7、佐野孝、淺原史利、淺原嘉子 第7回公判
斉藤亨 第4回公判
(上記3被告と教祖・斉藤亨の公判は併合審議になっている)
1 日時:平成24年3月1日(木) |
当日の第405号法廷 (クリックで拡大) |
昼休憩 | 地裁近くにあるLunchan Avenueのアップルパイ ア・ラ・モード |
●午後の部(13:30より)
●市河弁護人による被告人質問(午前からの続き)
市河弁護人:午前中に続き神霊鑑定について尋る
市河弁護人:午前中の審議で、W田M和やK藤K子という神霊鑑定士が登場したことを確認したが、その後、淺原史利、淺原嘉子という2名が神霊鑑定士になっているね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:この2人は、佐野被告が神霊能力があると認めたということか?
斉藤被告:はいそうです
市河弁護人:その後に佐野被告はアメリカに行くということで、彼が神霊鑑定ができなくなるということで、平成14年頃から、神霊能力開発講座を淺原夫妻が行うようになった
市河弁護人:あなたは淺原に対して、神霊能力開発講座を行うように佐野被告に指示をしたのか?
斉藤被告:そういう指示をした記憶はない
市河弁護人:では、神霊能力開発講座は、どのような経緯で行われるようになったのか?
斉藤被告:・・・・・・・(長い沈黙)・・・・・・
斉藤被告:よくわからないが・・・、当時は私が言ったことが神様が言った言葉と同じように受けとめられる状態だったので、私が何げなくいろいろ思いつきで話をしたり、冗談で言ったことでも、周囲がとても真剣に受けとめ、それを実現しようとする状態だった。私は、「神霊能力開発講座をするように」とは言っていないが、「神霊能力ができる人がもう少し増えるといいねー」と、何気なく言うような会話はしたようには思う
市河弁護人:神霊能力開発講座にあなたは参加したのか?
斉藤被告:していません
市河弁護人:神霊能力開発講座をどのような人に受けてもらいたいか、あなたは指示をしたのか?
斉藤被告:特にそういうことはない
市河弁護人:神霊能力開発講座の内容について尋ねる
市河弁護人:神霊能力開発講座内容については佐野被告や淺原史利被告から聞いているか?
斉藤被告:いいえ、聞いていません
市河弁護人:聞いていない?
斉藤被告:はい
市河弁護人:では具体的に神霊能力開発講座でどのようなことが行われていたか、あなたは知らないということか?
斉藤被告:知りませんでした
市河弁護人:神霊能力開発講座を受けた人は沢山いる。その中には今回被告人になった杉本明枝もいる。この神霊能力開発講座は途中で終わっているが、なぜ途中で終わることになったのか?
斉藤被告:神霊能力開発講座がですか?
市河弁護人:はい
斉藤被告:それはよくわかりません
市河弁護人:よくわからない?
斉藤被告:はい
市河弁護人:神霊能力開発講座でいくら位のお玉ぐしを上げるように言いなさいとスタッフなどに指示をしたことはないか?
斉藤被告:ありません
市河弁護人:それでは、神霊能力開発講座を受けた人達が、神霊能力が身についたついたかどうか、あなたは確信していたのか?それとも神霊能力が身についたかどうかは分からなかったということか?
斉藤被告:佐野さんが主宰してやるのだから、神霊能力は間違いなく身につくだろうと思っていた
市河弁護人:つまり、神霊能力がある佐野被告がやるのだから、その講座を受けた人達には神霊能力の力があるだろうと思ったということか?
斉藤被告:そうです
市河弁護人:あなたは神霊能力、神霊鑑定について、これを推し進めていきたいと述べていたようだが、その理由は何か?
斉藤被告:それは神様の目的である、救いというものを世の中に広めていくためには、これ(神霊鑑定)は、非常に大きな力があると思ったからだ
市河弁護人:神霊鑑定で、お金が沢山集まるからではないのか?
斉藤被告:そういう面もあると思います
市河弁護人:午前中の質問に対して、佐野被告の神霊鑑定でお金が沢山集まったといったね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:神霊鑑定では、お金が沢山集まってくる。だから、これを前面に押し出そうしたのではないか?
斉藤被告:それは、一面、そういうことも考えたが、私の考えとしてはやはり、一番中心にある目的というのは、世の中に神様の救いを広めることだ。これが根本的なもので、それを実現する手段として、神霊能力を使えばいいのではないかと思った
市河弁護人:神書について尋ねる
市河弁護人:この神書は、あなたが書いたものか?
斉藤被告:はい、私が書いたものです
市河弁護人:その神書の中に、「御神業は奇跡・人・お金」という項目がある、そこで奇跡とお金について述べている箇所がある
市河弁護人:そこには、「御神業の要素としては奇跡と人とお金がある。奇跡がなければ御神業も存在しない。人が集まらなければ、具体的な活動はできない。具体的な活動するには、資金が要るのでお金が必要だ」などと書かれているが、先程あなたがいった救いというのは奇跡と同じことか?
斉藤被告:そうですね。
市河弁護人:そうすると、根本的な目的は、救いを人々に与えるということか?
斉藤被告:そうですね。
市河弁護人:でもあなたはいろいろな証言や資料から見ると、この事件当時、平成16年から17年当時、「売り上げを上げろ」という売り上げ重視の発言をしていますね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:こうした売り上げ重視の発言は、あなたが先ほど言った救いの話と矛盾はしないのか?
斉藤被告:確かに、言われてみるとそうだと思う
市河弁護人:あなたはグループ傘下各社に売り上げを競わせて、「もっと売り上げをもっと上げなければダメだ」と指導していなかったか?
斉藤被告:していました。
市河弁護人:更に、全国展開をしていく中で、「売り上げの上がらない会社は吸収していく」と言っていないか?
斉藤被告:いった
市河弁護人:そういった発言をするということは、売り上げを上げるよう、会員や経営者を競争をさせているように見えるが、そういう趣旨だったのか?
斉藤被告:そういう一面もありました。
市河弁護人:今回の事件、杉本被告の事件や佐野被告の事件で、詐欺的な言動つまり、具体的にいうならば子宮筋腫の病気の原因を特定し、それを奇跡で治癒すると、本来、そのような力がないにもかかわらず、そうした言動によって、御祈願をすれば治るとか、お玉ぐしをお上げすれば治るとかといった言動によって詐欺を働いたと皆さん方は認識しているようだが、あなた自身も詐欺を行ったと考えているか?
斉藤被告:思います。
市河弁護人:そのことと、あなたが今回、売り上げを上げなければいけないと言っていたこととは、何か関係があるか?
斉藤被告:大変大きな関係があると思います。
市河弁護人:つまり神霊鑑定を前面に押し出し、それによって御祈願等を行わせ、大きな金額の御玉串を上げさせるという意味が含まれていたということか?
斉藤被告:(しばらく沈黙)
斉藤被告:すみません。もう一度お願いします。
市河弁護人:つまり、あなたが売り上げを上げなさいといっていた発言には、具体的には神霊鑑定を前面に出して、神霊鑑定によって御祈願等をさせ、お玉ぐし等をあげさせて売り上げを上げなさいという意味が含まれていたということか?
