神世界事件の刑事裁判

7、佐野孝、淺原史利、淺原嘉子 第7回公判
  斉藤亨 第4回公判
 (上記3被告と教祖・斉藤亨の公判は併合審議になっている)

1 日時:平成24年3月1日(木)
  午前10時〜午後3時30分
2 場所:横浜地方裁判所第405号法廷
3 事件番号:平成23年(わ)第972号等
4 罪状:組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)
5 被告:佐野孝、淺原史利、淺原嘉子、斉藤亨
6 裁判長 朝山芳史
  裁判官 杉山正明
  裁判官 山本美緒
7 検事:大久保検事、前田検事
8 被告弁護人:尾崎幸廣弁護士、市河真吾弁護士
■■■■■■■冨田秀実弁護士
9 内容1:小塚麻衣子証人の証人尋問(午前)
  内容2:斉藤享被告の被告人質問(午前・午後)

傍聴希望者
 2012年3月1日(木)に行われた公判は、神世界教祖・斉藤享被告に対する被告人質問が行われるとあって、神世界側はこれまで以上の大量動員をかけたようだった。9時40分の傍聴抽選券配布締切時間までに列に並んだ人数は213名と、これまで行われた神世界裁判では最多の人数となった。横浜地裁がなぜ101号法廷を使わないのか定かではないが、今回も法廷は405号法廷であったため、一般傍聴席は33席しかなく、列に並んだ大多数の180名は傍聴できなかった。当選確率は15.5%の狭き門だった。
 法廷に入り、傍聴者を見渡してみると、傍聴者の中には、神世界代表取締役・日原易子や多数の神世界幹部の顔が並んでいた。しかし、公判途中からいなくなる神世界関係者もちらほらあり、途中からは空席が数席できていた。公判途中で帰るくらいなら、列に並ぶな(怒)。

情状証人
 佐野孝被告・淺原史利被告・淺原嘉子被告の情状証人として、元スタッフの小塚麻衣子(H23年6月20日逮捕)が出廷し証言を行ったが、証人が行った証言は内容的には何の役にも立たないものでしかなく、こんな者しか情状証人として出すことができない神世界の内情がうかがえた。
 斉藤享被告に対する情状証人は誰も出廷しておらず、もはや斉藤亨の罪を取り繕う者はいないのかとも思われた。公判の中で、斉藤享の父親(観音会代表・S藤H保)が斉藤享の情状証人として出廷したい意思表示を行っていたことが明らかにされたが、父親は病床に伏しており、証人として出廷できない状態であることも弁護人が明らかにした。斉藤亨の父・S藤H保は、「斉藤享を更正させたい」と病床で述べていたとのことだ。

斉藤享も保釈されていた
 この日の法廷内には、被告に付きそう刑務官の姿が一人もいなかった。これまでは斉藤享被告の左右にいた刑務官は誰もおらず、斉藤被告もサンダル履きではなく、黒の革靴を履いていた。これにより、斉藤亨の保釈が認められていたことが明らかになった。
 ということは、斉藤被告が他の神世界関係者と神世界の今後について協議する時間は十分あった訳である。神世界関係者は、この日の法廷で斉藤被告が神世界及び観音会の解散を述べることは、あらかじめ分かっていたと考えるのが妥当だ。”神世界・観音会は解散する”という、組織にとってこれ以上の屈辱はない事実が明らかにされる法廷になることが明らかであったにも係わらず、あれだけ多数の神世界関係者が傍聴券を求めて列に並んでいたのは、どう解釈すれば良いのだろう?このような状況下で、わざわざ大量動員をかけることなど、常識では考えられないことだ。

教祖の証言とは相反する動き
 彼らはこれまでも、「明日の公判では被告がこのように証言するが、その真意は実は○○だ」などと虚偽情報を流しては、会員の引き留めを図ってきた経過がある。
 今回、斉藤被告が証言した内容と、傍聴に訪れていた神世界関係者が地裁内でとっていた行動との間には、全く相反する動きがあった。大量動員の事実もその一つだが、”現役会員”らが、被害者や被害者を支援している者に対して法廷の内外で示した行動は、斉藤被告の証言とは大きく乖離していた。
 この日の横浜地裁には、被害者と顔見知りの現役会員や、神世界幹部が多数来ていたが、ロビーで被害者と顔を合わせても、誰一人として被害者に詫びる態度を示す者はなく、神世界幹部・現役会員が被害者に送る視線は、”敵対視”以外の何ものでもなかった。
 神世界幹部や現役会員にしてみれば、裁判は法廷内だけで行われているものであり、法廷内で被告がしおらしく反省の態度を見せておけば、”こっちのもの”であり、法廷を一歩出れば、被告等を逮捕に至らしめた被害者は、”敵”でしかないのだろう。
 斉藤被告はこの日の公判で、「(被害者には)経済的損害だけでなく、長い間、精神的苦痛を与えてしまい、申し訳ない」と謝罪したが、ロビーや傍聴席で現役会員や神世界関係者がとっていた行動を見ていた被害者は、彼らの行動のどこからも、謝罪のしゃの字も見いだすことはできなかった。
 私も注意深く人々の動きを観察していたが、ロビーや傍聴席に詰めかけていた神世界関係者の態度を見る限り、彼らは全く反省などしていないとしか見えなかった。
 このように全く懲りていない者が多数を占めている、神世界・観音会という団体の信用性はゼロであり、斉藤亨が法廷内で反省の言葉を口にしても、その言葉は空々しくしか聞こえなかった。

ガードマン?
 この日の公判には、(有)神世界代表取締役・日原易子も傍聴に来ていた。彼女を守るために動員を命じられたのか、保釈された斉藤亨を守るためなのか、複数の男性会員の姿が目に付いた。これまでの公判には、現役女性会員は大量動員されていたが、このような男達の姿はなかった。怒りのあまり、被害者が神世界幹部に直接的行動を取る危険性があるとでも思ったのだろうか?
 神世界という組織は、騙しやすい女性をターゲットにして荒稼ぎしてきた団体だ。男性はこうしたものに騙されにくい傾向があるため、ある時期からは男性には一切声をかけなくなっていた。
 神世界は、グループ全体で組織的詐欺を働いてきたことを教祖など被告全員が認めている。神世界がやってきたことは、犯罪行為であったことが明白になっているにも係わらず、未だに目覚めることなく、神世界トップを守るためにこうして駆り出されてきたた男性の頭の中は、どのような構造になっているのか、私も直接尋ねてみたかった。普通の男なら、もういい加減、神世界の異常性に気づくのが当たり前だ。こうして幹部を守るために駆り出されてきた男達の哀れな姿を、ある被害者が、掲示板に、「みんな去勢された犬みたいでした」と書いていたが、私もその文章を見て、「的確な表現だ!」と感心した。
 守るだけの値打ちがある人物をガードするのであればガードマンもやりがいがあるだろうが、詐欺師をガードすることに、彼ら男性会員は、一体どのような意義を見いだすことができているのだろうか?




第7回公判 目次

●小塚麻衣子証人への主尋問(市河弁護人)(午前)
●小塚麻衣子証人への反対尋問(前田検事)(午前)
●斉藤亨被告への主尋問(市河弁護人)(午前)
●斉藤亨被告への主尋問(市河弁護人)(午後)
●斉藤亨被告への反対尋問(前田検事)(午後)
●斉藤亨被告への反対尋問(大久保検事)(午後)
●斉藤亨被告への再尋問(市河・冨田弁護人等)(午後)
●斉藤亨被告への尋問(裁判長)(午後)
●被害者が感じたこと(1)




●午前の部(10:00より)


当日の第405号法廷
(クリックで拡大)
■情状証人・小塚麻衣子の証人尋問(要約)

<傍聴者の感想>
 えんとらんすアカサカの現役スタッフ時代、「松健サンバ」風の金ピカのスーツがお気に入りだった日向(ひゅうが)先生。逮捕・釈放された後の昨年秋の淺原夫妻・佐野孝の初公判には、相変わらず派手なオレンジ色のスーツで傍聴席に登場していたこともあり、今回証人として出廷する際には、一体またどんな派手な格好で登場してくれるのかと楽しみにしていました。
 公判が始まる前に偶然廊下でバッタリ会ったのですが、決して目を合わさずに逃げるような印象。長く伸びた髪を後ろで一本縛り(中途半端なポニーテール状態)、やつれた印象でした。太ったのか、体形をカバーするようなダボッとしたベージュのワンピースに、昔流行った形の膝丈ブーツ。入廷する際に入り口を間違うわ、大量の荷物を法廷に持ち込んで入ってきて戸惑うわ、弁護人は証人に対してそういった配慮を事前にしてあげなかったのかと、証人が気の毒に感じました。
 彼女は女性ですが、傍聴席の男性会員同様、「去勢された犬」という印象で、彼女自身に対する怒りはなんだか消えてしまい、むしろ哀れさを感じました。
 それでもところどころ堂々と嘘を付いたことに対しては、決して許されないと思いました。こういったふざけた発言も事実も、神世界関係者は組織的に必死で隠そうとしているんですよ!
 以下、証言をメモにとりながら私の感想も書き留めましたので、その通り記載します。差別用語、放送禁止用語を伴う言葉遣いの悪さは、臨場感を表すということで、どうぞご了承くださいませ。彼女を知るみなさまには、よくイメージしていただけると存じます。そして、こんなのが情状証人なのかということで、この団体のしょぼさと狡さが、少しでも世間に明らかになれば幸いです。


(小塚証人、入口を間違って、うろうろしてから入廷する。)

■裁判長:荷物は後ろのベンチに。
小塚証人:はい。

■裁判長:名前は?
小塚証人:小塚麻衣子。
■裁判長:年齢、職業、住所は記載の通り?
小塚証人:はい。
■裁判長:会社経営となっているが、役員?
小塚証人:はい。
■裁判長:その前に嘘を言わない宣誓をしてください。
小塚証人:「宣誓。良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りのないことを誓います。」
■裁判長:宣誓の意味はわかりますか?宣誓しましたので、本当のことをありのままに言ってください。
わざと嘘の証言をすると偽証罪で処罰を受けることありますのでそういうことのないように。

⇒会社経営?何の?経営コンサルタントだっけ?「宣誓」の意味は、わかってるんだろうな?



●市河弁護人からの主尋問(要約)

市河弁護人:えんとらんすアカサカのサロンに初めて行ったのは?
小塚証人:平成15年11月。
市河弁護人:きっかけは?
小塚証人:友人にお金を貸していて、その件で心労があり、同僚の信頼する友人に相談したらヒーリングを受けるところがあるから行ってみないかと紹介された。
市河弁護人:どこ?
小塚証人:広尾のリュミエールというサロン。
市河弁護人:始めてサロンに行って、御霊光受けて、何か感じた?
小塚証人:体感はなかった。
市河弁護人:その後定期的に通った?
小塚証人:定期的に通った。
市河弁護人:体感なかったのに、どうして?
小塚証人:ヒーリングは当時インターネット検索しても出てこなかったのでどういうものかわからなかった。そのとき担当者の言う「効果がある」ということを確かめたくて、騙されたと思って3回は通ってみようと。
市河弁護人:少し興味本位もあった?
小塚証人:そう。

⇒なんだ、お金のことがきっかけだったんだ。私には、ダイエットのためだとか言っていたけど。

市河弁護人:今回起訴された被告人・淺原嘉子のヒーリングを初めて受けたのは?
小塚証人:平成15年12月。
市河弁護人:嘉子からヒーリング受けて、何か体感あった?
小塚証人:体感はなかった。
市河弁護人:最初に受けたヒーリングと何か違いはあった?
小塚証人:特になかった。
市河弁護人:どうして嘉子のヒーリング受けることになった?
小塚証人:広尾のリュミエールというサロンのKR山先生から紹介されて。
市河弁護人:KR山先生から、嘉子はどういう先生と紹介された?
小塚証人:凄い先生と。
市河弁護人:でも何も感じなかったね?凄い先生だと評判なのに、疑問は感じなかったのか?
小塚証人:疑問には思ったが、お小水の量が増えるとか、電車の乗り継ぎがスムーズなど、タイミング良い体験ができたので、ちょっと違うのかなと。
市河弁護人:ヒーリング受けたあと何かしらの変化が起きたということ?
小塚証人:はい。

⇒へー。小塚もKR山が入り口だったんだ。そうやって考えると、KR山って、本当に罪作りなおばさんだよね。今日もツラっとして傍聴席に座っているけど。

市河弁護人:もう1人の被告人・淺原史利のヒーリングを初めて受けたのは?
小塚証人:平成15年12月。
市河弁護人:嘉子と同じくらい?
小塚証人:嘉子の後。
市河弁護人:どうして受けることに?
小塚証人:史利もすごいと、KR山先生から紹介されて。
市河弁護人:ヒーリング受けて体感は?
小塚証人:体感はなかった。

市河弁護人:その後、継続的に通った?体調の変化、わかりやすい何か変化はあったか?
小塚証人:御霊光をいただくと体の中から毒素が出るとあるが、体に湿疹が出た。湿疹が排泄として出た、結果をいただいたと思った。

市河弁護人:嘉子のカウンセリング、神霊鑑定を初めて受けたのはいつ?
小塚証人:平成16年1月頃。
市河弁護人:何か悩みあった?
小塚証人:御霊光いただいて湿疹が出た。排泄だが、かなり手が爛れるくらい酷く、原因を知りたくて嘉子の神霊鑑定に入った。
市河弁護人:原因はわかった?
小塚証人:薬毒と祖母からの遺伝毒素ということを教えてもらった。
市河弁護人:原因がわかって、何か御祈願しなさい、御供養しなさいと嘉子から言われた?
小塚証人:御霊光をしっかり受けることと、祖母の御供養をした方がよいと言われた。
市河弁護人:現実に祖母の御供養はした?
小塚証人:してない。
市河弁護人:どうして?
小塚証人:そのとき、経済的にそこにかけるお金がなかったので御祈願しなかった。
市河弁護人:御供養にいくらかかると言われた?
小塚証人:金額は言われてない。
市河弁護人:お金ある程度かかるだろうと思っていた?
小塚証人:御祈願・御供養3万円以上と言われていた。そのとき3万円も出せなかった。
市河弁護人:その結果、湿疹はどうなった?
小塚証人:回復に向かった。
市河弁護人:御祈願しなかったのか?
小塚証人:しなかった。

⇒ええええーっ!御供養の祈願してないの?!カウンセリングで出されたTo Doは、それだけだったのに?カウンセリングで言われたことは、絶対にやらなきゃだめじゃん!しかもたった3万円すらできなかったって?あんなに沢山給料貰ってたのに?やる気なかっただけじゃないの?しかも平成16年からもう何年経ってる?結局のところお金なくて、やる気もないうちに、偉くなるわ、お金は入ってくるわ、会社の経費は使えるようになり、その頃には祈願なんか効果無いからしなくてもいいんだってことに気付いたからしなかった、ってことでオッケー?淺原夫妻も、お金のないこいつからはお金をとることは最初から諦めてた、ってことね。それにしても、そんなんであんなに偉そうにしていたなんて。笑えるわあ。

市河弁護人:その後スタッフになったが、それはいつ?
小塚証人:平成16年6月。
市河弁護人:きっかけは?
小塚証人:嘉子から誘われて。
市河弁護人:当時は別の仕事していた?
小塚証人:嘉子から誘われてスタッフになった。
市河弁護人:具体的に当初はどんな仕事していた?
小塚証人:嘉子のスケジュール管理や出張同行、サロン運営の資料作りなど。
市河弁護人:嘉子の助手みたいな仕事?
小塚証人:はい。
市河弁護人:当時の嘉子の行動だが、かなり出張多かった?
小塚証人:多かった。
市河弁護人:一緒に同行した?
小塚証人:はい。
市河弁護人:嘉子のカウンセリングの際に書記として立ち会うことはあった?
小塚証人:なかった。

