あの呪縛から解かれたい

(下記文章は、本人の了解を得て公開しています)

 インターネットで、こちらのサイトを見て、どうしてもお話したいと思い、メールしました。
 私は現在30才ですが、17才の時に神慈秀明会に入信しました。25才の時に、ある理由で私が自殺未遂をした際に教団の名誉?を考え、せっぱつまって私が考えたのは、「お光り」及びあらゆる教団関係物の処分でした。
 「お光り」は自分でティッシュに包み、ゴミ袋に入れ、ゴミ置き場にすてました。
 それ以来、神慈秀明会とは一切関わりを持っていませんが、信者であった時に受けた「洗脳」を一人ではぬぐい切れない不安があり、メールをさせて頂きました。神慈秀明会で受けた『気持ちのわるい教え?』が、いまだに、まだ頭に刷り込まれてるようです。

 私も秀明完全否定派になって、あの呪縛から解かれたいです。お願いします、助けてください。

 私が神慈秀明会を信ずるようになったのは、教団関係者に教えていない筈の私のバイト先でダイヤモンド?を21歳で拾ってしまったことが最大の原因です。

 私が所属していたのは東京支部でしたが、当時私がバイトをしていた場所は千葉駅の近くにありました。いろんな悩みのあった私は千葉支部に毎日のように参拝をしていました。ちなみに千葉支部は千葉駅のすぐ一つ隣の駅が最寄り駅で、当時は駅デモが盛んな頃でした。
 他の人は、教団施設内でダイヤモンドを拾った人が多かったようですが、私がダイヤモンドを拾ったのは、当時バイトしていたスナックの中でした。
 私はキッチンで料理を作ったり、開店前に店の鍵を開け、掃除をするといったことをしていました。
その日はバイト先に夕方6時半頃出勤し、一人で鍵を開け、掃除機を出し、掃除をしようとしたら床にダイヤ?が落ちていました。
 今になって冷静に考えると、あの「ダイヤモンドの奇跡」は、誰かが仕組んだ「奇跡」だったのかも知れませんが、私のような末端信者を騙して「奇跡」を体験させても教団が得られるメリットなどさほどないと思うのですが、教団の目的は何だったのでしょう? 私が拾ったことにより、私の話を聞いた人の(間接的なうわさも含む)確信を上げるメリットはあったでしょうが・・・。
 私自身、あの当時は自分がそのスナックで働いていることは秀明関係者は知らないと思い込んでいただけに、そこで「奇跡」が起きたので、すっかり秀明の奇跡を信じてしまいましたが、よく考えてみれば、あの頃、私の近くに秀明関係者はたくさんいました。決して私は南極などに一人でいて拾ったのではありませんので、誰かが私を騙す目的で「奇跡」を演出しようとすれば、不可能ではなかったでしょう。
 でも、当時18才だった私は、この「奇跡」をすっかり信じ、「どこにいても明主様に見守られているんだ!」と完璧に思い込んでしまいました。
 なお、私が拾ったダイヤモンドは、8角型で、裏に金箔が貼ってありました。
 秀明からは、事前にダイヤモンドに関する予備知識?を与えられていましたが、それによると、「天国の地面はダイヤ等宝石がジャリの様に敷いてあり、信者が精神的に悩んだり病気になって祈る時に信者を励ますために目の前に現れる現象」と教わっていました。 でも、わざわざ私がダイヤモンドを拾う前にこうした「学習」をさせたのは、何か布石であったように思います。

(fujiyaからの返信1を受けて)
 お返事ありがとうこざいます。いつもながら深夜メールを送ってくれますが、お体が心配です。お仕事や家庭サービスは大丈夫ですか?
 fujiyaさんがいっていた、「神慈秀明会被害者の会」のサイトはすでに見ました。信者当時、疑問に思っていたことに対する回答が沢山載っていました。
 私は当時は、きれいごと、もしくは「明主様がこう言っている」等と丸め込まれていましたから、今になってあのような暴露記事を見ると、あきれるのを通り越して、「世の中に神慈秀明会の悪事を暴いて世間の人に知ってほしい」と思いました。

