神慈秀明会では、信者に対し、「神慈秀明会は近いうちに、国連に認定される」という話を盛んに吹聴している。登志子もそれを繰り返し言っていた。他の信者さんからも同様の意見・質問がたくさん聞かれる。
その真実は、どうなのだろう?
以下の内容は、神慈秀明会が公表した内容も一部含まれているので、どこまでが真実かはわかりませんが、神慈秀明会と国連との関係は次のようなものです。
1998年9月、神慈秀明会はインターフェイスセンター・オブ・ニューヨークの主催するインターフェイス礼拝に参加した。
その席上で、第三者の紹介により神慈秀明会会長小山弘子と国際連合事務次長モーリス・ストロング氏とが知り合うことになった。
当時、モーリス・ストロング氏は、ゴルバチョフ元ソ連大統領、世界各地のNGO等と共同して「地球憲章」の策定に携わっていた。
「地球憲章」の策定に当たっては、生態学や他の現代科学、世界の宗教哲学的な伝統、グローバルな倫理や環境と開発の倫理に関して次々に執筆されている書物、持続的な生活をしている人々の実践的な経験、そして政府間や非政府組織で発表されている関連宣言や条約といった様々な資源を活用することになっていた。
後日、モーリス・ストロング氏から小山弘子に対して「岡田茂吉の御教えを宗教の教えとしてでなく、哲学としてこの地球憲章に活用することは可能か」と打診してきた。
小山弘子は、神慈秀明会の聖教書を提供することでこれに応ずることができないかストロング氏に打診してみたが、氏は「神慈秀明会という宗教団体に興味があるのではなく、岡田茂吉の御教えを参考としたいのだ」と言ってきた。
岡田茂吉の御教えは、『御教え集「天国の礎」宗教』(上・下各1冊)、『御教え集「天国の礎」浄霊』(上・下各1冊)、『御教え集「天国の礎」社会、救世自然農法』、『御教え集「天国の礎」芸術』の計6冊の本で構成されたものが世界救世教で販売されているが、その著作権は世界救世教が所有しており、これを勝手に小山弘子がモーリス・ストロング氏に提供することはできない。
そこで小山弘子は、あれだけ毛嫌いし、悪魔の巣窟のごとく神慈秀明会信者には教えていた世界救世教に対し、御教えをストロング氏に提供することの許諾を申し入れた。
これに対し、世界救世教側は、神慈秀明会が世界救世教との「和解」に応ずるならばOKとの回答をした。
小山弘子は「和解」はできない、としてこれを拒否した。
著作権の保護期間は、実名(周知の変名を含む)の著作物については作者の死後50年と決められており、岡田茂吉が死亡したのが1955年なので2005年には著作権の保護期間が切れる。 小山弘子はこの保護期間が切れるのを待って提供しようと思っているのではないか。
以上が国連と神慈秀明会との「関係」のあらましです。
この中で注意すべき点は、ストロング氏が参考としたいと言っているのは、神慈秀明会の教えではなく、岡田茂吉の御教えである点です。それも宗教の教えとしてではなく、哲学(フィロソフィー)として活用できないか、と言ってきたのです。
神慈秀明会の聖教書というのは、岡田茂吉の膨大な数の御教えの中から100編だけを抜き出したものであり、とても岡田茂吉の考え方を代表しているとは言えないものです。カルトの教えを広めるのに都合のいいところだけをピックアップし、都合の悪いところはことごとく隠したものです。
機関誌・秀明(388号)では、次のように伝えている。
『これは、世界隋一の平和機関である国連で採択される取り決めに、明主様の御教えが今後盛り込まれるということを意味します。
医学迷信や肥料迷信を打破していくためのアクションが、今後、国連を通して全世界に及ぶようになるということです。
明主様の御教えの意図とされるところは、人類から病貧争を絶無にすることです。国連の要人がその真意を理解され本気になった、その火付け役は、秀明会でした。』と、仲介役であったことを認める発言をしている。
世界中の様々な資料の一つとして御教えの提供を打診してきただけであり、その内容の如何によっては参考にされない可能性もある。それにも係わらず、「国連で採択される取り決めに、明主様の御教えが今後盛り込まれる」と言い切っているのは、正しい表現ではない。
地球憲章は、2002年8月26日から9月4日の日程で南アフリカ共和国、ヨハネスブルグで開催された地球サミットにおいて採択されている。
この採択までには、岡田茂吉の御教え提供は間に合わなかったので、当然、地球憲章に岡田茂吉の御教えは含まれていない。
今後も、国連は同様の活動を続けていくものと思われるので、今後の何らかの宣言などの参考にしてもらいたい神慈秀明会は、遅ればせながら岡田茂吉の御教えをストロング氏に提供する方向で活動していくものと思われる。