⇒そうそう、「教会長はパニック障害で、1人では出張にいけないから私(小塚)が同行して、教会長にお取次してあげながら名古屋の開拓をした」って言ってたよねー。

市河弁護人:その後名古屋に行っているね?どうして名古屋に行った?
小塚証人:名古屋にサロンを立ち上げるように佐野から言われて。
市河弁護人:いつ?
小塚証人:16年10月頃。
市河弁護人:現実に何店舗?
小塚証人:名古屋メインで、小さいところを含め4店舗、5店舗。
市河弁護人:しばらく名古屋にいたね?
小塚証人:はい。
市河弁護人:東京に戻ってきたのはいつ?
小塚証人:18年1月。
市河弁護人:どうして東京に?
小塚証人:えんとらんすアカサカが分社化することになりそれで東京に戻ることになった。
市河弁護人:分社化の編制の際に東京に呼ばれ、そこで今後はアカサカの社員として東京で活動するようにということ?
小塚証人:はい。
市河弁護人:具体的には誰から指示を?
小塚証人:・・・・・橘先生。淺原嘉子。

⇒名古屋では随分トラブルも起こしたよね。平成17年秋頃、淺原史利が「小塚先生は平気で顎で人を使うから、あれではスタッフが嫌になる」とよく愚痴ってたな。

市河弁護人:スタッフになってから、会社の中で「ここは宗教ではない」と言うように指示されていた?
小塚証人:言うように、という指示はなかった。
市河弁護人:現実にスタッフの頃、お客さんに「ここは宗教ではない」と言っていた?
小塚証人:それは言っていた。
市河弁護人:あなたも客だった当時聞いていない?
小塚証人:聞いてない。
市河弁護人:スタッフになってから聞いた?
小塚証人:そうです。

市河弁護人:御霊光やカウンセリング受けて、スタッフになって、ここの団体は、アカサカは宗教ではないか?という疑問はなかったのか?
小塚証人:宗教法人ではなかった。神様というのに有限会社ということで疑問はあったが、どっちにも属さない形なのかなと特に気にしていなかった。
市河弁護人:発言にあまり関心なかった?
小塚証人:「宗教ではない」ということは、神書に書いてあったので。

市河弁護人:事務的なことは別として、あなたの活動、御霊光やカウンセリング、そういった活動が宗教的な活動だとは思わなかったのか?
小塚証人:その時は、私は思っていなかった。
市河弁護人:何だと思っていた?
小塚証人:当時、世間でスピリチュアルが流行っていたので、宗教との間という位置づけ。
市河弁護人:厳格な意味での宗教ではないがスピリチュアル、眼に見えないものと?
小塚証人:宗教法人ではないのでスピリチュアルだと思っていた。
市河弁護人:あなたはアカサカに戻ってから具体的にどんな仕事をしていたのか?
小塚証人:御霊光の取次、カウンセリング、各拠点に行って客の対応など。
市河弁護人:嘉子は上司ということでよいか?
小塚証人:はい。
市河弁護人:東京に戻ってからも、助手みたいな嘉子のスケジュール管理などの仕事をしていたのか?
小塚証人:はい。
市河弁護人:あなたが戻ってきた平成18年当時、嘉子は出張多かった?
小塚証人:出張はあまりなかった。
市河弁護人:どこか特定のサロンにいた?
小塚証人:山梨、永田町。

市河弁護人:あなたがカウンセリングするようになったのはどうして?
小塚証人:佐野から「カウンセリングができますよ」と言われて。
市河弁護人:佐野から神霊講習受けているが、1人で受けた?
小塚証人:当時スタッフだった証人Cと一緒に受けた。
市河弁護人:その際色んな事教わったと思うが、答え合わせしたことは?
小塚証人:した。
市河弁護人:証人Cと一緒の時に?
小塚証人:よく覚えてないが、生まれた家を書くように言われて書いて盛り上がった。
市河弁護人:講習受けて、自分に神霊能力、神様からのメッセージを伝えることが出来ると確信した?
小塚証人:神霊講習を受ける前からカウンセリングができるといわれていたので、講習を受けたからというのではない。
市河弁護人:佐野から言われて、本当にそうかなと疑問に思わなかった?
小塚証人:その時は、佐野が言うことは全てと信じていたので、疑問に思わなかった。
市河弁護人:カウンセリングの時、特別に神様の声が聞こえるとか見えるとかはあるか?
小塚証人:特別かはわからないが、質問に対して答えが直感のようなかたちで、閃きで教えてもらった。
市河弁護人:それはカウンセリングしている時に、御相談受けて、神様、神霊に伺うと閃くと?
小塚証人:そうです。
市河弁護人:家系図、見取り図は見ながら?
小塚証人:いや、見ない。
市河弁護人:神霊鑑定の講習で、そういったものを使うように指導されていない?
小塚証人:されていない。

⇒佐野は、小塚には細かいことが向いていないとわかっていたから、家系図はやらなくていい、って指導だったんだよね〜。実際、小塚は自分が神霊鑑定を全て独り占めしようとしていたのに、方位鑑定は苦手で出来なくて、何かと理由をつけて証人Cに振ってたもんねー。市河さん、だから証人Cが一時方位鑑定をやっていたんですよー。

市河弁護人:証人Eのカウンセリングしている?
小塚証人:はい。
市河弁護人:史利のカウンセリングを紹介しているね?史利のカウンセリングに入るように淺原夫妻から指導されていた?
小塚証人:全員ではなく、体調の悩みある人には史利のカウンセリングに、と佐野から言われていた。
市河弁護人:あなたは体調に関してのカウンセリングはできないの?
小塚証人:(体調に関してのカウンセリング)は、してない。

⇒そこがおかしいだろ!!

市河弁護人:平成18年当時スタッフとして働いている時、嘉子からあなたに対して指導、具体的にはもう少し売上上げなきゃとか、人をたくさん集めてきなさいなどの指示はあった?
小塚証人:は、ないです。
市河弁護人:史利からは?
小塚証人:なかった。
市河弁護人:佐野が中心となってのミーティングに参加したことはある?
小塚証人:ある。
市河弁護人:ミーティングの際、佐野から、売上上げなきゃいけない、アカサカは売上が低いなどといった発言を聞いたことはある?
小塚証人:ある。
市河弁護人:当然それを聞いて淺原夫妻、経営者からあなた達に、売上上げるための何かこうしろああしろといった指示は全くなかった?
小塚証人:なかった。

⇒嘘つけ!!いけしゃあしゃあとよく言うわ!!!KR山とりらがもれなく付いてくる佐野とはもう縁を切るから、全部佐野のせいにしちゃえ、今後世話になるかもしれない淺原夫妻のことは庇っておこう、っていう魂胆見え見えだ。

市河弁護人:あなたは平成22年6月にアカサカを辞めているね?どうして辞めた?
小塚証人:今回の事件報道があって、会員の数が減り、サロンが縮小して、自分の仕事として考えると、一般的に縮小していく会社に自分が残ることは将来を考えて不安だったので。
市河弁護人:会社が無くなってしまうかと、そう思ったということ?
小塚証人:はい。

⇒ハイハイ。自分のキャリアとしては・・・ってことを言いたいのね。お約束。

市河弁護人:今回、淺原夫妻は組織詐欺を行ったということで起訴され、またその事実を認めている。詐欺を働いたことについて、あなたはその当時彼女達は詐欺を働いたと考えているか?
小塚証人:私は詐欺だとはずっと思っていないが、本人達がそう言っているので、大変残念だがそのようなことだと思う。
市河弁護人:つまり平成18年当時は詐欺とは思っていなかった、でも今は本人達が認めているので詐欺と考えていると、そういうこと?
小塚証人:はい。

市河弁護人:淺原夫妻の経営者としての活動について聞いていく。あなたはどちらかというと嘉子の方だったが、有限会社アカサカとして、何か会社の方として、スタッフに対しこういうことをしましょうとか、定期的なミーティングのようなことはやっていたか?
小塚証人:なかった。
市河弁護人:人を増やすために何かこういう勧誘しましょう、とかは?
小塚証人:なかった。

⇒市河さん〜。小塚が史利とは仲が悪かったことをよくご存知で(笑)。でも、それを利用して、嘉子が指示を出していないという嘘を仕立てあげようというのはダメよ。

市河弁護人:あなたを含め、スタッフの間で嘉子のそういった会社運営について、何か感想は?
小塚証人:当時は史利が社長、嘉子は特に代表ではないので経営のことにはあまり携わっていないのかなという印象があったのと、辞めたスタッフから私が話を聞かされていたのは、「神世界では拡大発展ということで全国にサロンを拡げましょうと話があったが、淺原夫婦が経営者だと、神様に必死でつなげて人を増やそうという方法や意識が弱くて、このままだと拡がらないよ」ということ。
市河弁護人:つまり、淺原夫妻は熱心ではなかったと?
小塚証人:はい。

⇒なに寝ぼけたことぬかす〜!(怒)

市河弁護人:淺原夫妻の性格等について聞く。最初のスタッフの頃から嘉子に接していて、平成18年当時、あなたから見た嘉子はどんな性格だった?
小塚証人:すごく神様に対して使っていただきたいという気持ちが人一倍感じられた。自分の弱いところは見せずに強そうに見せるところがあった。
市河弁護人:強そうに見せている、つまり無理しているということ?
小塚証人:そのようなときもあった。

⇒「本当はすごく弱いくせに、虚勢を張って見せることころがある、でも本当はとても弱いからすぐ傷ついて、ホント扱いにくいのよ」って、嘉子があなたのこと愚痴っていたことありますよ。あなたたち、似た者同士ね。

市河弁護人:史利について印象的なことは?
小塚証人:史利に関しては、スタッフがほぼ女性の中で1人だけ男性であり、コミュニケーションにおいてなかなかスタッフとかみ合わないところがあった。理屈っぽいところがあったので、私を含め女性スタッフとぶつかることがあった。社長として、神様、佐野から売上上げるように話されていたが、経営者として取り組んでいる様子がなく、嘉子の方が経営者として働くようなことがあり、史利は経営者、社長として向いていないんじゃないかという話は事あるごとにしていた記憶ある。

⇒笑っちゃった。そうそう、確かにあなたは嘉子と一緒にそうやって毎日史利をバカにしてましたよね。でも、かみ合ってなかったのはあなたとだけだったような気がしますけど?史利はあれでも、天野先生大好き♪な女性スタッフが何人かいましたから。京都に飛ばされてKR山の会社の先生になったちょっとおかしい人とか、KR山から精神病と言われて表に出させてもらえなかったメシ炊き掃除専門スタッフとか、山梨のおばさんとか。スタッフ全員とかみ合っていなかったのは史利ではなく、それは小塚、お前だー!史利、こんなところでまで小塚にバカにされて悔しくないのか?男だろ?お前はやっぱり去勢されてんのか?まあ、最後の最後まで誠意を1ミリも見せずに逃げ回った嘉子よりは、史利の方がまだ少しは経営者、社長としてはましだという印象が私にはあるけれど。いや、褒めているんじゃないですよ。結局お前も逃げたのだから。

市河弁護人:淺原夫妻が夫婦であることは、スタッフ当時から知っていた?
小塚証人:はい。
市河弁護人:どうやって?
小塚証人:早い段階で嘉子から聞いた。
市河弁護人:史利の方も当然社長ということで出張多かったと思うが、夫婦で旅行に行ったり食事に行くなどプライベートなことはよく見かけた?
小塚証人:一切見たことない。

⇒淺原夫妻は、京都には毎月夫婦で一緒に出かけていましたよー。それから、夫婦揃って神世界の御三方と一緒に、赤坂、青山、六本木の高級フレンチやイタリアンによく行っていましたよー。

市河弁護人:現在あなたは別に働いていると思うが、淺原夫妻が詐欺を認め、当時は中にいた。そのことについて何か後悔やこうすればよかったということはあるか?
小塚証人:私は神様とか経営者、アカサカや嘉子を信じていた。信じて私は私なりに誠心誠意やってきたつもりだったが、このような事件に発展してしまって、事件性に自分が気付かなかったことに反省している。

⇒私は私は、って・・・相変わらずだな〜。

市河弁護人:神霊能力は今の段階であると思うか?
小塚証人:あったと思うが今の時点ではない。
市河弁護人:何故?
小塚証人:スタッフを辞めたので、神霊鑑定できない。
市河弁護人:誰かからそう教わったのか?
小塚証人:いや。
市河弁護人:あなたがそう考えた?
小塚証人:そう。

⇒へっ?あんなんで当時の自分に神霊能力があったと、今でも思ってるの?(呆)

市河弁護人:神世界の祭典に出席して、他のグループ会員見かけたことあると思うが、アカサカと比較して、何か違いは?
小塚証人:神様を大事にする信仰心や崇拝するような気持ち、知っていただきたいという情熱があまりなかった。冷めていた。自分と神様との繋がりが大切と嘉子は言っていた。拡げることに熱心ではなかった。

⇒「信仰心」、「崇拝する」、これは用意してきた単語だな。

市河弁護人:淺原夫妻は、今後は神世界の活動を辞めると言っているが、どう感じる?
小塚証人:あれだけ強い信仰心があると私は思っていたので、そのことを聞いて非常にショックを受けているが、この事件になって、そう思うなら仕方ない。
市河弁護人:つまり当時からすれば、辞めるとは、かなり大きな転機が夫妻に起こったと感じていると?
小塚証人:はい。

⇒ほらまた出た、「信仰心」(笑)。

市河弁護人:あなた自身は未だに神世界の神書の教えとか御霊光をまだ信じている?
小塚証人:・・・言いにくいが、信じたい気持ちはあるが、今思うと被害者もいるので、本当に奇跡や結果が全て御霊光だけのものなのかというのは考え直さなければならないなと思っている。
市河弁護人:この事件、淺原夫妻のそういった行動からみれば、自分が経験してきたことも自分としても本当にそうなのかなと思うということ?
小塚証人:はい。

⇒もっとちゃんと本音ぶちまけちまえ。

市河弁護人:最後に宗教的なことは離れて人間的なところを聞く。淺原夫妻に関して、あなたが受け止めている人間性の部分、印象深いところを挙げて。
小塚証人:お互い両極端で、水と油のような感じ。どうして夫婦なのかなと思うところがあるが、深いところで支え合っているようなことが身近に感じられ、バランスをとっているのだと思った。
市河弁護人:ご夫婦の気持ちは、性格的には違いがあるにせよ、信頼しあっているということ?今後淺原夫妻とはどういう付き合いをしていくのか?
小塚証人:・・・詐欺をしたということで、私自身もショックであるが、人としていい人なので、裁判の結果が出てその後の流れで自分がサポートしたい。
市河弁護人:何か神世界に関する宗教活動は今後行うのか?
小塚証人:今は考えてない。
市河弁護人:将来ありうると言うこと?
小塚証人:・・・わからないが・・・私自身も逮捕されて、やはり今回神世界の活動が「世間を騒がせた」ということで流れがあったので、私自身もどうしようか考えた上で、今のところは自分を見つめ直していきたい。
市河弁護人:神世界の活動はしないということでよいか?
小塚証人:はい。

⇒確かに水と油みたいな夫婦だったよね。人としていい人って、詐欺をする奴のどこが人としていい奴なんだよ!やっぱりこいつも結局、今後神様ごとに関わっていくつもりなんだ。こういうときはツラっと嘘をつき通せず、中途半端に尻尾出すんだよな〜。



●前田検事からの反対尋問(要約)

前田検事:神霊能力を授かったと認識したのは、佐野から出来ると言われたのがきっかけということでよいか?
小塚証人:その言葉を聞いて、自分には神霊能力があると信じた。
前田検事:神霊能力が実際にはあるということで認識していたと。確かめたことはあるか?
小塚証人:確かめてみたことはないが、会員がカウンセリングに入った時、間違った結果があればクレームがその場であると思うが、それがなくその後順調だったので間違っているとは思っていなかった。
前田検事:初めは裏付けなかったが、神霊能力を信じていたということ?
小塚証人:佐野に言われたから。
前田検事:どうして佐野から言われると神霊能力があると思うのか?
小塚証人:佐野が言うことは神様の言葉だから、何も疑わずにいた。
前田検事:何か奇跡起こったのか?
小塚証人:奇跡起こったかはわからないが、出来ると言われて信じた。
前田検事:佐野が行ったことで、何か凄いなと思うことはあったのか?なかったのか?
小塚証人:どういうことに関して?
前田検事:カウンセリング、神霊能力に関して。
小塚証人:・・・佐野の鑑定を受けたことはないのでわからないが、会社の方針として佐野の言うことが全てとその時信じて仕事をしていたのでそのように実行していた。
前田検事:私が聞いているのは根拠についてだ。どうして?
小塚証人:根拠はない。信じていたので、神様なので。私はそのとき神様を信じていたので根拠はない。

