私の体験談

(下記はメールにて寄せられたものです)
【自己紹介】
関東住まいのanikiと申します。私の体験談をお話しいたします。
私は23歳の時に親父が亡くなり急遽、零細企業ではあるが会社を継ぐことになった。
古い社員そのまま、中には親父の右腕に相当する社員も居て、正直、社員同士のトラブルは多かったのだが、当時若い自分にとっては一目置く存在だった。
その社員は創価学会の熱心な信者(幹部クラス)らしい事は生前、親父や他の社員から聞いて何となく知っていた。
しかし仕事はデキるように思っていたのだが意外に客とのトラブルが多く、注意しても自分を正当化するばかりで一向に聞く耳をもたない。
ある事件を起こして反省を促すべく話し合いをしたが、相手の批判と言い訳に終始し論点が全く噛み合わない。
宗教の話こそ出なかったが、これが宗教信者の考えなのか?とはだいぶ偏見ではあるが、他の社員達と共にその時はそう思った。
やがて解雇が決まり退職したが、残った社員宛に私の恨み辛みのFAXを送ったり、「この優秀な俺を解雇しやがって!」と思ったのだろうか、退職金の事で裁判にかけると言ってきたり、同時に無言電話や嫌がらせ(当時の恋人にまで及ぶような)が相次いだ。
彼が犯人かな、とは薄々感じてはいたが、彼と関わりたくなかったので無視した。
以前にも彼が原因のトラブル後に、お客様宛にも無言電話が続き、 今回も偶然とは思えなかったのだ。
その一件は収束し現在に至っているのだが、特に宗教の上位有職者はその団体での地位が一般社会でも通用すると思っているようで、 故に自分は優秀で偉い人間なのだと錯覚し、問題が起きても自分を正当化し、プライドが高く絶対に非を認めない過信家が多い傾向があるように思う。
ただし、各宗教そのものを否定するつもりはない。
なぜなら、例えば旧オウムでもあれだけのエリート達をマインドコントロールしてしまうのだから、その活動内容はともかく、その手法に関しては非常に興味深く、神の存在を信じ真面目に宗教活動し、(気持ち的に)救われている人が居るのも事実だからだ。


【しゅうめいかい??】
さて、私はkei(仮名)と去年結婚した。
狙い通りのデキ婚である。
お互いに適齢期はとうに過ぎ、相手も高齢出産であるが故に「仕込んだ」結果すぐ効果を発揮し、妊娠の事実が発覚した時は当然の結果だしとても喜んだ。
keiと知り合った当時、私は大失恋中で一生独身を貫くと心に誓っていたのだが、私に対する深〜い愛を感じたのと、弟や親戚達とスキーに行き家に泊めてもらったり、皆様と話したりするうちに「なんかいいな」と思い始め、実は1年以上前から心の中では結婚を決めていた。
ご両親にご挨拶を、という話になったときに家族で宗教をやっていると聞かされた。
無農薬野菜を作ったり活動していると言う。
どうやら両親が熱心に活動しており、keiは仕方なくつき合わされているようだ。
「神慈秀明会」と言われても全く聞いたことがなくネットで公式HPを見てもあまりピーンと来ず、他のHPにちらほらと反対運動の記事や被害報告が出ていたが、私も信仰の自由を尊重しているし、どの宗教でも批判は付きものなので特に気にしない事にした。
私の大の宗教嫌いな性格も分かっていたと思うので勧誘しないだろうとも思った。
その数日後にkeiの実家に挨拶に出向き、妊娠の事実を告げ、半分仕方なくと思うが結婚の許可をもらった。
その後にお義父様から我々は人の幸福を願い宗教活動をしており、「娘も月に1度の勉強会は許して頂きたい」 との申し出があった。
私は率直に宗教は苦手だが信仰は自由との考えを示し、私側の家族の勧誘活動はしないとの約束で申し出を受け入れた。
お義母からも「お守り」があり他人が触ってはいけないという決まりがある旨も了承した。
家族全員入信しているらしく、まぁ、よく分からないが出来婚で急な話だし、
文句も言える立場ではない。去年の8月の暑い日の事であった。
めでたく我々は入籍し家のリフォームが始まったのだが、私は日曜大工+α程度の作業は出来、壁紙とフローリングの張替え等、出来る所は自ら行い経費を節約した。
お義父様もよく手伝って頂き入籍時にはご両親に数十万円のご祝儀を頂いた。
非常に、有り難く何度も何度も感謝し、言葉で伝えた。
無事に正月を迎え楽しい新生活が始まった。
ある日、気が付くと寝室と脱衣所に見慣れない突起物が付いていて、妻に尋ねると、「お守り」を掛けるフックみたいなものでお義父様が取り付けたらしい。
まぁシステムが良く分からないし、あまり良い気はしないが、多大なるご支援を頂いているので不本意ながら気にしないようにした。
ある日お互いの親戚を呼んでリフォーム完成記念お披露目会を実施した。
秀明会の紹介者は義母の妹だが、体調が悪く欠席し代わりにご主人が来ていた。
そのフックを見るなり、「見覚えがあるな。えっ?あれ・・に入ってるの?」
「あんなの詐欺詐欺!俺も集会所に行ったらその日に入信させられちゃって」
義父の妹も興味津々で話を聞いていたが、義母が入ってきたので話を切り上げた。
義両親一家と義叔母以外は全く無関心である事が分かった。
ちなみに月1の勉強会なのだがkeiはあまり乗り気ではなく、母に言われて渋々行かされているようだったが、私としては他人事と思っていたし、内容を聞いても無農薬野菜関連の勉強のようで特に気にはしなかった。
keiの実家からおコメも届けられた。
色が悪く粒も不ぞろいで正直それほど美味くはないのだが食費を切り詰めている状況ではとても有難く毎日頂いている。
keiもそろそろ臨月を迎え子供も順調に育っているようである。


