最近の神世界(2011.8.1)【2】

びびっと大崩壊
2011年5月頃に完成した観音会本殿
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 2009年3月20日頃、びびっととうきょうで会主・W田M和とスタッフ一同が参加したミーティングがあった。ミーティングが終了したところで、「先生」の肩書きを持つK林R佳が突然立ち上がり、「会主様、今までお世話になりました。本日をもって退職させて頂きます」と言葉少なに「決別の挨拶」をしてその場を立ち去った。それが合図であったかのようにして、「びびっとNO.2」と言われていたK山Y子や、その他の先生クラスの者、スタッフ達が次々とW田会主に決別の挨拶をして、その場から立ち去って行った。W田会主と取り残された数名のスタッフは、一体何が起きたのか状況がすぐには飲み込めず、暫くの間、凍り付いたような無言状態が続いた。しばらくしてから、W田会主は、「一体どうしたんでしょうか…?」と独り言のようにつぶやいた。
 先生やスタッフの造反はこの日以降も続いており、全国に散在するサロンでは、次々と先生やスタッフ、会員がびびっとを去っている。びびっとを止めた彼女等の新たな行き先は”観音会”だ。
 K山Y子やK林R佳、そして多くの幹部クラスの者が、なぜW田会主にこのような”劇的”な決別をするに至ったのか? その真相は、まだ全てが明らかにされている訳ではないが、色々と聞こえてくる”風の便り”を集約すると次のようなことが見えてくる。
 びびっとの先生やスタッフたちは、W田会主の日常的な振る舞いや言動に対して不満が溜まっていた。W田会主は自分が気に入らないことがあると極端に激高してスタッフらを叱責することがよくあった。またかなり以前から、びびっと関係者の間では、「W田会主には、もう神霊能力はない。奇跡も起きにくくなっている」と囁かれていた。びびっと内部では、長年にわたってW田会主への不満がくすぶっていたが、不満分子が勝手な行動を起こさないようにするため、W田会主は、「あなたたちは御霊光を受けることができなくなれば死ぬ」、「びびっとを去ると子供が死ぬ」などと脅してびびっとに縛り付けていた。しかし、数年前にびびっとから観音会に移籍していた者が数名あり、それらの者から「観音会でも御霊光を受けることができる。観音会ではびびっとのような締め付けもない。観音会ではもっと自由に御神業をお手伝いできる」という話が密かにびびっとの先生やスタッフの間に浸透していた。
 それまでびびっとでは、「御霊光は、びびっと関連会社三社のうち、どこかに属していなければいただけない」と言われていたが、実は観音会でも御霊光を受けることができ、観音会にはびびっとのような締め付けやノルマもなく、観音会では関係者が逮捕されるような極端なこともこれまではしていない、ということが分かってくると、皆の心が観音会に向くのは自然の流れだった。

 ”びびっと大崩壊”に至る経過の中では、数年前にびびっとから観音会に移籍したある女性の活躍があったようだが、”びびっと大崩壊”の陰の立役者は、やはり観音会代表・S藤H保であろう。観音会代表・S藤H保は神世界教祖・斉藤亨の実父であるが、息子である神世界教祖・斉藤亨のやり方には否定的であった。観音会代表・S藤H保は、日頃からW田夫妻とは仲が悪く、W田会主によってねじ曲げられた教えを正したいと言っていた。暴走する神世界にブレーキをかけたいが、かといって組織がバラバラになるのも防がねばならない。びびっとが崩壊し、びびっとの先生連中が野放しになると、第二、第三のびびっとが誕生する危険性もあるので、自分の目が届くところにびびっと関係者を留めておく”受け皿”として観音会を再構築するとともに、密かに各サロン関係者に、「観音会に来れば御霊光を受けることができる」と伝え、関係者の引き抜きを図った。観音会代表・S藤H保は、「観音会本殿」を作ったり、観音会の後継者を着々と養成するなど、用意周到に作戦を練っていた。
 観音会は、新たに「会報」を発行しており、それについては「観音会を宗教法人に」の項に加筆した。

