神慈秀明会元信者からの投稿

登志子様のだんなさまへ

 私は、脱会した神慈秀明会のある幹部の家族です。

 この「家族を新興宗教から守ろう」というサイトを読んで、本当に情けなく、悲しく、そして私のような経験をしている方、または洗脳され、人生を狂わされた人がいるのが申し訳なく、なんとお詫びをしてよいのか、心が重くなります。
 私は、神慈秀明会のために、肉体的虐待、精神的虐待、無視、強制・・・・・・、そして家庭崩壊を体験してきたサバイバーです。

 現在、神慈秀明会の信仰(?)をしている私の妹は、昔ノイローゼで苦しんでいた時期がありました。チック症があったのですが、初めて浄霊をしたときにその症状が消え、夜安眠できたので、父はその”奇跡”に傾倒し、入信したのです。
 今考えると、この宗教団体自体、霊がかっているのではないかと思います。
 それからは、読んで字のごとく、世話人、助教師、資格者・・・、そして神慈秀明会幹部まで父は上り詰めました。
 その間の我が家の様子は、ご想像に容易いかなと思います。
 私も、多分、霊感体質なのでしょうが、ご神体が我が家にきた夜に、太鼓や笛の音が聞こえたり、お光から発光しているのを見たり、そういう理由もあって、否定はしながらも人間ですから、目に見えないものに対する畏敬の念や、神慈秀明会が脅しに使う、「ご用をしていなかったら、この家はくもりで全滅、両親とも死ぬ、家は没落」と言われ続けた結果、ここまで来てしまったのです。
 一体、当時若かった父に誰が「家は没落、父は死ぬ、一家全滅」と言ったのか、いまだに不思議です。

 そのような状態の中で、いつも家はぐちゃぐちゃの有様でした。私が秀明のことをサボったときには、父母の執拗な無視攻撃がありました。お小遣いなんかもらったことありませんし、両親が入信してからは、私が何を言っても心に残らないようで、学用品も、服も、その他のものも、祖母にお金をもらって自分で買いにいっていました(小学生がですよ)。
 でも、私は、まだそのころは、家族を信じたかったし、愛を信じたかったし、いつか両親も振り向いてくれる、わかってくれる、と信じていました。
 神慈秀明会の教義は、私が中学校を卒業する頃には、「へんだ、狂ってる、間違っている」と思い始めていました。でも、そう思っても子供が家を出ても飢え死にか、暴力団のいけにえになり、食いものにされるしかありませんので、そんな家庭でも、がまんをするしかなかったのです。

 そしてその中で、いらいらは当然、信仰をしない私に向かいます。妹と口論の末、階段から背中をおして突き落とされたこともありました。そのことは親に言ったと思いますが、「そういうことも家のご因縁をだから浄化だ」と、結局何も問題にならず、また「医者は悪魔」なので病院にも連れて行ってくれませんでした。その結果、今も右腕はワープロを打っているとき、家事をしているときにずきずき痛みます(これだけですんでそれこそ”ご守護”です!!!!(笑))このけがのため、高校の修学旅行は行けませんでした。でも、父は確かそれを喜んで、「明主さまのお計らい」とその旅行代金は献金をしたと思います。
 その他、兄弟はいつも争いが絶えず、世間からすると虐待に匹敵することをされたこともあります。でも、そのことを両親に言っても、きっと取り合ってもくれないだろうし、私を守ってもくれない、祖父母も病気だったし、立場は弱い人で、言ったらそれこそ傷つき、家庭はもっとひどくなるだろうと思いました。結局、対処してもらえないのであれば言っても無駄と思い、私はその虐待の事実、階段から突き落とされたことを、あまりにつらい記憶なので、そのことは触れず、心の奥底にしまっておきました。