【当サイトとの出会い】
まったりとネットサーフィンしている夜、ふと秀明会の事が気になり公式以外のHPを閲覧してみた。
そこで、ここのHPが眼に留まった。
「秀明会との出会い」から順に読んでいくと実に現実的で分かりやすく、fujiyaさんの考えに共感し何度も何度も読み返した。
それと同時に「もしかしたらウチも」と急に不安が襲った。
「お玉串」や「罰金」、「桃の〇献金」と称する献金制度や嘘と思えるような「奇跡」、脱税事件に至るまで色々見ていくうちに約30年前に街中で「メイシュ様」と言わされたあの団体を思い出し背筋が凍る思いがした。
それからなかなか寝付けず翌日の仕事も手が付かず秀明会の事で頭が一杯だった。
ウチにはお玉串の領収書らしきものは一切出ないし、keiはそれほど嵌まっているようではなさそうなのだけれど、急に、スイッチを切ったようにkeiへの信頼が出来なくなった。
その日の夜もろくに食事が通らずため息ばかりついている私を見てkeiもただ事ではないと思ったようだ。
並んで寝るときため息ばかり吐く私にkeiは話しかけてきたので、意を決して秀明会の質問をした。
矢継ぎ早に出る私の質問に、軽い感じで素直に答えるのが予想外ではあったが、思いつく事を次々と問い質した。

Q.入信歴は
A.約20年前、家族みんなで同時に入信。
Q.お玉串にいくら払っているのか
A.勉強会「秀勉」は月に千円。その他イベントでたまに「出来る限り」
Q.一人暮らしの時「お光」はどこにあったのか
A.ずっと実家にあった。結婚してこちらに持ってきた。でも身に付けていない。
Q.弟二人の依存度は
A.「お光」は実家にあり、二人とも最近集会所には通っていない。
Q.「手かざし」をしたことはあるのか
A.昔は友達にやったりしてたけどそんな信じていないので最近は全然やっていない。
Q.両親の宗教活動は
A.昔は外で活動しているようだが最近は聞かない。母は頻繁に集会所出入りしているようだ。
Q.100の内、どの程度秀明会を信じているのか
A.10〜20ぐらい。半信半疑。
Q.「明主様」の存在を本当に信じているのか
A.実家で母とお祈りしている時に小さな金粉が出た。何となく居るような居ないような。

しかし我が妻が嘘を付くような人柄ではないと分かっていながら、ここにいるのは仮にもカルト宗教の信者である。
私は「秀明会の話はしたくはないだろう。隠しておきたい事もあるだろう。
嘘をついているかも知れない」と言うと妻は「あまり言いたくはないけど、でも嘘はつかない!」と返答するが人間不信モードだったので、「秀明会を脱会しない限り絶対に信じないからな!」と強く言い切ってしまった。
滅多に感情的にならない私が珍しく声を荒げた。
あんなに愛していたのに掌を返したように愛情が消え去っていた。
結婚して半年で離婚する夫婦って宗教観とか、こんな理由で別れるのだろうかと色々な思いが巡ってしまい、当然眠れず居間に移動し朝まで過ごした。