 造反劇があった後、W田会主は造反した先生らに電話をかけたり、実際に面会したりして連れ戻しを図ったが、応じた者はいなかったようである。造反劇に乗らず、びびっとに残された僅かなスタッフはというと、落ち込むどころか逆に、「次は私たちの出番!」と伸び伸びと振る舞っているそうだ。
 こうした造反劇があった数週間後、W田会主は講話の中で、今までの自分のやり方を反省しているようなことを述べた。こうしたことがあった後は、玉串の金額などは”無理のないように”と自由になり、W田会主の会員に接する態度は、それまでに比べて随分フレンドリーになった。
 このような動きが出たもう一つの背景は、びびっとのやり方があまりにも問題点が多く、このままでは会主だけでなく、先生やスタッフも大量に逮捕される恐れがあると考え、観音会へ移籍する動きが加速したのではないかとする見方もある。神世界関係者が実際に逮捕されるなど、警察の動きが活発化してからは、自分も逮捕されるのではないかと怯えていた者もいる。もし警察の取り調べを受けるようなことになった時には、「自分は神様を信じている。ここの神様は本当の神様だ。御霊光は素晴らしい。私は本当に御霊光を信じている、と言えば騙したことにならない。そう言い張れば、裁判を起こされても負けないし、逮捕もされない」と言っていた者もいる。
 すでに観音会に属している者の話では、観音会と神世界とは2011年1月からは経営を異にしているので、神世界関係者が逮捕されても、それによって観音会が何らかの打撃を受けることはないだろうと言われている。しかし神世界関係者の逮捕は、現在どこの組織に属しているかは関係なく、告訴状に記載された件で捜査が進められているので、今になって慌てて神世界を離れ、観音会に移籍してみたところで逮捕を免れるものでは全くない。

 上記のように、先生やスタッフが大挙して造反し、観音会に移籍した直後には、びびっとに残った会員に対し、「これこれの者達はびびっとを辞めたので今後連絡を取らないように」、「あの者たちは悪魔に繋がってしまった。皆さんはそのようなことに動揺せず、しっかり神様に繋がるように」と言われていた。ところが、その2、3カ月後には言うことが変わり、「辞めた先生達は、形は違うが同じ神様に繋がっています。びびっと神世界教会とその会員は、神様の手足となるように神様を支え、観音会は神様を蓮の葉っぱのように下から支えるような働きで神様を支える…」という説明になり、一転して観音会を認める内容に変わった。この間にびびっとと観音会の間でどのようなやり取りがあったのか、教祖・斉藤亨が何らかの取りなしをしたのかは不明だ。
 一般の会員にはこうした激変があったことは一切知らされていない。以前からもそうであったし、現在でも、びびっとの中では他の系列の名前を出したり、他の系列の事を尋ねたりはできないという”不文律”があるので、こうしてめまぐるしく変わる対応の真相についても会員は何も聞くことができず、疑問に思うことがあってもそれを口に出すことはできない禁句状態が続いている。
 こうした禁句状態は神世界関係者が逮捕された件についても同様で、2011年3月と5月に神世界関係者が逮捕されたことはニュースで知っているが、神世界にとってよくないことを堂々と口に出して質問できるような雰囲気ではなく、会員はみなW田会主からの説明を一方的に聞くだけで、誰一人として逮捕の件などについて質問しようとはしない。御霊光を信じさせられている者にとっては、「神様一番、神様の事は何より第一に」であり、他の関係者が逮捕されても、所詮それは”他人事”でしかないようだ。長年、びびっとに通っている者でも、ここで明らかにしたような造反劇については全く何も知らない者が大半だ。


会主の言葉
びびっととうきょう会主
W田M和(神世界新聞より)
 (有)びびっととうきょう会主・W田M和は、2011年6月に某所で行われた祭典では3時間近くにわたって講話を行い、「3月の報道から続けて、先月(5月)も報道があった事については、どうやらこの期間、神様がお出ましになってないのではないか。一連の出来事は、神様のご意思の中での出来事ではない。別の意味がある。皆さんも事件を他人事ととらえず、今こそしっかりやっていくべきときだ。私も以前は他人事ととらえていた部分もあったが、神世界会主様(佐野孝)の逮捕をうけ、他人事ではないと思うようになった。皆さんも警察や検察が言ってることは嘘だと、しっかり広めていってください」といった趣旨の発言をした。しかし、えんとらんす幹部4名が逮捕された件について、それ以上詳しい話はなく、出席していた他の者も神世界関係者が逮捕されたことなどどこ吹く風といった感じで、いつもと変わらぬ様子だった。
 最近の講話でW田M和は、「とにかく人に神様の話をして広めていく。神様にしかできない奇跡を周りに伝えていく。私達にできる神様へのお返しはそれだけです。神様は目に見えないから警察は宗教を潰そうとしている。逮捕された人達も一生懸命戦ってます」などとも言っており、「自分が神様に救っていただけるようにするには、今できる事として御霊光を人に伝えていくことだ。特に身内をつなげて子々孫々と完全健全体を目指していく」という趣旨の発言をしていた。以前のように派手な勧誘活動は御法度とされているが、身内や信頼できる友人を対象にした勧誘は積極的に行うよう会員を鼓舞している。