斉藤被告:はい。そういう一面もありました。
市河弁護人:あなたは神世界の教祖として、以前、杉本被告が民事の裁判で高額な金を請求されて、和解した話は聞いていたね?
斉藤被告:はい聞いていました。
市河弁護人:その話を聞いて、神霊鑑定はまずいんではないか、あるいは、大きな金額の玉ぐしはまずいのではないか、危険ではないかと考えなかったのか?
斉藤被告:考えました。
市河弁護人:え?
斉藤被告:考えました。
市河弁護人:では何か対策を取ったのか?
斉藤被告:(しばらく沈黙)対策というものは、・・・杉本に対して経営者を一時止めさせ、神世界グループの大きな会社に入れて、他の経営者の監督下に置いた。そして正しい指導をして間違いを冒さないようにということを、一応やるにはやったが、それが原因で神霊鑑定をやめさせようというところまでは、私はやらなかった。
市河弁護人:先日の裁判で、佐野被告の説明では、杉本の民事の事件が起きたことで、神様に神霊のお伺いを立てて、神霊鑑定はもうやめたほうが良い、お金は返金すべきだと、あなたに伝えたと言っているが、それは事実か?
斉藤被告:事実です。
市河弁護人:あなたそれを受けて、神霊鑑定をやめたり、すぐにお金を返したりしなかったのか?
斉藤被告:佐野が、平成17年頃から、しきりに返金のことを言ったり、神霊鑑定は止めたほうが良いと私に言っていたが、私としては、それを止めてしまうと、今までやってきたことが、何もかも否定されてしまうような気持ちになりました。そして、その時点で既に、それをやめることができないほど大きな柱、大きな力に、神霊鑑定がなっていたのでいきなり止める、売り上げが激減してしまうだろうという恐れを感じ、佐野さんがいうような形にはならなかった。
市河弁護人:佐野被告の言葉は、神霊の言葉だったのではないか?あなたは教祖をやっていたから、当然そうした神様の言葉には従うべきだったのではないか?神様の言葉は、最優先すべきだったのではないか?
斉藤被告:今思えばそう思います。
市河弁護人:結局それをしなかった、思い留まった、返金をしなかったというのは、あなたの考えか?
斉藤被告:私の考えです。
市河弁護人:平成17年から18年にかけてこの事件があり、その後、平成19年に刑事事件の強制捜査があり神世界の関連企業に警察の捜査が入ったね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:そうしたことがあった後、あなたは被害者に返金しようとは考えなかったのか?
斉藤被告:思いましたが、・・・、その時の顧問弁護士の先生の話を聞いたところ、返金をすることは、何もかも、すべて犯罪を認めることになる。同時に、今までやってきたことを、すべて否定することになるということを度々言われ、返金という気持ちもあったが、なかなか返金には、踏み切れなかった。
市河弁護人:佐野被告は警察の家宅捜索が入った後、返金をした方が良いと神様が言っていると言わなかったか?
斉藤被告:佐野さんはその当時からも、つい最近までも一貫してそのように言っていた。
市河弁護人:あなたはそうして警察の捜査が入り、佐野被告の助言も聞いていたにも係わらず、それでもやはり弁護士の言葉の方を聞いて、返金をしなかったということか?
斉藤被告:はいそうです。
市河弁護人:その際、あなたは、神様の言葉よりも弁護士の言葉を信じたということか?
斉藤被告:・・・そうです。
市河弁護人:その後、現実に関係者が逮捕され、起訴され、あなたにも逮捕状が出たね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:逮捕状が出て、当然あなたもそれを知っていたと思うが、現実には、かなり経ってからあなたは逮捕されることになるのだが、あれは逃げようとしたのではないのか?
斉藤被告:いずれ出頭するするつもりでいたが、あの事件で、私があのマンション(砧のグランドハイツ)から出て行くところを、報道されていることは、あのマンションのオーナー住人に大変申し訳ないということが一番にあり、とりあえずマンションを出て、あとは様子を見て出頭しようと思った
⇒マンションのオーナーや住人にそれだけ気を遣う余裕があるのなら、神世界被害者にはその何百倍も気を遣え!
斉藤被告:最初のうちはそう思ったが、だんだん時間が経つうちに迷いが出てきた。出てみて(逃げてみて)分かったことだが、(逃亡を続けることは)想像を絶するほど精神的に辛いことで、すぐに出頭することは、なかなかできなかった。また、弁護士の先生とは私が逮捕される前から会って、いろいろと話を聞いていたが、弁護士の先生がいうのも、捜査当局というのは、素直にこちらのいうことは聞いてくれないということをずっと聞かされていたとで、私も逮捕されることに恐怖を抱き、精神的に苦しんであのような事態になってしまいました。
市河弁護人:その後、結局逮捕され、その後、取り調べの段階で、供述はしたのか?
斉藤被告:一部話はしたが、調書等はとらなかった。
市河弁護人:なぜ調書をとらなかったのか?
斉藤被告:それが当時の弁護団の方針でした。私は、法律的な知識がほとんどないので、ただただ恐ろしいという気持ちもあり、弁護団のいいなりになっていました。
市河弁護人:先日の佐野被告に対する被告人質問では、佐野被告が「どうしても返金しなければいけない」と強く言って、それが弁護団にも受け入れられ、協議等が行われ、返金をしようという大転換が行われたのだが、あなた自身は弁護団の人達に、「返金してくれ」と強く言ったのか?
斉藤被告:私が迷っていたのは事実だが、佐野さんは一貫して、返金ということを言っていおり、それが先決で、それ以外には神様のお許しはいただけないということが言われていたので、何とかしたいと思っていたのだが、やはり何分、当時の弁護団が強力というか大変な力を持っていたので、なかなか直ぐに大転換ということはできなかった。しかし、最終的には、佐野さんがいう通り、献金をするんだということを私が後押しをして実現させました。
市河弁護人:あなたも最終的には返金することに賛成したということだね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:当時の弁護団は返金に反対していたのだが、あなたはその弁護団を解任しようとは思わなかったのか?
斉藤被告:思いました。
市河弁護人:現実に解任の届けの準備などもしたのか?
斉藤被告:しました。弁護団の中の、こちらの話を聞いてくれる人に相談しました。
市河弁護人:今回あなたは調書を認めている訳で、詐欺を認めている。あなたが売り上げあげることを強く主張してきたことが、詐欺を招く原因となっていたということなのだが、あなたが書いた神書には、「自分がいうことは絶対である」、「私の教えは完全無欠である」、「自分が信じているものに救ってもらえ」など、かなりこの教えを順守しなければいけない、絶対視しなければいけないといった表現があるが、こういった表現が、今回の事件にかなり強く影響を与えていると思わないか!!(市河弁護人語気を強める)
斉藤被告:(小さな声で弱々しく)思います
市河弁護人:検察官の調書にも出ているが、千手観音教会時代、あなたも神書に書いている毒素、薬は毒である、薬を飲んではいけない、熱は排泄だから出した方がよい、という教えを広めていた訳だが、それを信じたために、亡くなった会員や、そのお子さんのこと、具合が悪くなった方などがいたね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:そうした事実は、あなたがこの神書に書いた教え、あるいは御霊光、そういったことが実際には奇跡を起こさなかったということではないのか?
