カルト教本・神書

神書(赤版・初版)
発行者・千手観音教会
神書(ゴールド版)
発行者・(有)神世界
神書(携帯版)
発行者・(有)神世界

 宗教には開祖の教えなどを綴った教典がつきものだ。
 新約聖書・旧約聖書(キリスト教)、コーラン(イスラム教)、仏典・経典(仏教)と規模の大きな宗教はもとより、(宗)神慈秀明会のような小さな宗教団体ですら「聖教書」などという教典が用意されている。
 (有)神世界は、「宗教ではない。会社です」と言い張っているが、「神書」という名の教典が用意されている。
 この神書という教典は世の中に数多ある教典のなかでも、”ぶっ飛び度”に於いては郡を抜いていると言えるだろう。
 神書の「後書き」は、次のように書かれている。

「神書」後書き全文

 この『神書』は人類が初めて授かった神様からの商品であり、本来なら現在の貨幣価値で一冊につき一兆円以上は欲しいのだが、神様との永遠の取引を求める人には経費と手数料だけの最低価格に設定してあるから、後は人間の方で最適値にすれば良いのである。
 手に入れた人は日常生活において常に身近に置いて最大限にこの『神書』を利用し使用するのが良い。その結果個人の幸福度が高まるほど、また幸福者が増えるほど私の利益となり神様の利益になるという仕組みである。そうしてすべては自然に良くなり、簡単に良くなるのである。

平成十一年四月二十一日 主


 「ウソは大きいほど現実と等価になりうる」という有名な言葉(ナチス宣伝部長・ゲッペルスの言葉)があるが、まさにこれはその見本のような文章だ。
 「この『神書』は人類が初めて授かった神様からの商品であり」と決めつけているが、それは作者自身が勝手に断定しているだけであり、この組織を離れれば誰一人としてこんな本の存在を認めていない。
 「バカも休み休み言え!」と言いたくなる文章だ。

 文中に、『この本は神様の言葉であるから、本当なら1冊1兆円欲しいところだが・・・』との記述があるが、これほど率直に作者の願望が露呈したカルト本に巡り会うことは滅多になく、この本はそうした意味では貴重な存在だ。
 この団体は、何かにつけて「金、金、金・・・・・」で、とにかく金がかかる団体であるが、「本来なら現在の貨幣価値で一冊につき一兆円以上は欲しいのだが、神様との永遠の取引を求める人には経費と手数料だけの最低価格に設定してあるから、後は人間の方で最適値にすれば良い」というのは、祭りの屋台で香具師(やし)が使う口上と同じで、実際には価値の無いものを、さも価値があるように思わせるときに使うセリフ回しである。
 文面を見ただけでそう思ったが、後にこの者が客を前にして講演をしている音声を聞いたところ、正にそのしゃべり方は香具師そのもの、といった感じであり、自分の勘が正しかったことに我ながら驚いた。

 詐欺師が好んで使うテクニックが随所に盛り込まれたこの「神書」という本は、その全貌を公開し世間に晒す必要があると判断したので、神書批判にその内容を掲載し、批判文も付け加えているので、詳しくはそちらをご覧頂きたい。

 ある人がこの神書を、岡田茂吉と出口王仁三郎(大本教)に詳しい宗教学者に送って読んでもらったところ、その先生は自分の名前を出さないことを条件に、神書に関する率直な感想を聞かせてくれた。
 その先生曰く、「神書は、たしかに茂吉と出口が世に出した神言を基に書かれている部分も多いが、神様との取引とか、かけがえのない人でも御神業にマイナスな人間とは関係を解消すべし!とか、非常にカルト色が強く、「西洋の黒魔術の思想」が多分に入っているのではないか」とのことだった。


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(ファイルサイズが大きいので、携帯からは無理かもしれません)



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