神世界とその関連ヒーリングサロンでは、”ライセンス”と呼ばれる御守りのようなものが常識外れの高額で客に売られている。ライセンスの名前は販売時期や神世界内部の系列によって多少変化している場合もあり、”許可証”、”お力様、お守り様”などという呼び方をしている場合もあるが、ここでは”ライセンス”として説明する。
このライセンスは彼らの説明によれば、神様からの力を取り次ぐことができる極めて大切なものであるとされており、その取扱方法などについて厳しい制約がつけられている。
万一、ライセンスを床に落とした場合、「お浄め」をしないとお取次ぎが出来ないために「お詫び」という名の献金をしなければならないこととされている。
このライセンスを持つ者は神様からの力を取り次ぎ、他者に対してヒーリングを行うこともできるとされている。
カルト宗教の手口に詳しい方はお気づきと思うが、これは宗教法人・神慈秀明会に於ける騙しのテクニックと非常に類似した点が多い。
神慈秀明会には、「おひかり」と呼ばれるものがあるが、神世界のライセンスは外観や取り扱いに関する注意事項などから見て、おひかりの模倣と思われる。
年代的にいって神慈秀明会の方がはるかに歴史が古く、神世界は比較的新しい団体である。
神世界のトップの教主と呼ばれるS藤Tは若いときに世界救世教の信者であったことが知られており、神慈秀明会は世界救世教の分派であることからも考えても神世界のライセンスが神慈秀明会のおひかりを模倣したものと見て間違いないだろう。
下表をよく見て頂きたい。それぞれの価格を示してあるが、決して桁を間違えているわけではない。ただの半紙に墨で字や絵を描いただけのものが1枚数十万円、大神力に至っては100万円以上の値で売られている。
神世界のことをよく理解されていない人はきっとこう思うだろう。「どうしてこんなものをそんな馬鹿げた高値で購入するのか?」と。
その理由を解明し理解することが神世界事件の真相を探るキーになる。
ライセンスの種類 | ||
神慈秀明会のおひかり(参考) | 30,000円 | |
---|---|---|
初級ライセンス(330×440mm) | 105,000円 | |
(旧)初級ライセンス(玉持ち観音) | 105,000円 | |
中級ライセンス(聖観音) | 210,000円 | |
上級ライセンス(五秘観音) | 525,000円 | |
神力 | 525,000円 | |
大神力(520×990mm) | 1,050,000円 |
観音像のライセンスは岡田茂吉の100%盗作です。 クリックすると、「盗作」という詳しい解説がご覧頂けます。 |
上記の各種ライセンス中、観音像を模したものが数点あるが、これらは全て世界救世教教祖・岡田茂吉が描いた観音像を(有)神世界教主・S藤Tが、「自分が描いたありがたい書だ」と偽って客に売りつけていたものだ。つまり宗教的にも全く意味のないコピー品を数十万円で売りつけていた訳で、この点だけを見ても立派な詐欺だ。
この件についての詳しい検証をした内容が当サイトの、「盗作」というページにあるので参照して頂きたい。
初級ライセンス「力」は、A3サイズ強(約33×44cm)の紙に、「力」の一文字が書かれ、右隅に作者名を示す、「主」のサインと拇印が押されている。この大きさ、スタイルは神慈秀明会の教祖である岡田茂吉が生存中に作成していた「おひかり」に近い状態だ。ただし、現在神慈秀明会で作っている「おひかり」は、ハガキ程度の小さなものに変わっており、「光」の文字をコピーして作られている。
神世界の「ライセンス」発行時に添えられていた注意書の内容は、非常に興味深い。
「絹か綿の袋に入れる」、「袋を頻繁に取り替える」、「入浴時などの注意」、「落とした時にはお浄めをする」など、そのほとんどが神慈秀明会に於ける「おひかり」に対する注意と共通している。
岡田茂吉系の新興宗教は神慈秀明会以外にもたくさんあるが、「おひかり」に対する取り扱いは、神慈秀明会だけが上記のような独自のカルト的取り決めを多数設定している。神慈秀明会の手法を熟知した者が、「ライセンス」の取り扱い注意書を作成した可能性が高い。
色々な書体の初級ライセンス「力」 | ライセンスの取扱注意書 |
書道家が、力(ちから)ライセンスを鑑定してみたら・・・(笑) クリックすると書道家が見た「力」等の解説をご覧頂けます。 |
神世界とは関係のない者が見れば紙に字や絵が描いてあるだけにしか見えないライセンスだが神世界の御霊光を信じている者にすれば、この紙切れはまことに、”霊験あらたか”なものであるらしい。
では、それを切り刻んだり、踏みつけたりしたらどんなことになるのだろう?