神世界事件の刑事裁判

4、佐野孝、淺原史利、淺原嘉子 第4回公判
(以下の第4回公判に関する記事は、公判を傍聴していただいた方のレポートを基に構成しました)

3被告が起訴事実を認めたことを報じた
毎日新聞(2011.12.9)

1 日時:平成23年12月8日(木)午前10時〜午後3時45分頃
2 場所:横浜地方裁判所第405号法廷
3 事件番号:平成23年(わ)第972号等
4 罪状:組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)
5 被告:佐野孝、淺原史利、淺原嘉子
6 内容1:従業員C の証人尋問(午前主尋問、午後反対尋問)
  内容2:訴因変更に関する罪状認否

 本日は、被害者D、被害者Eのカウンセリングを担当した従業員Cへの証人尋問が行われた。主に、平成23年6月20日付け公訴事実の以下に関することと、組織的詐欺に関する証言を求められた。

<平成23年6月20日付け公訴事実の該当部分>
1、被告人・史利は、当時アカサカの神霊鑑定師であった従業員Cのカウンセリングを受けて祈願の金額を教えてもらうよう被害者に指示し、被害者は従業員Cのカウンセリングを申し込んだ。
2、被告人・史利は、従業員Cに対して被害者からの相談の経緯、自らが被害者の病気を原因として話した内容を伝えるとともに、高額の祈願を担当する被告人・嘉子による祈願に誘導するよう指示した。
3、同月24日頃、従業員Cは品川Vタワーのサロンにおいてカウンセリングと称して被害者に面談し、被告人・史利の指示に基づき、Dに対し公訴事実記載の通り、「子宮筋腫は薬の毒素が原因であり、祈願をすれば手術を受けたり薬物治療を受けたりしなくて済む」等と言うなどとした上、「祈願の代金として100万円です。それが無理ならば御祈願50万円を提出しなさい」と言うなどした。その結果、被害者は祈願を受ければ手術や薬物治療を受けずに子宮筋腫は完治するものと誤信し、100万円を支払って祈願を受けることにした。
4、同月29日頃、被告人・嘉子らは、永田町プルデンシャルタワーレジデンスのサロンにおいて、祈願名目で被害者から100万円を受領し、被告人・嘉子が、「特別祈願」と称して祝詞を読み上げるなどした。

法廷の様子
横浜地裁西口の銘板

 検察側は大久保・吉野検事。被告弁護人は、市河・尾崎・高池弁護士の3名で、”弁護人ご一行様”の数が、以前よりかなり縮小されていた。
 被告3名の並びもこれまでと同じで、刑務官に囲まれて座っている姿は、やはり物々しい。佐野は黒のジャケット、嘉子はグレーのジャケット、汗かきの史利は白シャツ。ジャケットを着ていても、ブランド物で装っていた頃とは全く違う、よれよれ感と悲壮感が滲み出ていた。拘置所暮らしはやはり相当こたえるのだろう。神様とつながっているようにはとても見えない。負けず嫌いの史利だけは、“天野先生”の顔を保ってはいた。3名とも無造作に伸びきった髪で、佐野は髪にベッタリ感があり余計にそう見えるのか、髪の量が薄くなっていた。入浴日がまだなのだろう。嘉子は横の髪を後ろに結っていたが、白髪がかなり増えていた。史利は体質的なものだと思うが、髪の毛が真っ黒で、くりんくりん感が増え、自分でもうざったいのか、何度か髪を触る場面があった。反省しているふりをするなら、坊主にしてみろと言いたかった。

 今回は105人が傍聴券抽選に並び、うち2名が辞退で103名の抽選となった。よほど今日の証人が何を言うか気になったのか、えんとらんすアカサカ以外の逮捕を逃れた重要人物たちがこぞって傍聴していた。これまでも来ていて、こちら側が気づかなかっただけかもしれないが、それもまた、御霊光の偽りを物語っていることになる。御霊光による輝きなど持ち合わせることもなく、持っているのは俗物的なブランド物がいいところである。

●午前の部
予定の10時を少し過ぎて開廷。証人が入廷し、宣誓を述べた後、検察官による尋問が開始される。

●吉野検事による主尋問(要約)

(1)被害者Dのカウンセリングに関わった経緯
【主な質問内容】
・証人がカウンセリングを担当する前から被害者Dと面識があったかどうか
・史利被告から証人へどのような指示があったのか
・自身の神霊能力について
・ミーティングでの指示内容について
・カウンセリングを行うための指導について
・カウンセリング時の発言・心情、被害者Dの反応などの様子について
・神霊能力を授かったとされる経緯、指導内容について

