山梨県甲斐市玉川18にある、(有)神世界本部。この本部横の道路沿いに設置された、「21世紀は神世界」の看板は、繰り返しニュースで報道され、いまや地元では知らない人がいないのでは?と思えるほど有名な看板になってしまった。
看板に書かれた、「21世紀は神世界」の文言は、神世界が広く世間に浸透し拡大していき、正に21世紀は神世界全盛の世の中になるという彼らの願望を表したメイン・キャッチフレーズだったはずだ。
ところが2008年2月24日、この看板の、「神世界」の文字が白く塗り潰されていることが判明した。
私は最初にそれを聞いた時、誰かが神世界に対する反感から強硬手段として塗り潰したのかと思った。
しかし、送られてきた写真を見てそうではないことが分かった。これは神世界が塗装業者に依頼して塗り潰したものである。
白地に濃紺のペイントで書かれた「神世界」の文字を白色で塗り潰すのは簡単なことではない。実際にやってみると分かるが、普通の塗料では何度塗り重ねても濃紺の文字が透けて見えてしまい、完全に消すのは非常に難しい。
塗装業者は専用の塗料を使って上手に塗り潰すので塗り潰した文字が透けたりしないようにきれいに白く塗り潰すことができる。
今回神世界の看板を塗り潰したのは、処理の状態からして専門の塗装業者であることは明らかだ。
夜間に看板前を通りかかった人の話では、以前は点灯していた夜間照明も消灯しており、ひっそりした感じだったとのことである。
電球が割られている訳ではないので、夜間照明が点灯していないのは看板照明用のスイッチが切られているからだ。
何度となくテレビでも報道された神世界本部の看板 |
2008年2月に「神世界」の文字が塗りつぶされた |
以前はこのように夜間照明もされていた |
塗り潰し後は照明も消えて真っ暗 |
しかし少し離れたところにあるこの看板はそのまま |
駐車場の看板も「神世界」のままだ |
自社名が書かれた看板を塗り潰す行為が何を意味するか?
自分たちがやってきたことは正しいことだという自負があれば決して看板を塗り潰すような無粋なことはしない。むしろ宣伝を拡大し、我が身の潔白を証明しようとするのが通常の姿だ。
自社名が書かれた看板を塗り潰した行為は、「神世界」という名前が晒されることを恥と感じる意識が働いた結果であろう。
確かに神世界がやってきたことは、弱い立場の女性達を脅して金を巻きあげるという非常に卑しむべき行為である。とてもではないが世間に胸を張って正々堂々と看板を掲げることなどできない事業展開をしてきたのが神世界だ。
しかし彼らの論理では自らの事業が正しいことをしていると認識してこれまでやってきたのではないのか?
神奈川県警の強制捜査を受けたことで自らの事業内容に反省すべき点があると認めて看板を塗り潰したのであれば、看板を塗り潰すだけでなく他にすることがあるだろう。
なぜ神世界本部が神奈川県警の家宅捜索を受けたのか。竜王のえんとらんすアカサカ本社、猿楽町のえんとらんすわーるどヒルズ本社、甲斐市池田町のみろく本部、奥沢のえんとらんすスリー・トゥー・1などを筆頭に全国百カ所近くの拠点が一斉に家宅捜索を受けたのはなぜなのか。
それは共謀して霊感商法詐欺を働いたとする嫌疑がもたれているからだ。
現在もサロンに通っている客に対してはサロンを通じて弁明や言い訳もできるかもしれない。
すでにサロンを辞めている者に対する説明責任はないのか?
もし仮に神世界トップが、これまで神世界がやってきた行為が世間に対して恥ずかしい行為であると認めて看板を塗り潰したのであれば、被害者に対し、社会に対し、その意をきちんと公表すべきだ。
杉本のような雇われ経営者一人に記者会見を押しつけ、斉藤、佐野、淺原、W田、宮入という神世界の根幹を構成する者が誰一人として会見に参加しないのは明らかな責任逃れでしかない。
神世界トップはまだ一言も自らの非を認める発言などしていない。マスコミ各社に(有)神世界の名で送付した文書、あれだけが神世界が発した声であるが、あれは責任逃れのための文書でしかない。
看板を塗り潰しただけで社会に対して謝罪を表明したつもりだとすれば、これまたとんでもない勘違い、判断の誤りでしかない。そのような行為は、責任の取り方を知らない無能な経営者としてのレッテルを貼られるだけだ。
神世界トップは金儲けの方法ばかり追求するのではなく、社会に対する責任の取り方を勉強する必要がある