観光シリーズ14(赤坂見附)


 (有)神世界の人間は、よほど高いところが好きと見える。
 都内の超高層マンションの最上階もしくは最上階付近にはたくさんの神世界関係者が住んでいる。
 中でも極めつけはこのプルデンシャルタワーレジデンス(プルデンシャルタワー)だ。このビルは、地上38階、最高部158.35mの超高層ビルだ。
 この37階にえんとらんすアカサカのサロンがある。寄せられた情報によるとサロンがあるのは37階という説と38階の最上階という二説があり、どちらが正しいのかしばらく分からなかったが、プルデンシャルタワーレジデンスについて詳しく調べてみると、37階説も38階説も、両方が正しいことが分かった。
 このぺージの下の方に間取り図を載せてあるが、37階と38階の両階に部屋を設け、室内の階段で行き来できる構造の部屋があったのだ。面積246.40uのType P5という部屋で、リビングに大きな吹き抜けのある豪華な造りだ。豪華さを誇示したいのならば、これ以上の部屋はないだろう。
 こうした部屋は、プルデンシャルタワーレジデンスの中でも最上級の部屋であり、月々の賃料は150万円を越えているのではないかと思われる。

 私は各地の(有)神世界関連サロンを見てきたが、建物の贅沢さに圧倒されることが多かった。
 地方に行けば個人宅でひっそりサロンの営業をしているケースもあるが、東京都内に関して言えば、とにかくその豪華さにはあきれかえるばかりだ。
 その中でも郡を抜いているのが、このプルデンシャルレジデンスに設けられた、”えんとらんすアカサカ”のサロンだ。日本に数多くある高層マンションの中でもトップクラスの豪華マンションの最上階を借り上げ、そこでヒーリングサロンの営業をするということが何を意味するのか。
 高額な賃料を払うためにはそれだけの収入が必要である。その金をどこから捻出しているのか。それは多くの女性に、「幸せになるためには神様とのお取引が大切。御祈願をしないと幸せが逃げてしまう。改名しないと大変なことになる」などと言って、科学的根拠もないことをあたかも真実であるかのように錯誤させて金を出させてきた結果、高額な賃料の支払いが可能になっている。

 皇居を眼下に見下ろすことができる豪華マンション。その華麗な雰囲気に酔わされた女性は、金を出せば自分もこんな素敵なところに住めるような幸せを得ることができると錯覚してしまうのだろうか・・・。
 これは、キャッチセールス・催眠商法・霊視商法・開運商法・パーティー商法を混合させた新手の悪徳商法といっていいものだ。
 26階以上の高層階は居住用部分として賃貸されており、そこでの営業行為は許可されていない。
 プルデンシャルタワーレジデンスのオーナーは、このような悪徳商法の舞台に自分のマンションの最上階が利用されていることを知っているのだろうか。

東京都千代田区永田町2丁目13-14

銀座線、丸の内線の赤坂見附駅から徒歩1分

所在地の地名は永田町。国会議事堂も近い

真上から覗くと、へえー真ん中に穴が開いている

左・背景に国会議事堂と皇居。右・近景

付近にはあまり高いビルがないのでよく目立つ

地下鉄・赤坂見附駅で降りてエスカレーターで上へ

大使館が多い。日比谷高校はすぐ隣だ

地上へ出て、南方向へ歩いて行く

タワーが見えてきた。ツインタワーを一つだけにしたみたい

入口付近ではなにかの工事をしていた

正面入口

この円柱は、車の突入を防ぐバリアー?

後方の赤い壁の建物が日比谷高校

プルデンシャル生命の創業者、故・坂口陽史の写真

居住者用入口への通路

植栽もきれいにされている。夜は電飾が点くようだ

居住者用通路は緑がたくさん&クリスマス風景

賃貸オフィスへの出入りはセキュリティゲートでチェック

居室内部

居室内部

居室内部

居室内部からの眺め。皇居を見下ろす形になる

3BR、4BRは高くて賃料が表示できない?