斉藤被告:・・・・そういうことです。
市河弁護人:そうでしょ?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:そうすると、この神書に書いてあることは、間違いがあったということではないのか?
斉藤被告:(長い沈黙)たしかに表面的には・・・、また誤解を与えやすい内容であったと思う。
市河弁護人:検察官の調書にもあるが、株。あなたは株の売買をしていたね?
斉藤被告:はい、していました。
市河弁護人:株の売買はあなたの教えでは、してはいけないのではないか?
斉藤被告:その通りです。
市河弁護人:では、なぜしたのか?
斉藤被告:・・・それはあの・・・、売り上げを増やすのと同じ目的で、収入というのは、この事業、神様の救いを展開する事業の上で・・・・
斉藤被告:開教当時から皆さんに言っていたことですが、総本部の建設と美術館建設、そして47都道府県すべてに支部・拠点を出すということに力を入れていたので、そのための資金を得るために、株に手を出してしまいました。
市河弁護人:その株で利益は上がったのか?
斉藤被告:いいえ、大損しました
市河弁護人:あなたは神霊に、どの株が上がるか聞いてみなかったのか?
斉藤被告:思いませんでした。
市河弁護人:どうして?
斉藤被告:株を買うこと自体が教義に反することなので聞いてみることはできませんでした。
市河弁護人:あなたは、株を買うこと自体が神様の教えに反する。だから、神様に聞いてみることはできないと思ったということか?
斉藤被告:そうです。
市河弁護人:では、なんで反することをしたのか!(市河弁護人、語気を強める)
市河弁護人:おかしいと思いませんか!
斉藤被告:今考えると、おかしいことです。
市河弁護人:この神書には、いろいろなことは書いてあるが、ここに書いてあることは、あなたの考えなのか、神様の教え・メッセージなのか?
斉藤被告:それは基本的には、神様の教えを書いたのだが、やはり私の主観とか、今までの経験とか、私が以前やっていた宗教の影響も受けています。
市河弁護人:つまり、神様からのメッセージ以外に、あなたの考え、あなたが経験してきたこと、他の宗教の考え方、こういった事が入っているということだね?
斉藤被告:はいそうです。
市河弁護人:薬を飲まない方がいいとか、熱が出した方がいいとか書いてあるが、こうした点のどこが間違っていると思っているか?
市河弁護人:今の時点、現時点でですよ。
斉藤被告:(弱々しい声で)私自身が、神様より上になってしまい、実に傲慢な態度であったと思う。それがために細かい配慮、いろいろなことに対する注意とか、将来起こりうるいろいろなことについて、良くないことについても考えることなく、細かな表現、誤解させない表現、そういう説明が全くなされていなかった。
市河弁護人:薬には副作用とかもあるので、あなたの書いていることすべてが的外れとは思わないが、本当に具合の悪い人に薬を飲んではいけないということは、返って命の危険があるとは思わないのか!!(市河弁護人、語気を強める)
斉藤被告:そう思います。
市河弁護人:そうでしょう!
市河弁護人:小さな子供や、体力のない御老人、こういった人たちは、具合が悪くなったら早めに病院に行く、医療行為を勧める、そうしなければ、かえって命を失ってしまうかもしれない、そう思わないか!!(市河弁護人、語気を強める)
斉藤被告:(非常に小さな声で)そう思います。
市河弁護人:でも当時はそう思わなかったんでしょう?
斉藤被告:当時の私は、神様の力は絶対である。御霊光についても100%奇跡を起こすと信じていました。
市河弁護人:しかしこうして結果が出ない、むしろ悪い結果が出ているということを見ると、あなたが言っていた、御霊光は100%奇跡を起こすというのは、やはり間違っていたと思っているか?
斉藤被告:今の時点では、今の時点では、・・・間違っていたと思います。
市河弁護人:今回、刑事事件の被害者はもちろん、民事訴訟の被害者、民事訴訟にはなっていないが被害を訴えている被害者、つまり奇跡をいただけなかったという被害者が120人いらっしゃるが、そういった方々に対して、あなたは今どのように思っているか?
斉藤被告:民事事件についても長い年月、無意味な時間を費やさせてしまい、誠に申し訳なかったと思います。経済的な損害というだけでなく、長い間にわたって精神的にも、非常に大きい苦痛を与えてしまった。本当に心から、申し訳なかったと思っています
市河弁護人:(有)神世界。あなたはそこの代表でもある訳だが、今後、神世界はどうするつもりか?
斉藤被告:神世界は解散します。現に今、解散の手続きに入っているところです。
斉藤被告:神世界グループの、すべての企業においても、私から解散も指示しましたから、そのようになると思います。
市河弁護人:会社を解散して、その後あなたはどうするつもりなのか?
斉藤被告:宗教活動は、一切しません。ただ、私が信ずる信仰だけは、個人的にやっていきます。
市河弁護人:あなたのお父さんは、あなたが宗教を始めるきっかけを作ってくれた人なんですが、この方が、観音会という宗教やっていることは知っているか?
斉藤被告:はい、知っています
市河弁護人:あなたは神世界を止めても、観音会で活動するんじゃないんですか?
斉藤被告:そのようなことは決してありません。
市河弁護人:今お父さんは、入院していますね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:この間、私と一緒にお見舞いに行きましたね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:おとうさんは何と言ったか覚えているか?
斉藤被告:はい
斉藤被告:観音会の代表を辞め、宗教活動を止めると言っていた
斉藤被告:そして、私が更正できるように力を尽くすと言っていました。
市河弁護人:そう言っていましたね。
斉藤被告:はい
市河弁護人:非常に具合の悪い中、そう言っていましたね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:裁判にも出たいと言っていませんでしたか?
斉藤被告:はい。出廷したい、情状証人として出廷したいところだが、余りにも体調が悪いので、と言っていた。
市河弁護人:あなたはそれを聞いて、どのように思ったか?
斉藤被告:とんでもない心配と、大変な親不孝をしてしまったと思います
市河弁護人:被害者の人たちに責任を感じももらうのは勿論なのですが、それ以上に、今回被告になった人たち、あるいは、奇跡を信じている会員の人たちに対して責任を感じないか?
斉藤被告:感じます
市河弁護人:そうでしょう?
市河弁護人:あなたが行った事、売り上げを重視し、神霊鑑定・御祈願を勧め、お金をたくさん取ることによって、詐欺という事件を引き起こしてしまった。あなたは途中でその危険性に気づき、佐野被告からも注意され、いくらでも中止する機会はあった。でもそれを、あなた自身の意志で止めなかった。
斉藤被告:はい、その通りです。
市河弁護人:本来であれば、返金だって、もっと早くできたんじゃないですか!!(市河弁護人、かなり激しい口調で斉藤被告を叱りつける)
斉藤被告:できました。
市河弁護人:そういったことは、あなた自身が決めるべきことだったんでしょ!!(怒)
斉藤被告:その通りです。
市河弁護人:そうしなかったということについて、あなた自身、責任を感じていますね!!(怒)
斉藤被告:感じています
市河弁護人:被害者との間では民事上の示談、被害者以外の人たちに対しても返金に応じているが、こうした返金を求める人たちに対して、あなたはこれからどうしていくつもりか?