モーリス・ストロング氏と神慈秀明会
モーリス・ストロング氏と神慈秀明会との関係を調べてみると、次のようなことが判った。
1978年以前に、モーリス・ストロング氏とその妻、ハナ・ストロング氏はコロラド州Baca・Crestoneの広大な土地を購入し、所有していた。Crestone(クレストン)という地名から、何か気が付く人も多いはずである。
1978年になって、初めてその地を訪れた二人は、自分たちが購入したこの土地が、太古から土着の人々がこの自然の地を彼らの理想実現の場、そしてシャーマンの修行の場として崇めていたことを知った。当時この土地は野生の地であるに関わらず、その中に道路、公共施設等多くのインフラが整備され、その価値は推定3000万ドルと言われていた。
1980年になって、ストロング夫妻はこの場所を世界の宗教が集う場所にしようと思い、手はじめに、土地の一部を2つの伝統宗教(カルメリットカソリックとチベット仏教)と一つの知的・教育団体に譲った。
その後、仏教、クリスチャンやヒンズー、ユダヤ、スーフィー、道教、ゾロアスター教等、各種宗教団体がこの地にコミュニティー・センターを建設する運びになり、北米最大のインターフェイス・ コミュニティーとなった。
1998年9月、神慈秀明会はインターフェイスセンター・オブ・ニューヨークの主催するインターフェイス礼拝に参加し、モーリス・ストロング氏とその妻、ハナ・ストロング氏と知り合った(前述)。
1998年10月、神慈秀明会関係者がクレストンを訪れ、土地・環境を視察した。
1999年2月、ハナ・ストロング氏が滋賀県の神苑を訪れ、交渉の結果、クレストンの「金鉱山跡地」がモーリス・ストロング氏から神慈秀明会に譲渡された。
2001年4月5日、神慈秀明会クレストン国際交流センター地鎮祭
2002年5月18日、神慈秀明会クレストン国際交流センター開設
以上の経過から、モーリス・ストロング氏は土地のオーナーであり、神慈秀明会はその土地を買ってくれた客であったことが判る。クレストンは海抜2,300メートルの高地にあり、写真を見ると、荒涼とした山岳地で、通常ならば売り物になるような土地ではない。それをこうした宗教団体に「インターフェイス・ コミュニティー」等と、もっともらしい名前を付けて売り出し、神慈秀明会の豊富な資金力に目を付けた国際連合事務次長モーリス・ストロング氏は、なかなかの商売上手である。
神慈秀明会は土地を買ってくれた大事なお客さんであり、これからも仲良くしておくといいことがあるかも知れないのでストロング氏は神慈秀明会と仲良しなのであろう。
有名人とのおつきあいが大好きな神慈秀明会としても、「国連」とか「世界」という肩書きがちらちらするモーリス・ストロング氏は格好の人物であろう
国連は、アメリカが拠出金を出さない部分があるため、財政難に陥っている。このため、金を出す団体に上手にとり入り、資金を出してもらう代わりに「国連NGO」の「看板」を与えることも行っている。
もし秀明会が国連NGOを取得できたとしたら、その膨大な資金力に国連が目を付けた結果であろう。
もし、国連から認められたら?
もし、国連が「手かざし」も含めて神慈秀明会を認定し、『日本医術』を認めているのであれば、あれだけ世界中が大騒ぎしたサーズ感染拡大の際に、国連機関であるWHO(世界保健機構)から神慈秀明会に出動要請があっても良さそうなものだが、全くお呼びはかからなかった。
お呼びがかからなくても、神慈秀明会幹部は「あなたの幸せを祈らせて下さい」と言ってサーズ感染地域に赴き、積極的に治療活動を行い、それで奇跡の力でサーズ患者の命が次々と助かれば、世界的に神慈秀明会の名声を広め、手かざしの有効性を立証できたはずなのに、誰一人としてそのような行動に出なかったのはなぜなのか?
神慈秀明会ハンドブックの「世界に羽ばたく信仰」には、「明主様のみ教えは、仏教もキリスト教もすべての宗教を包容した超宗教、世界的宗教なのです。これでこそ世界に通じ、全人類を救うことができ得る、唯一無二のみ教えです」と書かれているが、全人類を救うことができるはずの宗教団体幹部は滋賀県の神殿から一歩でも出て、海外で苦しんでいる人たちを助けようとしたのか。
それどころか、神慈秀明会の香港支部で2名の信者がサーズに感染し死亡したのはなぜなのか。なぜ、手かざしで治すことができなかったのか。
サーズ感染は再び冬場になると再発する可能性が高いと言われている。
今度、サーズ感染が広がった際には、きっと神慈秀明会幹部が大挙して治療に赴いてくれることであろう。その際は、お手並みを拝見させて頂くことにしよう。