 fujiyaさんのおかげで、私が拾ったダイヤモンドに関する疑問、そして心の霧のようなものは、少しずつ溶解しはじめました。
 ダイヤモンド以外にも、ゴールドの大黒様というのを直接手に乗せて見せてもらったことがありましたが、なぜかその金色の大黒様は所々表面の金色が剥げてるんです。今思えば、あれは金メッキしただけのものだったのか?と思います。
 人間とは不思議なもので、男女間の恋愛にもありがちですが、「こう思いたい」、「信じたい」と自分が思う方向に心の中で正解を下す心理作用があるようです。
 特に女性は人生経験を積んだいい年の方でも、「夢見がち」というか、リアリスティックでない人が多いようです。他の人から見たら、間違いなく騙されてるのに、間違いを指摘されてもそれを認めようとしないし、自分の心を痛めないように自分が信じた方向の解釈に固執しがちです。こうした、「自分をいたわる心」が、秀明の洗脳に利用されてきたのだと思います。
 自分が騙されていたことを知ることはつらいことですが、私は一時的にはつらくても、事実を知り、「きれいなうそ」より、「何が本当だったのか」が知りたいです。
 秀明問題を考えると、報道されている北朝鮮の姿とダブルところがとてもたくさんあります。
 「将軍様」が唯一絶対と思っている北朝鮮の人たちの姿を見て、「あー、私もダイヤモンドや金の大黒様を見たときはこういう状態だったなー」と、過去の私の心理状態を思い起こしました。「将軍様ばんざい」と言っている北朝鮮の人たちと、「明主様のおかげ」と思っていた自分の姿がダブります。
 騙された私もあさはかでしたが、本当にたちの悪いのは秀明です。秀明では、洗脳のため一日30分聖教書を読めと言ったり、旧体制時には駅での手かざしをやらせていました。活動にかり出され、彼ら信者が毎日平均睡眠時間3、4時間でクタクタになり、まともな思考力も働かない状態の中、橋本孝子等から「指導」と称して長時間の叱責が行われていました。今にして思えば、あの一連の「指導」は洗脳の基本テクニックだったと心理学の本等を見て思いました。
 私が読んだ心理学の本によると、例えば、会社の新入社員に営業などで自社製品をたくさんの人にアピールさせるのは、やればやるほど自社製品、会社への帰依心を高めるのに有効だからだそうです。ほとんど寝ていない体で、繰り返し同じことを聞かされるなども、洗脳の基本中の基本だそうです。

 私は、少し秀明の呪縛から目が覚めてきたように思いますが、あとはその洗脳をぬぐい去るために更に頑張りたいと思います。時間はかかるかも知れませんが、fujiyaさんのような方がいてくれるのでそれは可能だと思います。自分一人で考えていると、思考の枠が決まってしまうため同じ所で堂々巡りになって出口がわからなくなってしまうのですが、fujiyaさんに相談してアドバイスをして頂くと、新たな可能性が見えてくるように思います。
 遅い時間になりました すいません またメールします


(fujiyaからの返信1)
聡子さん、こんにちは。メールをありがとうございます。
 神慈秀明会の問題で悩んでおられる方は、聡子さんだけではありません。多くの方が聡子さんと同じように信者であった時代に受けたマインド・コントロールの影響で、脱会後も悩んでおられます。
 マインド・コントロールから抜け出すには、自分自身をよく見つめ、何が自分の心を呪縛しているのかを観察することが大切です。カルトの呪縛が恐ろしいからといって、そこから目を背けてしまうと、いつまでたっても呪縛がついて回る結果となってしまいます。
 最も基本的なことは、神慈秀明会の教えが本当に人を救う万能の神の教えであるとするならば、長年神慈秀明会の信者を続けてきた人たちの中に、これほどたくさんの生活を破壊され、家族が離散し、夫婦が離婚し、多くの不幸を生み出すようなことにはならない筈です。
 本来、宗教は人を幸せにするものの筈です。
 神慈秀明会は、多くの不幸は生み出しましたが、神慈秀明会で本当に幸せになった人はいないのではないでしょうか。信者からの献金で潤った一部の幹部は別かも知れませんが・・・。
 日本という国は、「カルト天国」のような国で、数多くのカルト教団が大手を振って信者をかき集め、やりたい放題の悪行で金を稼いでいる国です。
 一方、フランスはカルト問題を非常に厳しく監視する国で、フランス議会が神慈秀明会をカルト指定したことからも、それが分かります。一つの国家が日本の宗教団体を「カルト指定」する、ということは、いい加減な情報や、一時の気まぐれで行う行為ではなく、緻密な考察と検討を加えた上で指定が行われています。
 日本では大手を振っている神慈秀明会も、フランスではオーム真理教や統一教会と同等のカルトとして位置づけられていることからも、神慈秀明会の教えが誤りであることは明白です。

 聡子さんは、教団関係者が知らない筈の場所でダイヤモンドを拾ったことで、それを大きな奇跡ととらえ、神慈秀明会の教えが本当であると思われたようですね。
 そのダイヤモンドは本物だったのでしょうか?
 「家族を新興宗教から守ろう」のページにも、私の妻の「ダイヤモンドの奇跡」体験談を載せましたが、多くのダイヤモンドの奇跡はガラス玉を意図的に拾わせることによってねつ造されたものです。教団施設内でこうした「奇跡」を演出することはもちろん、信者の家庭で同様の奇跡を演出することも行われていました。信者を尾行し、信者の立ち回り先を調べておき、後日その場所で「奇跡」を演出することも実際に行われています。