【鬱な私】
それから数日間は仕事に全然手がつかず、会社のPCで色々と調べたりスタッフに相談したりした。
私が悩み事で知人に相談するのは珍しく、それゆえ相手はビックリしていた。
家に帰りたくないので「メシ要らない」とだけ連絡し外で飲んだ。
部屋に帰りたくないのでクルマで寝ているとkeiが泣きながら、「不安だから帰って来て〜」と傘をさしながら迎えに来た。
さっさと部屋に戻り風呂に入る。
keiは臨月なのだが一連の私の態度で精神的に影響が出たのか、腹が張り、苦しんでいる。
でも優しい言葉なんてかけられなかった。
養育費はどのぐらいなのかな、とか思ったりした。
当日の産科検診で腹が張り過ぎて心音が弱く、状態が良くないと告げられたようだがどうでも良かった。
と言うかどうしていいのか分からなかった。
いっその神事秀明会に入った方が幸せになるのかな、
宗教に入るきっかけはこういう鬱な状態から抜け出したい一心で信仰が始まるんだな、とも一瞬ではあるが感じた。
でもいつか教団と、いつか義両親と対峙するときが来ると思うと更に憂鬱だった。
たぶん、我が妻を強引に脱会させるのは簡単だとは思うが、無理やりでは意味がない。
自らの明確な意思表示を以て脱会させなければ、意味がないのだ。
同時に今まで義両親がやってきたことを否定することになるので本当に悩んだ。
どうしたらいいのか。
翌日、冷静に考えて、とにかく話を重ねなければ前に進まないと考え、その日の予定をキャンセルし、居間にてもう一度質問を繰り返した。
そして「急だけど今から集会所に連れて行ってくれ」


【集会所へ殴り込み】
数時間後、近くに住むお義母様がすっ飛んできて世間話もほどほどに早速本題に入った。
オレ「今日は急遽休みになったので是非秀明会の話をお聞きしたい」
義母「その件はいつかお話ししたいと思っていました。
集会所には連絡してありますのでいつでも行けますよ」
そして義母、kei、私の3人で集会所に向かった。
扉を開けると何となく異様な雰囲気で少し緊張が走る。
みんな知り合いなのだろうか、明るく挨拶してきた。
私はいかにも大人しく気の弱そうな人格を演じた。
白い靴下を重ねて履き中に入るとお清めと称する手洗いと口ゆすぎをするよう促された。
そして2階に上がり、礼拝堂みたいな場所に入る前に「明主様」にご挨拶。
一角で「浄霊」をしている姿にドン引き。
明主様にお経?みたいなのを4人ぐらいであげた。もちろんみんな記憶しているのね。。
後で聞いた話だがkeiも長いことお経みたいなの聞いているので覚えているんだとか。
まぁ、郷に従え精神でソコは真面目に声を発して読み上げて真面目さをアピール。
終わると隅に案内され、私も「浄霊」して頂きました。
私の頭に手をかざし、後半は頭を低く下げて合計5分。
苦痛の5分だった。
彼女らにはこの行為が重要なようだ。
そして別の部屋で講義が始まる。
講師は「いかにも」という雰囲気が無いわけではない主婦っぽい人で、ホワイトボードに書いたり、教本を義母に朗読させたり偉そうな人であった。
講師「浄霊は初めてですか?」
オレ「いや30年ほど前にされました。」
全員「え?」
実は30年前の高校生の時、街中で声をかけられ「メイシュ様ありがとうございます×3」と
言わされ、手かざしされた経験を暴露。
講師は「まぁ。やはりご縁があって来たのね♪」とハイテンションモードへ。
内容は昼夜逆転説?に月からの「水素」と地球からの「火素」?なんたら等。
内容は荒唐無稽なものばかりで納得するものが一つもなかった。
子供用の絵本があり、そこには明主様のお腹のお光云々と幼少時から思想教育を行おうとする教団の魂胆が垣間見られた。
講義の後、もう一度お経と浄霊タイムがあり自ら義母にお願いしてみた。
当然何も感じず…
と言うかまともな思想をもっていれば、手翳し行為ごときで何かを感じる訳がない。
暖房が入っていたので「寒くはなかったですねぇ」とだけ言ってみた。
keiはその間勉強会に行く為に礼拝堂に居たがその姿を見ていられなかった。