37階、38階の2階建て。えんとらんすアカサカはこのタイプ
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【歴史】
 この地にはかつて、1960年に開業したホテルニュージャパンが存在した。
 しかし、1982年2月8日にホテルニュージャパン火災事件が発生、同ホテルは営業停止処分を受けて廃業した。
 その後千代田生命保険が所有者となったが、1996年にホテルが解体されるまで廃墟のまま放置されていた。
 1996年に千代田生命が再開発事業に着手し、タワーの建設が始まった。
 2000年に千代田生命が経営破たんとなり、当時建設中だったタワーはプルデンシャル生命保険が買収。以後は森ビルと共同で建設が進められた。
 2002年12月16日完成。プルデンシャル生命保険株式会社の本社が入る。

【坂口陽史】
 タワーの前面や後、さらに一番後ろの高台には故坂口陽史(きよふみ)プルデンシャル生命保険前会長のキヨ サカグチ メモリアルガーデンがある。
 当時、米国プルデンシャル副社長で国際部門統括責任者・CEOだった坂口陽史は、都内に建設中の永田町ビル(建設中の同ビルの名称)を取得、日本での本拠地にすることを決定した。その結果同ビルには、プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、プルデンシャル投信、プルデンシャル・アセットマネジメント・ジャパン、プルデンシャル・フィナンシャル・アドバイザーズ証券が入居し、全体の50%を使用している。
 坂口氏は2001年1月11日に東京の自宅で心不全のため亡くなった。58歳。
 入居者用通路入口付近には坂口氏の写真と言葉が掲げてある。

【概要】
 「プルデンシャルタワー」は、事務所、住宅、店舗で構成された地上38階建、総延床面積76,634.30 uとなる超高層ビルだ。
 幹線道路(外堀通り)沿いに立地し、周辺には国会議事堂をはじめとする国の中枢機能や高級ホテルが集積するほか、地下鉄5路線も集結している。
 3階〜24階は賃貸オフィスだが、その内の14階から24階までの11フロアはプルデンシャル・ファイナンシャルが自社使用している。
 高層階(26〜38階)の住宅部分は、一般賃貸住宅および家具付き賃貸住宅≪サービスアパートメント≫で構成されている。
 外資系企業が集積する国際色豊かなビジネス街という立地特性から、総戸数125戸のうち約7割(85戸)をサービスアパートメントとしている(下記・注)。

【セキュリティ】
・非接触型IC カードキー・システムの採用
・建物通用口、エントランスホール内、エレベータ内、貸室入室扉の4つのゲート
・セキュリティゲートを実装
・フロントカウンターでの入館者のチェックや各所に配置されたCCTVカメラによる24時間の集中監視
<その他 災害対策機能>
・通常の2倍の感度で火災を感知する「早期火災感知システム」
・火災発生時に避難経路への煙の侵入を防ぐ「加圧防排煙システム」
・屋上に救助用ヘリコプターのホバリングスペース
・オフィスと住宅を連結する25 階には「空中一時避難待機スペース」
・地下1階に「防災備蓄倉庫」を設置
・非常電源、保安電源用として「自家用発電設備」を設置

【事務所】
階数:3〜24階
入退出管理: 非接触カードリーダーによる事務所扉管理

【住宅】
階数:26〜38階
総戸数:125戸
住戸タイプ:一般賃貸住宅/2BR〜3BR、ペントハウス(103.3 u〜271.6 u)、40戸
サービスアパートメント/1BR〜2BR(56.4 u〜98.7 u)、85 戸


(注)
「サービスアパートメント」とは、短期滞在も可能な家具・サービス付賃貸マンション。「ホテルのスウィートルームに長期宿泊するイメージです」とのこと。
 「ホテルのスウィートルームを1カ月借りることを思えば、その半値くらいの安さで借りられます。具体的には月額70万円から120万円くらいですね。」とのこと・・・(汗;)。




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