証人C:Dさんのことは見たことはあったが、何度も接客しなかった
吉野検事:カウンセリングの担当を天野先生(=史利被告)から指示されたのは、カウンセリングの日を基準としてどれくらい前か
証人C:2、3日前
吉野検事:どのように?
証人C:電話で「Dさんのことをご存知ですよね?子宮筋腫のことを知っている?」と聞かれ、「知っている」と答えた。今日、取次ぎに入ったが、筋腫が大きくなってると言っていた

⇒史利被告、メモを取り始める

吉野検事:それで?
証人C:「私(天野)からもDさんには御祈願を勧めましたから。本人は悩んでいて手術したくないって言ってる。・・・いいですか?私があなたのカウンセリングをとったんですからね」と、天野先生は「私があなたの予約を入れた」と強調した。「しっかり出すように。Dさんは相当重たいから大変だからね。御祈願を教会長にしてもらえるといいですね。筋腫の原因は、薬の毒素です」
吉野検事:なぜそう言える?
証人C:「子供のころから薬を飲んでいるので完全に薬毒です。腎臓と肝臓が毒素でいっぱいになって子宮に筋腫を作ってる。」と言っていた

⇒史利被告、ときどき証人と検事の方をチラッと見ながら、証言を聞いている

吉野検事:証人が行ったカウンセリングは、御祈願の代金を神霊に聞いてお客さんに伝えるというものですね。証人は神霊能力があるとされていたか?
証人C:はい
吉野検事:備わっている実感は?
証人C:なかった
吉野検事:Dさんに伝えた見込み額は?
証人C:100万
吉野検事:なぜ?
証人C:教会長(=嘉子被告)の御祈願をするといいと言われたので。少し前に佐野から「これから教会長の御祈願は100万と言うんですよ」と言われていた
吉野検事:何か書きとめていたか
証人C:はい

⇒甲39号証。同一性の確認、記憶喚起としてノートをモニターに提示。
 佐野被告は目をやるが、史利被告と嘉子被告は見ようとせず

吉野検事:このメモはどのような場所で書かれたものか
証人C:週に3、4回、品川サロンで行われていたミーティングでのもの
吉野検事:そのミーティングには誰が参加していたか
証人C:時期によって違う。平成17年春以降、佐野、りら、KR山、天野。平成17年12月以降、橘(=嘉子被告)、平成18年春からKR山が外れた(注・”KR山”とは、えんとらんすわーるどヒルズ代表のKR山E子のことである)
吉野検事:従業員数からみると限られた人数ですが?
証人C:はい。指示を私も従業員に伝えた
吉野検事:このピラミッドの図の意味は?
証人C:このピラミッドはえんとらんすです。
証人C:(佐野から)「このピラミッドの更に上にいるのはもちろん私(会主)ですが…。これからは、教会長を頂点として、Vタワーを教会長と従業員Cがやる。リュミエールを天野先生、従業員M井、北青山は入口サロン、H向先生が担当、上へつないでいくように。『教会長というすごい人がいるんですよ』と客に伝え、教会長に入るよう勧めるように」と指示があった。