【鬼対峙】
一階に戻り休憩室?に行くと紅茶とお菓子が用意されていた。
義母の他に幹部クラス?か、少なくとも熱心な信者と思える二人(信Aと信B)が居た。
説得係か?
そこで私が質問をした。まず「お玉串」という献金制度についてだが、信A曰く、串という字は神様と人間を繋ぐものと言う切り口で、(俺には鶏肉とネギにしか見えないが)地上天国建設に使われますと。
献金をしないで信仰だけはできないのですか?と問うと、信A「礼拝だけさせて、とか見学させて下さい、と、よく来ますしそう言った方は掃除していったり、何か行動みたいなものでお返し頂いていますよ」。
…私もfujiyaさんと同じ曹洞宗なのだが、仕事で修道院とかキリスト教関係の施設に行くことがあり、たまに礼拝堂に立ち寄ってキリスト作法に則った礼拝をするのだが、もちろんお金は取られない。
神社やお寺ではお賽銭を100円、場合によっては5円玉を投げる程度だ。
やはりここの施設では「タダ」で礼拝はさせてくれないようだ。
最低でも札を出さなければダメなようだ。
教本に書いてある「お玉串」の無い礼拝はムダ花なのかについては、「出来る限り、神様へのお気持ち程度で」に留め、期待する回答は無かった。
次に、奇跡と称する話に。
義母が先日、原チャリで単独事故を起こし軽傷を負った。
案の定「この程度の怪我で済んだ」と言ってきた。
俺は心の中で神様は事故らないようには守ってくれなかったんだ?とツッコんだ。
私は全員に「奇跡」が起こった時、まず誰に感謝しますか?と聞いた。
義母の答えは明主様だった。
信Aは多少デキるらしく「まず周りの方々ね」と正解したのは意外だった。
コイツ、慣れてるな?と直感した。
私は、まずは生きている生身の人間に感謝すべきではないだろうか、と思っている。
また、オバケよりも何よりも「生きている人間が一番怖い」事もよく分かっているつもりだ。
もし、困った事があった時、そんな血の繋がりもない「明主様」より、自分のご先祖様に願うのが普通ではないのか?
信Aは「19歳の娘の顔の傷が綺麗に治った」とするエピソードを展開。
俺は傷や病気を治すのは免疫力のお蔭だし、若いから治りが早いのは当たり前じゃないのか?と思った。
他の「奇跡話」では、
信A「銀行から紛失した小切手が明主様を想った瞬間に引き出しから出てきた」
信A「窓口でおつりを多く渡したら、普通絶っ対に返って来ないのに奇跡的に返ってきた」
等々、通常は当たり前のような偶然を「奇跡」と自慢した。
信Bに話を振ると「旦那がICUで治療中に扉越しに浄霊していたら一命を取りとめた」
そこで意地悪な質問を浴びせた。
オレ「もし、そこで亡くなっていたらどう思いましたか?」
信Bは「そんな質問はされたことがないので…」と困った。
オレ「お玉串が足りなかったと思いますか?」
信Bが困っていると信Aが割って入りウルトラCネタを出してきた。
それは「盲目の人が見えるようになった!」 というものだった。
そこですかさず私は眼科の医従事をしていて詳しく聞きたいと言ったら少し身構えた。
オレ「盲目だったんですよね?その原因は緑内障ですか?
網膜剥離ですか?黄班変性ですか?網膜色素変性ですか?
それがどの程度どんな状態で治ったんですか?」と問い詰めた。
信A「そこまで詳しい事は分からないけど…」
オレ「実際に見てもない話を信じるんですか?」
と一人一人に正面から質した。
各々「はい」との返答だった。
It’s a mind control!!
タイミングよく信A「こんな宗教やってるとマインドコントロールされてるんじゃないかと言われるけど…」と、そこで話を遮り、私は「では貴女方はマインドコントロールされてると思いますか?」と質した。
全員「されていません!」と満場一致した。
…されてるやんけ!
何故なら、例えば自分は人間だと思っている。
しかし相手に人間じゃないだろう?と指摘されたら、思考を客観的に変えて「人間…だよなぁ…え?本当は人間じゃないのかも??」、「でも間違いなく人間だよなぁ」と、一瞬でも疑い考えるのが普通ではないのか?
マインドコントロール中は、まさか自分が!と夢にも思わないだろうし、それが解けてから初めて気づくのだと思う。
ちなみに隣にいるkeiに質すと「されているかも」と答え、私は嬉しかった。
やはり教団内での情報は自分で真偽を確かめる事もなく無条件で信じ込む回路が出来上がっているようだ。
義母「奇跡っていつどこで起きるのか分からないけど続々と起きているの」
fujiyaさんの仰る通り「偶然」という感覚が無く、日常の変化一つをとっても「明主様の奇跡」と結び付けてしまう。
この世の中は偶然の連続ではないのか?
偶然の重なりの中で私たちはその都度選択し身を任せているのではないのか?
話が熱くなりもう1時間半が経過。辺りも暗くなり義母も時間を気にしているので、最後に小山一族の10億円もの追徴課税問題についてどう思うかについて質したが、信Aのみ、「それで道が正せるなら良かったと思う。」と回答。
もう論点がズレ過ぎていてこれ以上話を続ける気にはならなかった。
私は番組等の取材のように、いくつものインタビューを行ったが、事実的に何かの事象を証明し納得できる話は何一つ無かった。
もう今日はこの方々に何を言っても無駄だと思い、次回の教修2講を必ず受けるとの約束をして帰路についた。
しかしテンションはアゲアゲであった。


