神世界組織の実態


(すでに逮捕された者、及び2012年3月22日に神世界が公表した「神世界解散宣言」にて自らの罪を認めた者は実名表記しています)


神奈川県警が詐欺容疑で神世界本部を家宅捜索(2007.12.20)

 全国各地には約130カ所以上の場所に神世界傘下のヒーリングサロンが点在する。その組織の頂点にあるのが山梨県甲斐市玉川18の神世界本部だ。
 神世界という団体の組織構造は、神世界に関与していた者ですらあまりよく分からない団体であるが、組織内部の事情に詳しい複数の方から頂いた情報を基にしてこの組織を図解してみたのが下記数点の図だ。
 それぞれの図をよく見て頂かないと神世界全体が見えてこないかもしれないが、簡単に言えば

神世界とは、斉藤、日原、佐野、淺原、和田、宮入、栗山、宮入(飯窪)といった
親族関係にある者が結託して作った詐欺組織である。

 2006年3月3日の春の大祭後に、それまでの(有)えんとらんすアカサカを新たな3つの会社に分社化し、(有)えんとらんすアカサカ、(有)えんとらんすスリートゥー1、(有)えんとらんすわーるどヒルズにした(この時点で登記簿上では佐野孝はえんとらんす系列の代表取締役の座を降りた形になっているが、実質的にはそれらを統括する立場にあることは変わっていない)。
 更に2006年12月に(株)都、2007年5月に(株)宮、2007年7月に(株)京と相次いで新会社を発足させた。この時期には他にも同様の新会社を作ろうとする動きが神世界内部であった。
 当時はこうした分社化は、各社を競わせることが目的かと思ったが、事件報道後の動きを見ていると分社化の目的は組織を細分化・複雑化して神世界との見せかけの距離を遠くすることも目的の一つだったことが分かる。
 2007年12月、神世界事件として報道され神世界の名前が全国に広まったが、分社化してあったため、それぞれのサロンは、「うちは神世界とは関係ない会社です」とうそぶき営業を続けたところが多数あった。
 統括本部である神世界ですら、「当社は品物を各社に卸しているだけであり、営業の責任はそれぞれの各社にあります」などと各サロンと無関係を装う言い訳を繰り返していた。これを見たとき、神世界が組織を細分化してきた真の意味が読めた。

 この神世界という組織は概要を把握するだけでもかなり大変な作業だが、組織の細部まで理解することは非常に難しい作業となる。
 下記に図版を使いながらできる限りわかりやすく解説したつもりだが、警察が捜査中の事件でもあり、全てを公開することはできない部分があるため不明瞭な表現となっている部分も多数あることをご理解頂きたい。

 このように一部個人情報を含んだデータをHP上に公開することに疑問を感じられる方があるかもしれないが、公共の福祉に反する個人や団体の行為があった場合、これを告発するために一定の秩序を保った上でその内容をインターネットのHPで明らかにすることは法に違反する行為ではない。

 「憲法13条・プライバシー権」と、「憲法21条・表現の自由」とは同等の権利ではなく、プライバシー権は、「公共の福祉に反しない限り」という条件の下で「最大の尊重を必要とする」という「尊重権利」であるのに対し、言論・出版の自由は、「言論・出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と明快にいいきられた「国家保障権利」だ。
 明らかに「公共の福祉に反する行為」を繰り返し行ってきた神世界による犯罪行為を阻止するために、彼らが一定のプラバシー権の制約を受けることは公共の福祉に供する行為である。
 憲法に規定された権利だから両者は同等の権利があると誤解される場合が多いが、「憲法21条・表現の自由」の方がはるかに上位の権利である。