 そして中学卒業を機に、一切秀明会には出向かなくなりました。そして高校、大学へと進みました。大変な家庭環境の中でしたが、その中でよく受験勉強ができたなと今更ながら思います。一重に祖父母の愛情の賜物だと思い、感謝します。
 無事、大学も卒業し、一見普通の家庭に育った人、として成長した私は、普通に大学で付き合った彼女、「神様に切られた未信者」の妻と結婚しました。我が家は、全員未信者で、両親からは「あなたの嫁の家はたいへんなことになる」といわれつつも、幸せに、普通に暮らしております。
 私の妻が妊娠後、流産をしたときには、両親から「あんたが秀明の信仰をしないから、そうなったのだ」と言われました。そのすぐ後に、妻が現在の長男を妊娠したときも、「そんな子妊娠して、奇形児になるよ。明主さまは、そんな流産の後すぐに生まれる子は、親の執着で呼び戻したから、ろくな人生はないっておっしゃっておられる」と電話をたたき切られました。両親そろってのこうした雑言のために、この時ばかりは、さすがに妻も私も気分が悪くなり、それを知った妻は具合が悪くなり、入院しました。
 こんな雑言、数え切れないですよ。もう、慣れています。

 最近になって、精神科の医者にかかり、私の心の病の原因が「家族環境の悪さと宗教」とわかりました。そして医者のアドバイスに従い、実家とは今後一切の連絡、面会、縁を切ってしまうことにしました。そのように思ったときから、再び過去の、肉体的虐待、精神的虐待、無視、強制・・・等の記憶がフラッシュバックし、生々しく出てくるようになりました。
 洗脳って本当に、こわいですね・・・。

 そのようなつらい記憶に悩まされる時もありますが、しかし、優しい妻と子供たちに救われ、なんとか正常を取り戻し、こうしてこのサイトにも目を通し、このことを書けるようになりました。
 こうして、立ち直りの第一歩を踏み出せたのは、優しい今の家族、そして精神科医、セラピストのおかげです。

 どうぞ、被害者の皆様、その憎しみを自分のマイナスのエネルギーにせず、正義のためにそしてご自分の幸せのために使ってください。
 狂ったとり、つかれた人たちは、普通の感覚や普通のことでは決して目覚めないし、戻ってきません。あきらめましょう。
 親子の縁を切ることが必要な場合もあるのです。それが人生なのです。私はやっと、この事実に目覚め、情や優しさでは解決できないことが沢山ある、でも自分は両親にされた仕打ちを反面教師に、子供を、そして子供の心を大切に、家族を大切に、家族を一番に、普通の市民として生活をしていきたいと思います。
 そのつらい経験でしかわからない問題があり、わからない人の気持ちがあり、自分はそれがわかる、いつか虐待された子供たちの理解をできることもしたいし、やっと私は、くもりの心配をせず、幸せになっていいのだ、と思えるようになり、やっと心の重荷がとれました。

 このサイトが沢山の人に元気を、そして人生と戦う勇気をもたらしてくれますように。
 登志子さまのことは結果どうなりましたか?あれだけ、真剣に思って脱会を教えてくれるご主人さまがいらして、彼女は幸せだと思います。
 でも、あまりだめなようでは、離婚も選択肢だと思います。裁判をしても、カルト教団(1995年フランス政府認定)の母は親権はとれないはず。父子家庭でも子供は立派に育ちます。親が子をとるか、固定観念をとるか、という問題ではないでしょうか?

 きっと、読まれた方の中には「神慈秀明会幹部の息子が、憎らしい」とか、「お前も片棒をかついでいたのだ」と思われるくらい傷ついていらっしゃる方がいると思います。
 そのお気持ちは十分わかりますが、その『幹部の家族』の中にも、深く傷つき、人生を狂わされ、ない”くもり”に恐れ、心の行き場がない人も沢山います。家族が幹部であった故に、その傷は一層深くなるケースもあるのです。
 私も30年間苦しみました。でも今は、妻やかわいい子供、友人たちに救われ、幸せを感じています。

 読んでいただき、ありがとうございました。

P.S.
 洗脳を解くカウンセリングがあるのはご存知ですか?
 併せて、そういう情報も載せてはいかがですか?脱会させたくても、経験から個人の力では無理だと思います。団体の名前は忘れましたが、確かキリスト統一教会の山崎(元オリンピック選手)さんの姉君がそこの牧師様やカウンセラーに頼んで、脱会させたとかいう話を聞きました。