 2011年5月上旬に深沢で行われた祭典では、W田M和は次のように述べた。
 「厚生労働省元局長・村木厚子さんが東京地検特捜部に逮捕され、嫌疑が晴れるまでの間、1年間ほど疑われたが、結果的に無実が証明された。現在逮捕・起訴されている神世界関係者も、裁判の結果、村木さんのように、必ず無実が証明されるだろう」。
 村木さんの事件は検察がでっち上げた事件だが、神世界事件はたくさんの被害者がおり、被害届や告訴状に基づいて捜査が進んでいる事件だ。根本的に事件の性質が違うものを同列に並べて論ずる辺りが、”さすがぶっ飛んでいる会主様”である。W田M和は逮捕された神世界関係者が無罪になるだろうと強がりを言っているが、日本の刑事裁判の有罪率は99%であることは知っているのだろうか。更には、もうすぐ自分も逮捕される可能性があることを、どれだけ理解しているのだろうか?
 自分が逮捕される可能性が高いことを知ってか知らずか、2011年6月18日の観音祭でW田M和は、「私も皆さんと同じ人間であり、神様ではない。『会主様』ともあまり呼ばれたくない。今は皆さんと同じで、必死に地方や世の中に神様の話を伝えようと歩き回ってます」と言っていた。今さら会主であることを隠しても、どうにもならないのに・・・。
 「W田M和には神霊能力がない」と囁かれていることに対する反動からか、最近になってW田に関する奇跡話もびびっと内では伝えられている。「先日、道端にうづくまっている子供と、それをかばう母親がいたので、W田会主が一言、『大丈夫か』というように声をかけたところ、W田に声をかけられた子供はすぐに元気になった。それに合わせるかのように、それまでの悪天候がピタッと止み、日が射してきた。神様を広めたいと常に思っているだけで、神様が降りてくるんです。これは会主様だったからということではないんです。皆さんも…」といった話がまことしやかに流されている。
 今でもW田M和は、「薬は病状によっては必要です。でも手術をしたり、注射によって薬を直接体内へ入れると、薬毒は決して自力で体外へ出せないから、将来病気で苦しんだり、子孫に薬毒が受け継がれ、永遠に完全健全体の先祖に近づけない。人間は弱いものであり、完全に健全ではない。ご霊光がいただけなくなったら必ず病気になる」といった発言を繰り返している。会員の中には、乳幼児を抱えた母親もいるが、皆こうした”教え”を信じ込まされているため、自分の子供に予防接種を受けさせない母親が大半だ。健康診断すら受けていない者が多い。もちろん薬も極力服用しない。集団感染予防のために小学校入学前に受けるように勧められている麻疹(はしか)や風疹の予防接種すら受けさせていない。こうした予防接種は強制ではなく、我が子に受けるか否かは親の判断で選択できることになっているが、神世界に嵌った親を持つ子供達の将来が案ぜられる。会員の中には、学校から予防注射を勧められたが、神様の御霊光を受けているので必要ないと言って断り、自分の子供に予防注射をさせなかったことを自慢げに他の会員に盛んに話していた者もいた。
 会員らが、やむを得ずレントゲン受けた場合は、”放射能を体外へ排出させる”為に御霊光を受けている。御霊光で内部被爆した放射能を排出できるのであれば、神世界教祖や二代目教主、まだ逮捕されていない会主連中は、いますぐに福島第一原子力発電所に乗り込んで”活躍”してもらおう。御霊光の力で放射能の除洗ができるのであれば、今が絶好の活躍のチャンスだ。それが功を奏すれば、神世界教祖らは一躍日本のヒーローになり、万寿台に立つ金日成の銅像より大きな教祖の銅像を福島に建ててもらえるかもしれない(笑)。