⇒このほか、100万以上の御祈願は教会長が行う。30万以上は永田町で行う等、書かれた内容の確認が行われる

吉野検事:天野先生の発言は、佐野の指示を言っていると思った?
証人C:はい
吉野検事:Dさんのカウンセリングをすることに自信はあったか
証人C:いいえ
吉野検事:神霊能力があることを知ったのは?
証人C:佐野から授かったと言われた
吉野検事:自分が授かったと思った心や体の変化はあったか
証人C:いいえ
吉野検事:カウンセリングのための指導を受けたことはあるか
証人C:佐野から受けた
吉野検事:神霊能力を授かった実感はあったか
証人C:いいえ
吉野検事:(カウンセリングの際、)Dさんに直接会ったね
証人C:はい
吉野検事:どのように伝えたか
証人C:雑談から入って子宮筋腫の話。薬の毒素によるものと言った
吉野検事:Dさんの反応は?
証人C:同じことを天野先生からも言われたと驚かれた
吉野検事:子宮筋腫の原因をなぜそう伝えたのか
証人C:天野から言われていたから
吉野検事:Dさんの反応を見てどう感じたか
証人C:Dさんは私が視えているのかと思って申し訳ないと罪悪感のようなものを感じた
吉野検事:御祈願についてはどのように伝えたか
証人C:子宮筋腫をよくするために御祈願を勧めた。体の中の毒素が抜けて薬を飲まなくてもよくなるし、手術しなくてもよくなると伝えた
吉野検事:御玉串の額を伝えたか
証人C:100と言わなくてはいけないと思って、しばらく考えてから100と伝えた
吉野検事:すぐには言い出せなかったのはどのような気持ちだったのか
証人C:言っていいのかどうか。御祈願をやらないと言われたらどうしよう。ちゃんとやれと言われていたプレッシャーもあった
証人C:自分がとめてしまうことは神様とつながろうという人の足を引っ張る、御神業の邪魔をすることになる
吉野検事:Dさんに金額を伝えて反応は?
証人C:驚かれた、そして、やっぱりと言っていた。手術の代金と比べると100万って高くないかと言った
吉野検事:それに対し、証人はなんと答えたか
証人C:御祈願すれば毒素が出て手術しなくていいと伝えた。手術すれば体を切ることになる、麻酔の毒素を入れることになると考えれば高くはないのではないかと伝えた
吉野検事:別の提案はしたか?
証人C:難しければ50万も可能。その場合、20人くらいの人を御案内するといいですねと伝えた
吉野検事:なぜ代替案を提案したのか
証人C:Dさんが御祈願をやめてしまっては大変だと思ったから
吉野検事:20人という数字はどうやって算出したのか
証人C:佐野から言われていたことを思い出した。4人×5で20人
吉野検事:Dさんの反応は?
証人C:ちょっと考えて100でやると答えた
吉野検事:誰かにカウンセリングの報告をしたか
証人C:橘と天野へ報告した
吉野検事:了解してくれたか
証人C:はい
吉野検事:高すぎるのではないかと言われたことは?
証人C:一切なかった

証人C:永田町で御祈願のお手伝いをした
吉野検事:祈願文を取り扱ったか
証人C:はい。書いた物を教会長に見せて確認してもらい、Dさんにお返しした
吉野検事:御祈願前の手続きということか
証人C:はい
吉野検事:その後、教会長が御祈願をしたということか
証人C:はい
吉野検事:神霊能力を授かったとされる前後のことを聞いていきます。それは突然言われたのか、それとも何か前ぶれのようなものがあったのか
証人C:平成18年4月末、佐野から講習で言われた

⇒甲35号証、添付資料1、2、3。同一性の確認、記憶喚起としてノートをモニターに提示。記載内容を確認していく。
 佐野被告はモニターを見る。史利被告はメモしている。嘉子被告は下を向き、髪で顔が隠れていて表情が見えず

証人C:「天野が忙しくなってカウンセリングの件数が少なくなっている。これからは従業員CとH向先生が鑑定をやる。最初から天野のようにやろうとしてはだめ。悩みの原因は、@本人の毒素A先祖の因縁B方位姓名学などの環境、の3つのどれかに当てはまる。どれか考えてひとつをピシャッと言い当てるように。癌のような重い病気は@〜Bの全部が原因にて急いでやらなければならない。先祖の霊的なものが原因のものはそんなに上の代まで遡らなくていい。不幸は繰り返されているので。答えはたくさんある。外れたのではなく、それでいいのです」とノートに書かれていることを読み上げ、説明
吉野検事:H向先生とは、K塚M衣子のことですね?
証人C:そうです
吉野検事:そのような前ぶれのような指示指導があって、直後のミーティングで授かっていると言われ、佐野から何回か指導を受け、Dさんのカウンセリング担当という流れになっていくわけだね
証人C:はい
吉野検事:佐野の指導は1対1だったのか
証人C:ほとんど1対1。1回だけH向と2人だった
吉野検事:どんな指導だったか
証人C:思いついたことをどんどん言うように、ロールプレイのような形で言われた
吉野検事:どのような質問?
証人C:「私は一週間前に何を食べたか。何でもいい、思いついたことを言って下さい」と言われた。焼肉とかラーメンはないだろうと思って、「湯豆腐」と答えた
吉野検事:そしたら?
証人C:「あぁ、好きですよ」と答えた
吉野検事:他には?
証人C:「体の不調なところを答えて下さい」と言われ、会主様に不調なところなどあるのだろうかと思った。自分の胃の辺りが重かったので、「胃」と答えた
吉野検事:それで、佐野からどういう指導があった?
証人C:「胃のどの辺りが痛いか」と聞かれ、「上の辺り」と答えた
吉野検事:他は?
証人C:「私の先祖で不幸な亡くなり方をしたがいるが、父方か母方か」と聞かれ、「父方」と答えると、「いいですよ」と言われた。「何代前か」と聞かれ、「7代か8代前」と答えた
吉野検事:それはどんな発想で?
証人C:2代、3代前だと普通過ぎるので
吉野検事:佐野の反応は?
証人C:「そんな前に遡らなくていい」と言われた
吉野検事:つまり、佐野は、答えが合っているかどうかについては一切答えなかったのですね?
証人C:はい
吉野検事:神霊能力を授かった感じがあったか
証人C:いいえ