 聡子さんの所属は東京支部だったそうですが、神慈秀明会の中で最も「過激」な支部が東京支部であったことはご存じでしょうか?神慈秀明会の他の支部からも恐れられていたのが東京支部です。東京支部の橋本孝子をご存じだと思いますが、彼女が信者を罵倒する態度は宗教者の態度ではなく、女帝か支配者のような異常なものでした。
 新しい信者の獲得と献金額を達成しなければならないノルマがあり、決められた期日までに金を集めなければならなかったため、あらゆる汚い手法を使って信者をだまして「神」を信じさせ、彼らの資金源に利用してきたのが神慈秀明会です。そうして集めた金で信楽に馬鹿でかい神殿や美術館が建ちました。
 信者の周辺情報をこっそり調べておき、後日それを神の力で知ったようなそぶりで信者に伝えて信者に神の力だと思わせる手法は、カルトが日常的に使う手法です。聡子さんの場合も、意図的に聡子さんがそうしたターゲットにされていた可能性はあると思います。
 聡子さんがバイトをしていたスナックに前日の閉店間際に客を装って神慈秀明会関係者が来店し、意図的におもちゃのダイヤを「落として」帰ったのかも知れません。

 「なんでそこまで・・?」と思うかも知れませんが、誰かに的を絞って「奇跡」を体験させると、その「奇跡」を体験した信者は、すっかり信じ切ってその体験談を他の信者に伝えます。すると、その体験談を聞いた人は、「神慈秀明会の奇跡は本当だ」と思うようになります。その話は、次々と信者の間に伝わり、場合によっては秀明紙の紙面を飾ることになるかも知れません。
 一粒のおもちゃのダイヤを拾わせるこにとにより、それを信じた信者や、その話を聞いて奇跡を信じた信者から数百万円、数千万円もの献金が得られる可能性があるのですからこれほど少ない投資で多額の金を得る方法は他にはないでしょう。
 もちろん、これは詐欺ですが、信者がダイヤを拾い、それを奇跡と信じ、自発的に献金をしたという形になるので明確な証拠が残りにくく、詐欺罪で告発することは非常に難しいでしょう。カルトが仕掛けるこうした罠は、まことに巧妙なものです。

 百歩譲って、ダイヤが本物だったとしても、なぜ神様はダイヤを何も無いところから出すことができるのでしょう。また、そのダイヤモンドは誰がどのようにしてカットを施したのでしょう?
 それが分からないから奇跡だ、と思ってしまうのかも知れませんが、よく考えてみれば非常に多くの疑問点が出てくる「ダイヤモンドの奇跡」や「金粉の奇跡」なのです。
 信者を信じさせるためにはウソもついてもよい、という神慈秀明会上層部の意向があったので、非常に多くのねつ造された「おかげ話し」や「奇跡」がうずまいていたのが神慈秀明会です。

 もし、神慈秀明会に本当の神の力があり、奇跡を起こす力があるのならば、私などはとっくに呪い殺されていることでしょう。私は、インターネット上で、徹底して神慈秀明会を批判し、糾弾してきました。妻も苦労の末、やっと脱会させることができました。
 私は、全く健康ですし、妻も、子供達も至って元気です。
 他にもたくさんの方が神慈秀明会を脱会されていますが、皆さん脱会してからの方が心身共に元気になられています。
 私のホームページに、お光りをハサミで切断する場面を撮影して送ってきてくれた方も、何の「祟り」もなく元気にしておられます。

 マインド・コントロールによって、恐怖心を植え付けられてしまっている方は、なかなか簡単にはその呪縛から解き放たれることはできない方もおられますが、少しずつでも神慈秀明会の矛盾点を考え、他の人とそれについて話をすることによって、徐々に心の整理がつくものだと思います。
 私も、こうした問題に関しては、全くの素人でしたが、妻を脱会させるため、多くの本を読んで勉強したおかげで、ある程度のアドバイスはできるようになりました。
 神慈秀明会被害者の方の力になれる部分があれば、できるだけの応援をさせて頂きますので、遠慮なくお話し下さい。
fujiya

 この方とは、この後、数回のメールのやりとりがありましたが、しばらく連絡がなかったので、こちらから数カ月振りにメールを出し、インターネット上へのメール公開について打診したところ、
 ご無沙汰しております。いくらでも(私のメールを)使ってください。今の私にいわせれば、あんなもん宗教でも何でもありません。ただ、あえて評価をするなら、企業として囲い込みには洗脳力にたけているのがすごい・・w(^o^)w 笑えますね。(以下、略)
 という、力強い返答を頂くことができました。

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