斉藤被告:神世界を解散して財産を処分し、それを今後、返金希望の方々への資金に充てるつもりです
市河弁護人:私からは以上です
■裁判長:他の弁護人、ございませんか?
■裁判長:ではここで休憩とします。
(以上、弁護人による被告人質問終了)
(休憩)14:07〜14:25
14:27 午後の部再開
●前田検事による被告人質問(要約)
前田検事:18才の頃から幻聴のような症状に悩んでいた?
斉藤被告:はい
前田検事:世界救世教の浄霊を受けて少しずつよくなってきた?
斉藤被告:はい
前田検事:千手観音教会ができるまでにはその幻聴はなくなった?
斉藤被告:幻聴はあるが、気になるほどではなくなった
前田検事:佐野被告が神霊能力を授かったのは平成12年頃?
斉藤被告:○*△×%#*・・・
前田検事:神がかり的な能力があったが前面に出していけるような能力ではなかった?
斉藤被告:はい
前田検事:佐野被告の言葉にあった「何かが乗り移って自分ではなくなるようで怖い」という、それがまさに神霊能力ではないのか?
斉藤被告:・・・はい、そう思うが・・・
前田検事:佐野被告を休ませて、その後、調子がよさそうだったので神霊鑑定ができるか声をかけたとのことだが、佐野被告に聞かないと分からないのか?
斉藤被告:おおよそのことは分かるが、やはり、本人にも聞いてみないと・・・○*△×%#*・・・
前田検事:自分の幻聴体験から、声を聞かないよう佐野被告に言った?
斉藤被告:そうです
前田検事:ということは、佐野被告に入ってくる言葉は幻聴だと思っていたのではないか?
斉藤被告:幻聴というのは、医学的な言葉で、その言葉の内容は神様からの言葉だとか何らかの霊的な現象であると私は思う
⇒え・・・・。幻聴は幻聴ですよ、斉藤さん。大丈夫ですか?
前田検事:W田さんやK藤さんが神霊能力を授かったのが分かったのは、あなたが詳しい聞き取りをしたということか?
斉藤被告:あぁ、うーん、10年以上前のことではっきりとしたことは分からないが・・・
前田検事:内容が正しかったのかどうか、件数を確かめたということだったね。
斉藤被告:ある程度のことを確かめたと思う
前田検事:確かめた結果、W田さんやK藤さんがやっていたことは100%正しいということだったのか
斉藤被告:そのときはそう思った
前田検事:全部が正しかったということか
斉藤被告:全部かどうか覚えていないが、ある程度のことを聞き取って、ある程度の件数の内容を聞いて、それが正しいと、確かそういうふうに記憶している
⇒神霊からのメッセージなのに、人間が確かめる、その意味が理解できません。要するに、あなたは神様を疑っている、ということですね
前田検事:それによって、W田さんやK藤さんに神霊能力を授かったということが分かったのか
斉藤被告:はい
前田検事:そのような客観的な結果を確かめなければ、神霊能力を授かっているかどうか分からないのか?
斉藤被告:ある程度は分かるが、確かめることは必要
前田検事:どうして?
斉藤被告:客観的に聞いて、私の主観的なものだけじゃないと確かめなければ、と思った
前田検事:確かめなければ、神霊鑑定で間違った結果を生じてしまう危険性があるからということか
斉藤被告:そうです
⇒え・・・・。神霊鑑定って間違うことあるんですか・・・・・・・。神様なのに?
前田検事:佐野被告に対して確認したのか?
斉藤被告:佐野さんについては、我々に非常に近かったので突然、神懸け的状態、激しい状態になった
前田検事:そんな状態で能力を使って結果として正しいことが起きるかと心配になったということでは?
斉藤被告:ちょっと意味が分からない
前田検事:佐野被告について確かめなかった理由をもう一度説明して
斉藤被告:まるっきり確かめないということはないと思う
前田検事:じゃあ、確かめたのか
斉藤被告:ある程度のことを確かめた
前田検事:確かめた結果、神霊鑑定士とてデビューさせたということか
斉藤被告:・・・、全部確かめたということではないが、確かめたことはあったと思う
⇒はっきりしねぇ男だなっ(怒)
前田検事:平成12年当時、あなた自身は何ができたのか
斉藤被告:私は神様の媒体として御守りを描き、御神体を描き、その私が描いた物から御霊光を頂くと、そういうことができた
前田検事:あなたの生い立ちと、あなた自身が神様との媒体であるということがどのようにつながっていくのか分からないので説明を
斉藤被告:・・・そもそも私自身が小さいときから何らかの霊的な現象が起こっていることは事実。救世教に接触するようになり、そこの先生が霊眼が開けて、神霊能力的な能力があり、私に「いずれ、神様の仕事をする」と言われた
⇒えーっ、どっかの誰かに言われたからその気になっただけなの??
前田検事:会員にそういった説明をしていたか
斉藤被告:千手観音教会の会員にはしなかった
⇒神世界の客も聞いていませんけど
前田検事:どうして?
斉藤被告:必要がない
前田検事:自分のことが神の言葉ということ?
斉藤被告:うーん、そうではなく「媒体」ということ
前田検事:神様の言葉を取り次いでいるのではないのか?
斉藤被告:うーん、神様に成り代わって表現する
⇒それを言うあなたの姿を、客が初めから見ていたら大抵の人は引っかからなかったですね。あなたを表に出さなかったのは素晴らしい判断でしたね。その判断を下した者こそ大罪であり、名乗り出て償うべき存在です。真の犯罪者です。
前田検事:そこに誤解が入り込む余地があるのか
斉藤被告:あると思う
前田検事:どうして?あなたが神様の言葉を曲げて伝えるということ?
斉藤被告:私自身の心の在り方によって、やっぱり、それは・・・ありうる
前田検事:救いを展開するためならば、神書で禁止されている株取引をしても構わないと考えていたということ?
斉藤被告:少しでも株で利益を上げて、将来、総本部を建設するためのひとつの資金の足しにしたいなという間違った考えを持ってしまった
前田検事:神の救いを広めるためならば、神世界の教義に反することをしてもいいと思ってやったということ?
斉藤被告:・・・、そのときはそう思ってしまった
⇒思ったんですね。それのどこに救いを求める気持ちがあるのですか?そんなあなたのどこが「神の媒体」なのですか?
