査本部は、いずれも神世界幹部の佐野孝(42)、佐野りら(27)、淺原史利(48)、淺原嘉子(47)の4被疑者、及びえんとらんすアカサカスタッフの小塚麻衣子被疑者(35)[川崎市中原区中丸子]の5名を詐欺容疑で逮捕した。3/10に逮捕された杉本明枝から数えて、これまでに逮捕された神世界関係者の延べ人数は20名となった。
 この日逮捕された小塚被疑者は、サロン内では「日向晶子(ひゅうがあきこ)」と名乗っていた。これまでえんとらんすグループでは経営者のみが逮捕されており、えんとらんすスタッフが逮捕されたのは、小塚被疑者が最初である。
 県警の調べでは、5人は共謀し、平成18年6〜9月、都内のサロンで、病気に悩む都内に住む女性会社員(35)に、「体が相当悪くなっている。状態が良くなるようにご祈願したほうが良い」などと虚偽の説明をし、祈願料名目で現金計50万円をだまし取った疑いが持たれている。
 横浜地検は、2011年5月30日に逮捕され、取り調べを続けていた佐野孝・佐野りら・淺原史利・淺原嘉子の4名のうち、佐野孝・淺原史利・淺原嘉子の3名を6/20に詐欺容疑で起訴、佐野りら被疑者については処分保留で釈放した。佐野りら被疑者は、釈放後直ちに別の詐欺容疑で、他の3名とともに再び逮捕された。

延べ20名の逮捕者
 自社関係者が詐欺容疑で延べ20名も逮捕された会社など、私の記憶にはついぞない。これだけ”未曾有”の大量逮捕者を出しても、(有)神世界からは一言のコメントも出てこない。神世界傘下企業で最も規模が大きい、(有)びびっととうきょうの代表者も、一切のコメントを出そうとはしない。(有)みろくもしかり。
 E2関係者の逮捕・起訴に続き、えんとらんす関係者も逮捕・起訴が繰り返されている。えんとらんす関係は被害者も多いので、警察が逮捕しようとさえ思えば、何度でも逮捕できるだけの被害者調書は揃っていることだろう。一連の逮捕・起訴の動きがここで止まることなど、どう考えてもあり得ないことであり、神世界関係者の逮捕は更に拡大していくであろう。
 会員向けに発行している神世界新聞の紙面では、あれだけ、”勝手なこと”を書いているのだから、物をいう術を持ち合わせていない訳ではあるまい。彼らがどれだけ力になるかは不明だが、神世界は”一応”弁護士もつけているのだから、こうした場面で企業がどのように振る舞うべきであるか、助言を受けることも可能であろう。

 逮捕が不当だと思うのであれば、20名もの者が逮捕されたことに対して神世界は抗議声明を出すべきであろうし、「火のない所に煙は立たない」という意識が少しでもあるなら、社会に対して何らかのコメントを発すべきだ。
 神世界新聞の紙面や祭典時の会主講話では、村木厚子さん(当時厚生労働省企画課長)に対する冤罪事件を引き合いにだし、現在逮捕されている神世界関係者も、村木さんのように無罪が確定し釈放されるだろうとの”希望的観測”を述べているようだが、それはあまりにも世間知らずの発言でしかない。そうした発言を会員向けには自信たっぷりにしている割には、世間に対しては沈黙を続けている。これではまるで、サル山の”お山の大将”でしかない。
 神世界はすでに、”年貢の納め時”を迎えていることを、斉藤亨に言い渡すことができる者は誰もいないのか?


(参考)2011.6.20に逮捕された小塚麻衣子(日向晶子)に関する補足情報

小塚麻衣子(日向晶子)
 小塚麻衣子は、えんとらんすグループが東京に店舗を広げ始めた頃に入ってきたスタッフだった。性格がきつく、きついことでは定評があったK地M和代理でさえも、「小塚はきつい」と言っていた。小塚は、神世界に来る前は、何かの営業かマーケティングをしていたそうだ。

 小塚は淺原嘉子(橘遼加)の腰巾着で、淺原嘉子は常に小塚を自分の目の届くところにおいていた。小塚は淺原嘉子と二人で名古屋のホテルに出張してヒーリングをしていた時期がある。小塚は名古屋の立ち上げから中心メンバーとして関わり、名古屋周辺に勢力を広げたが、かなり強引なやり方だったため、小塚に対して不満をもった客はは多い。
 その後は東京で苦情対応などの業務についていたようで、JR荻窪駅前シンフォニーアンダンテ9階にあったサロンで一人暮らしをしていた時期もあった。

 名古屋ヴェリテは、2004年10月にオープンし、小塚麻衣子マネージャー(その後改名して日向晶子先生)が一人でやっており、お客が多い日は東京からお手伝いが来たり、サロンに来たお客さんに声をかけて手伝って貰ったりしていた。
 2005年の4月に、名古屋は店舗が2つになり、ヴェリテ1stと2ndになった。大神力の御軸も入り(名古屋の感謝祭は、御軸が入った日の14日)スタッフも増えたが、お客さんはそれほど増えずに、それまでは月に何回か来ていた淺原嘉子は来なくなった。
 その後、小塚マネージャーは先生になり、「首都圏店舗拡大の役目」といって転勤し、その後にはKR山E子(現えんとらんすわーるどヒルズ経営者)が来た。
 2007年3月の大祭の準備では、小塚がホテルとの交渉役をやっていた。小塚は、えんとらんすアカサカの情報を知りすぎているので、神世界幹部は小塚を決して手放さないだろうと言われていた。






13、佐野孝ら追起訴
 2011年7月11日(月)、横浜地検は、(有)神世界による霊感商法事件で逮捕され、取り調べを続けていた神世界幹部の佐野孝(42)、淺原史利(48)、淺原嘉子(47)の3名を詐欺罪で横浜地裁に起訴した。同じく詐欺容疑で逮捕され、取り調べを受けていた、神世界幹部の佐野りら(27)と、えんとらんすアカサカスタッフの小塚麻衣子(35)の両名は処分保留で釈放された。  佐野孝(42)、淺原史利(48)、淺原嘉子(47)の3名は、すでに6/20にも詐欺罪で起訴されており、3名ともこれが二度目の起訴となった。先に3件の詐欺罪で起訴されている元E2経営者の杉本明枝の初公判は2011年7月14日(木)、午後2時から横浜地裁にて行われる。



14、杉本明枝の初公判
 ページ容量が肥大化するのを防止するため、神世界事件に関する刑事裁判の記録は、別ページにまとめました。神世界事件関連の刑事裁判については、神世界事件の刑事裁判をご覧下さい。


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