⇒甲37号証、添付資料1、2、3。記憶喚起としてノートをモニターに提示。
 史利被告、顔を触り、何を考えているやら

吉野検事:資料1。Dさんのカウンセリングを行う前に佐野からどのような指導を受けたか
証人C:「もう授かっているのだから自信持って話すように。いいんだろうかと思うこと自体、神様に対して失礼。思い切って言わないと客に伝わらない。どんどん思い切ったこと言って。御祈願を勧めてカウンセリングをまとめていきなさい。他のスタッフはカウンセリングはできないので、あなたがしっかり金額を出すように」
吉野検事:Dさんの名前が書いてあるが、二重線で消してあるのは?
証人C:佐野と1対1の指導で言われて書いたら、「個人名はやめましょう」と言われてすぐ消した
 
 以下、ノートの記載内容を確認していく

証人C:子宮が悪いと言われたことを書いた。右の肩、背中、腰、頭と書いたものは毒素がたまっているという意味。「サロンに来ていなかったら10年後、自殺している。ということは、この人の30年後なんてないですよね。今、サロンに来ているけど、ペースゆっくりだから、10年後に摘出しなければならない。30年後は腸に癒着しちゃって、苦痛で最終的に自殺してしまう。どんどん活躍すれば薬なんかいらなくなる。常に、もしこうだったらと比較して客に伝えるように。サロンに来ていたら、来ていなかったら。命があるかないか。自殺するかどうか、薬入れなくて済むかどうか」と言われたことを書いた。
吉野検事:客が自分で気づいていない将来の運命を伝えるという意味だね
証人C:はい。「すべての人は神様とつながる線が切れているので、サロンに来て神様とつながる。絶対に不幸になるしかない運命の客にちゃんとスタッフが伝えれば・・・」と言われたのを書いた

吉野検事:資料2、3。佐野から鑑定内容を客にこういうように伝えるよう言われたか
証人C:はい。「不幸の原因は3つに分けることができる。狐の祠だいたい30万、壊した井戸のお浄め20万、お祖母さんの御祈願20万。みろくのM入先生のところでは、これを30万円と言っています。びびっとのW田会主様なんかは、300万とか、どんどん言っています」と言われた

吉野検事:証人は天野先生の鑑定に立ち会って話を聞いているね
証人C:はい
吉野検事:佐野の指導内容と天野の鑑定内容は同じだったか
証人C:はい
吉野検事:天野の鑑定に立ち会っていて金額がパターン化していると感じたことはあるか
証人C:はい。うつ病で悩みの客は狐霊が原因、家に祀りものがある、霊的なことのパターン・・・
吉野検事:天野が狐霊を指摘する前に、するだろうなと思ったことはあったか
証人C:はい
吉野検事:自分に神霊能力があると思ったか
証人C:いいえ。書記を何度もしていたので、そのうちにいつのまにか知識や経験として身についていったと思います
吉野検事:鑑定のとき、天野先生はどんな様子だったか。見ていておかしいと思ったことはないか
証人C:天野は本当に分かっているのか、演技しているのかなと何度も考えた。でも、疑うことは許されていなかった
吉野検事:天野先生ってすごいと思うことはあったか
証人C:ぴたりと当たっていると思うことが何度もあったので、すごいと思った

⇒史利被告、目をぱちくりしながら聞き入っている
  甲36号証、添付資料4。記憶喚起としてノートをモニターに提示。

吉野検事:早く結果をもらいたいと書かれているのは?
証人C:客が抱えているものが分かれば、早く伝えなければ・・・。いきなり、30年後に何とかという言い方をしてはいけない。このままでいくと、この先、危険状態になりますと言うように指導があった
吉野検事:神霊能力はないからカウンセリングはできないと断ることはできなかったのか
証人C:できなかった
吉野検事:何か怖い話を聞いたことはないか
証人C:スタッフになりたての頃、北大准教授から、「関西で活躍していた女の先生が神霊能力を授かったのにいらないと断ったら病気が発生し亡くなった。断ったら死んじゃうんですよ」と聞いた。自分には分からないと思っちゃいけないんだと、ちょっとでも心の中で思ったらいけないと、心の中で不安を打ち消した


(2)サロンに通うきっかけ、先生になった経緯
【主な質問内容】
・初めてサロンに行ったときから通うようになった経緯について
・スタッフ、先生として活動していった経緯について
・担当していた業務について