新宿のギャラリー
 神世界では、2010年10月から新たなイベントが開かれている。それは東京新宿で行われている、「ギャラリー」だ。ギャラリーとは何かというと、教主が書いたとされる「書」の展示会のようなものだ。ギャラリーの場所は公開されておらず、ギャラリーに行く者は、新宿からスタッフがタクシーを使って密かに連れて行かれる。会場は一階建ての建物で、かなりの広さがあった。ギャラリー内は、正面に畳のステージがあり、手前には椅子がステージを向き15席ほどあった。そこでご霊光をいただくようだ。部屋の造りは和風で、部屋の左右には5個、ステージ上には2個の額が掛けられており、額の中には「お文字」が飾られている。文字の内容は、神世界新聞の題字になっている「神世界」の文字や「創造者」、「清天地」、「神」、「金龍」、「大勝?」などの文字が飾られており、監視するスタッフが一人いたようだ。この場所が元々サロンだったか、この展示のためにレンタルしたのかはよく分からなかった。「神」は、神世界新聞第6号から登場したもの、「創造者」は、神世界新聞第12号裏面に掲載されているものと同じだ。大きなものは1.5メートルほどもあり、いずれも豪華な額に入れられていた。正面のステージ上には、神世界新聞の「神」の額があり、その神の文字に向かって一礼三拍手するように言われた。その前には玉串を置く場所があった。
 会場ではこれらの書を鑑賞?しながら抹茶サービスを受けることもできる。会場には、みろく、びびっと、えんとらんす等、神世界各系列の客やスタッフが訪れていたが、報告者が行った際には観音会の者の姿は見かけなかった。このギャラリー開設は口頭でのみ伝えられ、開設を知らせるチラシ等は一切なく、会員の中でもライセンス取得者で、なおかつしっかり神につながってる者にしか知らされていない。もちろん写真撮影も禁止されていた。
 ギャラリーでのこうした展示の他、2011年3月からは、新しい祝詞として1月に発表された「救世天臨経」を皆で書いて覚えようという活動や、新たに制定された「神」のお守りを拝受して御霊光を浴びようとする動きが活発化している。


(写真はイメージです)


祭典など
 各サロンでは今なお下記のような祭典が行われているようだが、参加者数は大幅に減少している。
●毎月6日 「びびっと祭」(深沢)
●毎月18日 「観音祭」(玉川本部)
●3月3日・9月3日 「大祭」(玉川本部)
●春分の日・秋分の日「幽魂特別救済祈願」 (各サロン)
 他に、「ことのはのしおり」、「ご霊光を頂く会」、「お話をきく会」などが行われている。「ことのはのしおり」とは、会主講話を聞いたり、スタッフから最近の奇跡話を聞く会のことだ。

三方に載せられた玉串
(写真ではまだ少ししか載せられていない)
 現在は、祭典等への参加費は原則自由とされているが、大祭参加費と祈願はセットになっており、代金は1万円からとなっているようだ。観音祭は参加費自由とされ、その後の講話は5千円からとなっている。講話聴講への参加は自由となっている。
 ”参加費自由”とされている場合であっても、最低3千円以上という”相場”があり、玉川本殿での祭典では、5千円、1万、2万、3万、5万円といった単位で参加費が支払われている。人によっては、更に”御礼”を別封筒で出している者もいる。
 毎回、行事や大祭、祈願日には、三方の上に玉串が三列で山積みにされており、それぞれの山の高さは20センチ以上になっている。中に入っている玉串の総額は・・・。玉串は玉川神殿に積み上げられたものだけでなく、全国拠点でも同様の祭典が行われており、家族の分なども出されているので、祭典時に得られる玉串の総額は相当の額に上る。国税局は是非この日に査察を行ってほしいものだ。大祭に参加したくても、玉川本殿まで行くことができない者は、各拠点でも、「中継」で同時刻に祭典が開催されているので、そこに参加している者もいる。
 会員とは言っても、いろいろとランクがあり、拠点だけに来ることができる者、本殿や他の拠点にも行ける者、拠点に来ることはできないが新聞の「神」の文字から自宅などで御霊光を時間を決めて勝手に受けている(と思い込んでいる)者など多様だ。どのような形であれ、御霊光を受けている者は、一回につき最低でも千円以上の代金を支払っている。拠点に行くことができない者は、自分の紹介者へ代金を渡し、紹介者が代金を取りまとめて拠点に納める仕組みになっている。こうした金の支払いに対して領収書が発行されることは現在でも皆無である。領収書すら発行しない組織であるから当然ではあるが、特定商取引法に基づく、「概要書面」の発行も一切行われていない。参考:特定商取引法違反