【講修の帰りに】
クルマの中で義母が「浄霊」でポカポカ感じたみたいねと仰ったが、「あぁ、ママだから言うけどあれ、効かなかったよ。ポカポカしたのは暖房でね。」と本心を漏らした。
義母を送り妻と二人で喫茶店に行ったが、私のテンションはアゲアゲで今までの態度とは打って変わり、妻に冗談を言ったり仲直りのキスをした。
スッキリとした気分の中、集会所に行って良かったと思った。
何故って?
この宗教は私の思った通りのものであり、みんな上手くマインドコントロールされている被害者だと考えると可哀想に見えてきたからだ。
妻の脱会の正当な理由が明確になり、道しるべが出来たので嬉しかった。


【教修2日目】
その4日後の午後に妻と二人で出向く。私一人でも良かったのだが、今日も鬼対峙の現場を見せようと重いお腹だが同席させた。
この日は1日目とは違う、これまた「いかにも」という雰囲気の50代女性が講師だった。
教団側に指定された日時だったので大ボスでも出してきたのだろうか。
今回も奇跡の話がメインだったが前回のような到底理解し難い話というよりも、天界の仕組みがどうたら、何となく一般人でも内容的にはとっつき易いような印象の講義だった。肯定はしないけどね。
何かに困った時「私はまず自分の先祖を思い浮かべる」と答えたら、「それも正しいけど神に近い存在に願った方が叶いやすいんじゃない?」と教えられた。
なるほど!!一瞬でも納得してしまった。
さすがボス!でも新入社員が社長に直談判できねぇよ。。。とまでは言えなかったw
他の講義内容は、
・薬は毒(私も毒とは思わないが極力飲まない)
・浄霊が一番効く(これは根拠なし)
・案の定、奇跡の体験談(本人が看護師との事で信憑性あるような気もした。)
なるほど、なかなか面白かった。こりゃ明確な目的や強い信念を持っていない限り気軽に入信契約しちゃうのも無理ないわな。。
講修を2回受けたので「お光」を授かる資格が出来て、お金さえ払えば今日から浄霊ができるようになるとの事だ。
しかも経験に関係なくすぐに、平等に力が発揮できる。
値段は3万円と諸経費?併せて4万円也。
本当に「浄霊」と称する行為で病気が治るなら安いもんだ。


【鬼対峙2日目】
先日と同じ休憩室でどんなツッコミをしたろうかとワクワクしていると、中学の同級生の男性信者が集会所に入ってきた。
…名前を聞いても思い出せないが卒アルには確かに載ってる。
休憩室には義母、信A、B、隣に妻と先日と同じ顔触れと、なんと自然な流れで同級生も参加し一緒に話をした。
え?事前に打ち合わせしてたの??
まぁいいや。今日はお前に牙を向けよう。
オレ「入信歴とのきっかけは?」
同級生「かれこれ25年、友達を助けた」のだという。
友達が意識不明になり手かざししたらピクっと動き、それが3回も続いたようだ。
そ、それで??何??
このHPにある、ゴールドの奇瑞について聞く。
最初は部屋の信者全員、話に乗り気ではなかったのだが、ようやく同級生から「あぁ、あれは〜、やっちゃったなぁ」と。
どゆこと?と聞くと、
同級生「担当者が紙面に載せる写真を間違えた」と。
あ〜、なるほど!!そう来るか!!と大声で叫んだ。
信Aは「もらった方がそれでいいんだったらいいんじゃない?人それぞれなんだし」とフォロー。
一瞬??と思ったが、論点が完全にズレてしまって話にならない。
でも最後に同級生は「あれはさすがに嘘かなぁ」と言わせた事は大収穫だった。
盲目の方の視力が回復したという話では、彼らの考えを要約すると、自分らは浄霊によって「奇跡」を起こしてきたので、「あり得ない話ではない」との事。
では何でもアリなのか?と思い、
・では死んだ人を浄霊すると生き返ると思うか
・片手を失った人が再生すると思うか
・切断した指が生えてくると思うか
その辺の線引き感覚はしっかり持っているようで全てNO!。
でも眼が見えるようになったり耳が聞こえるようになったりはすると信じているようだ。
オレ「あ、その人知ってる!佐村河内さんでしょw」→全然ウケず(泣)
すると義母が「あなた、そんな事確かめてどうするの?」と反撃。
オレ「ウソだと思ってるからですよ。それを証明できないんですか?」
信じようと努力してるのに。それを信じられたら入信しますと言ってるのに何か心外。
この「目が見えるようになった」ネタは教団内の新聞に載ったらしいが
俺に見せたくないようで同級生に頼み込み 渋々紙面を持ってきた。
確かに坊さんの目が見えるようになったと書いてあるが分かりづらい。
オレ「へぇ。どこの方なんですか?」
東北の地方の方らしいけど、
同級生はみんなに「実際合って確かめてもらったらいいんじゃない?」と提案。
「でもプライバシーもあるし、分からないけどね〜」
オレ「是非!お願いします!!」
しかし新聞をよく見ると昭和50年代の話。。。
30年前の話をよく載せたねー!
義母は「実際に会っても信じてくれないでしょう。」
オレ「いや、根拠を明確に示して頂ければもちろん信じますよ。」
まぁ納得できる材料がある筈もなく話は平行線。
しまいにゃ、信Aの「目の前でブワ〜っと金粉が湧きだした」とされる話や、「眼も脳も飛び出た人が奇跡的に回復した」という話もどうでも良かった。
もういいや。もう僕は力尽きたよ(沈)
まぁ熱心な信者4人vsオレ+観客(妻)だったが、少なくとも負け試合ではない。
私には得るものが有ったので、ギリギリこっちの楽勝かな、と勝手ながら感じた。


