神世界には、”お浄め”や、”御祈願”と称する法外な金儲け手段がある。
どれくらい法外かは下表を見ていただくと概要がつかめる。ただし、下表に表示した金額は、”お浄め”及び、”御祈願”に支払った金額だけであり、これ以外に水の購入や神書、額、ライセンスと呼ばれる御守り、各種講習会等、多岐にわたる項目で金銭の支払いがなされており、一人当たりの被害額は下表に示した金額の倍以上になっている場合が多い。
まず第一に金額が法外である。
物には、”相場”というものがある。ちゃんとした神社から神主さんに来てもらって地鎮祭を行えば当然それに対して金を払わなければならないが、地鎮祭で神主さんに支払われている金額の相場は3万円〜5万円である。
神主さんは、その土地の精霊を鎮め、これからその土地に住む者が安泰に生活できるように神事を行うが、神世界が行う、”お浄め”を受けた者が担当者から言われるのは、安らぎの言葉ではなく、更に高額な、”お浄め”を受けないとダメだという脅しの言葉である。
脅しの言葉といっても、決して●力団が使うような威圧的脅しではなく、笑顔で優しく、「自分が一番大事なんです。あなたが幸せにならないと・・・。人は幸せになる為に生まれてきたのです。貴方は神様とつながったのです」。「貴方が幸せになる事が子供やご主人に良い影響がいき、皆が幸せになるのです」。「そのためには、あなたが、いまこれをしなければ・・・」と言葉巧に持ちかける。
人間が持っている様々な欲、願望、向上心、そして「切に思う心」までを巧みにくすぐり、結果として神世界に金を出さなければ不安になるようにし向けるところが神世界の巧妙で悪質なところである。
神世界は一度つかんだ客に対し、絶対に客を安心させるようなことは言わず、次々と不安を煽っては金を出させる行為を繰り返している。
金額が高額だというだけであれば、”客は同意してその金額を支払ったのであり、違法性はない”と神世界側は主張するであろうが、そこに至る背景として客を不安に陥れて金を出させるように誘導する行為がなされている。このような行為は明らかに違法な、”霊感商法”であり、その違法性は極めて高い。
上記のお浄めや御祈願に至るには、決まった一つのパターンがある。
下記にその要点をまとめてみたが、これらは違法なカルトが常套手段として使っている客を騙すための手法が多用されており、調査すればするほど神世界の違法性が明らかになってくる。
領収書を請求し、支払った金の領収書を得ている被害者も少数ながら存在するが、領収書をもらう際に、支払った金に対して異議を唱えないとする、”念書”を書かされている場合が多い。
しかし、錯誤や虚偽があった状況下で交わされたこのような念書は無効であることは過去の判例により明らかであり、そのような念書があるから金を取り戻すことは不可能だと諦める必要は全くない。
1、最初は低額 |
街頭で客集めのカードを配ったり、友人を誘わせるなどして最初は1,000円〜3,000円程度の安い金額で、「体験ヒーリング」等の形で興味のありそうな客を集める。 |
2、誉めちぎる |
集めた客に対しては、徹底した誉め言葉で気分を良くするとともに、「家の中にいて白馬の王子様が来ることはない」、「今回ここに来たことは、あなたにとって本当にラッキーだった」などといって客がサロンに来たことがとても良い判断だったと誉め、安心させる。 |
3、不安を与える |
「今ここに来ていなければ、あなたは大変なことになっていた」等と言って不安を与える。 |
4、欲をくすぐる |
更に良くなるためには、次のステップへ段階を進める必要がある、と持ちかける。 |
5、急がせる |
決断を急がせる。時間を与えると家族や友人に相談してしまい、気が変わる者が出てくるので、 |
6、不安を煽る |
神世界が引いたこのレールに乗ってきた客は、”絶好のカモ”とされ、徹底して金を搾り取られる。 |
7、身辺調査 |
サロンにきた客に対しては専用のスタッフを張り付け、徹底した相談相手となるように指導されている。優しい笑顔で話を聞いてくれるスタッフにすっかり心を許して自分の身の上話や困っていることを相談する客が多いが、この会話の内容は報告書にまとめられ、逐一上の者へ報告されている。 |
8、後戻りさせない |
客が払う金は、最初は1,000円〜3,000円だが、不安を煽られた客は、段階的に3万円、5万円、10万円と徐々に要求される金額が上がっていく。金を払わないと更に不安が増大するように仕組まれているので、客はこの金を払ってしまう場合が多い。 |
客の身辺情報を把握するための相談申込書(左)と、家系図を出させる際等の注意書き(右) これだけの情報を事前につかんでいれば、客の不安を煽るための事前情報としては十分だろう。 (クリックすると大きくなります) |