前田検事:売り上げのためなら何をやってもいいと考えていたということか
斉藤被告:何をやってもいいということは考えない
前田検事:あなたたちにとって、教義に反すること以上にやってはいけないことというのはあるのか
斉藤被告:株取引は犯罪ではないが、何をやってもいいということでは犯罪的になってしまうので、そういうことは考えていなかった
⇒何をおっしゃっている?あなたたちのやっていることは初めから犯罪じゃないですか。嘘の塊。知っている人間が知らない人間に嘘ついて、それの連鎖がどれだけの人間の人生を狂わせたと思っているの?ふざけるのもいい加減にして下さい
前田検事:売り上げを上げるということは教義を広めるためではなく、自分自身の利益を上げるということではないか
斉藤被告:・・・あの、それは、千手観音教会を開教するときのひとつの大きい方針で、47都道府県にまず拠点を出し、総本部を建設し、美術館をつくり、そして海外にも展開する、ということに基づくもの
⇒千手観音教会を開教するときからと言いましたね。あなたの頭には初めから「欲」があったということです。あなた自身が、「自分の欲を実現させたい」って神様に救ってもらいたかったんでしょ。あなたの汚らしい欲を救うために、他人の大事な思いや命をあなたは奪ったということ、本当に分かっていますか?あなたが求めていたのは、「人を救うこと」ではなく、「欲を満たしたい」という超個人的な欲望に過ぎない、ということ、あなたの頭は理解できていますか?
あなたは、あなたが考えるその雛形である宗教の呪縛から逃れられず、自分もやりたかっただけ。そして、今、あなたの残党組の中でまた、同じことを考えているバカがいる
前田検事:自分自身のためではなくて、神世界のためということでいいのか
斉藤被告:あのぅ、神様の救いを展開するためのもの
前田検事:だから、自分のためではないんだよね?
斉藤被告:はい
前田検事:平成17年頃、「自分たちで遊んでなるべく栄華を極める」とか「うまいもの食ったり」とか「良い物着て、良い宝石身につけて、あらゆる華やかな所に顔を出す」と言っているね
斉藤被告:・・・あまり、あの、記憶がないんですけど
前田検事:平成17年9月25日、おそらく日輪祭の後の食事会だと思うが、そういった発言していないか
斉藤被告:記憶にないが、言ったかもしれない
前田検事:実際にあなたは、シャネルやブルガリといったブランド品、パーティーにもタキシード着て参加したりしているね?何千万もする宝石いくつも買ったりしたね。これらみな、傘下法人の経営者から得たロイヤリティなどで得たお金だね?
斉藤被告:そうです
前田検事:御神業のために使うべきものだね?
斉藤被告:はい
前田検事:御神業のために集められたお金を、自分自身のために使っているようにみえるんだけど?
斉藤被告:宝石については美術館建設に伴って展示するためのもの。同時に、大きい祭典に主要な人たちが身につけることができるようにと、そういうことであります。買い物については、海外に展開するために、それらのブランド、そういう組織を使って、海外に展開したいと思って使った
前田検事:神世界は、宗教を超えた宗教、超宗教ということか?
斉藤被告:そういう・・・
⇒なぜ答えられない?
前田検事:そういった説明を会員にしたか?
斉藤被告:超宗教という説明は、私は開教当時はしている
前田検事:それがだんだん変わっていったということか
斉藤被告:変わっていったというよりも、私は、折に触れて言っている
前田検事:あなたは、祭典などでここは会社だ、ビジネスだと説明していないか?
斉藤被告:それは、あの、有限会社になってからの私の発言
前田検事:有限会社になる前と後であなたの考え方が変わったということか
斉藤被告:考え方というよりも、体制・・、組織の規模と私の立場がだいぶ変わったので
前田検事:それは本質が変わったということにならないか?
斉藤被告:その、一番大きい、発言の元になるのは、神書。神書において私が、「神様がオーナーの企業である。そして商品は神様からの奇跡である」と、そういう分かりやすい場面で皆に伝わるようにした。それが一番の元になっている
⇒棒読みの台詞
●大久保検事による被告人質問(要約)
大久保検事:先程、佐野被告が神霊能力を授かったというとき、「神がかりで本人ではないような状態だったから前面に出してやっていけるような状態ではなかった」と言ったが、神がかりで本人ではないような言葉を発するから神霊鑑定士ではないのか?
斉藤被告:それはその通りです
大久保検事:だとしたら、なぜその人を前面に出してやっていけないという理由があるのか
斉藤被告:・・・・(しばし沈黙)、それは、あの、うまく説明できないが、佐野さんの状態が、本人が恐れているような状態になっていたので、それはあまり表に出してできないと、そういうふうに判断した
大久保検事:佐野被告が、何かが乗り移っているようで自分ではなくなるようで怖いと言っていたと先程あなたは言ったが、そういうときこそ、それは「何かが乗り移っている」のではなくて、神霊の声なんだよと話してあげればいいのでは?
斉藤被告:それは言ったと思う
大久保検事:あなたが聞こえているのは神霊の声だと言ってあげたのか
斉藤被告:神霊の声だという言葉かどうか分からないが、「神様がかかって喋っているんだ」という話を本人にしたと思う
大久保検事:「神様がかかって喋っているんだ」ということと、「神霊の声」はあなたにとって同じなのか
斉藤被告:だいたい同じ
⇒神様の媒体って、そんないい加減でいいんですね
大久保検事:佐野被告に「その声を聞かないようにしなさい、自分を失わないようにすれば、そんなに幻聴でだめになることはない」とアドバイスしたと言ったね。神霊の声っていうのは、幻聴なのか?
斉藤被告:神霊の声だけではないが、種々雑多な声が聞こえてくることが私は、経験上分かっているので、佐野君の場合は神霊の声と種々雑多な声と一緒に聞こえ、種々雑多な声に対して受け答えをしてしまっている。ちゃんとした神様の声だけを聞いてとるよう佐野君に言った
大久保検事:あなたが聞こえていたのは幻聴であって、神霊の声ではなかったのでは?
斉藤被告:両方混ざっていたと思う
⇒えーーーーっ
大久保検事:どうやって区別していたの?
斉藤被告:区別がつかないから、大変苦しんだ
大久保検事:幻聴と神霊の声と、区別つかないということ?
斉藤被告:そのときは区別がつきませんでした
⇒ええーーーーっ
大久保検事:いつからか区別つくようになったのか
斉藤被告:いろんな声が聞こえてきて、その中で、こういうふうにしろというようなことを聞く。それが何ヶ月か何年か、あるいは5年10年か、振り返ってみると、その声がまさに実現している、そうことで、正しい、これはちゃんとした神様の声か、そうでないただの、いわゆる幻聴的な病的なものかと私には分かっていた
⇒えええーーーーっ!
大久保検事:あなたの話だと、5年くらい経たないと分からないというように聞こえるんだけど、それでいいの?一定期間たって結果みてみないと、その声が幻聴だったのか神霊だったのか分からない、ということでいいのか
斉藤被告:期間の短いとか長いとか関係なく、そういう判断をした
大久保検事:結果が起きてから振り返ってみないと、それが幻聴だったのか神霊だったのかも区別がつかなかったということでいいのか
斉藤被告:そのときはそうです
⇒ええええーーーーっ!!
大久保検事:どのときは違う?
斉藤被告:そういう状況になったばかりの頃は、そういう経験を積んでいないのでただただ苦しいだけで何も分からない。それを積み重ねて、また当時浄霊を受けていたので、自分というものを冷静に落ち着いて、いろんなものを捉えられるようになって、今言ったようなことが分かるようになってくる、という段階
⇒ドン引きーーーー
大久保検事:その後、声が聞こえたその時点で、結果をみなくても、それが神霊の声か、ただの幻聴か、すぐ聞き分けられるようになった?
