参拝の栞

1、神世界のルーツが明らかに
 神世界に通っていた人から、非常に興味深い資料をお借りすることができた。
 それは、「参拝の栞」と題した手帳サイズの本で、そこに書かれていることは、神世界の発祥に至る経過が書かれている。
 以下の画像で、「本教発生までの因縁(御神書)」をお読みいただくと分かるが、そこに書かれていることは神世界が出口なお、出口王仁三郎に代表される大本教にその端を発すること、岡田茂吉との関係などが縷々(るる)書かれている。
なお、この本が書かれた時は、「千手観音教会」という名称だが、H14.3.18に(有)神世界に商号変更しており、両者は同一のものである。

 本文中に、「したがって本教会の教えの内容において、法華経、天理教、大本教、メシヤ教の要素を包括している」と明確に書かれており、神世界がこうした宗教の流れを色濃く汲んだ団体であることを教主(この本を書いたときは会主)自ら暴露している。

 「神世界は宗教ではない。会社です」と繰り返してきたことが如何に欺瞞に満ちたものであるかがこれを読むとよく分かる。
 画像の枚数があまり多くなるとページが重くなるのでここでは全頁の紹介はできないが、いずれ全ページを資料化して紹介したいと思っている。
 後に発行される、「神書」の内容はここに書かれていることを基に書かれている。

 なお本文中に、「五六七」という言葉が繰り返し出てくるが、これは「五六七(みろく)」と読む。
「五六七(みろく)」については、http://www1.odn.ne.jp/~jyourei/butumetutomirokunoyo.html等を見ていただくと詳しい内容が分かる。 


参拝の栞
平成5年3月18日発行 発行所・千手観音教会
山梨県中巨摩群竜王町玉川18(現在は甲斐市竜王町玉川18)

この観音像は岡田茂吉が描いたもの(武器を持っている)

「悪霊は心の隙を狙いつめ、迷いに乗じて入り込むなり」
(神世界がこれまで散々やってきたことだ)

「利己愛の、心の中に魔が育ち、いつしか地獄に転落するなり」
(教主・S藤Tのことを言っているようだ)

「人の弱み、罪過ちに付け込むは、悪魔と同じ心持つなり」
(神世界幹部のことを言っているようだ)

130ページで終わりに見えるが、実は・・
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2、目次にあるのに・・?
 この「参拝の栞」には不思議な点があった。参拝の栞には目次には載っているが本文が見あたらないページがあったのだ。下記写真の目次には項目九「行事について 131」、項目十「千手観音教会会則 132〜133」と書かれているが、客が買った参拝の栞はどの本も130ページまでしかなく、131〜133ページはなかった。
 そのことに関して神世界側からは何の説明もされていなかったので、行事のページと会則のページがないことに気づいた客もほとんどいなかった。
 しかし130ページを開いてみると綴じ糸が不自然にゆるんでいる。この本は”糸かがりとじ”という手法で製本されており、製本後にページを抜き取るとその部分の糸にゆるみが出てしまうのだ。
 中にはページがうまく破れなかったのか、かすかな紙片が残っている本もあった。


「参拝の栞」目次には、132・133ページに「千手観音教会会則」の表記がある
ページを抜き取ったため綴じ糸に不自然なゆるみがある ページを抜き取った際の紙片が残っているものもある



3、幻の132・133ページ発見!
 今まで誰もその内容を知らなかった131〜133ページであるが、今回ある人が持っている参拝の栞にはこのページが存在していることが分かった。
 それが下記の写真だ。132〜133ページはザーッと眺めていると見落としてしまう可能性もあるが下記3に掲載した拡大写真の赤枠に注目して頂きたい。なお、131ページの「行事」には問題になる内容はなく、132・133を抜き取る際にその裏面にあったために131ページも一緒に抜き取られただけだ。

今回発見された132・133ページ
なぜこのページを客に見せたくなかったのか?



4、自ら「宗教団体」を宣言していた

132ページ冒頭部分の拡大図
「宗教団体」の表記を隠したかったのだ

 なんとそこには、
第1条、名称、本教会は宗教団体「千手観音教会」と称する。
 と、自らを宗教団体であると明記してあったのだ。

 客に販売する参拝の栞から132、133ページを切り取った理由は何か? その答えはこの「宗教団体」という表記を見られると客を騙すのに都合が悪かったということだろう。
 客から、「ここは宗教か?」と尋ねられた際に、「いいえ、ここは宗教ではなく会社です」とスタッフ達に答えさせているのに、こんなところに堂々と「宗教団体」の文字が記されていたのではそのウソがつけなくなってしまう。

 組織にとって「会則」というのは最も大切な内容である。会の性格を示す重要なページを意図的に抜き取り、宗教団体であることを隠した意図は何だったのか? 自らの組織が宗教団体であることを隠して客に近づく行為はどう見てもまともな団体のやることではない。宗教であることを隠して客近づくのはカルトの常套手段だ。
 この一事に神世界という団体の性格が色濃く表れていると言える。客にウソをつき、騙してでも自らの利益を貪る団体、それが神世界の真の姿だ。

 出版の世界では、「落丁・乱丁本は送料弊社負担でお取り替えします」というのが常識だ。しかし神世界は意図的にページを抜き取り、落丁本という不良品を素知らぬ顔で3,000円で客に売りつけていた。いまさらこんな馬鹿げた本の交換要求をする客もいないだろうが、どうしてもという方は神世界に要求してみるとおもしろいかもしれない。

 なお、千手観音教会というのは現在の神世界の旧名称である。これについては登記簿の記載内容からも明らかであるが、カルト教本・神書のページに記載した赤版の神書の発行者名は千手観音教会、後に発行されたゴールド版の神書の発行者は神世界と変わっていることからも明かだ。
 千手観音教会と(有)神世界は同一の組織だ。つまり、神世界は宗教団体なのである。
 もっとも、宗教団体だとしても、こんな宗教が信ずるに値するとは到底思えないが・・・。



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