⇒はいはい。なんでも佐野のせいね。

前田検事:先程、関わるきっかけが広尾のリュミエールでヒーリングを受けたことで、その後嘉子のヒーリングを受けたが何も体感なかった、電車の乗り継ぎが良くなったとか小水が出たとかとのことだったが、このような結果で、嘉子が凄い先生だと思ったのか?
小塚証人:その時は凄いとは思っていない。
前田検事:その後、凄い先生と言われた史利のヒーリングを受けた時も体感はなかったとのことであったが、凄いと思ったのか?
小塚証人:その時は思わない。
前田検事:継続してヒーリングを受け続け、体に湿疹が出て、嘉子のカウンセリングに入ったところ、薬毒とかおばあさまの遺伝とか言われたとのことだが、結局あなたは御祈願してない?
小塚証人:していない。
前田検事:それにも関らず湿疹治ったのは、どうしてだと思った?
小塚証人:御霊光をいただいて毒素を出していただいたのと、神霊鑑定はただ答えをいただけるだけでなく、入った案件が良くなるような御誘導があると信じていたので、御祈願しなくても私はよくなった。
前田検事:あなたが感じたことで、すごいなということを佐野や史利や嘉子から得られたことはあったか?
小塚証人:あった。
前田検事:例えばどういうことか?
小塚証人:・・・・・・・・・例えば名古屋のサロンをつくる時に、自分の思うような運営が出来るようになった。当たり前だが、タイミングが重なって仕事が順調に行き、神様を実感して生活していた。
前田検事:経営のやりかたという意味?
小塚証人:はい。というか、運営。
前田検事:嘉子、史利、佐野が、神霊能力を使った経営アドバイスをしたということ?
小塚証人:いやそれはないが、上の先生から御霊光いただくと、すごい御霊光でその結果と思った。

⇒自分では結局、御供養の祈願していないって、ホント、こいつのいい加減さと、詐欺だとわかっていたってことの証明だよなあ。

前田検事:湿疹はもともとあったのか?
小塚証人:いや、昔アトピーがあった。
前田検事:嘉子のカウンセリング受ける前にあった?
小塚証人:あった。
前田検事:あったの?!
小塚証人:カウンセリング受ける前ということ?
前田検事:そう。
小塚証人:だから、御霊光いただいて体に湿疹が出て、それが御霊光の効果だと。
前田検事:もともとあなたの体になかった湿疹が出てきたけど、また無くなっただけでは?
小塚証人:そう言わればそうかも。
前田検事:当時はそう思わなかった?
小塚証人:まあ、そう言われればそうだ。
前田検事:あなたには何の変化もなかったとは思わなかった?
小塚証人:小さい頃から体が弱く、アトピーや小児喘息があり、原因不明の体調不良で動けず学校を1年間のうち40日位休むという生活だった。何故かはわからないが湿疹が出たあと体が軽くなり動けるようになったので、御霊光の効果だと思った。

⇒なんだか情けないな、この女。ほんと。

前田検事:神霊鑑定では、お客さんの体調の件に関してはできなかったということ?
小塚証人:そう。
前田検事:では、あなたがわかる悩み、神霊鑑定をやっていたのはどんな対象?
小塚証人:仕事、結婚、恋愛、人間関係など。
前田検事:体調のことを聞かれても、それは私にはわからないので史利に聞いて、と繋げていた?
小塚証人:私は事前に全員に質問内容を紙に書いてもらっていたので、体調のことと書いてあれば私の事前に史利に紹介するように(他のスタッフに)伝えていた。

⇒そうそう、自分は神霊鑑定の出来る日向大先生で、他のスタッフにあれこれ指示出してたよねー。

前田検事:証人Eについて、あなたは平成18年6月29日にカウンセリングしたね。その時の会話で、あなたは証人Eに対し、「証人Eの子宮は冷えてますね」と話していないか?
小塚証人:記憶ないが、紙書いてあるならそうかも。
前田検事:では、そのように書いてあるなら当時自分は言っただろうと、あなたはそう認識するということ?
小塚証人:言ったかどうかわからないが、紙にかいてあるなら可能性あると。
前田検事:「今の仕事を続けていると、子宮の具合が悪くなって子供を授かれない体になってしまいますよ」と話しているのではないか?
小塚証人:話しているかは覚えていない。

⇒いやあ〜、そのふてぶてしさは健在なんだ。

前田検事:史利のカウンセリングに繋げているのは子宮や体のことは自分にわからないということになるが、あなたの先程の証言を前提にすると、わからないことを伝えていることになるね?
小塚証人:いや、そうではなく、御霊光の取次をすると、普通のスタッフでも相手の体の冷えていることなどが伝わってきて、それを伝える。それの一環だと。
前田検事:冷えているということが伝わってきて、「冷えてますね」と伝えたということ?
小塚証人:そうです。
前田検事:先程、体の悩みはわからないと言ったこととは矛盾しないか?
小塚証人:それは悩みではなく、ただ単に冷えが出ているというのはサロンでは日常的な会話なので、あまり深く体調のことという認識がサロンの中では全くなかった。

⇒そろそろ気付けよ〜。そこを深く掘り下げて考えてみればよくわかる。あんたも他のスタッフも私も、みんな騙されて利用されて詐欺の手先として知らないうちに利用されていたということに、いい加減気付けよ!!気付いても、自分を守りたくて事実を認めたくないから、みんな貝のように口をつぐんでしまうこと、上層部の奴らは、それを知っていたからこそ自分達の悪事が暴露されることはないだろう、訴えられることはないだろうとタカをくくってきたんだということに、気付けよ!!!

前田検事:体の悩みについてはわからないとのことだが、悩みついてあなたではわからないと誰が決めた?
小塚証人:わからないではなく、最初のスタッフが史利のカウンセリングに、ということだったので、体調に関してはカウンセリングの回答していなかった。
前田検事:どうして史利の役割で、あなただとだめとなった?
小塚証人:それは佐野に言われたから。
前田検事:あなた自身は問うてみたことないのか?客がきいてくることはなかったのか?
小塚証人:私は佐野の言うことを信じていたので、出来ないと言われたら出来ないと思っていた。
前田検事:問うてみたのか?という質問なのだが。
小塚証人:問うてない。

⇒はいはい。また佐野のせい&しらばっくれね。

前田検事:あなたが神霊能力授かった件はわかったが、講習は何のためにと認識している?
小塚証人:言われたから受けた。
前田検事:講習を受けて、あなたに何か変化はあったか?
小塚証人:それは、わからない。
前田検事:証人Cと一緒に受けているね?
小塚証人:はい。
前田検事:佐野から言われた内容で、悩みの原因には、毒素、霊、環境の3要素があり、これに必ず当てはまると言われた記憶はあるか?
小塚証人:私は覚えてない。
前田検事:実際鑑定やって、悩みの原因、3つの原因はあったか?
小塚証人:覚えてない。
前田検事:御祈願やお浄めの金額について佐野からの講習で説明あったか?
小塚証人:なかった。
前田検事:M入先生のところでは30万、W田先生は300万と言っている、と聞いてないか?
小塚証人:記憶にない。
前田検事:あなたの神霊鑑定では、御祈願の値段も御神霊として伝わってくるのか?
小塚証人:はい。
前田検事:いくらだと神霊から言われたのか?
小塚証人:いくらというのはないが・・・。
前田検事:神霊から最高額でいくらと言われた御祈願がある?
小塚証人:・・・50位と思う。覚えてない。
前田検事:その時々によって違うのか?
小塚証人:本当に、すごい、高額というか、100万とかはなかったと思う。

⇒まずいところは全部「覚えてない」「記憶にない」ってね。あなたの話を聞いていると、祈願には効果などないことも詐欺だということもわかっていたから、100万はちょっと高すぎだと思っていた、って聞こえるけど?

前田検事:ミーティングについて聞く。淺原史利や嘉子から、売上上げる指示はなかったと聞いてよい?
小塚証人:なかった。
前田検事:佐野からは?
小塚証人:あった。
前田検事:具体的にどのような?
小塚証人:人を増やして、そこで新しい人を神霊鑑定に案内するように。
前田検事:そのような指示を受けて、売上を上げたり人を増やすことを自分なりにやってきたということ?
小塚証人:佐野はそう言っていたが、直属の上司である嘉子や史利からはそのような指示はなかったので、それに対してすごく熱心に取り組んでいたという記憶あまりない。
前田検事:自分自身、名古屋ではノルマを設けたことはない?
小塚証人:ノルマと言うかまあ、目標は自分で各自立てていたが、一般的な会社のような絶対に目標達成というようなきつい指導はなかったし、売上達成しないスタッフの方が多かったので、自分もそのとき一般的な会社を経験していたが、神様のところだと案外ゆるいというか楽に経営できるんだなという印象だった。

⇒ふーざーけーるーなー。

前田検事:名古屋でサロン経営しているときに、色んな書類とか、プレゼンテーションソフトみたいなの作ってていたね?
小塚証人:はい。
前田検事:その中で売上に関するプレゼンテーションソフトなども?
小塚証人:はい。
前田検事:客単価はいくら、人数集めなきゃ等、事細かにプレゼンテーションソフトを使ってスタッフに指示していたのでは?
小塚証人:・・・・・そういう資料作って指示した記憶ない。大体佐野から言われたことをスタッフに伝えることはあったが、自発的に自分が数字掲げてということはなかったと思う。
前田検事:名古屋にいるときスピリチュアルコンベンションというイベントに出ているね。
小塚証人:はい。
前田検事:そこで注意点まとめているね?
小塚証人:記憶ない。
前田検事:神世界、えんとらんすの教えによると、いろんな方に救いをとの認識でよいか?
小塚証人:はい。
前田検事:老若男女問わず?
小塚証人:はい。
前田検事:注意点まとめたことを覚えてないというが、「男性にはお声掛けしないでください」と書いてないか?
小塚証人:書いたことは覚えていないが、佐野から「女性の方が口コミで拡がるので女性の方に拡げるように」と言われたので、そのように書いたと思う。
前田検事:そういう姿勢に疑問を抱かなかったのか?
小塚証人:どこの会社でも何かを拡げるには女性の口コミが一番だと。
前田検事:「男性に声かけないでください」というのと矛盾しないか?
小塚証人:・・・「かけないでください」にしないとスタッフがかけてしまうこともあるのでそう書いたと思う。
前田検事:「男性は活躍しないから」とあるが?
小塚証人:一般的な会社と同じで、女性の方が沢山の方にお話するので、だと思う。

⇒そのプレゼン資料、知ってる。札幌でKR山が持っていた。で、今度は出来の悪いスタッフのせいにするんですか?(呆)

前田検事:今回、佐野、史利、嘉子が詐欺を認めたのは残念だがそうなんだろうということだが、自分が詐欺に加担していたという認識はあるか?
小塚証人:全くないので驚いている。
前田検事:証人Eの件、史利の神霊鑑定に繋げている。あなたは全く関与してないというが何が悪かったと認識しているか?
小塚証人:何について?
前田検事:今回の件が詐欺事件だということについて。
小塚証人:証人Eの件?
前田検事:はい。
小塚証人:・・・・・・・・・・。史利と証人Eの鑑定はわからないが、彼女(証人E)に誤解させてしまうような発言や、まだ理解していないのに勧めたこと、そういうことがあったのかと。
前田検事:必ずしもそういう発言があったと認識しているのか?
小塚証人:いや、私は認識してないが、まさか史利や嘉子が詐欺をしているなど夢にも思っていなかったので、驚いているが。
前田検事:そういう認識だったのに、どうして認識変わったのか?
小塚証人:
前田検事:認識変わってどうして詐欺だと?「残念だがあなたは受け入れている状況」なのだろう?
小塚証人:本人が法廷の場で、本人が認めているので、残念だが認めざるを得ない事実だと思うので、そのように思う。
前田検事:そうであれば、あなたの教えの基本になっている佐野、淺原史利、嘉子が間違っているというのなら、自分も間違っていたと思わないか?
小塚証人:私は詐欺をしたことは自分の中ではないと思っているし、ないが、あれだけ信仰心が深いと思って信じていた2人が詐欺をしたというなら、私はしてないが彼らはしていると認めざるを得ない。

⇒こいつ結局自分がかわいいだけじゃん。私は淺原夫妻とは違うってことを主張したいだけじゃないの?なんのために淺原夫妻の情状証人として出てきたん?

裁判長からの尋問(要約)

■裁判長:あなたは以前は日向(ひゅうが)という名前を名乗っていた?
小塚証人:はい。
■裁判長:それは本名?
小塚証人:いえ、佐野から。
■裁判長:日向(ひゅうが)何?
小塚証人:晶子(あきこ)。
■裁判長:サロンでそういう名前を名乗りなさいと佐野に?
小塚証人:そうです。

■裁判長:あなたは客に対して神霊鑑定を行っていたが、祈願に繋げるように言われていた?
小塚証人:は、言われていたことは事実。
■裁判長:ただあなたは、自分自身は神霊鑑定を受けた後、祈願をしてないね?
小塚証人:はい。
■裁判長:そのことについて矛盾感じなかったか?
小塚証人:・・・今思えば矛盾だと思うが、その時は、私は本当に信じて神様に使っていただいて良くなりたいと思って仕事をしていたので、あまりその件に関しては思っていなかった。

⇒だからそれがおかしいんだってー。神様の力で良くしてもらいたいならまずお金だったでしょう?みんな、本当に真面目にやっていたスタッフは、すっからかんになるまでお金使い果たしましたよ。小塚、お前が信じていたのは神様ではなくお金様だ!裁判長、流石そこを指摘してくださいました。小塚は明らかに矛盾しています。

■裁判長:今あなたがしている仕事は、神世界とは関係ない仕事ですね?
小塚証人:関係ない。
■裁判長:今、淺原夫妻とは関係ある?
小塚証人:今はこの件を通してまあ、お話しないといけないこともあるので。
■裁判長:「お話しないといけないこと」ってどういうこと?
小塚証人:私自身も○○(聞き取れず)かどうか、お聞きしないと納得できないので、そのような関わりはある。
■裁判長:今日、証人として出るまでに淺原夫妻と行き来やお話あった?
小塚証人:は、あった。
■裁判長:こういう事情で証人として出てほしいと?
小塚証人:いや、それはない。弁護士の先生から。
■裁判長:あなたがアカサカを離れた後、淺原夫妻とは個人的なお付き合いあった?
小塚証人:・・・スタッフを辞めてもアカサカのサロンに通っていたので、その繋がりがあった。
■裁判長:アカサカを通じての付き合い?アカサカを離れた付き合いはない?
小塚証人:ない。

⇒小塚さんよ、逮捕されちゃったのは誰のせい?もちろん自分のせいですよ。でも、淺原夫妻や佐野や弁護士の言葉を信じた結果でもあるでしょう?神世界の教えを信じた結果でしょう?まあ、被告人らが実刑喰らってぶち込まれる前に、今のうちによく話をしておくことだ。あんた、自分の身を守るために、他のスタッフを陥れようとしてまで自分が罪に問われそうになることから逃げようとしたよね?淺原夫妻と随分打合せもしたよね?その結果、因果応報で今があるよね?そこのところ、徹底的にはっきりさせてしっかり反省しないと、一生苦しむのは自分だよ。でも、絶対に人のせいにするんじゃねーぞ。誰かのせいにするなよ。自分の頭で、自分で考えろよ。全ての責任は自分にあるんだよ!