斉藤被告:最終的にはそうなった
大久保検事:いつから?
斉藤被告:いつからかは分からないんですけども
大久保検事:遅くともいつから?
斉藤被告:ちょっと分からない
大久保検事、質問を繰り返すも、斉藤被告は質問の意味を理解できず
大久保検事:この頃からは神霊か幻聴か聞き分けられるようになった、というのは遅くともいつからか、と聞いている
斉藤被告:それはあの、千手観音教会を立教する頃から
大久保検事:それはいつ?
斉藤被告:昭和62年
大久保検事:遅くともその頃には、聞いた瞬間から聞き分けられるようになった?
斉藤被告:瞬間というのは・・・
大久保検事:じゃあ、いつ分かったの?
斉藤被告:ほぼ分かったのが・・
大久保検事:ほぼっていうのはどれくらいずれるの?
斉藤被告:それは表現のしようがない
大久保検事:何時間かずれるとか何日かずれるのか、やっぱり結果をみないと分からないとか、どうなの?
斉藤被告:内容によって異なると思う
大久保検事:常に聞いた瞬間に分かるというものではないんだね?
斉藤被告:何といいますか・・・あのぅ・・表現のしようがありません
大久保検事:聞いた瞬間、分かるときもあると言うのならば、何を基準にして分けているの?私は神ですって名乗ってくれるの?どうやって聞き分けるの?
斉藤被告:その声の言葉は、以前この通りこうなった言葉で、このこういう声は種々雑多の方の声だとだんだん分かってくる
大久保検事:声音が違うのか。私とあなたの声が違うように
斉藤被告:それはある
大久保検事:声音が違うのなら、聞いた瞬間に常に分からなきゃおかしいでしょ?あなたは聞いた瞬間に分からないときもあると言った。その理由は?
斉藤被告:表現のしようがない・・・
■裁判長:後はもう法廷外にして下さい、この問題は
⇒あまりのふがいなさに裁判長も痺れをきらしたようです
大久保検事:W田M和さん、K藤K子さんの神霊能力授かったかどうか、やはり実験をしなければ分からなかったのか?
斉藤被告:だいたい分かっていても、どういう事柄が当たっていたのか、どういう内容か聞く必要がある
大久保検事:先程、「私の主観的なものだけではないことを確かめる」と言ったが、神の判断と照らすのではなく、あなたの主観的に分かったことと実験的とを確かめるのか。あなたは、「この人は神霊能力を授かっているな」と主観的にしか感覚を授かっていなかったということ?
斉藤被告:質問の意味が分かりません
大久保検事:神霊能力が授かったかどうか判断できるのは誰?
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、一番にはその本人だと思う
⇒全身、凍りつきました
大久保検事:神ではないの?
斉藤被告:神は見えませんので・・・。奇跡とか救いとか、諸々のそういう現象によって、神であることが分かるわけで・・・
⇒斉藤さんの「媒体」レベルって・・・。
そもそも、どうして「神様が」奇跡を起こすと言えるのだろう。すべての間違いがここにある。
神様だと思っているのは人間の勝手な解釈であり、本当は悪霊に遊ばれているだけかもしれない
大久保検事:あなたは神の媒体としての立場によって、神霊能力があるかどうか判断できるわけではないのね?
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、やはり聞いてみないと分からないが
大久保検事:では、「ある程度分かる」というのは、何を根拠に分かるというのか
斉藤被告:やはり、その結果が神霊の言葉通りに出たか出ないか、そういうところで分かると思う
大久保検事:結局、結果じゃないか。先程、あなたは、「ある程度分かるが、結果も確かめないと」と言うから、結果を確かめる以外の「ある程度」って何か聞いている。結局、結果を確かめないと分からないということでいい?
斉藤被告:最終的には、結果を確かめることが大事だと思う
⇒あなたの「結果」もよく分かりましたーっ
大久保検事:自分の言葉が神様の言葉のように受け止められていたことが、不本意だったということか
斉藤被告:そのときの私は、順調にすべてが発展していったので、私自身がどこかで傲慢になって、慢心していたと今でもそう思う
大久保検事:当時は、自分の言葉を神のように受け止められることを認識しながら、それでいいやと思っていたのでは?
斉藤被告:当時はそう思っていた
大久保検事:でも、実際、あなたが発する言葉は、メッセージをそのまま伝えるときとそうじゃないときもあるということだね
斉藤被告:はい
大久保検事:神書のうち、あなたが神霊の言葉をそのまま書いた部分はどこ?
斉藤被告:それはあの、文章においてどことどことは、ちょっと分かりません
大久保検事:渾然一体となってしまっているということか
斉藤被告:ほぼそうです
大久保検事:神霊からのメッセージは何割くらいで、何割くらいがあなたの個人的な考えなの?
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、よく分かりません
大久保検事:だいたいのあなたの考えでいい
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、私の主観的経験は半分くらいはあると思う
大久保検事:半分を神様からのメッセージをそのまま書いたのなら、夜を徹して1年もかけて残りの半分を書くのにかかるのか。本当はもっと、あなたが自分で考えて書いたことが圧倒的に多いのではないのか
斉藤被告:文章になると、どこからどこまでがどうだとか分からない
大久保検事:今となっては、あなた自身が神書をみても、どこが神の声だったか分からないんだね?
斉藤被告:よくは分かりません
⇒心中、法廷内で事件を起こしそうになりました。この部分だけでも、あなたは相当な負の念を人々から浴びせかけられることでしょう
大久保検事:あなたの中で、ここが神書は正しいと思うという部分は指摘できないということ?
斉藤被告:細かく1行1行見ながら検討すれば言えると思う
大久保検事:そういう渾然一体となっていることを認識していながら、あなたは今日この日まで、神書のどの部分がそうで、どの部分が違うという作業をしていないということ?
斉藤被告:はい
大久保検事:なぜしない?当然、しておくべきことではないか?
斉藤被告:今の私自身、そう思う。そのような改定をしておくべきだった
大久保検事:なぜしなかった?
斉藤被告:私自身が慢心していた。改定することは、自分自身の存在だとか、今までやってきたことを一度に否定することになる。それが非常に恐かったんだと思う
⇒「慢心していた」ではなく、「慢心している」でしょう。言葉は正しく使いましょう。
自分を否定されるのが恐い?自分が他人にしたことが返ってくるだけのことじゃないですか。
あなたは、他人に与えた恐怖と苦痛を思い知る必要があります
大久保検事:神霊鑑定を続けるべきかどうか、返金・謝罪すべきかどうか佐野被告からの意見を聞かずに、自分の判断で鑑定を続け、返金せず謝罪もしなかったと言ったが、なぜそのようなことをしたのか
斉藤被告:それは当時、神霊鑑定が非常に大きい柱になっていたので、鑑定をしないようにと言われてもすぐにできなかった。それと、それによって売り上げが減ることを考えてすぐにはできなかった
大久保検事:他に理由は?
