まず、下記の写真を見ていただきたい。
左右の熊手を見比べてみると、左の熊手が一部色が違うのに気付かれることだろう。
これは私がヤスリで表面をガリガリと少し削ってみたところ、表面の金色が取れ、地金(じがね)の色が出てきたところである。
私も金属の種類についてはあまり詳しくないのだが、この地金の色はアンチモン(Antimony、アンチモニーともいう)の合金に似ていると思う。アンチモンの合金は、少し前まで活字用合金として非常によく利用されてきた金属で、型に流し込んで活字を作るのに適した金属である。少し熱を加えると簡単に溶け、型に流し込んで活字や小さな造形物を造るのに適した金属なので、こうした縁起物の鋳造にも利用された可能性が高い。
ヤスリで削って出てきた地金の色をルーペで観察していて、「活字用合金の色とよく似ているなー」と思った。
皆さんは、「銀紙を金紙に変える方法」というのをご存じだろうか?
手元にアルミ箔でも銀紙でもあれば、これにオレンジ色のマーカー(油性がよい)を塗りつけてみるとあら不思議、たちまち銀紙が金紙に変身する。
アンチモンの合金は地色が銀白色なので、これにオレンジ色の着色を施すと、「金色の縁起物」が簡単にできあがる。
例え表面だけでも、金色にするために本物の金を使ってメッキをしていたのでは到底採算がとれないので安物の金色加工は銀色地金の上にオレンジ色の着色加工を行って金色に仕上げてあるものが大半である。
秀明会の「ゴールドの奇瑞」も、実は一皮めくれば、「シルバーの奇瑞」であったわけだ。
「金」に目がくらんだ秀明会幹部も、そろそろ目を覚ましてはどうだろうか・・・。