(以上、証人尋問終了)

(休憩)11:00〜11:15

11:17 午前の部再開
■斉藤亨被告の被告人質問(要約)

●市河弁護士による被告人質問
■裁判長:斉藤被告は中央の証言台に着席してください。

⇒斉藤被告が被告人席から中央の証言台に移動する。斉藤亨被告は、すでに保釈されているため、前回までとは違い、身なりが整っている。白のカッターシャツにネクタイを締め、ズボンにはきちんとアイロンがかけられた黒っぽい色のスーツ姿だ。靴は黒の革靴を履いている。ただ、被告人席から証言台に移動するときの動作は緩慢で、体調はあまりよくないように見えた。

市河弁護人:では、主任弁護人・市河から質問します。
市河弁護人:再度確認するが、あなたは別の事件であるE2の杉本明枝、こちらの事件である佐野孝、淺原史利、淺原嘉子らの被告と共謀し、組織的詐欺を働いたという起訴事実で起訴されているが、その事実に間違いはないか?
斉藤被告:はい、間違いありません
市河弁護人:では、あなたの宗教活動の経歴から確認する。あなたが初めて宗教的な行為に係わったのはいつか?
斉藤被告:中学一年の頃から
市河弁護人:その頃に御霊光を受けたということか?
斉藤被告:はい、そうです
市河弁護人:どちらの宗教団体に?
斉藤被告:当時私の父が熱心な信者であった、世界救世教の浄霊を受けた
市河弁護人:世界救世教。父親が信者だったのですね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:世界救世教の浄霊というのは、神世界での御霊光と同じようなものか?
斉藤被告:はい
市河弁護人:なぜあなたは浄霊を受けることになったのか?
斉藤被告:私は当時蓄膿症で顔が腫れており、内蔵も内科で検査を受けたところ、心臓は不整脈、肝臓、腎臓は炎症を起こしており、非常に体調が良くなかった。
斉藤被告:冬場の寒いときは、手など末端の血流が悪くなる症状で非常に困っていたので、父が、「浄霊を受けてみないか」と言い、それを受けることになった。
市河弁護人:受けた結果、何か変化は?
斉藤被告:受けてすぐに劇的な変化はなかったが、約1カ月くらい通っているうちに体の中から毒素が出るようになった。それで非常にびっくりした
市河弁護人:後に神世界で言うところの排泄という現象が起きたということか?
斉藤被告:そうです
市河弁護人:その結果、蓄膿症は改善したのか?
斉藤被告:受け続けて1カ月ほどしたところ、吐いたり、下したりといった状態が一日中続いた。翌日にはけろっとしたが、そのとき、自分の体調の変化に気づいた。鏡を見てみると、蓄膿で腫れていた顔が少しずつ普通になっていき、体も軽くなっていて、体調も良くなっていた

市河弁護人:その後、体調は?
斉藤被告:18才くらいのときに幻聴のような症状が出るようになり、精神的に不安定な状態になった
市河弁護人:幻聴?つまり、現実にはいない人の声が聞こえるということか?
斉藤被告:はい、そうです
市河弁護人:24時間ずっと?
斉藤被告:起きているときはずっとでした
市河弁護人:病院に行こうとは思わなかったのか?
斉藤被告:そう思ったが父に止められた
市河弁護人:それで再度、世界救世教の浄霊を受けることになった?
斉藤被告:はい
市河弁護人:その結果よくなったのか?
斉藤被告:よくはならなかった
市河弁護人:では、その幻聴など精神的に不安定な状態はいつまで続いたのか?
斉藤被告:一カ月ほどずっと続いていた。
斉藤被告:当時、世界救世教の山梨本部に寝泊まりしていた、ある先生がいた。父が、「身延(山梨県の地名)の方に奇跡を起こしてくれる先生がいる」と言って連れていってくれた。この先生は、当時の世界救世教のやり方とは全く違い、世界救世教教祖・岡田茂吉が在世中に行っていたのと同じ方法で病気治しの奇跡を起こすことができる人だと言われており、その先生のところへ行くようになった。
市河弁護人:その先生のところへ行って浄霊を受けた?
斉藤被告:はい、受けました
市河弁護人:それで幻聴などは良くなったのか?
斉藤被告:すぐにはよくならなかったが、その先生の浄霊を受けてからは頭がスッキリしてきて、幻聴はあるが我慢できる程度になった
市河弁護人:それでずっと通い続けたわけ?
斉藤被告:症状が良くなってきたことと、両親も喜んでくれたので、私も毎日通うようになった

市河弁護人:あなたはその後、世界救世教の学校に通っているね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:それは幹部候補生の学校?
斉藤被告:そうです
市河弁護人:どういう経緯でその学校に行くことになったのか?
斉藤被告:私は18才頃から身延の先生のところに通っていたが、私が20才くらいのときに、父が事件で懲戒免職となり、生活の基盤が揺らいだ。そこでそうした経緯を知っていた身延の先生が、私が救世教のおかげで体調も良くなり、私が救世教の先生になりたいのなら私を預かろうということになり、そうした流れの中で救世高等学院という学校に入ることになった
市河弁護人:その学校にはどれくらい通ったのか?
斉藤被告:学校の寮に入っていたが1年いた
市河弁護人:1年いて卒業は?
斉藤被告:その学校は2年通わないと卒業できないのだが、幻聴がひどくなり、勉強や合宿に耐えられなくなり、1年で実家に帰ってしまった

⇒当時の斉藤亨を知っている人の話では、斉藤亨は寮での集団生活や人間関係に耐えることができず、救世高等学院を中途退学して去って行ったと述べている。

市河弁護人:それでまた実家の方で以前の先生から浄霊を受けたのか?
斉藤被告:その先生は、その当時は静岡の方に行ってしまっていたので、毎日山梨から静岡まで通うわけにも行かず、自宅の2階で父がやっていた世界救世教の人たちの集まりに私も参加し、そこで浄霊を受けたり手伝ったりしていた。その頃、母が雑貨屋を始めたので、それも手伝っていた
市河弁護人:父親がやっていた救世教の手伝いをしながら、父親から独立して宗教活動をやってみるように言われ、そういった修行を受けたのか?
斉藤被告:はい、受けました
市河弁護人:それはあなたが何歳位のとき?
斉藤被告:私が27、8才のときだったと思う
市河弁護人:父親は具体的にはどのようにあなたに言ったのか?
斉藤被告:突然、観音様が父のところに現れて、「新しく、人類救済のための宗教を作りなさい」と言われた。そして御神体を作りなさいと言われた。
市河弁護人:御神体とは具体的には何を作るのか?
斉藤被告:千手観音様の御姿を、私が紙に描き、描いたものを表装し、神殿に御奉祭するということ
市河弁護人:実際にあなたは千手観音像を描いたのか?
斉藤被告:はい、描きました

⇒おいおい、岡田茂吉が描いた千手観音図をそのまま丸写しにすることは、「描いた」とは言わずに、「写した」と言うんだよ!(怒)

市河弁護人:それをお奉りした?
斉藤被告:はい、実家の二階の神殿に
市河弁護人:それが神世界の前身である、千手観音教会の出発点ということだね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:その後、世界救世教との関係はどうなったのか?
斉藤被告:しばらくの間は実家の二階に救世教関係者が出入りしていたが、本殿を作り、はっきり千手観音教会と名乗るようになり、世界救世教から独立した形になってからは、救世教関係者はみな辞めてしまった。
市河弁護人:その本殿というのはどこに作ったのか?
斉藤被告:実家から歩いて5〜6分のところにゲートボール場として竜王町(当時)に貸していた土地があったので、そこに本殿を作った
市河弁護人:本殿が完成したのはいつ?
斉藤被告:昭和62年の夏から秋にかけてだったと思う
市河弁護人:そのときに御神体を移す遷座祭を行った?
斉藤被告:昭和62年9月3日に信者総出で遷座祭を行い、御神体を奉納した
市河弁護人:その日が正式な千手観音教会設立の日と解釈して良いのか?
斉藤被告:はい

市河弁護人:これで千手観音教会が設立された訳だが、当時の会員あるいは信者数は?
斉藤被告:遷座祭を行ったときの信者数は、私の家の家族全員と祖母も入れて20数名だった
市河弁護人:この当時は、後に神世界になってからは”御霊光”と呼ぶことになる、”神手(みて)かざし”を行っていたのか?
斉藤被告:はい
市河弁護人:”神手かざし”と御霊光は同じものか?
斉藤被告:同じです
市河弁護人:神霊鑑定は行っていたのか?
斉藤被告:行っていない
市河弁護人:この当時、「宗教ではない」といった発言はしていたか?
斉藤被告:その当時は言っていなかった。しばらくしてから、「今までの宗教とは違うもの。宗教を超えた超宗教だ」と言ったことはある
市河弁護人:他の宗教とは違うということか?
斉藤被告:はい、そうです
市河弁護人:どこが違っていたのか?
斉藤被告:神様からいただける救いの力が、他とは比べものにならないものだった点が違っていた

市河弁護人:その後、千手観音教会は平成12年2月に有限会社になったが、会社化する以前の状態では、あなたはどれくらいの人に”神手かざし”をしていたのか?
斉藤被告:会社化する直前では、普通の日でも一日20〜30人位の人に神手かざしの取り次ぎをしていた。祭典の日になると、非常に多くなるときもあった
市河弁護人:あなた以外にも”神手かざし”をする人はいたのか?
斉藤被告:はい、いました
市河弁護人:その方はなんと呼んでいた
斉藤被告:「教師」です
斉藤被告:私以外は取次者と呼んでいたが、教師、教師代理などもあった。取次ができるのは30人くらいだった
市河弁護人:その取次ができる人たちには、何か講習をしていたのか?
斉藤被告:特に講習はしていない。その人がどれくらい神様に対して純粋な気持ちであるか、取次者になりたいという意志があるかといったことを私が客観的に見て、全て私が決めていた
市河弁護人:あなたが選任していたということだね?
斉藤被告:はい、そうです
市河弁護人:その当時、神手かざしに対してお上げしていた玉串料は?
斉藤被告:一番階級が低い、「助手」の場合で3000円、最も位が高い私の場合で3万円くらいだった
市河弁護人:その金額はどのようにして決まっていたのか?
斉藤被告:よく覚えていないが、私と先生と呼ばれていた人たちで相談して決めていたのではないかと思う

市河弁護人:平成12年2月に、千手観音教会は、有限会社・千手観音教会事業部として会社化されたが、なぜ有限会社化したのか?
斉藤被告:その前の年に国税当局の調査が入り、修正申告をさせられた。金銭の出入りについても透明にするよう指導された。そうしたことがあり、法人にした方がいいと言われた。法人には、宗教法人、有限会社、株式会社、人格なき社団などいろいろあり、当時の状況としては、宗教法人にしたいと思っていたが、大きな事件などがあったので、宗教法人にするのは難しかった。人格なき社団については私も周囲の人たちもそうした法律について無知であり、意味が分からなかった。
斉藤被告:その結果、有限会社にして、しっかり税金を払い活動しようと考えた。

⇒斉藤被告の証言には、随所に”不自然さ”が感じられた。誰かから、「こう答えるように」と、あらかじめ教わった台本に従って回答しようとしているのだが、台本がまだ十分頭に入っていないため、”内容”や”文節”までが前後してしまい、日本語としておかしい部分が多かった。そのため、斉藤被告が証言した後、弁護人がすぐにその証言内容を”整理”して、筋書き通りのまともな日本語に”翻訳”して再確認する場面が何度もあった。弁護人の”翻訳”が、元々斉藤被告が答えることになっていた内容だったようで、斉藤被告も、弁護人の”翻訳”を聞いて、「はい、そうです」と納得していた。

市河弁護人:つまり、平成11年に税務調査が入り、修正申告を指導された際に、経理をしっかりするように指導された訳だね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:宗教法人にするのは難しいと考えた意味は?
斉藤被告:宗教法人の設立は難しいという話だったし、当時、宗教に関する大きな事件があったので、そういう点でもまずだめだろうという話を聞いた
市河弁護人:税理士や弁護士など、専門の人に相談しなかったのか?
斉藤被告:税理士に相談しました
市河弁護人:税理士は宗教法人がいいと言わなかったか?
斉藤被告:言っていた
市河弁護人:それなのにあなたは、宗教法人ではなく、有限会社にした訳だが、その理由は税金をちゃんと払って経理を透明にしたかったからなのか?
斉藤被告:それが一番の目的でした

⇒この証言を聞いて、筆者は思わず吹き出してしまった。すると、私の横に座って私を監視していた現役信者の女が私をにらんでいた。斉藤亨のようなカネゴンが、「税金をちゃんと払おうと考えた」などという話は、世界中誰一人として真に受ける者はいない。

市河弁護人:この平成12年当時、会員の中から経営者を募り、それらの者に取次所を任せて展開をしていくようなことをしたか?
斉藤被告:はい
市河弁護人:なぜ?
斉藤被告:その当時(平成10年〜11年)は、私が神書を書いていた。昼間は会員に取次をしており、神書の原稿を書く時間は深夜に及んでいた。そうした状況が丸一年は続いていたので、神書が完成した段階では私は心身ともに過労の極に達していた。
斉藤被告:会員には絶対にそのような姿を見せてはいけないと思っていたが、祭典のときに立って話をするだけでも苦しい状態であり、途中からは椅子に座って話をするようになった。
斉藤被告:そのような状態が続き、私は段々表から裏へひっこんだような形になっていた。そうすると取次者だけが前面に出るようになり、そのような体制では、私が神様から求められている発展は難しいだろうと思った。
斉藤被告:そこで一挙に体制を変えなければいけないと考え、経営者を募り、その中から優秀な者を選んで独立採算にして、全国展開をするのが一番速いだろうと思った。そうすることで、私もゆっくり静養できるのではないかと考え、経営者を募った。
市河弁護人:どれくらいの人数の者が経営者になろうとしたのか?
斉藤被告:私が、「経営者になりたい人は、手を上げて」と尋ねたら、50人くらいが手を上げた。
市河弁護人:その50人全員が経営者になったのか?
斉藤被告:いや、そのとき手を上げた50人の大多数は勢いで手を上げただけであり、経営者として残ったのは一部の優秀な人だけだった。
市河弁護人:今回、関連した事件で被告になった杉本(吉田)明枝もその中にいたのか?
斉藤被告:一番最初の時期に彼女がいたかどうかは不明だが、ほぼその当時から彼女はいたと思う

市河弁護人:平成12年に(有)千手観音事業部を設立し、このときから佐野孝被告に神霊鑑定をさせていたという記載があるが、あなたは発足当初から、佐野被告を活動の中心にしていこうしていたのか?
斉藤被告:佐野さんが神霊能力を授かったばかりの時は、神がかり的な感じであり、本人ではないような状態でだったので、とてもそれを前面に出してやっていける状態ではなかった
市河弁護人:でも現実には、佐野被告を神霊鑑定士として活動させているね?
斉藤被告:佐野さんが神霊能力を授かった後、佐野さんが希望していろいろな人の御祈願や供養に立ち会うようになった。祈願する人の横で佐野さんが見ていて、その人の霊や先祖がどのような状態にあるかを、佐野さんが伝えるという形が、佐野さんの神霊鑑定の始まりだった。
市河弁護人:佐野被告が神霊鑑定を始めたということで、会員がたくさん集まってきたり、それによって売り上げが上がった、玉串がたくさん集まったのか?
斉藤被告:佐野さんが神霊能力を使って神霊鑑定を行うようになってから、売り上げは劇的に増加した。
市河弁護人:売り上げは1カ月どれくらいになったのか?
斉藤被告:佐野さんが、神霊能力を授かった直後の、神憑りになった当時の1カ月間では、約9千万円から1億円の売り上げになった。
市河弁護人:それ以前の千手観音教会の売り上げはどれぐらいだったのか?
斉藤被告:正確には覚えていないが、それまでは、1カ月約3000万円程度だった。
市河弁護人:そうすると、佐野被告が神霊鑑定をするようになってからは、売り上げは倍以上になった訳だ?
斉藤被告:はい。でも、そのように売り上げが劇的に増えたのは最初の1カ月程度であり、それ以降はそれ程ではなかった
市河弁護人:なぜ?
斉藤被告:1カ月程で佐野さんの体調が悪くなり、その後は、あまりやっていなかった。
市河弁護人:先日行われた被告人質問で佐野被告は、体調が悪くなり、神霊鑑定ができなくなっていた時期があったと述べていたが、そのことは知っているか?
斉藤被告:知っています。
市河弁護人:しかし、佐野被告はその後、また神霊鑑定を再開しているが、あなたは再開するように佐野被告に指示をしたのか?
斉藤被告:再開するようにとは言っていない。佐野さんが神憑りになったときは、ものすごいものだなと私も思った。佐野さんの具合も段々悪くなり、かなり体調が悪そうだった。精神的にもかなり参っている感じだった。本人は、一日中神様の声が聞こえたり、一日中いろいろのものが見えたりして、参ってしまっていた。本人も「何かが乗りうつったようで恐い」と言っていた。
そうした状態だったので、神霊鑑定は止めて、庭の草取りや、犬の糞拾いをするなど、気ままにしてもらい、しばらく何も考えずに過ごしたらどうだと伝えた。そして彼の様子を私がずっと見ていたところ、急に良くなることはなかったが、だんだん月を経る毎に体調が良くなってきた。ほぼ以前の佐野さんのようになったので、「調子はどうだ?また神霊鑑定はできるか?」と聞いた。
斉藤被告:佐野さんは、「できるかどうかよく分からない」と答えたように記憶している。
市河弁護人:しかし、現実には再開しているところを見ると、何か再開させるきっかけがあったと思われるが、そのきっかけはどのようなことか。?
斉藤被告:佐野さんは、「一日中声が聞こえる。霊が見える。霊が訴える声が聞こえる。神様からの指示も聞こえる」と言っていたので、私は彼に、「その声を聞かないようにしなさい」と指示した。私も若い時、幻聴で苦しんだことがあったので、なるべく声も聞かないようにして、そして御霊光いただき、気ままにしていなさいと指示した。