斉藤被告:ない
大久保検事:あなたはそうすべきかどうか神霊に尋ねなかったのか
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、そういうことを尋ねたいう覚えはない
大久保検事:なぜ?
斉藤被告:それはやはり、私自身が慢心していたからだと思う
大久保検事:あなたにはそんな能力はないからではないのか?
斉藤被告:そうは思わない
大久保検事:佐野被告の言っていることを聞かなかったということは、佐野被告に神霊能力などないということをあなただけは、よくよく知っていたからではないのか
斉藤被告:そういうことではない
大久保検事:神霊の言葉などというものはないから、それに逆らっても特段、悪いことは起こらない、特段、問題などないとあなただけは知っていたからではないのか
斉藤被告:そういうことではない
大久保検事:では、慢心というのはどういうこと?御神業だ御神業だと言っておきながら神の声を無視し、あるいは聞こえてこない、それはどういうこと?
斉藤被告:その当時、非常に拡大発展ということに、順調にすべてが行っていたために、いつしか私の心の中で本来の御神業というものが、だんだんだんだん私の中で、売り上げを知らず知らずのうちに一番だと思ったその瞬間に慢心し、その結果、神様からのそういうものが頂けなくなった
⇒棒読み。
「神様の媒体である存在」でありながら、金に目がくらんだそうです。知らず知らず
大久保検事:幻聴が聞こえなくなったのはいつから?
斉藤被告:覚えていません
大久保検事:そんなことも振り返っていないのか。あなたの裁判ですよ。今、可能な限り、振り返ってみて下さい
斉藤被告:まったく聞こえないということはない
大久保検事:聞こえているのに無視をし始めた時期もあるということか
斉藤被告:そちらの方が近いと思う
大久保検事:いつ頃から聞こえなくなり、聞こえても無視するようになったのか
斉藤被告:・・・推測で考えると、私が東京へ来てからだと思う
大久保検事:その頃以降の活動は、声が聞こえていたとしても、それを無視して、あなたの判断での活動ということか
斉藤被告:すべてがそういう訳じゃない
大久保検事:どの部分が神の声が聞こえての活動?
斉藤被告:私自体は、聞こえた声をもってすべての活動としたのではなく、媒体としての主たる活動は、御霊光であり、御霊光を頂くための御守り、御神体を私が描く、そちらの方が非常に大きい仕事。神霊からのメッセージについては、佐野さんが神霊能力を授かってからは佐野さんの仕事というふうになっていた
⇒自分は盗作の絵を描き続けていただけで、他は会主に任せていたそうです。
そんなに一生懸命描かなくても在庫いっぱいあったじゃないですかー。
それに、斉藤さん、もらった物品は印刷した物だったけどなぁ
大久保検事:自分が作った御守りとかにご利益があるとどういうふうに判断できるのか
斉藤被告:私が描いた御神体、当時は神手(みて)かざしによる御霊光を頂く方が主で、神手かざしによって非常によい結果を頂いた人が多くいたので、それで・・・
大久保検事:それについては結果で判断するということ?
斉藤被告:最終的には結果
大久保検事:先程、「御霊光は当初100%だと思っていたが、今は間違いだったと思っている」と述べたが、当時というのはいつで、いつから100%だと思うことが間違いだということに気づいた?
斉藤被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)
大久保検事:本来、糖尿病の治療を受けなければいけない人が通っていて御霊光を受けている最中に体調が悪くなって病院に運ばれたが亡くなったという件があったね。遅くともあの当時は分かっていたか
斉藤被告:あの当時は御霊光の力を信じていた
大久保検事:あれはなぜ起こったと思う?
斉藤被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)
大久保検事:あなたの教えに従って病院に行かず、御霊光を受け続けていた人が、御霊光を受けている最中に急変してそのまま亡くなったことについて、御霊光を100%だと信じていたあなたの中で、その出来事をどう整理したのか
斉藤被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)、整理がつかないままでいたということになる
大久保検事:終わります。
⇒自分がやってきたことで死者を出したにも関わらず、まるで他人事。整理がつかないじゃ済まされないということさえ、理解されていない、それが、教祖様の実態です。
●市河弁護人による被告人再質問(要約)
市河弁護人:神書を平成11年に書いた以降、あなた実際に読み返したことあるか?
斉藤被告:ほとんどありません
⇒爆笑っ!ぢゃなくて、全国から怒号の声が聞こえてきます。
幻聴でしょうか、いえ、被害者からのメッセージです。
今も毎日真面目に読んでいるあなた、聞きました?
「一冊一兆円以上の価値のある本」の作者の貴重なお言葉ですよ!
市河弁護人:書き上げてからあまりチェックとかしていないのか
斉藤被告:はい
市河弁護人:どこからどこが自分の考えで、あるいはどこからどこが間違えである、というの(=証言)を先程しなかった。しなかった理由はあるのか
斉藤被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)、しなかった理由というのは特にあまりない
市河弁護人:今後、神書に関して改定版を出そうとか、訂正しようとかの考えはあるか
斉藤被告:今後、改訂版を本来出すべきだが、神世界は解散しますので、この非常に誤解を招きやすい神書については絶版にして二度と出さないようにしようと考えている
⇒改訂版なんかいらないから、金返せ。
誤解を招きやすい?あんまり、ふざけるなよ
市河弁護人:検察官が述べたように、御霊光を受けていたにもかかわらず亡くなった方達がいる。あなたたちの教えを守り、御霊光を受けたのに奇跡が生じなかった人が出たことについて、あなたはどうして整理をしなかったのか? 何か、自分たちに都合の悪いことからは、ずっと目をつむっていたように聞こえるわけですよ。真正面から向き合い、なぜ奇跡が生じなかったのか、整理し、考え、あるいは改善しようと思わなかったのか?
斉藤被告:あー、分かりませんが、私自身が非常に思い上がっていて・・・
市河弁護人:あなたは神の媒体とい言っているが、あなたは神様ではないよね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:当然、あなたは人間だよね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:自分が間違いを犯すとは考えなかったのか?
斉藤被告:そのときはそう考えることは・・しなかった
市河弁護人:今からすると、それは大きな間違いだったと感じないか?
斉藤被告:今からみると、大変大きな間違いだったと、大変反省している
市河弁護人:私からは以上です。
●冨田弁護人による被告人質問(要約)
冨田弁護人:あなたは詐欺を認めたね
斉藤被告:はい
冨田弁護人:詐欺というのは、人を騙して物やお金をとるということだが、あなたの今の考えでは何が詐欺?何が嘘で、被害者を騙したのか
斉藤被告:神霊鑑定によって結果が出ない、それに関連して多額のお金をとってしまったということが詐欺だと思う
冨田弁護人:神霊鑑定で結果が出ないとはどういう意味?神霊鑑定は結果が出るときと出ないときがあるということか
斉藤被告:そうです
冨田弁護人:結果が出ない場合もあると分かりながら、結果が出るとして、相手を騙した?
斉藤被告:その通りです
⇒開き直ってんじゃないよ
冨田弁護人:それは誰が具体的にやった?あなた自身は実際、直接的被害者にはやっていないね
斉藤被告:はい。私は当時、日頃から売り上げを上げるように、神霊鑑定をやるようにいつも言っていた、そのことが引き金になって詐欺ということになった
冨田弁護人:神霊鑑定が正確に出来ない人が神霊鑑定が出来ると称して、嘘を言って騙したということ?