(上記のメールに対する私からのメールを受けて、再度頂いたメールが下記です)

登志子様のだんなさまへ

 早速のお返事ありがとうございます。そして、神慈秀明会幹部の家族である私を暖かく対応してくださり、感謝いたします。ぜひ登志子さんに印刷して、お見せください。自分の身勝手の裏で苦しむのは、いつも立場の弱い子供です。子供は親が絶対です。外の世界では生きていけませんから、どんな親でも我慢するしかありません。
 しかし必ずその傷、後遺症はその後の子供の人生で、人間関係の対処の仕方、生き方、性格に影響を与えます。人格を破壊します。そして、それが反社会行動に出たり、精神病となったり、最後その子供は、その原因である責任者がわかる場合は立ち直ったり対処できますが、ほとんどは、わからないままに苦しんで人生を終わるのでしょう。

 私は自分でいうのも何ですが、かなりしっかりしたほうですし、祖父母は理解してくれましたので、他の家族、信者である親戚とはまったく違った人生を送っています。 意識して神慈秀明会を断ち切ろうとし、まったく違うタイプの家庭を築き、自分なりに幸せな人生を送っていますが、神慈秀明会の他の幹部連中の子供をみても、社会的な不適合者が多いのが現状です。
 その災禍は子供が結婚した後も続きます。子供がまともに育って結婚できたらの話ですが・・・。
 後遺症は2代先まで続きます。そして、親が家族をほったらかしにしていると、家庭は憎悪、心の傷の温床になります。必ず家族で虐待が起こります。一番弱いものにその矛先は向かいます。
登志子様は、ご自分のやってらっしゃることが、どのような影響をまわりに与え、2代先までもどのような影響を与えるか、よくよく考えてから行動なさったほうがよろしいと思います。子供が求めているのは、愛してくれるお母さん、これだけなのです。

 私はおひかりをしていません(もう完全に脱会しました)。教団側の定義だと、ずいぶん前からご無礼状態です。でも、とても幸せで、仕事でも成功し、それを助けてくれる人々に出会い、導かれ順風満帆な人生でした。もし秀明会の教義が本当ならば、私はとっくにぼろが出て、不幸で、不運になっている筈です。でも、これは私が、物理的にも努力をした、人を信じ、愛を信じた、妥協せず愛を基調として人生を送ってきた、人をねたまず、自分の不幸な子供時代にこだわらず、それを売り物にせず、(よく、ひどい目にあったのを、競争するかのようなサイトや人がいますが、あれは間違っています)心をきれいにしてやってきたからでしょう。
 今は、幹部である家族とは絶縁しました。 神慈秀明会を脱会する時も、郵便で聖教書、お光、飛天、などを集会所に送り返しましたが、何も悪いことが起きたりはしていません。
 身の回りから神慈秀明会のものがなくなり、私は心の重荷が取れて、本当にこれが自分の健康と心を蝕み、巣食っていたのだな、と胃のあたりがすっきりしました。今、本当に自分の人生が始まり、心からの平安と幸せを感じます。

 人生は、色々とおこります。くもりで死ぬのがいけないということ自体、生に執着しているのではないですか?全てを受け入れる、これが出来なければ、たとえ秀明会に入ろうとも、脱会しようとも、真の安心立命はありません。
 登志子さんは何が怖いのですか?一度それを整理なさって、紙に書き出されてはいかがでしょうか?究極は「死」が怖いのではないですか?でも、その「死」を受け入れられなければ、人生いつもびくびくとして生きなければならないのではないでしょうか?
 もっと、ご自分を信じることから始められたらいかがでしょうか。
 私とて明日、がんと宣告されるかも知れません。でも、そういう人生もあるし、そうなること自体、きっと神の摂理の一環でしょう。
 
 なんだか、登志子様宛てのメールのようになってしまいました。
 はっきり言います。秀明会はブラックリストに載ったカルト教団です。

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