1、はじめに
神世界とその関連サロンが行ってきた商法が霊感商法だったのか、それとも神世界はそのような悪質な商法・団体ではなかったのか?
犯罪を犯した者は捜査段階では口を揃えて、”そのような違法行為はしていない。正当な活動だ”と抗弁する場合が多い。神世界が事件後に報道各社に送った文書を見ても責任逃れに終始し、謝罪はおろか釈明すらしようとしない。
事件は現在神奈川県警が捜査中であり安易な断定はすべきではないと思うが、右記の写真を見て頂きたい。2007年12月末に神世界が捜索を受ける前の神世界本部の看板と家宅捜索後の2月24日の看板の状態を上下に並べてある。
彼らが述べているように神世界が何も悪いことをしていないのであれば、なぜ看板を塗りつぶす必要があったのか?
自らにやましいところがないのであれば正々堂々と看板を掲げ、身の潔白を証明する会見に応じ、このように神世界を糾弾している私(fujiya)に対して損害賠償請求等を起こすべきではないのか?
看板を塗りつぶした行為が意味するところは、”神世界は悪事を働いていた”と自ら認めたのと同じではないか。
2、霊感商法
「霊感商法」と言えばあまりにも有名で、その名前を知らない人はいないくらいだろう。詳しくは「霊感商法の実態」を見てもらえば、その手口や被害を詳しく知ることができる。
「先祖の霊が苦しんでいるから不幸なことがおこる」などと脅し、壷、仏像、人参濃縮液等を高額で売り付け、詐欺的手口で多くの市民から金を騙し取ってきた統一協会(統一教会)による「霊感商法」は全国各地で多数の訴訟が起こされ、その多くで被害者への損害賠償が命ぜられている。
統一協会(統一教会)による霊感商法被害額は数百億円にも及んでおり、その被害額の大きさからも社会問題化しているが、全国各地にはこの霊感商法を真似た「ミニ霊感商法」の類は数え切れないほど多数存在している。
これまでこうした霊感商法で市民を騙して荒稼ぎをする連中の多くは、「新興宗教」(本当の宗教ではないが)を利用するものが多かったが、あまりにもこうした悪徳業者が多数出てきたため、市民の新興宗教に対する警戒心も強くなってきた。
そこで、宗教色を極力排除し、若い女性に人気のある、「占い」や、「癒し」、「セラピー」、「リラクゼーション」などを看板に掲げ、癒しを求める女性が気軽にそうしたサービスを受けられるようにしたものが急激に増えてきた。
(有)神世界グループによるヒーリングサロンを利用した霊感商法もその一つだ。
ここでも巧みな手法により客に多額の金を出させ、多くの被害者が発生している。
ヒーリングという行為そのものに違法性がある訳ではないが、この団体の問題点はヒーリングは道具として使っているだけで、実際には言葉巧みに客を不安に陥れ、客が金を出さないといけなくなるような仕組みを作り上げている。入口は1,000円程度の体験ヒーリングだったはずが、徐々に宗教的行事への参加や宗教的物品の購入を勧められ、客が気づいたときには数百万円もの金が吸い取られている。
一部の被害者はかなり早期から神世界のやり方に疑問を持ち、インターネットで調べたり、消費者相談センター等で相談することによって自分が騙されていたことに気づく者もいた。
またサロンスタッフなどサロンで働いていた関係者からの内部告発もあり、2007年12月末の強制捜査に結びついた。いま(有)神世界を頂点とするヒーリングサロンによる霊感商法の実態が解明されようとしている。
事件の全貌が明らかになるにはまだ時間を要するが、被害者は全国で数千人、被害総額は100億円ともいわれる大きな事件になっている。
しかし、警察の家宅捜索が入り新聞やテレビで騒がれても、未だに神世界を信じて通い続けている者もいる。残存者の中には、「マスコミの報道は間違っている。警察は他の意図があって神世界を潰そうとしている」など常識外れの発言を平気で行う者もおり、マインド・コントロールの恐怖を目の当たりにする場面が多くなっている。
当サイト内に設けた、「サロンでこんなことを言われたことがある」というアンケートを見ると、サロン内でいかに荒唐無稽なことが平気で言われて、またそれを信じてしまう雰囲気に包まれていたのかを知ることができる。霊感商法に於ける脅し文句のオンパレードとなっているのでそちらも是非ご覧頂きたい。
神世界は悪徳商法の見本として日本の犯罪史上に長く名を残すことになるだろう。
なお、ここで問題にするのは神世界を頂点とする一連のヒーリングサロンによる霊感商法であり、全てのヒーリングサロンがこうしたいかがわしい団体であるということではないので誤解のないようにお願いしたい。