斉藤被告:そうです
冨田弁護人:神霊鑑定が出来ないような人に神霊鑑定をさせていた、それを阻止しなかったことを自覚して反省しているということ?
斉藤被告:そういうことです
冨田弁護人:終わります
●裁判長による被告人質問
■裁判長:千手観音教会が国税調査を受けたとき、宗教法人にしたかったが、大きい事件があったので難しかったと言っていたが、大きい事件とは何を指している?
斉藤被告:・・・・、オウムの事件だと思う
■裁判長:当時、オウム真理教以外にも、法の華が詐欺事件を起こして問題になっていたと思うが知らなかったか
斉藤被告:知っている
■裁判長:それについて、どういう認識?
斉藤被告:・・・・(しばし沈黙)、足裏診断とか・・・
■裁判長:詐欺だと訴えられたことは知っていた?
斉藤被告:知っている
⇒お前の「知っている」は小学生以下レベルだ
■裁判長:有限会社にすることをあなたは選んだが、「うちは宗教ではない」とうたい文句にして宗教色を弱めていたようにみえるが、それはあなたが指示をしていたのか?
斉藤被告:宗教色を弱める、あるいは消すようにという話はしたようなことはある
■裁判長:具体的には?
斉藤被告:宗教色をなくすようにとか言ったと思う
■裁判長:実際は宗教なんでしょ?
斉藤被告:宗教です
⇒この詐欺師め!
正確には宗教じゃないですよ、神様を利用したビジネスでしかありません。
この男の言う神様なんて、ご都合主義の便利屋神様でしかないんだから
■裁判長:それは一種の人を欺くということにならないか?
斉藤被告:そう言われればそうなると思うが、ただ、私としては、神様の救いを展開する、御霊光を世の中に広めるためには、まずは御霊光を頂いてもらわなければ話にならないので、宗教と言っただけで引いてしまうのはもったいないと思う。入り口としては宗教色を消して、あるいは薄めて、御霊光を頂いてもらう人が増えるように、そういうふうに動いていた。しかし、それは入り口だけで、入り口をちょっと入れば、誰しもがそれが宗教だということは分かったと思う
⇒裁判長!この男を死刑にして下さい!自分がしてきたことの理解もなければ、ここでそれをいけしゃあしゃあと言ってしまうことの意味も分かっていません。まったく反省もしていなければ、最後の「入り口をちょっと入れば宗教ということは分かっただろう」という言葉は被害者への冒涜です。話にならないのはお前だ!
■裁判長:佐野被告が神霊能力を授かったというのは佐野被告が神がかった状態になったから分かったということでいいか
斉藤被告:それが始まりです
⇒神がかりじゃなくて、憑依の間違えじゃないのか?
■裁判長:会員の前では、佐野被告はあなたのところで修行をしたからと言っていなかったか?それは事実と違うことにならないか
斉藤被告:私の元ですべてのことにおいて素直に神様の仕事をやっていった、しかも8年間も続けて純粋な気持ちでやった、だからこそ、神様のお力を、あるいは神様自体が、弟子?ご自身が、佐野さんに声をかけた、と私は思っている
⇒あなたの言う神様の仕事とは、悩めるひとりのおとなしい青年を支配して従順関係を築いた果ての仮想世界創設に過ぎない
■裁判長:W田さんやK藤さんには神霊能力があるか確かめたと言ったが、淺原夫婦にはそういうことはしていないのか
斉藤被告:はい
■裁判長:W田さんたちと同じようにする必要があったのではないか?
斉藤被告:今思えばそう思います
⇒失笑。アホか。そうじゃねーだろ
■裁判長:あなた自身は神霊鑑定はやっていない?
斉藤被告:平成7年頃までは運命鑑定の中で、神霊鑑定という名前で一時やったことはある
■裁判長:佐野被告がやっていたような神霊鑑定はできなかった?
斉藤被告:(裁判長の言葉にかぶるようにして)ではないです
■裁判長:それは何か理由はあるか?
斉藤被告:特に理由はない
■裁判長:神霊鑑定をやって、もし外れてしまうと自分の霊的能力に疑問を生じるからやらなかったということではないのか?
斉藤被告:そういうことではない
⇒じゃあ、なんだよ
■裁判長:総本部や美術館を建設して各都道府県に進出するだとか、それは神世界を設立した当初から目標を立てていたということか
斉藤被告:そうです。千手観音教会の開教当時からです
■裁判長:美術館というのは世界救世教のMOA美術館のようなものを考えていたのか
斉藤被告:その当時はそう考えていた
⇒盗作美術館つくってどーすんの?
■裁判長:佐野被告から民事の和解に応じるべきだと言われていたのは事実?
斉藤被告:はい、事実です
■裁判長:応じなかったのは当時の弁護士から今までやってきたことが全部否定されてしまうと言われたからそれに応じなかったというのは事実なのか?
斉藤被告:その通りです
■裁判長:佐野被告がいう神の言葉と弁護士の言葉を比べて弁護士の言うことを信じてしまったということでいいのか?
斉藤被告:うーん、今、振り返ればそうです
■裁判長:あなたの立場であれば、弁護士の意見を退けて、返金したり和解することもできた訳だね?
斉藤被告:できました
■裁判長:それをしなかったのは結局、あなたの考えでそれに応じなかったということでいいのか?
斉藤被告:はい、そうです
⇒「神様の媒体」って頭が弱くてもできるんですね!
教祖様の貴重なお言葉の数々のおかげで、よーく分かりました。
なんでこんなのに引っかかっちゃったんだろう・・・って、皆、ため息吐いていると思うけど、バカと悪の力関係ってすごいことできちゃうもんなんですね。今まで見えなかった真相が明らかになってよかったと思うことにしましょう、ひとまずは。
■裁判長:それでは被告は元の席に戻ってください。
■裁判長:本日の審議はここまでとします。
■裁判長:次回は3月27日(火)10時から行いますので、被告4名は出廷してください
この後、裁判長と検察官の間で、証拠の採用及び撤回に関するやと取りがあった。
内容はあまりよく分からなかったが、公判開始時に検察が提出してあった調書の内容が、その後、裁判に検察証人として出廷し、裁判の中で証言した内容と重複する部分があったため、先に提出してあった供述調書の一部は取り下げるといったやりとりだったと思われる。
15時30分閉廷
この日の裁判が終わったので、4階の法廷から1階に降り、ロビーの椅子に座って傍聴記の整理をしていると、斉藤被告と弁護人、神世界関係者が一団となって降りてきた。
法廷内では、体調があまりよくない雰囲気を振りまいていた斉藤被告であったが、エレベーターを出てロビーを横切り、弁護人等が待機する部屋へと移動していく斉藤被告の足取りは、背筋を伸ばし、大股でしっかり歩いており、法廷内での被告とは別人のように元気だった。あの元気さがあれば、長期の懲役刑に耐えることは十分可能であろう。
組織性をアピールする傍聴者たち
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