●教主(斉藤亨)(組織犯罪処罰法違反[組織詐欺]容疑で2011.9.12逮捕)
 組織のトップは、(有)神世界の取締役である斉藤亨である。斉藤亨は組織内では、「教主」としての地位を確保している。斉藤亨は「神書」と呼ばれる本の著者でもあり、実質的な神世界のトップである。
 この「神書」の内容は、世界救世教教祖・岡田茂吉の書いた文章を模倣した内容が多いが、この組織では岡田茂吉の名称は一切登場せず、教主斉藤亨が書いた神書が唯一絶対のものとされている。
 教主・斉藤亨はかつて世界救世教の信者であった。彼の両親も世界救世教の信者だったが後に独立して、山梨県甲斐市玉川で、「千手観音教会」を立ち上げた。
 千手観音教会の時代に金銭上のトラブルで訴えられて地元での評判が悪くなり、組織名を変えて、(有)神世界を設立したとされている。

●教主の妻(斉藤葉子)(組織犯罪処罰法違反[組織詐欺]容疑で2011.8.29逮捕)
 (有)神世界には、もう一人の取締役、佐藤葉子がいる。斉藤葉子は現在は教主斉藤亨の妻であるが、以前は会主(佐野孝)の妻であった。
 斉藤葉子は前夫・佐野孝との間に3人の子供がいたが、佐野と離婚する際、3名の子供は葉子が引き取り斉藤と結婚した。斉藤と結婚後新たに2名の子供をもうけてる。
 こうした事実は末端の客などには知らされていないが、神世界中枢部に属する者の間では周知の事実である。

●陽龍(日原易子)(組織犯罪処罰法違反[組織詐欺]容疑で2011.9.27逮捕)
 (有)神世界の代表取締役である日原易子。この代表取締役・日原易子は組織内では陽龍(ひりょう)と呼ばれている。彼女は式典などに出席して神事めいたことなども行っているがどちらかというと象徴的存在でしかなく、神世界の実権は教主斉藤亨が握っている。なお、陽龍(日原易子)は斉藤葉子の実母である。
 両者が母子関係にあることは多くの客も知っていた事実である。


神世界組織構成図(親族関係に注目)

●会主@(佐野孝)(詐欺容疑で2011.6.20逮捕)
 この組織には、「会主」という肩書きを持つ者が3名いる。
 その一人は男性の会主、佐野孝だ。佐野は、「大神霊教会・会主」という位置づけになっている。  佐野は神世界の式典では白装束?のような奇抜な服装で檀上に上がり各種神事を執り行うなどからも分かる通り、神世界の内部での地位は教主斉藤に次ぐものと思われる。
 斉藤葉子の前夫である佐野孝は、葉子と離婚した11日後に(有)えんとらんすわーるどヒルズ代表・栗山悦子の娘りらと結婚した。結婚当時りらは19才、当時33才の佐野との年齢差は14歳だった。

●会主A(和田美和)
 二人目の会主が和田美和(女性)だ。和田は(有)びびっととうきょう代表取締役でもある。びびっと内では天皇的存在と言って良く、日常的に講話を行ったり、神霊鑑定?等を積極的に実施している。和田美和は、「神世界教会・会主」という肩書も持っている。和田美和は三人目の会主宮入英実の実姉である。
 和田美和の夫が和田K史だ。この男は組織内で、”みどり局長”などと呼ばれており、マスコミ向けにびびっとが出した文書に名前を上げるなどの行動から見ても、神世界内部での実力者であるようだ。

●会主B(宮入英実)
 三人目の会主が宮入英実だ。宮入は神世界の中では比較的新しい組織であるみろく系サロンのトップである。全国各地に点在するみろく系サロンは彼女名義で賃貸契約をされているものが大半だ。
 宮入英実は会主Aの和田美和の実妹である。

●えんとらんすわーるどヒルズ代表(栗山悦子)
 教主の斉藤と血縁関係にはないため会主などの肩書きは与えられていないが、栗山悦子が神世界で果たしてきた役割は決して小さくない。
 えんとらんすわーるどヒルズを辞めた関係者に彼女のことを聞くと全員が声を揃えてその非道ぶりを涙ながらに語ることからも彼女が神世界内部でどのような采配を振るっていたかが伺える。3月と9月に行われる神世界の祭典にはきらびやかな服装で壇上に登場し、神書を読み上げたり神事のまねごとをしている。
 彼女の娘りらは会主@佐野孝に嫁いでいるが、自分の娘をこのような組織を構成する男に嫁がせるとは、母親としてどのような思いが巡ったのだろうか。



