1、ひっそりと解散宣言
神世界の斉藤亨被告は、2012年3月1日の刑事法廷で神世界を解散する旨の証言をしていたが、2012年3月23日になって、「神世界が解散宣言文書を公表した」という話が伝わってきた。しかし、懇意にしているマスコミの記者等に確認してみても、新聞社等にそのような文書は届いていなかった。
インターネットでいくら検索しても、そのような情報はみつからず、その後いろいろ調べてみたところ、なんと被告側弁護人の市河真吾弁護士が、「神世界解散宣言」を掲載するだけの目的で新たなブログを作成し、そこに”ひっそりと”解散宣言が掲載されていたことが判明した(下記にそのURL)。
そのブログを覗いてみて、更に驚いたのは、そこに書かれていた文言だ。「次の内容の返金に関する問い合わせは平成24年3月までに下記までに御連絡ください。」と書かれているが、このブログは3/22に作成されたものである。誰にも気づかれない場所にこっそり文書をアップしておきながら、僅か10日間で、どれだけの被害者がこの内容に気づくというのだ?4月になったら、被害者からの返金請求には応じないという意味か?
更に腹立たしいのは、次の文言だ。
「なお、本記事の無断転載は禁じます。」と書かれている。この神世界解散宣言は、できるだけ多くの被害者に見てもらうために作成したのではないのか?そうであるならば、リンクフリー、転載可にして、できるだけ多くの人がこの内容に気づくようにすべきである。
要は、この神世界解散宣言は、「宣言を公開した」という既成事実を作り、それを裁判を有利に進めるための”手段”として使おうとしただけというのが実態であるようだ。
本当に多くの被害者に知らせたいのであれば、真っ先に私に連絡して解散宣言の内容を公開してほしいと伝えるべきだが、そうしなかった理由は、「本当は、解散宣言を知られたくなかった」というのが本音なのだろう。
斉藤亨被告ら神世界幹部の狡猾さについては、先刻承知しているが、この市河弁護士という男も、狡猾さに於いては被告に負けていないようだ。
私は滅多に怒りを露わにしない性格だが、この神世界解散宣言のブログを見て、久しぶりに怒りの感情が激高した。
私は、このように卑怯な者は絶対に許さない。私が生きている限り、徹底して彼らの動向を追跡し、神世界を完全に壊滅させるまで戦い続ける。
●市河弁護士が作った、「神世界解散宣言用ブログ」
http://blogs.yahoo.co.jp/kaisan20120322/MYBLOG/yblog.html
(ブログは既に削除されています)
神世界解散宣言
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2、ひっそりと解散公告
(有)神世界及び傘下各社は平成24年7月11日付け官報に「解散公告」を掲載した。解散公告というのは、会社法第499条に定められた手続きであり、解散公告を出した日から2カ月が過ぎると解散に伴う債権債務の支払い義務が免除されることが決められている。
神世界各社は2011年12月末から2012年3月にかけて解散登記をしており現在会社の清算中だ。清算中の神世界各社に対して被害対策弁護団は被害者からの返金請求を受付中だが、約1万人とも言われている神世界被害者の中でこれまでに返金を受けたのは約200名ほどに過ぎない。大多数の被害者はまだ被害回復されていないのだ。神世界各社が7月11日の官報に解散公告を掲載したことにより、掲載の日から2カ月を超えるとそれ以後は神世界各社への損害賠償請求は法的に認められないことになる。神世界はこれ以後の返金打切りを狙ってこうした手段に出たのであろう。
3、催告書なしの解散公告
官報に解散公告を出すのであれば併せてやらなければならないことがある。それは「知れたる債権者への催告」と呼ばれるもので、個々の債権者に対して「催告書」を送り会社を解散することを知らさねばならないのだ。
催告書によって全債権者(被害者)に会社の解散を知らせた上で公告から2カ月を過ぎると請求に応ずることができなくなるとするのが正しい解散公告のやり方だが、神世界は官報に解散公告をコッソリ出しただけで、被害者に対する催告書の送付は一切行っていない。
このような解散公告は極めて不当であり、解散公告自体に瑕疵(かし)がある。7月11日から2カ月を経た後であっても被害者が解散公告無効の訴えを起こせば勝訴できる可能性が高い。
神世界はきわめて悪質な団体であるが、帳簿だけはきちんとつけていた。一人一人の客がいつ、どれだけの金額を支払ったかを詳細に記録しており、被害者が出した損害賠償請求の内容が少し違っていると修正を求めてくることも再三あった。こうしたことからも分かるように彼らは詳細な顧客名簿を持っており、全ての顧客に対して催告書を送ることは可能だが、今回神世界は個々の客に催告書を送ることなくコッソリと「解散公告」を出し、官報掲載の日から2カ月で返金を打ち切るという卑劣な手段に出た。
神世界は解散したと言いながらも、びびっととうきょう代表の和田美和ら数人は今でも活発に活動を続けている。神世界に不当な金が残れば、それは神世界を生き返らせることにつながるだけだ。「今さら返金請求するのは後出しジャンケンのようで・・・」と気後れしている人も、今大切なことは1円でも多くの被害金を神世界から取り戻し、神世界に金を残さないことが被害者に求められている最大の捜査協力であるとの認識に立ち、まだ返金請求をしていない人は勇気を出して被害対策弁護団に相談していただきたい。
7月11日から2カ月を経た後でも、解散公告無効の訴えを起こしたり、経営者個人への請求は法的には可能であるが、現実問題としてはかなりハードルの高い作業になるので、まだ返金請求を行っていない被害者は早急に被害対策弁護団に連絡してほしい。
神世界被害対策弁護団 -> リンク総合法律事務所 03-3515-6681
4、控訴審への影響
神世界がこれまでに行ってきたことはその全てが卑劣極まりないものであったが、それが神世界という団体の性格なのであろう。私はいくつかのカルト団体や霊感商法を働いた団体に関する知識を持っているが、神世界ほど卑劣な団体は希である。
斉藤亨被告は解散宣言や公判廷に於いて、「会社の解散清算の一環として、できる限りの返金にも応じたいと考えている」と述べたが、その後の言動を見ていると斉藤被告の言葉が虚偽であったことは明白である。斉藤亨は第一審の判決を不服として控訴したが、控訴審を前にして、催告書による通告なしにコッソリ解散公告を行い被害者への返金を打ち切ることは控訴審に於いて斉藤被告自身の首を絞めることになるだろう。