⇒午後からの検事の尋問で、この矛盾を追及されることになる。

斉藤被告:自分を失わないように心がけていれば、そんなに幻聴でだめになることはないだろうといって、神霊鑑定を再開した。
斉藤被告:神霊鑑定を再開してみると、佐野さんの症状は完全に治った訳ではなかったが、何かが乗りうつったような状態ではなく、ある程度、自分でコントロールできる状態になり、神霊鑑定ができるようになった。

市河弁護人:その後、”W田M和さん”や”K藤K子さん”という人が、神霊鑑定士として登場しており、あなたが祭典の中で二人を紹介しているね?
斉藤被告:(斉藤被告、無言でうなづく)
市河弁護人:このW田さん、K藤さんは、どのような経緯で神霊能力が授かることになったのか?
斉藤被告:それは自然に授かった
市河弁護人:あなたはそれをどうやって確認したのか?
斉藤被告:まず本人から詳しい聞き取りをして、その内容を私が把握して、それが正しかったかどうか、どれぐらい当たっているか件数を確認した。
市河弁護人:つまり、「検証をした」ということだね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:その二人が神霊鑑定で述べた内容が現実に当たっているかという、答え合わせのようなことをしたということだね?
斉藤被告:はい、そうです
市河弁護人:あ、答え合わせをしたということですね?
斉藤被告:はい。

⇒神霊鑑定の結果が合っているかどうか、答え合わせをしてはいけないって、他の被告は言っていたけど???

市河弁護人:何か具体例で覚えていることはあるか?
斉藤被告:10年以上前のことなので、あんまりよく覚えていないが、何件か当たっていたということだけは覚えている。
斉藤被告:確か一つは、行方不明になった人がいて、地元の警察や消防団が探しても、出てこなかったが、どこら辺にいるんでしょうかということで鑑定したところ、鑑定で示した方向から、その人が出てきたことがあった
■裁判長:(そろそろ12時ですが)弁護人、あとどれぐらいの時間が必要ですか?
市河弁護人:あと40〜50分程度いただきたいと思いますが、ちょうど切りが良いので午前中はここまでにしたいと思います。
■裁判長:では、午前中はここまでとします。午後は13時30分から再開します。

●12:00 午前の部終了


昼休憩 地裁近くにあるLunchan Avenueのアップルパイ ア・ラ・モード


●午後の部(13:30より)

●市河弁護人による被告人質問(午前からの続き)
市河弁護人:午前中に続き神霊鑑定について尋る
市河弁護人:午前中の審議で、W田M和やK藤K子という神霊鑑定士が登場したことを確認したが、その後、淺原史利、淺原嘉子という2名が神霊鑑定士になっているね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:この2人は、佐野被告が神霊能力があると認めたということか?
斉藤被告:はいそうです
市河弁護人:その後に佐野被告はアメリカに行くということで、彼が神霊鑑定ができなくなるということで、平成14年頃から、神霊能力開発講座を淺原夫妻が行うようになった
市河弁護人:あなたは淺原に対して、神霊能力開発講座を行うように佐野被告に指示をしたのか?
斉藤被告:そういう指示をした記憶はない
市河弁護人:では、神霊能力開発講座は、どのような経緯で行われるようになったのか?
斉藤被告:・・・・・・・(長い沈黙)・・・・・・
斉藤被告:よくわからないが・・・、当時は私が言ったことが神様が言った言葉と同じように受けとめられる状態だったので、私が何げなくいろいろ思いつきで話をしたり、冗談で言ったことでも、周囲がとても真剣に受けとめ、それを実現しようとする状態だった。私は、「神霊能力開発講座をするように」とは言っていないが、「神霊能力ができる人がもう少し増えるといいねー」と、何気なく言うような会話はしたようには思う
市河弁護人:神霊能力開発講座にあなたは参加したのか?
斉藤被告:していません
市河弁護人:神霊能力開発講座をどのような人に受けてもらいたいか、あなたは指示をしたのか?
斉藤被告:特にそういうことはない

市河弁護人:神霊能力開発講座の内容について尋ねる
市河弁護人:神霊能力開発講座内容については佐野被告や淺原史利被告から聞いているか?
斉藤被告:いいえ、聞いていません
市河弁護人:聞いていない?
斉藤被告:はい
市河弁護人:では具体的に神霊能力開発講座でどのようなことが行われていたか、あなたは知らないということか?
斉藤被告:知りませんでした

市河弁護人:神霊能力開発講座を受けた人は沢山いる。その中には今回被告人になった杉本明枝もいる。この神霊能力開発講座は途中で終わっているが、なぜ途中で終わることになったのか?
斉藤被告:神霊能力開発講座がですか?
市河弁護人:はい
斉藤被告:それはよくわかりません
市河弁護人:よくわからない?
斉藤被告:はい
市河弁護人:神霊能力開発講座でいくら位のお玉ぐしを上げるように言いなさいとスタッフなどに指示をしたことはないか?
斉藤被告:ありません
市河弁護人:それでは、神霊能力開発講座を受けた人達が、神霊能力が身についたついたかどうか、あなたは確信していたのか?それとも神霊能力が身についたかどうかは分からなかったということか?
斉藤被告:佐野さんが主宰してやるのだから、神霊能力は間違いなく身につくだろうと思っていた
市河弁護人:つまり、神霊能力がある佐野被告がやるのだから、その講座を受けた人達には神霊能力の力があるだろうと思ったということか?
斉藤被告:そうです

市河弁護人:あなたは神霊能力、神霊鑑定について、これを推し進めていきたいと述べていたようだが、その理由は何か?
斉藤被告:それは神様の目的である、救いというものを世の中に広めていくためには、これ(神霊鑑定)は、非常に大きな力があると思ったからだ
市河弁護人:神霊鑑定で、お金が沢山集まるからではないのか?
斉藤被告:そういう面もあると思います
市河弁護人:午前中の質問に対して、佐野被告の神霊鑑定でお金が沢山集まったといったね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:神霊鑑定では、お金が沢山集まってくる。だから、これを前面に押し出そうしたのではないか?
斉藤被告:それは、一面、そういうことも考えたが、私の考えとしてはやはり、一番中心にある目的というのは、世の中に神様の救いを広めることだ。これが根本的なもので、それを実現する手段として、神霊能力を使えばいいのではないかと思った

市河弁護人:神書について尋ねる
市河弁護人:この神書は、あなたが書いたものか?
斉藤被告:はい、私が書いたものです
市河弁護人:その神書の中に、「御神業は奇跡・人・お金」という項目がある、そこで奇跡とお金について述べている箇所がある
市河弁護人:そこには、「御神業の要素としては奇跡と人とお金がある。奇跡がなければ御神業も存在しない。人が集まらなければ、具体的な活動はできない。具体的な活動するには、資金が要るのでお金が必要だ」などと書かれているが、先程あなたがいった救いというのは奇跡と同じことか?
斉藤被告:そうですね。
市河弁護人:そうすると、根本的な目的は、救いを人々に与えるということか?
斉藤被告:そうですね。
市河弁護人:でもあなたはいろいろな証言や資料から見ると、この事件当時、平成16年から17年当時、「売り上げを上げろ」という売り上げ重視の発言をしていますね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:こうした売り上げ重視の発言は、あなたが先ほど言った救いの話と矛盾はしないのか?
斉藤被告:確かに、言われてみるとそうだと思う

市河弁護人:あなたはグループ傘下各社に売り上げを競わせて、「もっと売り上げをもっと上げなければダメだ」と指導していなかったか?
斉藤被告:していました。
市河弁護人:更に、全国展開をしていく中で、「売り上げの上がらない会社は吸収していく」と言っていないか?
斉藤被告:いった
市河弁護人:そういった発言をするということは、売り上げを上げるよう、会員や経営者を競争をさせているように見えるが、そういう趣旨だったのか?
斉藤被告:そういう一面もありました。

市河弁護人:今回の事件、杉本被告の事件や佐野被告の事件で、詐欺的な言動つまり、具体的にいうならば子宮筋腫の病気の原因を特定し、それを奇跡で治癒すると、本来、そのような力がないにもかかわらず、そうした言動によって、御祈願をすれば治るとか、お玉ぐしをお上げすれば治るとかといった言動によって詐欺を働いたと皆さん方は認識しているようだが、あなた自身も詐欺を行ったと考えているか?
斉藤被告:思います。
市河弁護人:そのことと、あなたが今回、売り上げを上げなければいけないと言っていたこととは、何か関係があるか?
斉藤被告:大変大きな関係があると思います。
市河弁護人:つまり神霊鑑定を前面に押し出し、それによって御祈願等を行わせ、大きな金額の御玉串を上げさせるという意味が含まれていたということか?
斉藤被告:(しばらく沈黙)
斉藤被告:すみません。もう一度お願いします。
市河弁護人:つまり、あなたが売り上げを上げなさいといっていた発言には、具体的には神霊鑑定を前面に出して、神霊鑑定によって御祈願等をさせ、お玉ぐし等をあげさせて売り上げを上げなさいという意味が含まれていたということか?
斉藤被告:はい。そういう一面もありました。

市河弁護人:あなたは神世界の教祖として、以前、杉本被告が民事の裁判で高額な金を請求されて、和解した話は聞いていたね?
斉藤被告:はい聞いていました。
市河弁護人:その話を聞いて、神霊鑑定はまずいんではないか、あるいは、大きな金額の玉ぐしはまずいのではないか、危険ではないかと考えなかったのか?
斉藤被告:考えました。
市河弁護人:え?
斉藤被告:考えました。
市河弁護人:では何か対策を取ったのか?
斉藤被告:(しばらく沈黙)対策というものは、・・・杉本に対して経営者を一時止めさせ、神世界グループの大きな会社に入れて、他の経営者の監督下に置いた。そして正しい指導をして間違いを冒さないようにということを、一応やるにはやったが、それが原因で神霊鑑定をやめさせようというところまでは、私はやらなかった。
市河弁護人:先日の裁判で、佐野被告の説明では、杉本の民事の事件が起きたことで、神様に神霊のお伺いを立てて、神霊鑑定はもうやめたほうが良い、お金は返金すべきだと、あなたに伝えたと言っているが、それは事実か?
斉藤被告:事実です。
市河弁護人:あなたそれを受けて、神霊鑑定をやめたり、すぐにお金を返したりしなかったのか?
斉藤被告:佐野が、平成17年頃から、しきりに返金のことを言ったり、神霊鑑定は止めたほうが良いと私に言っていたが、私としては、それを止めてしまうと、今までやってきたことが、何もかも否定されてしまうような気持ちになりました。そして、その時点で既に、それをやめることができないほど大きな柱、大きな力に、神霊鑑定がなっていたのでいきなり止める、売り上げが激減してしまうだろうという恐れを感じ、佐野さんがいうような形にはならなかった。
市河弁護人:佐野被告の言葉は、神霊の言葉だったのではないか?あなたは教祖をやっていたから、当然そうした神様の言葉には従うべきだったのではないか?神様の言葉は、最優先すべきだったのではないか?
斉藤被告:今思えばそう思います。
市河弁護人:結局それをしなかった、思い留まった、返金をしなかったというのは、あなたの考えか?
斉藤被告:私の考えです。

市河弁護人:平成17年から18年にかけてこの事件があり、その後、平成19年に刑事事件の強制捜査があり神世界の関連企業に警察の捜査が入ったね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:そうしたことがあった後、あなたは被害者に返金しようとは考えなかったのか?
斉藤被告:思いましたが、・・・、その時の顧問弁護士の先生の話を聞いたところ、返金をすることは、何もかも、すべて犯罪を認めることになる。同時に、今までやってきたことを、すべて否定することになるということを度々言われ、返金という気持ちもあったが、なかなか返金には、踏み切れなかった。
市河弁護人:佐野被告は警察の家宅捜索が入った後、返金をした方が良いと神様が言っていると言わなかったか?
斉藤被告:佐野さんはその当時からも、つい最近までも一貫してそのように言っていた。
市河弁護人:あなたはそうして警察の捜査が入り、佐野被告の助言も聞いていたにも係わらず、それでもやはり弁護士の言葉の方を聞いて、返金をしなかったということか?
斉藤被告:はいそうです。
市河弁護人:その際、あなたは、神様の言葉よりも弁護士の言葉を信じたということか?
斉藤被告:・・・そうです。

市河弁護人:その後、現実に関係者が逮捕され、起訴され、あなたにも逮捕状が出たね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:逮捕状が出て、当然あなたもそれを知っていたと思うが、現実には、かなり経ってからあなたは逮捕されることになるのだが、あれは逃げようとしたのではないのか?
斉藤被告:いずれ出頭するするつもりでいたが、あの事件で、私があのマンション(砧のグランドハイツ)から出て行くところを、報道されていることは、あのマンションのオーナー住人に大変申し訳ないということが一番にあり、とりあえずマンションを出て、あとは様子を見て出頭しようと思った

⇒マンションのオーナーや住人にそれだけ気を遣う余裕があるのなら、神世界被害者にはその何百倍も気を遣え!