イスラム世界に御霊光?
 「マハマド君事件」と言っても、ご存じない方が大半だろう。詳細はこちらにあるが、事件の概要は、日本のあるカルト団体が、目の治療のためにイラクから日本にやって来た少年(モハマド君)に、”浄霊”という、その団体が信ずる宗教技法を講じて目のケガを回復させたというものだ。モハマド君はイラクで戦闘に巻き込まれて目を負傷し、その治療のために来日していた。当時はイラク戦争のまっただ中で、世界中がイラク戦争の行方に感心を寄せていた時期である。
 イラクは一神教であるイスラムの教えが徹底している国であり、イスラム教の国から来た人に、他の宗教や他の神に基づく浄霊という宗教行為を行うことは、「死」をも覚悟せねばならない行為だ。不審に思った私が各方面に手を尽くして調査した結果、この話は全くのウソであったことが判明した。その後、カルト団体もこの話がウソであったことを認めた。


アラビア文字での「アラー」
(「アラー」=イスラム教の神)

神世界の草書体の「神」
どこが似ているの?
 今回、神世界の内部で伝えられている「奇跡話」もこれに匹敵する話だ。その奇跡話とは次のようなものである。
 イスラム圏のある国のイスラム教の指導者の立場にある人が御霊光をいただいている。その人は、現在東京都内に住んでおり、彼と彼の親はイスラム教の指導者だ。彼の子供は脳腫瘍を患っているが、その子供が御霊光を受けた。御霊光を受けた後、完治には至らないものの、病状は安定している。彼らは、イスラムの「神」を表す文字と、神世界の草書で書かれた「神」の文字が似ているといって喜んでいた。

 おいおい、本当か?イスラム教の人がムハンマド以外の神を受け入れることは、即「死」を意味することだ。この話は、下手をすると国際問題に発展しかねない話である。モハマド君事件もそうだったが、今回の”奇跡話”は、イスラム教についても、アラビア文字についても全く知識がない者が創作した”与太話”としか思えない。
 まず、”神の文字が似ている”という点を検証してみた。右の写真を見ていただくと一目瞭然だが、アラビア語で神を表す「アラー」の文字と、神世界の草書体で書かれた「神」を並べてみたが、少しでも似ている点があるだろうか?
 イスラム教は偶像崇拝を絶対に認めない宗教だ。目には見えず、形にできないものである神を何らかの形にして崇拝することは神への冒涜以外の何者でもない、とするのがイスラムの考え方だ。人型(ひとがた)をした像だけが排斥されるのではなく、神を表すものとして「神」などの書を崇めることもイスラム世界では御法度だ。数年前に横浜ゴムが作った自動車用タイヤのパターン(溝)が、アラビア語の「神」と読めるとしてイスラム圏の国で問題視された、“サウジの受難”という出来事があった。これに象徴されるように、イスラム圏の人には、「神」(アラー)の文字を提示するだけでも問題になるのだ。そのような人々に対して、ムハンマドとは全く関係のない神世界の神が発する御霊光を浴びせたり、「神」の文字を提示することが可能だろうか。
 ウソをつくにしても、もう少し上手につかないとすぐにバレてしまい、恥をかくだけだ。

 同種の、”国際的与太話”は最近よく創作されている。神世界は世界に羽ばたく宗教だということをアピールしたいようだが、下調べをちゃんとしてから話を作らないとすぐにバレることになる。わざわざ紹介するほどのものではないが、現在の神世界ではこのようなことがまことしやかに語られているという見本として二例ほど紹介する。


kamisama!goreikou!!
(そんなかけ声では負けるぞー!)
●東欧のサッカーチーム全員が御霊光を頂いている。
東欧から来て山梨のチームに入っていた選手が、御霊光を頂いて調子が良くなったので、自国に戻って、監督に就任したチームで全員で御霊光を頂いたら、成績が上がった。
●ブラジル人か、中国人か、韓国人が、日本にサッカー監督か関係者で来た時に、具合が悪くなった。彼に会った神世界の会員が神世界の神様の話をしたら、たちまち元気になり、「僕の国にも神様はいるが、こんな神様はいない」と驚かれた。彼は神世界新聞をもらって帰国し、新聞に掲載されている「神」の文字を大量にコピーして沢山配ったところ、皆興味を持った。彼から「神の文字を送ってほしい」と言われたので、日本から送ったところ、「こんなにありがたいものをいただき、大変ありがたい」と感謝された。今では、その彼のサッカーチームが円陣を組むときの掛け声は「神様!ご霊光」だそうだ。

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