【義父様との対峙】
妻を脱会させるにも、両親の同意を得なければ後々気まずいので、その日に思い切って妻の実家に行く事にした。
たまたま義父に用事があり、その話が済んだ後に切り出した。
オレ「本日、集会所に行って参りました。」
私は秀明会で感じたこと、思い、信念を率直に申し上げた。
まず私が感謝すべきは生きている周りの人間。そして先祖。
マインドコントロールの事、荒唐無稽な話の真偽を確かめることなく信じ込む事、信仰は自由だが勉強会でそのような嘘のような体験談を聞くのはあまりにも無意味だと勇気を以て意見した。
義母はそれでも熱く、奇跡の話を語った。
義父は黙って聞いていたが、義母経由で「阪神大震災で信者が助かったんだっけ」、「〇〇さんのガン消えたんだよな」と話してきた。
義父の信仰度合を確かめに来たのが目的だが、残念ながら完全に染まっているようで残念。
隣の部屋でやりとりと聞いていた義弟が気を利かせ、「おかん!もう10時だしオレだったらそんな話を聞きたくないよ」と止めに入ってくれた。
義弟は全く信仰していないらしいのが確認できた。
最後に、「もし妻が脱会したいと自ら言ったら、意思を尊重して頂けますか?」
義父を見ると若干目を覆っているようにも見えた。
義母は「それは非常に残念な事です。でも信じられないかも知れないけど、東北の震災で毎月の勉強会に出席していた人は全て助かったんです。
だから無意味な事ではなく必ず意味のある事なんです」と続けた。
脱会については「それはとても残念」との回答だった。
義父は犬の散歩に行ってしまったので許しは得られなかった。
帰宅してから考えたが、両親は本気で娘の幸せを願い、勉強会に参加させているのだと思う。
宗教云々ではなく、本当に幸福を願ってやまない気持ちだけは理解できた。


【教団内で話をして分かった事】
・信者はどんな些細な偶然でも「奇跡」と結論付ける。
・その「奇跡」を皆で持ち合う事により、あたかも自分の体験のように感じ、それを話してしまう。
・自分に奇跡が起きなければ日常に奇跡のアンテナを張り些細な事でも強引に結びつける。
・信者同士の話は無条件で信じ込み、真偽を確かめようとせず思考が停止する。
・自らの「浄霊」の力を信じ、「明主様」のお陰だと感謝する。
・「手かざし」をされた知人が気を使って「何か違うような…」と言ったとしても大げさに、良く受け取ってしまう
・自分達がマインドコントロールされているとは夢にも思っていない。
しかし、
・昔ほど献金にはうるさくないようだ。
要約すると以上のように感じ取れた。