斉藤被告:最初のうちはそう思ったが、だんだん時間が経つうちに迷いが出てきた。出てみて(逃げてみて)分かったことだが、(逃亡を続けることは)想像を絶するほど精神的に辛いことで、すぐに出頭することは、なかなかできなかった。また、弁護士の先生とは私が逮捕される前から会って、いろいろと話を聞いていたが、弁護士の先生がいうのも、捜査当局というのは、素直にこちらのいうことは聞いてくれないということをずっと聞かされていたとで、私も逮捕されることに恐怖を抱き、精神的に苦しんであのような事態になってしまいました。
市河弁護人:その後、結局逮捕され、その後、取り調べの段階で、供述はしたのか?
斉藤被告:一部話はしたが、調書等はとらなかった。
市河弁護人:なぜ調書をとらなかったのか?
斉藤被告:それが当時の弁護団の方針でした。私は、法律的な知識がほとんどないので、ただただ恐ろしいという気持ちもあり、弁護団のいいなりになっていました。

市河弁護人:先日の佐野被告に対する被告人質問では、佐野被告が「どうしても返金しなければいけない」と強く言って、それが弁護団にも受け入れられ、協議等が行われ、返金をしようという大転換が行われたのだが、あなた自身は弁護団の人達に、「返金してくれ」と強く言ったのか?
斉藤被告:私が迷っていたのは事実だが、佐野さんは一貫して、返金ということを言っていおり、それが先決で、それ以外には神様のお許しはいただけないということが言われていたので、何とかしたいと思っていたのだが、やはり何分、当時の弁護団が強力というか大変な力を持っていたので、なかなか直ぐに大転換ということはできなかった。しかし、最終的には、佐野さんがいう通り、献金をするんだということを私が後押しをして実現させました。
市河弁護人:あなたも最終的には返金することに賛成したということだね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:当時の弁護団は返金に反対していたのだが、あなたはその弁護団を解任しようとは思わなかったのか?
斉藤被告:思いました。
市河弁護人:現実に解任の届けの準備などもしたのか?
斉藤被告:しました。弁護団の中の、こちらの話を聞いてくれる人に相談しました。


市河弁護人:今回あなたは調書を認めている訳で、詐欺を認めている。あなたが売り上げあげることを強く主張してきたことが、詐欺を招く原因となっていたということなのだが、あなたが書いた神書には、「自分がいうことは絶対である」、「私の教えは完全無欠である」、「自分が信じているものに救ってもらえ」など、かなりこの教えを順守しなければいけない、絶対視しなければいけないといった表現があるが、こういった表現が、今回の事件にかなり強く影響を与えていると思わないか!!(市河弁護人語気を強める)
斉藤被告:(小さな声で弱々しく)思います

市河弁護人:検察官の調書にも出ているが、千手観音教会時代、あなたも神書に書いている毒素、薬は毒である、薬を飲んではいけない、熱は排泄だから出した方がよい、という教えを広めていた訳だが、それを信じたために、亡くなった会員や、そのお子さんのこと、具合が悪くなった方などがいたね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:そうした事実は、あなたがこの神書に書いた教え、あるいは御霊光、そういったことが実際には奇跡を起こさなかったということではないのか?
斉藤被告:・・・・そういうことです。
市河弁護人:そうでしょ?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:そうすると、この神書に書いてあることは、間違いがあったということではないのか?
斉藤被告:(長い沈黙)たしかに表面的には・・・、また誤解を与えやすい内容であったと思う。

市河弁護人:検察官の調書にもあるが、株。あなたは株の売買をしていたね?
斉藤被告:はい、していました。
市河弁護人:株の売買はあなたの教えでは、してはいけないのではないか?
斉藤被告:その通りです。
市河弁護人:では、なぜしたのか?
斉藤被告:・・・それはあの・・・、売り上げを増やすのと同じ目的で、収入というのは、この事業、神様の救いを展開する事業の上で・・・・
斉藤被告:開教当時から皆さんに言っていたことですが、総本部の建設と美術館建設、そして47都道府県すべてに支部・拠点を出すということに力を入れていたので、そのための資金を得るために、株に手を出してしまいました。
市河弁護人:その株で利益は上がったのか?
斉藤被告:いいえ、大損しました
市河弁護人:あなたは神霊に、どの株が上がるか聞いてみなかったのか?
斉藤被告:思いませんでした。
市河弁護人:どうして?
斉藤被告:株を買うこと自体が教義に反することなので聞いてみることはできませんでした。
市河弁護人:あなたは、株を買うこと自体が神様の教えに反する。だから、神様に聞いてみることはできないと思ったということか?
斉藤被告:そうです。
市河弁護人:では、なんで反することをしたのか!(市河弁護人、語気を強める)
市河弁護人:おかしいと思いませんか!
斉藤被告:今考えると、おかしいことです。

市河弁護人:この神書には、いろいろなことは書いてあるが、ここに書いてあることは、あなたの考えなのか、神様の教え・メッセージなのか?
斉藤被告:それは基本的には、神様の教えを書いたのだが、やはり私の主観とか、今までの経験とか、私が以前やっていた宗教の影響も受けています。
市河弁護人:つまり、神様からのメッセージ以外に、あなたの考え、あなたが経験してきたこと、他の宗教の考え方、こういった事が入っているということだね?
斉藤被告:はいそうです。
市河弁護人:薬を飲まない方がいいとか、熱が出した方がいいとか書いてあるが、こうした点のどこが間違っていると思っているか?
市河弁護人:今の時点、現時点でですよ。
斉藤被告:(弱々しい声で)私自身が、神様より上になってしまい、実に傲慢な態度であったと思う。それがために細かい配慮、いろいろなことに対する注意とか、将来起こりうるいろいろなことについて、良くないことについても考えることなく、細かな表現、誤解させない表現、そういう説明が全くなされていなかった。
市河弁護人:薬には副作用とかもあるので、あなたの書いていることすべてが的外れとは思わないが、本当に具合の悪い人に薬を飲んではいけないということは、返って命の危険があるとは思わないのか!!(市河弁護人、語気を強める)
斉藤被告:そう思います。
市河弁護人:そうでしょう!
市河弁護人:小さな子供や、体力のない御老人、こういった人たちは、具合が悪くなったら早めに病院に行く、医療行為を勧める、そうしなければ、かえって命を失ってしまうかもしれない、そう思わないか!!(市河弁護人、語気を強める)
斉藤被告:(非常に小さな声で)そう思います。
市河弁護人:でも当時はそう思わなかったんでしょう?
斉藤被告:当時の私は、神様の力は絶対である。御霊光についても100%奇跡を起こすと信じていました。
市河弁護人:しかしこうして結果が出ない、むしろ悪い結果が出ているということを見ると、あなたが言っていた、御霊光は100%奇跡を起こすというのは、やはり間違っていたと思っているか?
斉藤被告:今の時点では、今の時点では、・・・間違っていたと思います。

市河弁護人:今回、刑事事件の被害者はもちろん、民事訴訟の被害者、民事訴訟にはなっていないが被害を訴えている被害者、つまり奇跡をいただけなかったという被害者が120人いらっしゃるが、そういった方々に対して、あなたは今どのように思っているか?
斉藤被告:民事事件についても長い年月、無意味な時間を費やさせてしまい、誠に申し訳なかったと思います。経済的な損害というだけでなく、長い間にわたって精神的にも、非常に大きい苦痛を与えてしまった。本当に心から、申し訳なかったと思っています
市河弁護人:(有)神世界。あなたはそこの代表でもある訳だが、今後、神世界はどうするつもりか?
斉藤被告:神世界は解散します。現に今、解散の手続きに入っているところです。
斉藤被告:神世界グループの、すべての企業においても、私から解散も指示しましたから、そのようになると思います。
市河弁護人:会社を解散して、その後あなたはどうするつもりなのか?
斉藤被告:宗教活動は、一切しません。ただ、私が信ずる信仰だけは、個人的にやっていきます。
市河弁護人:あなたのお父さんは、あなたが宗教を始めるきっかけを作ってくれた人なんですが、この方が、観音会という宗教やっていることは知っているか?
斉藤被告:はい、知っています
市河弁護人:あなたは神世界を止めても、観音会で活動するんじゃないんですか?
斉藤被告:そのようなことは決してありません。
市河弁護人:今お父さんは、入院していますね?
斉藤被告:はい。
市河弁護人:この間、私と一緒にお見舞いに行きましたね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:おとうさんは何と言ったか覚えているか?
斉藤被告:はい
斉藤被告:観音会の代表を辞め、宗教活動を止めると言っていた
斉藤被告:そして、私が更正できるように力を尽くすと言っていました。
市河弁護人:そう言っていましたね。
斉藤被告:はい
市河弁護人:非常に具合の悪い中、そう言っていましたね?
斉藤被告:はい
市河弁護人:裁判にも出たいと言っていませんでしたか?
斉藤被告:はい。出廷したい、情状証人として出廷したいところだが、余りにも体調が悪いので、と言っていた。
市河弁護人:あなたはそれを聞いて、どのように思ったか?
斉藤被告:とんでもない心配と、大変な親不孝をしてしまったと思います
市河弁護人:被害者の人たちに責任を感じももらうのは勿論なのですが、それ以上に、今回被告になった人たち、あるいは、奇跡を信じている会員の人たちに対して責任を感じないか?
斉藤被告:感じます
市河弁護人:そうでしょう?
市河弁護人:あなたが行った事、売り上げを重視し、神霊鑑定・御祈願を勧め、お金をたくさん取ることによって、詐欺という事件を引き起こしてしまった。あなたは途中でその危険性に気づき、佐野被告からも注意され、いくらでも中止する機会はあった。でもそれを、あなた自身の意志で止めなかった。
斉藤被告:はい、その通りです。
市河弁護人:本来であれば、返金だって、もっと早くできたんじゃないですか!!(市河弁護人、かなり激しい口調で斉藤被告を叱りつける)
斉藤被告:できました。
市河弁護人:そういったことは、あなた自身が決めるべきことだったんでしょ!!(怒)
斉藤被告:その通りです。
市河弁護人:そうしなかったということについて、あなた自身、責任を感じていますね!!(怒)
斉藤被告:感じています

市河弁護人:被害者との間では民事上の示談、被害者以外の人たちに対しても返金に応じているが、こうした返金を求める人たちに対して、あなたはこれからどうしていくつもりか?
斉藤被告:神世界を解散して財産を処分し、それを今後、返金希望の方々への資金に充てるつもりです
市河弁護人:私からは以上です

■裁判長:他の弁護人、ございませんか?
■裁判長:ではここで休憩とします。

(以上、弁護人による被告人質問終了)
(休憩)14:07〜14:25



14:27 午後の部再開

●前田検事による被告人質問(要約)

前田検事:18才の頃から幻聴のような症状に悩んでいた?
斉藤被告:はい
前田検事:世界救世教の浄霊を受けて少しずつよくなってきた?
斉藤被告:はい
前田検事:千手観音教会ができるまでにはその幻聴はなくなった?
斉藤被告:幻聴はあるが、気になるほどではなくなった
前田検事:佐野被告が神霊能力を授かったのは平成12年頃?
斉藤被告:○*△×%#*・・・
前田検事:神がかり的な能力があったが前面に出していけるような能力ではなかった?
斉藤被告:はい
前田検事:佐野被告の言葉にあった「何かが乗り移って自分ではなくなるようで怖い」という、それがまさに神霊能力ではないのか?
斉藤被告:・・・はい、そう思うが・・・
前田検事:佐野被告を休ませて、その後、調子がよさそうだったので神霊鑑定ができるか声をかけたとのことだが、佐野被告に聞かないと分からないのか?
斉藤被告:おおよそのことは分かるが、やはり、本人にも聞いてみないと・・・○*△×%#*・・・
前田検事:自分の幻聴体験から、声を聞かないよう佐野被告に言った?
斉藤被告:そうです
前田検事:ということは、佐野被告に入ってくる言葉は幻聴だと思っていたのではないか?
斉藤被告:幻聴というのは、医学的な言葉で、その言葉の内容は神様からの言葉だとか何らかの霊的な現象であると私は思う

⇒え・・・・。幻聴は幻聴ですよ、斉藤さん。大丈夫ですか?

前田検事:W田さんやK藤さんが神霊能力を授かったのが分かったのは、あなたが詳しい聞き取りをしたということか?
斉藤被告:あぁ、うーん、10年以上前のことではっきりとしたことは分からないが・・・
前田検事:内容が正しかったのかどうか、件数を確かめたということだったね。
斉藤被告:ある程度のことを確かめたと思う
前田検事:確かめた結果、W田さんやK藤さんがやっていたことは100%正しいということだったのか
斉藤被告:そのときはそう思った
前田検事:全部が正しかったということか
斉藤被告:全部かどうか覚えていないが、ある程度のことを聞き取って、ある程度の件数の内容を聞いて、それが正しいと、確かそういうふうに記憶している

⇒神霊からのメッセージなのに、人間が確かめる、その意味が理解できません。要するに、あなたは神様を疑っている、ということですね

前田検事:それによって、W田さんやK藤さんに神霊能力を授かったということが分かったのか
斉藤被告:はい
前田検事:そのような客観的な結果を確かめなければ、神霊能力を授かっているかどうか分からないのか?
斉藤被告:ある程度は分かるが、確かめることは必要
前田検事:どうして?
斉藤被告:客観的に聞いて、私の主観的なものだけじゃないと確かめなければ、と思った
前田検事:確かめなければ、神霊鑑定で間違った結果を生じてしまう危険性があるからということか
斉藤被告:そうです

⇒え・・・・。神霊鑑定って間違うことあるんですか・・・・・・・。神様なのに?

前田検事:佐野被告に対して確認したのか?
斉藤被告:佐野さんについては、我々に非常に近かったので突然、神懸け的状態、激しい状態になった
前田検事:そんな状態で能力を使って結果として正しいことが起きるかと心配になったということでは?
斉藤被告:ちょっと意味が分からない
前田検事:佐野被告について確かめなかった理由をもう一度説明して
斉藤被告:まるっきり確かめないということはないと思う
前田検事:じゃあ、確かめたのか
斉藤被告:ある程度のことを確かめた
前田検事:確かめた結果、神霊鑑定士とてデビューさせたということか
斉藤被告:・・・、全部確かめたということではないが、確かめたことはあったと思う

⇒はっきりしねぇ男だなっ(怒)

前田検事:平成12年当時、あなた自身は何ができたのか
斉藤被告:私は神様の媒体として御守りを描き、御神体を描き、その私が描いた物から御霊光を頂くと、そういうことができた
前田検事:あなたの生い立ちと、あなた自身が神様との媒体であるということがどのようにつながっていくのか分からないので説明を
斉藤被告:・・・そもそも私自身が小さいときから何らかの霊的な現象が起こっていることは事実。救世教に接触するようになり、そこの先生が霊眼が開けて、神霊能力的な能力があり、私に「いずれ、神様の仕事をする」と言われた

⇒えーっ、どっかの誰かに言われたからその気になっただけなの??

前田検事:会員にそういった説明をしていたか
斉藤被告:千手観音教会の会員にはしなかった

⇒神世界の客も聞いていませんけど

前田検事:どうして?
斉藤被告:必要がない
前田検事:自分のことが神の言葉ということ?
斉藤被告:うーん、そうではなく「媒体」ということ
前田検事:神様の言葉を取り次いでいるのではないのか?
斉藤被告:うーん、神様に成り代わって表現する

⇒それを言うあなたの姿を、客が初めから見ていたら大抵の人は引っかからなかったですね。あなたを表に出さなかったのは素晴らしい判断でしたね。その判断を下した者こそ大罪であり、名乗り出て償うべき存在です。真の犯罪者です。

前田検事:そこに誤解が入り込む余地があるのか
斉藤被告:あると思う
前田検事:どうして?あなたが神様の言葉を曲げて伝えるということ?
斉藤被告:私自身の心の在り方によって、やっぱり、それは・・・ありうる
前田検事:救いを展開するためならば、神書で禁止されている株取引をしても構わないと考えていたということ?
斉藤被告:少しでも株で利益を上げて、将来、総本部を建設するためのひとつの資金の足しにしたいなという間違った考えを持ってしまった
前田検事:神の救いを広めるためならば、神世界の教義に反することをしてもいいと思ってやったということ?
斉藤被告:・・・、そのときはそう思ってしまった

⇒思ったんですね。それのどこに救いを求める気持ちがあるのですか?そんなあなたのどこが「神の媒体」なのですか?

前田検事:売り上げのためなら何をやってもいいと考えていたということか
斉藤被告:何をやってもいいということは考えない
前田検事:あなたたちにとって、教義に反すること以上にやってはいけないことというのはあるのか
斉藤被告:株取引は犯罪ではないが、何をやってもいいということでは犯罪的になってしまうので、そういうことは考えていなかった

⇒何をおっしゃっている?あなたたちのやっていることは初めから犯罪じゃないですか。嘘の塊。知っている人間が知らない人間に嘘ついて、それの連鎖がどれだけの人間の人生を狂わせたと思っているの?ふざけるのもいい加減にして下さい

前田検事:売り上げを上げるということは教義を広めるためではなく、自分自身の利益を上げるということではないか
斉藤被告:・・・あの、それは、千手観音教会を開教するときのひとつの大きい方針で、47都道府県にまず拠点を出し、総本部を建設し、美術館をつくり、そして海外にも展開する、ということに基づくもの

⇒千手観音教会を開教するときからと言いましたね。あなたの頭には初めから「欲」があったということです。あなた自身が、「自分の欲を実現させたい」って神様に救ってもらいたかったんでしょ。あなたの汚らしい欲を救うために、他人の大事な思いや命をあなたは奪ったということ、本当に分かっていますか?あなたが求めていたのは、「人を救うこと」ではなく、「欲を満たしたい」という超個人的な欲望に過ぎない、ということ、あなたの頭は理解できていますか?
あなたは、あなたが考えるその雛形である宗教の呪縛から逃れられず、自分もやりたかっただけ。そして、今、あなたの残党組の中でまた、同じことを考えているバカがいる

前田検事:自分自身のためではなくて、神世界のためということでいいのか
斉藤被告:あのぅ、神様の救いを展開するためのもの
前田検事:だから、自分のためではないんだよね?
斉藤被告:はい
前田検事:平成17年頃、「自分たちで遊んでなるべく栄華を極める」とか「うまいもの食ったり」とか「良い物着て、良い宝石身につけて、あらゆる華やかな所に顔を出す」と言っているね
斉藤被告:・・・あまり、あの、記憶がないんですけど
前田検事:平成17年9月25日、おそらく日輪祭の後の食事会だと思うが、そういった発言していないか
斉藤被告:記憶にないが、言ったかもしれない
前田検事:実際にあなたは、シャネルやブルガリといったブランド品、パーティーにもタキシード着て参加したりしているね?何千万もする宝石いくつも買ったりしたね。これらみな、傘下法人の経営者から得たロイヤリティなどで得たお金だね?
斉藤被告:そうです
前田検事:御神業のために使うべきものだね?
斉藤被告:はい
前田検事:御神業のために集められたお金を、自分自身のために使っているようにみえるんだけど?
斉藤被告:宝石については美術館建設に伴って展示するためのもの。同時に、大きい祭典に主要な人たちが身につけることができるようにと、そういうことであります。買い物については、海外に展開するために、それらのブランド、そういう組織を使って、海外に展開したいと思って使った
前田検事:神世界は、宗教を超えた宗教、超宗教ということか?
斉藤被告:そういう・・・

⇒なぜ答えられない?