斉藤、日原、佐野、栗山の関係

●協会長(橘遼加)(詐欺容疑で2011.5.30逮捕)
 えんとらんす系列の実質的トップと言っても差し支えない位置にいるのがTばなだ。雑誌のインタビューに顔出しで登場したり、神世界の祭典でも檀上で神書を読み上げたりと脚光を浴びる場面にはいつも登場している。
 その性格の激しさからか神世界内部では部下に対する厳しい言動が数多くあったようで、神世界を辞めた者の間には彼女に対して慰謝料請求を申し出る者もいる。式典での華やかさとは裏腹に元スタッフ等の評判はすこぶる悪い。
 橘遼加というのは組織内での名前であり、本名は淺原嘉子である。橘の夫が天野響(本名・淺原史利)という男だ。

●天野先生(天野響)(詐欺容疑で2011.5.30逮捕)
 協会長・橘遼加の夫が天野響だが、両名は名乗っている氏を変え、客に対しては両名が夫婦であることは伏せられている。しかしスタッフや先生クラスの者の間では周知の事実だった。
 天野が「天野先生」になったのは2003年の秋頃で、佐野会主からの指示で着物を着るようになり、高額の鑑定などもするようになった。
 天野響は会員に対する言動や接触も多く、天野の言動によって神世界を信ずるに至った者も多いのが現状だ。天野響は組織内の名称であり、本名は淺原史利だ。


エントランス系列のトップは淺原史利(天野響)と淺原嘉子(橘遼加)だ。

●和田K史(みどり局長)
 びびっととうきょうには「みどり局長」という意味不明な肩書きを持つ男性がいる。
 2007年12月末に神世界事件が大きく報じられた際、びびっととうきょうはE2(イースクエア)とは関係ないとするマスコミ向け文書に自らの名前を名乗っていたのがこの男だ。
 神世界という組織のスタッフは女性ばかりなのに、びびっととうきょうの「事務局長」なる人物が男性であることに違和感を感じていた客も多かったようだ。和田K史はびびっと会主和田美和の夫である。

●宮入(飯窪)参希江(組織犯罪処罰法違反[組織詐欺]容疑で2011.9.1逮捕)
 これまで紹介してきた人物は神世界内部での何らかの肩書が与えられている者を中心に紹介してきたが、この宮入(飯窪)参希江には特にこれと言った肩書は与えられていない。
 それなのに彼女を紹介するのは、神世界事件を解明する上で彼女が意外なキーパーソンになる可能性があるからだ。
 宮入(飯窪)参希江は会主Bの宮入英実の夫宮入H彰の姉である。ということはびびっとの和田とも親戚関係に当たる訳で神世界内部での人脈は太いものがある。
 宮入(飯窪)参希江の住まいは砧(きぬた)にある日原と同じ豪華マンションにあり、神世界トップとの関係も非常に深い。
 宮入H彰、宮入(飯窪)参希江の父親は宮入S郎という人物で、地元山梨では名前がよく知られた人物だ。
 神世界事件の解明には神奈川県警の捜査を待たねばならないが、ひょっとすると神世界事件解明の発端がこのルート上から得られる可能性があるかもしれない。

●I窪T
 神世界という組織を探っていくと、宮入(飯窪)参希江の夫I窪Tの名前も浮上してくる。
 事件への関与の程度はまだ不明だが、宮入(飯窪)参希江同様、I窪Tも注意しておく必要のある名前だ。
 (I窪Tは、平成21年5月13日、癌のため38才で死亡した。御霊光は役に立たず。飯窪参希江は夫のI窪Tが死亡した後、結婚前の宮入姓に戻していた)



みろく系列のトップは宮入英実だ。彼女はびびっと系列トップの和田美和と姉妹だ。

 ここまで読まれた方は、最初に書いた次の言葉に頷いていただけるのではないだろうか。



神世界とは、斉藤、日原、佐野、淺原、和田、宮入、栗山、宮入(飯窪)といった親族関係にある者が結託して作った詐欺組織である。



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