でも少なくとも義母と同級生は本気で自分の力を信じてるんです。本気で!
だから脱税や体験でっち上げ話、他で何が起きようが自分には関係ない。
他で何が起きようが騒がれようが自分には「明主様」がついており、「浄霊」行為によって皆の病気が治って幸せになれる事を信じてやまないという真面目?な姿勢には何となくだが理解ができた。
当初、ご両親も脱会させられたら、と踏んでいたが、今は無理なようだ。
幸いなことに、
・妻の弟2人は熱心な信者ではない(全く活動していないレベル)
・その弟の妻と子供2人も全く関与していない。
・義父母の兄妹も全く関心がない。
・そして我が妻は脱会したい意向を示している。
しかしながら脱会の話題になった時のご両親の本当に残念そうな姿が眼に焼き付いており気の毒だとは思っている。


【出産まで】
やがて妻も出産予定日の翌日に陣痛が始まった。
夜も眠れず夜間、病院に電話すると朝6時に来るように言われ、出る前にkeiは義母に電話報告をしていた。
すると何かモメている。私に電話を代わるように言われ出てみると、
義母「こんな事言うと非常識と思われるかも知れないけど」と前置きした上で、
義母「今から集会所に連れて来ていただけないかしら。」
オレ「こんな状況では無理です!病院に直行します!」
病院に着くと即日入院が決まったのだが、後で冷静に考えるとあの状況でよく集会所に来いなどと言えたものだ。
その日は様子を見て何かあったら連絡を待つ事にして一旦帰宅した。
後から聞くと、両親が来て案の定「浄霊」をして行ったそうだ。
その夜に義母とのやり取りの件で怒りがこみ上げ、義両親宛に娘に一切の宗教行為をやめて頂くよう僭越ながら文書を用意した。
翌日の朝6時に病院から電話があり結局、8時11分に2540gの女の子が誕生。
緊急帝王切開だったが母子ともに元気という報告を受け安心した。
当日仕事が終わり急いで駆けつけると管に繋がれて痛々しい妻の姿があった。
「よく頑張ったね。本当にお疲れ様!そして本当にありがとう!」
感謝の言葉を何度も何度も伝え、労った。
keiの両親は昼間孫娘と面会し、やはり「浄霊」していったそうだ。
やはり。。。気分が悪い。
退院後は妻の実家に里帰りするのが最善だと思うが宗教行為は断固反対だ。
ウチの家族にも傾向と対策を相談したら「絶対娘に宗教行為はさせるな」
「縁を切るぐらいの気持ちで挑みな!」と全員背中を押してくれた。
数日後見舞に来た義叔母にも相談するとどうやら一族の中でも浮いた存在らしい。
「ハッキリ言わないとダメよ!」と勇気づけてくれた。
これで決心した。俺は戦う!!


【再対峙】
そこで退院前日に夜一人で見舞いに来た義母vs私たち夫婦で激論が交わされた。
私は3つの条件を口頭で申し上げた。

1.娘に対する神慈秀明会関連の宗教的活動(「淨霊」と称する手翳し行為も含む)は今後一切お断りします。

2.神慈秀明会の信者、関係者との面会・接触は必ず私を同席させること。

3.神慈秀明会の出張所や関連施設、信者宅へ連れ出す事は固くお断りします。

義母の返答はまず、「それは何故?」であった。
オレ「この子には関係ないからです。」
義母「keiも同意見なの?」
妻「産まれる前からそういうのやめてって言ったよね」
義母「でもね、家族の幸せを願って…(省略)」
オレ「陣痛が始まっているのに集会所につれて来いなど非常識すぎます!」
「keiが嫌だと言っているのに親の押し付けで嫌々勉強会に行かされているんです。」
「どれだけ迷惑がかかっているのか気づかないのですか?」
「とにかくこの3つのお願いを聞いて頂けますか?」
義母「…」
「お願いを、聞いて、頂けますか!??」
義母「…」
何度聞いても渋っているので
オレ「kei、もう無理だ。実家には連れて行かない。これでは無理だ、預けられない。」
「もう分かったろう。無理だよ、無理無理!!」
義父にも伝えたかったので昨日印刷した文書を渡し、毅然と対応した。
病室のドアを開け「娘は預けられません。今日はどうぞお引取りください。」
しばらくして義母は渋々帰っていった。

keiは複雑な気分で泣いていた。
でも幸せになるために避けては通れない道。
もう怒ったぞ!憎き秀明会!!
こうなったら強引に妻を脱会させてやる(文書には既に書いてあった。)
後日義父との対峙も覚悟した。
そして産後1週間も満たない愛娘を前に誓った。
俺の手でこの二人を幸せにする!!
泣かせた悲しみはいつか幸せとして倍返ししてやる!!!!