前田検事:そういった説明を会員にしたか?
斉藤被告:超宗教という説明は、私は開教当時はしている
前田検事:それがだんだん変わっていったということか
斉藤被告:変わっていったというよりも、私は、折に触れて言っている
前田検事:あなたは、祭典などでここは会社だ、ビジネスだと説明していないか?
斉藤被告:それは、あの、有限会社になってからの私の発言
前田検事:有限会社になる前と後であなたの考え方が変わったということか
斉藤被告:考え方というよりも、体制・・、組織の規模と私の立場がだいぶ変わったので
前田検事:それは本質が変わったということにならないか?
斉藤被告:その、一番大きい、発言の元になるのは、神書。神書において私が、「神様がオーナーの企業である。そして商品は神様からの奇跡である」と、そういう分かりやすい場面で皆に伝わるようにした。それが一番の元になっている

⇒棒読みの台詞



●大久保検事による被告人質問(要約)

大久保検事:先程、佐野被告が神霊能力を授かったというとき、「神がかりで本人ではないような状態だったから前面に出してやっていけるような状態ではなかった」と言ったが、神がかりで本人ではないような言葉を発するから神霊鑑定士ではないのか?
斉藤被告:それはその通りです
大久保検事:だとしたら、なぜその人を前面に出してやっていけないという理由があるのか
斉藤被告:・・・・(しばし沈黙)、それは、あの、うまく説明できないが、佐野さんの状態が、本人が恐れているような状態になっていたので、それはあまり表に出してできないと、そういうふうに判断した
大久保検事:佐野被告が、何かが乗り移っているようで自分ではなくなるようで怖いと言っていたと先程あなたは言ったが、そういうときこそ、それは「何かが乗り移っている」のではなくて、神霊の声なんだよと話してあげればいいのでは?
斉藤被告:それは言ったと思う
大久保検事:あなたが聞こえているのは神霊の声だと言ってあげたのか
斉藤被告:神霊の声だという言葉かどうか分からないが、「神様がかかって喋っているんだ」という話を本人にしたと思う
大久保検事:「神様がかかって喋っているんだ」ということと、「神霊の声」はあなたにとって同じなのか
斉藤被告:だいたい同じ

⇒神様の媒体って、そんないい加減でいいんですね

大久保検事:佐野被告に「その声を聞かないようにしなさい、自分を失わないようにすれば、そんなに幻聴でだめになることはない」とアドバイスしたと言ったね。神霊の声っていうのは、幻聴なのか?
斉藤被告:神霊の声だけではないが、種々雑多な声が聞こえてくることが私は、経験上分かっているので、佐野君の場合は神霊の声と種々雑多な声と一緒に聞こえ、種々雑多な声に対して受け答えをしてしまっている。ちゃんとした神様の声だけを聞いてとるよう佐野君に言った
大久保検事:あなたが聞こえていたのは幻聴であって、神霊の声ではなかったのでは?
斉藤被告:両方混ざっていたと思う

⇒えーーーーっ

大久保検事:どうやって区別していたの?
斉藤被告:区別がつかないから、大変苦しんだ
大久保検事:幻聴と神霊の声と、区別つかないということ?
斉藤被告:そのときは区別がつきませんでした

⇒ええーーーーっ

大久保検事:いつからか区別つくようになったのか
斉藤被告:いろんな声が聞こえてきて、その中で、こういうふうにしろというようなことを聞く。それが何ヶ月か何年か、あるいは5年10年か、振り返ってみると、その声がまさに実現している、そうことで、正しい、これはちゃんとした神様の声か、そうでないただの、いわゆる幻聴的な病的なものかと私には分かっていた

⇒えええーーーーっ!

大久保検事:あなたの話だと、5年くらい経たないと分からないというように聞こえるんだけど、それでいいの?一定期間たって結果みてみないと、その声が幻聴だったのか神霊だったのか分からない、ということでいいのか
斉藤被告:期間の短いとか長いとか関係なく、そういう判断をした
大久保検事:結果が起きてから振り返ってみないと、それが幻聴だったのか神霊だったのかも区別がつかなかったということでいいのか
斉藤被告:そのときはそうです

⇒ええええーーーーっ!!

大久保検事:どのときは違う?
斉藤被告:そういう状況になったばかりの頃は、そういう経験を積んでいないのでただただ苦しいだけで何も分からない。それを積み重ねて、また当時浄霊を受けていたので、自分というものを冷静に落ち着いて、いろんなものを捉えられるようになって、今言ったようなことが分かるようになってくる、という段階

⇒ドン引きーーーー

大久保検事:その後、声が聞こえたその時点で、結果をみなくても、それが神霊の声か、ただの幻聴か、すぐ聞き分けられるようになった?
斉藤被告:最終的にはそうなった
大久保検事:いつから?
斉藤被告:いつからかは分からないんですけども
大久保検事:遅くともいつから?
斉藤被告:ちょっと分からない

 大久保検事、質問を繰り返すも、斉藤被告は質問の意味を理解できず

大久保検事:この頃からは神霊か幻聴か聞き分けられるようになった、というのは遅くともいつからか、と聞いている
斉藤被告:それはあの、千手観音教会を立教する頃から
大久保検事:それはいつ?
斉藤被告:昭和62年
大久保検事:遅くともその頃には、聞いた瞬間から聞き分けられるようになった?
斉藤被告:瞬間というのは・・・
大久保検事:じゃあ、いつ分かったの?
斉藤被告:ほぼ分かったのが・・
大久保検事:ほぼっていうのはどれくらいずれるの?
斉藤被告:それは表現のしようがない
大久保検事:何時間かずれるとか何日かずれるのか、やっぱり結果をみないと分からないとか、どうなの?
斉藤被告:内容によって異なると思う
大久保検事:常に聞いた瞬間に分かるというものではないんだね?
斉藤被告:何といいますか・・・あのぅ・・表現のしようがありません
大久保検事:聞いた瞬間、分かるときもあると言うのならば、何を基準にして分けているの?私は神ですって名乗ってくれるの?どうやって聞き分けるの?
斉藤被告:その声の言葉は、以前この通りこうなった言葉で、このこういう声は種々雑多の方の声だとだんだん分かってくる
大久保検事:声音が違うのか。私とあなたの声が違うように
斉藤被告:それはある
大久保検事:声音が違うのなら、聞いた瞬間に常に分からなきゃおかしいでしょ?あなたは聞いた瞬間に分からないときもあると言った。その理由は?
斉藤被告:表現のしようがない・・・
■裁判長:後はもう法廷外にして下さい、この問題は

⇒あまりのふがいなさに裁判長も痺れをきらしたようです

大久保検事:W田M和さん、K藤K子さんの神霊能力授かったかどうか、やはり実験をしなければ分からなかったのか?
斉藤被告:だいたい分かっていても、どういう事柄が当たっていたのか、どういう内容か聞く必要がある
大久保検事:先程、「私の主観的なものだけではないことを確かめる」と言ったが、神の判断と照らすのではなく、あなたの主観的に分かったことと実験的とを確かめるのか。あなたは、「この人は神霊能力を授かっているな」と主観的にしか感覚を授かっていなかったということ?
斉藤被告:質問の意味が分かりません
大久保検事:神霊能力が授かったかどうか判断できるのは誰?
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、一番にはその本人だと思う

⇒全身、凍りつきました

大久保検事:神ではないの?
斉藤被告:神は見えませんので・・・。奇跡とか救いとか、諸々のそういう現象によって、神であることが分かるわけで・・・

⇒斉藤さんの「媒体」レベルって・・・。
 そもそも、どうして「神様が」奇跡を起こすと言えるのだろう。すべての間違いがここにある。
 神様だと思っているのは人間の勝手な解釈であり、本当は悪霊に遊ばれているだけかもしれない


大久保検事:あなたは神の媒体としての立場によって、神霊能力があるかどうか判断できるわけではないのね?
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、やはり聞いてみないと分からないが
大久保検事:では、「ある程度分かる」というのは、何を根拠に分かるというのか
斉藤被告:やはり、その結果が神霊の言葉通りに出たか出ないか、そういうところで分かると思う
大久保検事:結局、結果じゃないか。先程、あなたは、「ある程度分かるが、結果も確かめないと」と言うから、結果を確かめる以外の「ある程度」って何か聞いている。結局、結果を確かめないと分からないということでいい?
斉藤被告:最終的には、結果を確かめることが大事だと思う

⇒あなたの「結果」もよく分かりましたーっ

大久保検事:自分の言葉が神様の言葉のように受け止められていたことが、不本意だったということか
斉藤被告:そのときの私は、順調にすべてが発展していったので、私自身がどこかで傲慢になって、慢心していたと今でもそう思う
大久保検事:当時は、自分の言葉を神のように受け止められることを認識しながら、それでいいやと思っていたのでは?
斉藤被告:当時はそう思っていた
大久保検事:でも、実際、あなたが発する言葉は、メッセージをそのまま伝えるときとそうじゃないときもあるということだね
斉藤被告:はい
大久保検事:神書のうち、あなたが神霊の言葉をそのまま書いた部分はどこ?
斉藤被告:それはあの、文章においてどことどことは、ちょっと分かりません
大久保検事:渾然一体となってしまっているということか
斉藤被告:ほぼそうです
大久保検事:神霊からのメッセージは何割くらいで、何割くらいがあなたの個人的な考えなの?
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、よく分かりません
大久保検事:だいたいのあなたの考えでいい
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、私の主観的経験は半分くらいはあると思う
大久保検事:半分を神様からのメッセージをそのまま書いたのなら、夜を徹して1年もかけて残りの半分を書くのにかかるのか。本当はもっと、あなたが自分で考えて書いたことが圧倒的に多いのではないのか
斉藤被告:文章になると、どこからどこまでがどうだとか分からない
大久保検事:今となっては、あなた自身が神書をみても、どこが神の声だったか分からないんだね?
斉藤被告:よくは分かりません

⇒心中、法廷内で事件を起こしそうになりました。この部分だけでも、あなたは相当な負の念を人々から浴びせかけられることでしょう

大久保検事:あなたの中で、ここが神書は正しいと思うという部分は指摘できないということ?
斉藤被告:細かく1行1行見ながら検討すれば言えると思う
大久保検事:そういう渾然一体となっていることを認識していながら、あなたは今日この日まで、神書のどの部分がそうで、どの部分が違うという作業をしていないということ?
斉藤被告:はい
大久保検事:なぜしない?当然、しておくべきことではないか?
斉藤被告:今の私自身、そう思う。そのような改定をしておくべきだった
大久保検事:なぜしなかった?
斉藤被告:私自身が慢心していた。改定することは、自分自身の存在だとか、今までやってきたことを一度に否定することになる。それが非常に恐かったんだと思う

⇒「慢心していた」ではなく、「慢心している」でしょう。言葉は正しく使いましょう。
  自分を否定されるのが恐い?自分が他人にしたことが返ってくるだけのことじゃないですか。
  あなたは、他人に与えた恐怖と苦痛を思い知る必要があります


大久保検事:神霊鑑定を続けるべきかどうか、返金・謝罪すべきかどうか佐野被告からの意見を聞かずに、自分の判断で鑑定を続け、返金せず謝罪もしなかったと言ったが、なぜそのようなことをしたのか
斉藤被告:それは当時、神霊鑑定が非常に大きい柱になっていたので、鑑定をしないようにと言われてもすぐにできなかった。それと、それによって売り上げが減ることを考えてすぐにはできなかった
大久保検事:他に理由は?
斉藤被告:ない
大久保検事:あなたはそうすべきかどうか神霊に尋ねなかったのか
斉藤被告:・・・(しばし沈黙)、そういうことを尋ねたいう覚えはない
大久保検事:なぜ?
斉藤被告:それはやはり、私自身が慢心していたからだと思う
大久保検事:あなたにはそんな能力はないからではないのか?
斉藤被告:そうは思わない
大久保検事:佐野被告の言っていることを聞かなかったということは、佐野被告に神霊能力などないということをあなただけは、よくよく知っていたからではないのか
斉藤被告:そういうことではない
大久保検事:神霊の言葉などというものはないから、それに逆らっても特段、悪いことは起こらない、特段、問題などないとあなただけは知っていたからではないのか
斉藤被告:そういうことではない
大久保検事:では、慢心というのはどういうこと?御神業だ御神業だと言っておきながら神の声を無視し、あるいは聞こえてこない、それはどういうこと?
斉藤被告:その当時、非常に拡大発展ということに、順調にすべてが行っていたために、いつしか私の心の中で本来の御神業というものが、だんだんだんだん私の中で、売り上げを知らず知らずのうちに一番だと思ったその瞬間に慢心し、その結果、神様からのそういうものが頂けなくなった

⇒棒読み。
 「神様の媒体である存在」でありながら、金に目がくらんだそうです。知らず知らず


大久保検事:幻聴が聞こえなくなったのはいつから?
斉藤被告:覚えていません
大久保検事:そんなことも振り返っていないのか。あなたの裁判ですよ。今、可能な限り、振り返ってみて下さい
斉藤被告:まったく聞こえないということはない
大久保検事:聞こえているのに無視をし始めた時期もあるということか
斉藤被告:そちらの方が近いと思う
大久保検事:いつ頃から聞こえなくなり、聞こえても無視するようになったのか
斉藤被告:・・・推測で考えると、私が東京へ来てからだと思う
大久保検事:その頃以降の活動は、声が聞こえていたとしても、それを無視して、あなたの判断での活動ということか
斉藤被告:すべてがそういう訳じゃない
大久保検事:どの部分が神の声が聞こえての活動?
斉藤被告:私自体は、聞こえた声をもってすべての活動としたのではなく、媒体としての主たる活動は、御霊光であり、御霊光を頂くための御守り、御神体を私が描く、そちらの方が非常に大きい仕事。神霊からのメッセージについては、佐野さんが神霊能力を授かってからは佐野さんの仕事というふうになっていた

⇒自分は盗作の絵を描き続けていただけで、他は会主に任せていたそうです。
 そんなに一生懸命描かなくても在庫いっぱいあったじゃないですかー。
 それに、斉藤さん、もらった物品は印刷した物だったけどなぁ


大久保検事:自分が作った御守りとかにご利益があるとどういうふうに判断できるのか
斉藤被告:私が描いた御神体、当時は神手(みて)かざしによる御霊光を頂く方が主で、神手かざしによって非常によい結果を頂いた人が多くいたので、それで・・・
大久保検事:それについては結果で判断するということ?
斉藤被告:最終的には結果

大久保検事:先程、「御霊光は当初100%だと思っていたが、今は間違いだったと思っている」と述べたが、当時というのはいつで、いつから100%だと思うことが間違いだということに気づいた?
斉藤被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)
大久保検事:本来、糖尿病の治療を受けなければいけない人が通っていて御霊光を受けている最中に体調が悪くなって病院に運ばれたが亡くなったという件があったね。遅くともあの当時は分かっていたか
斉藤被告:あの当時は御霊光の力を信じていた
大久保検事:あれはなぜ起こったと思う?
斉藤被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)
大久保検事:あなたの教えに従って病院に行かず、御霊光を受け続けていた人が、御霊光を受けている最中に急変してそのまま亡くなったことについて、御霊光を100%だと信じていたあなたの中で、その出来事をどう整理したのか
斉藤被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)、整理がつかないままでいたということになる
大久保検事:終わります。


⇒自分がやってきたことで死者を出したにも関わらず、まるで他人事。整理がつかないじゃ済まされないということさえ、理解されていない、それが、教祖様の実態です。



●市河弁護人による被告人再質問(要約)

市河弁護人:神書を平成11年に書いた以降、あなた実際に読み返したことあるか?
斉藤被告:ほとんどありません

⇒爆笑っ!ぢゃなくて、全国から怒号の声が聞こえてきます。
 幻聴でしょうか、いえ、被害者からのメッセージです。
 今も毎日真面目に読んでいるあなた、聞きました?
「一冊一兆円以上の価値のある本」の作者の貴重なお言葉ですよ!