【義父と再対峙】
翌日の日曜日、退院の日だったので無理をして休みを取った。
午前中迎えに行き、初めて我が家に赤ちゃんがやってきた。
「おかえり!これからこの場所で幸せにするね。」と誓った。
義両親からは何も連絡はないようだ。
1日付きっきりで愛娘の世話をしたが幸運にもよくミルクを飲み、よく寝てくれて、助かった。
keiは働き者だから洗濯をしたり掃除をしたりしたが、切開傷も治っていないしさすがに止めた。
昼過ぎに私の母が初七日の赤飯を持ってきた。
妻の実家にも持っていくように渡された。
keiは弟に取りに来てもらい、手渡した。
すると30分後くらいに義両親が来た。
娘を抱いてもらい談笑したあと私から切り出した。
オレ「ママさん、昨日の話の答えですがいかがですか?」
すると義父は、「我々は信念をもってやっているので条件は聞けません。」
オレ「畏まりました。ではそちらには預けられません。」
渡した文書は「ん?」と思うような一方的な言い方で無礼だとご不満の様子。
いや、集会所に連れて行こうとする思想も理解できなくて「ん?」でしょ。
義父「それと脱会届を集会所宛てに郵送する。と書いてありましたが。」
オレ「信仰の自由は申し上げましたがkeiは全く信仰していないので脱会させます。」
義母「それはあなたの意見なの?(私に言わされてるんじゃないの?)」
kei「昔から嫌だって言ってたじゃん」
オレ「脱会は私のせいだと思って頂いて構いません」
義母「そうよ。結婚の時に約束したのに(怒)」
kei「そうじゃないよ。昔から嫌だったから。」
オレ「とにかく私がどう思われようがどうでもよいです。妻と子供が幸せになるのなら。」
オレ「幸せにする為に脱会させました。私のせいです。」
義父「そうか、では仕方がない。お光(お守り)は預かって行こう。フックも取り外します。」
義母「でもね、信じられないかも知れないけど、あなたが集会所に来たのは亡くなったお父様のお導きだと思うの。」
オレ「いやいやいやいや、絶対にありません。父は大の宗教嫌いでしたので絶対在り得ないです。」
…まだ言うか。。。死んだ親父に対する冒涜だ。謝罪させれば良かった。。。
「お光」は多分持ち帰り保存するつもりだろう。
でも後日内容証明郵便で脱会届を郵送予定だ。

でも「条件は聞けない」と言われ思惑通りで良かったと思う。
渋々承知させても絶対に陰で手翳しをしたり仏壇の前に連れて行こうとするだろう。
そんな事されたら事ある毎に風邪が治ったり良い事があるのは浄霊のおかげだとか関連付けられては、たまったものではない。
信者一同駆けつけ寄ってたかって手翳しされると思うとゾっとする。
妻の里帰り中そんなヤキモキした気持ちで過ごすのはまっぴらゴメンだ。
これで「連れて行かない」理由が明確にできた。
両親は娘の為を思っていただける真面目でよい方たちだ。
そういう良い方々の思想を変え、でっち上げ記事を信じ込ませ、周りを巻き込み売上(献金)を増やそうとする神慈秀明会が許せない。
こんな人柄の良い義両親が蒙っている被害は甚大だ。
彼らが入会した時期は夫婦仲が悪かったと妻に聞いた。
でもそれは宗教で救われたのではなく、お互いのベクトルが一致し共通する目的が出来たからなのでは、と思ってならない。


【結論】
義両親はもしかしたら本当は半信半疑なのかも知れない。
今は夫婦共々秀明会の用事で充実した毎日を送っているようだが、少しでも教団を疑ってしまうと糸が綻び始め、周りが言っているようなでっち上げや嘘に気づいてしまうかも知れない。
そうすると今せっかく同じベクトルに向かっている夫婦の調和が乱れてしまう。
そうなると 昔のように戻ってしまうかも知れないし、やってきた事が無駄になってしまう。
だが、これを続ければ同じように悩み同じ方向に進む同志(信者)と一丸になって夫婦共々明日に向かえる。
だから頑なに外部への耳を塞ぎ秀明会を信じ続けるしかない。
勝手ながらそう結論付ける事にした。

でもこのサイトが縁で被害が出る前にご義両親に意見できて良かったと思う。
集会所で皆に言われた「明主様に導かれて来たのよ」
義母に言われた「あなたが集会所に来たのは亡くなったお父様のお導きだと思うの。」
この言葉だけは信じてみようかな。

…そう、被害者のみんなを脱会させるという使命を背負ってね(笑)

俺は戦うと誓おう。家族を新興宗教から守るために!!


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