市河弁護人:書き上げてからあまりチェックとかしていないのか
斉藤被告:はい
市河弁護人:どこからどこが自分の考えで、あるいはどこからどこが間違えである、というの(=証言)を先程しなかった。しなかった理由はあるのか
斉藤被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)、しなかった理由というのは特にあまりない
市河弁護人:今後、神書に関して改定版を出そうとか、訂正しようとかの考えはあるか
斉藤被告:今後、改訂版を本来出すべきだが、神世界は解散しますので、この非常に誤解を招きやすい神書については絶版にして二度と出さないようにしようと考えている

⇒改訂版なんかいらないから、金返せ。
 誤解を招きやすい?あんまり、ふざけるなよ


市河弁護人:検察官が述べたように、御霊光を受けていたにもかかわらず亡くなった方達がいる。あなたたちの教えを守り、御霊光を受けたのに奇跡が生じなかった人が出たことについて、あなたはどうして整理をしなかったのか? 何か、自分たちに都合の悪いことからは、ずっと目をつむっていたように聞こえるわけですよ。真正面から向き合い、なぜ奇跡が生じなかったのか、整理し、考え、あるいは改善しようと思わなかったのか?
斉藤被告:あー、分かりませんが、私自身が非常に思い上がっていて・・・
市河弁護人:あなたは神の媒体とい言っているが、あなたは神様ではないよね? 斉藤被告:はい
市河弁護人:当然、あなたは人間だよね? 斉藤被告:はい
市河弁護人:自分が間違いを犯すとは考えなかったのか?
斉藤被告:そのときはそう考えることは・・しなかった
市河弁護人:今からすると、それは大きな間違いだったと感じないか?
斉藤被告:今からみると、大変大きな間違いだったと、大変反省している
市河弁護人:私からは以上です。



●冨田弁護人による被告人質問(要約)

冨田弁護人:あなたは詐欺を認めたね
斉藤被告:はい
冨田弁護人:詐欺というのは、人を騙して物やお金をとるということだが、あなたの今の考えでは何が詐欺?何が嘘で、被害者を騙したのか
斉藤被告:神霊鑑定によって結果が出ない、それに関連して多額のお金をとってしまったということが詐欺だと思う
冨田弁護人:神霊鑑定で結果が出ないとはどういう意味?神霊鑑定は結果が出るときと出ないときがあるということか
斉藤被告:そうです
冨田弁護人:結果が出ない場合もあると分かりながら、結果が出るとして、相手を騙した?
斉藤被告:その通りです

⇒開き直ってんじゃないよ

冨田弁護人:それは誰が具体的にやった?あなた自身は実際、直接的被害者にはやっていないね
斉藤被告:はい。私は当時、日頃から売り上げを上げるように、神霊鑑定をやるようにいつも言っていた、そのことが引き金になって詐欺ということになった
冨田弁護人:神霊鑑定が正確に出来ない人が神霊鑑定が出来ると称して、嘘を言って騙したということ?
斉藤被告:そうです
冨田弁護人:神霊鑑定が出来ないような人に神霊鑑定をさせていた、それを阻止しなかったことを自覚して反省しているということ?
斉藤被告:そういうことです
冨田弁護人:終わります



●裁判長による被告人質問

■裁判長:千手観音教会が国税調査を受けたとき、宗教法人にしたかったが、大きい事件があったので難しかったと言っていたが、大きい事件とは何を指している?
斉藤被告:・・・・、オウムの事件だと思う
■裁判長:当時、オウム真理教以外にも、法の華が詐欺事件を起こして問題になっていたと思うが知らなかったか
斉藤被告:知っている
■裁判長:それについて、どういう認識?
斉藤被告:・・・・(しばし沈黙)、足裏診断とか・・・
■裁判長:詐欺だと訴えられたことは知っていた?
斉藤被告:知っている

⇒お前の「知っている」は小学生以下レベルだ

■裁判長:有限会社にすることをあなたは選んだが、「うちは宗教ではない」とうたい文句にして宗教色を弱めていたようにみえるが、それはあなたが指示をしていたのか?
斉藤被告:宗教色を弱める、あるいは消すようにという話はしたようなことはある
■裁判長:具体的には?
斉藤被告:宗教色をなくすようにとか言ったと思う
■裁判長:実際は宗教なんでしょ?
斉藤被告:宗教です

⇒この詐欺師め!
  正確には宗教じゃないですよ、神様を利用したビジネスでしかありません。
  この男の言う神様なんて、ご都合主義の便利屋神様でしかないんだから


■裁判長:それは一種の人を欺くということにならないか?
斉藤被告:そう言われればそうなると思うが、ただ、私としては、神様の救いを展開する、御霊光を世の中に広めるためには、まずは御霊光を頂いてもらわなければ話にならないので、宗教と言っただけで引いてしまうのはもったいないと思う。入り口としては宗教色を消して、あるいは薄めて、御霊光を頂いてもらう人が増えるように、そういうふうに動いていた。しかし、それは入り口だけで、入り口をちょっと入れば、誰しもがそれが宗教だということは分かったと思う

⇒裁判長!この男を死刑にして下さい!自分がしてきたことの理解もなければ、ここでそれをいけしゃあしゃあと言ってしまうことの意味も分かっていません。まったく反省もしていなければ、最後の「入り口をちょっと入れば宗教ということは分かっただろう」という言葉は被害者への冒涜です。話にならないのはお前だ!

■裁判長:佐野被告が神霊能力を授かったというのは佐野被告が神がかった状態になったから分かったということでいいか
斉藤被告:それが始まりです

⇒神がかりじゃなくて、憑依の間違えじゃないのか?

■裁判長:会員の前では、佐野被告はあなたのところで修行をしたからと言っていなかったか?それは事実と違うことにならないか
斉藤被告:私の元ですべてのことにおいて素直に神様の仕事をやっていった、しかも8年間も続けて純粋な気持ちでやった、だからこそ、神様のお力を、あるいは神様自体が、弟子?ご自身が、佐野さんに声をかけた、と私は思っている

⇒あなたの言う神様の仕事とは、悩めるひとりのおとなしい青年を支配して従順関係を築いた果ての仮想世界創設に過ぎない

■裁判長:W田さんやK藤さんには神霊能力があるか確かめたと言ったが、淺原夫婦にはそういうことはしていないのか
斉藤被告:はい
■裁判長:W田さんたちと同じようにする必要があったのではないか?
斉藤被告:今思えばそう思います

⇒失笑。アホか。そうじゃねーだろ

■裁判長:あなた自身は神霊鑑定はやっていない?
斉藤被告:平成7年頃までは運命鑑定の中で、神霊鑑定という名前で一時やったことはある
■裁判長:佐野被告がやっていたような神霊鑑定はできなかった?
斉藤被告:(裁判長の言葉にかぶるようにして)ではないです
■裁判長:それは何か理由はあるか?
斉藤被告:特に理由はない
■裁判長:神霊鑑定をやって、もし外れてしまうと自分の霊的能力に疑問を生じるからやらなかったということではないのか?
斉藤被告:そういうことではない

⇒じゃあ、なんだよ

■裁判長:総本部や美術館を建設して各都道府県に進出するだとか、それは神世界を設立した当初から目標を立てていたということか
斉藤被告:そうです。千手観音教会の開教当時からです
■裁判長:美術館というのは世界救世教のMOA美術館のようなものを考えていたのか
斉藤被告:その当時はそう考えていた

⇒盗作美術館つくってどーすんの?

■裁判長:佐野被告から民事の和解に応じるべきだと言われていたのは事実?
斉藤被告:はい、事実です
■裁判長:応じなかったのは当時の弁護士から今までやってきたことが全部否定されてしまうと言われたからそれに応じなかったというのは事実なのか?
斉藤被告:その通りです
■裁判長:佐野被告がいう神の言葉と弁護士の言葉を比べて弁護士の言うことを信じてしまったということでいいのか?
斉藤被告:うーん、今、振り返ればそうです
■裁判長:あなたの立場であれば、弁護士の意見を退けて、返金したり和解することもできた訳だね?
斉藤被告:できました
■裁判長:それをしなかったのは結局、あなたの考えでそれに応じなかったということでいいのか?
斉藤被告:はい、そうです

⇒「神様の媒体」って頭が弱くてもできるんですね!
 教祖様の貴重なお言葉の数々のおかげで、よーく分かりました。
 なんでこんなのに引っかかっちゃったんだろう・・・って、皆、ため息吐いていると思うけど、バカと悪の力関係ってすごいことできちゃうもんなんですね。今まで見えなかった真相が明らかになってよかったと思うことにしましょう、ひとまずは。



■裁判長:それでは被告は元の席に戻ってください。
■裁判長:本日の審議はここまでとします。
■裁判長:次回は3月27日(火)10時から行いますので、被告4名は出廷してください

この後、裁判長と検察官の間で、証拠の採用及び撤回に関するやと取りがあった。
内容はあまりよく分からなかったが、公判開始時に検察が提出してあった調書の内容が、その後、裁判に検察証人として出廷し、裁判の中で証言した内容と重複する部分があったため、先に提出してあった供述調書の一部は取り下げるといったやりとりだったと思われる。

15時30分閉廷


 この日の裁判が終わったので、4階の法廷から1階に降り、ロビーの椅子に座って傍聴記の整理をしていると、斉藤被告と弁護人、神世界関係者が一団となって降りてきた。
 法廷内では、体調があまりよくない雰囲気を振りまいていた斉藤被告であったが、エレベーターを出てロビーを横切り、弁護人等が待機する部屋へと移動していく斉藤被告の足取りは、背筋を伸ばし、大股でしっかり歩いており、法廷内での被告とは別人のように元気だった。あの元気さがあれば、長期の懲役刑に耐えることは十分可能であろう。



公判を傍聴した被害者の感想(1)
組織性をアピールする傍聴者たち


●立ち眠りするびびっと金庫番
 教祖様の御出ましということで、傍聴希望者は200人を超えるだろうなという予想は大当たり。
 その列の中に、前回まで並んでいないことを指摘されてしまったびびっととうきょう経理おばさんが仕方なく並んでいる姿を見つけて、思わず吹き出しそうになりました。上着のポケットに両手を突っ込み、だらしなく壁に寄りかかって眠りこけている姿は、とても神様の仕事の金庫番には見えませんでした(結構本気で爆睡)。なんとまあ品のないおばちゃんだこと。( ̄◇ ̄;)
 W田さん、ちゃんと御指導しないといけません。(゜O゜)\(- -;

●ヨーコ斉藤
 ヨーコさんは途中から、傍聴に来ている被害者に自分の存在がバレてしまったことに気付いて、斉藤亨の午後の部の後半からは、いつもと違う席に移っちゃいました。
あれ?それでいいの?あなたの特等席だったのに。最前列の真ん中のブロックの、裁判官から見て左端。1番旦那の顔がよく見える真っ正面でしたよ。
 今までは長い髪で必死で顔を隠してたのに、開きなおって裁判所の廊下で被害者に向かって悔しそうな表情を向けてくるってことは、やっぱり全然反省なんかしてないってことね。保釈された斉藤亨から、そう言われたの?
 それにしても、どうしてこんなくたびれたおばさんが、2人の男を手玉に取り、あんな贅沢生活できるようになったかなど、現在埼玉で公判中の結婚詐欺殺人女と同じ位、世間の下世話な興味関心をひくものと思いますが(ヨーコギャル発生?)、それを必死で抑えるためにもああやって傍聴席を占領する必要があるのですね。よくわかります。

●残党いろいろ
 傍聴席には、何人か新しいメンバー配置していましたが、どいつもこいつも被害者監視に必死です!なのがむき出し。(・_・;
 60代をとっくに超えているであろう、「昭和の香り漂うオールドミス風のやつれたおかっぱ眼鏡おばちゃん」よ。あなたのようなおばさんに、まるで汚らわしいものを見るような目で見られ監視される筋合いは一切なーい。お前とお前の家族がどれだけお上品なのか、世間にきいてみろ!

 若めで綺麗めの女性については、まだ今からでもやり直せるチャンスと未来があると思うので、保留。( ´ ▽ ` )ノ

 Dr.スランプあられちゃん風眼鏡、黄色っぽい鼈甲の眼鏡のタラコ唇なおばさん。あなたはあまりにインパクトありすぎなので、1月の公判の時点でしっかり特徴覚えちゃいましたからもうバレバレですよ、今更眼鏡外してみたって。1月はコソコソ、2月は淺原夫妻のエスコートしてましたね。私の傍聴メモ内容は、ちゃんと夫妻に御報告できましたか?

●お詫びと訂正
 あっ、それからお詫びと訂正です。
 「みろくのお取次おばちゃん」、ごめんねー、あなた脚悪かったもんね。陽神祭でもいっつも椅子だったもんね。そんなあなたが被害者を尾行などできないよね、人違いでした。被害者を尾行したのは、同じような白髪頭の、びびっとのおばさんでした。ごめんなさいねー。でも、あなたが傍聴席で取り次いじゃったことは、勘当モノであることに変わりはないので悪しからず。

●W田さんの手下おばさん
 被害者を執拗に尾行したのは、W田さんとこのおばさんでした。そうよね、実は1番びびってるのはびびっとだもんね。
 W田さーん。私はあなたの毛糸のパンツやコロッケの話も持ってますよー。昔から、斉藤亨が誰かに襲われやしないかと、1番気を揉んでいたのもあなただったことも知ってます。
 詰めが甘いんじゃないの?
 そういえば、W田さんとこの尾行おばさんは、いつも姉妹会主と同じ列に座っていました。いい歳してご苦労さまです。あなたのヘアスタイルは、陽龍様を真似てるのかしら?

●陽龍様「甘えは許されない!」
 陽龍様といえば!ひどーい。私の顔を忘れちゃったの?
 「陽龍様御取次講習会」の後、大量の御玉串袋を風呂敷に包んで抱え、砧御殿まで私に運転させて、その後部座席で、神世界で豪華なヨーロッパ旅行してきて楽しかったとかいう話、してたじゃなーい。フィレンツェのメディチ家の礼拝堂でも見て来たの?あんな風な豪華なものを作りたかったのかな?

 砧御殿周辺を孫をおぶって散歩していたところを偶然私に見られて、焦ったこともあったじゃなーい。
 全身シャネルに身を包み、娘と斉藤亨と3人で、何度も永田町に来てはお金の話してたじゃなーい。

 そっか。あなたにとっては、私のような存在が多すぎて、いちいち全員覚えてなんかいられないわよね。

 で、被害者ならびに今まで騙してきた会員(お客様、スタッフ)への説明と謝罪はいつ?

 今もまだ、インチキな御霊光や神様やら教祖様を信じている人、インチキだと気付いたけれど、そこから逃れられずに迷い、もがき苦しんでいる人、インチキだと気付き離れたものの、現実を受け止められずに混乱している人、全ての人に、ちゃんとお詫びせんかい!

 戸惑いながら引きつった顔で微笑み返せるのは、今のうちだけよ。



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