吉野検事:証人が客だった頃のことを聞いていく。平成16年9月にあどばんす札幌に初めて行ったときはどんなことをしたか
証人C:アイディールヒーリングを送ってもらった
吉野検事:手かざしのことだね
証人C:はい
吉野検事:誰から?
証人C:KR山
吉野検事:つらい経験しましたね
証人C:サロンに行く直前の8月に流産した。サロンに通い始めた直後、当時結婚していた相手とはもうこれ以上結婚生活を続けていけないというようなことが次々と発覚した。10月、元夫が法を犯すようなことをしていたことがわかったので離婚した。とても辛くて、食事も取れず、起き上がれず、家にこもっていた
吉野検事:KR山と話したことは?
証人C:メールや電話がきて、サロンに来るといいと勧められた。つらい経験を話した
吉野検事:平成16年12月に従業員となったか
証人C:KR山の下で働いていた
吉野検事:サロンで働くことになったきっかけは?
証人C:佐野という何でも分かるすごい先生がいて、・・・「あなたは死ぬ運命。サロンに来て働くことで危険な状態が回避されるのでサロンに来なさい。自宅マンションの駐車場に人が待ち伏せしているかもしれない。10人の男に襲われる運命です」などと言われた
吉野検事:言われてどういう心境だったか
証人C:とても怖かった
吉野検事:サロンで働こうと思ったのは他にもあったか
証人C:あった
吉野検事:品川のサロンに転勤になったのは誰の指示か
証人C:天野の指示。先生として活動するように言われた
吉野検事:先生となってどんなことをしていたか
証人C:取次ぎや新規対応、カウンセリングの書記など

(3)サロンの組織
【主な質問内容】
・佐野被告からの指示内容について
・KR山、嘉子被告の言動について
・証人の体験談について
・宗教性について

吉野検事:カウンセリングとは天野がやっていた商品名だね
証人C:そうです
吉野検事:金額は?
証人C:1万がワンポイントアドバイス、3万,5万が御相談。神霊鑑定と後になって出てきた。10万もあった
吉野検事:サロンでは流れが出来上がっていたのか
証人C:はい
吉野検事:新規には次回の予約、御霊光のよさを分かって頂くと神書→カウンセリング→御祈願→また御霊光という流れがあった
吉野検事:佐野から指示を受けたか
証人C:営業のときの佐野の指示が書き留めてあった。20〜40代のきれいな女性がターゲット。仕事で活躍している女性、小さな子供のいる女性
吉野検事:なぜ?
証人C:女性はよくなりたい気持ちがあり、ちょっとやってみようと思う。働いている女性は自分に投資する。子供がいる女性は子供がよくなるためならお金を出す
吉野検事:他には?
証人C:北青山は洗練された街なので美意識、お金を持っている人が多い
吉野検事:商品を勧めるときの言葉遣いの指示は?
証人C:いきなり神様とか御霊光と言ってはいけない。宗教と思われるから。エネルギーとかエナジー、・・・、自然界からの力とか
吉野検事:サロンとして使う場所はどんな所?
証人C:「高級感のある所、非日常的な所、ここにずっといたいと思うような所。ヒーリングは目に見えないものなので目に見えるところで勝負しなければならない。みろくの紀尾井町のようなところをつくる」と言っていた。後で高級なサロンだと分かった
吉野検事:佐野の指示に従って・・・、高級な場所としてみつけた場所は?
証人C:プルデンシャルタワー37階。平成17年12月までサロンとして使用していた
吉野検事:最初からそこだったか
証人C:いいえ、最初は別の場所だった。決まりかけていた所があったが、教会長の一言でひっくり返ったと、KR山が愚痴のようなことを言っていた。昔、ドラマで見た同じ部屋だったのでここに住みたいと思っていたと・・・
吉野検事:ホテルニュージャパンの跡地で、ここは大惨事のあった場所であった。もし、客がここに住みたいと言ったら高額なお浄めが必要だね
証人C:KR山にお浄めしなくていいのか聞いたら、「神様のことだからいいのよ」と答え、教会長は「ここで取次ぎしたりして浄められるからいいんじゃないですか」と言った
吉野検事:宗教と疑問に感じた客はいたか
証人C:たくさんいた
吉野検事:あなたは?
証人C:疑問に思ったが、「ここは宗教ではない、取引する会社」と言われた
吉野検事:客への説明の指示は?
証人C:佐野達からここは取引する会社だと客にきちんと伝え、商品を勧めるのがスタッフの仕事だと言われた
吉野検事:千手観音の絵はどうするのか
証人C:御姿と言われていたものをお仕舞いするよう言われていた
吉野検事:神書や許可証を販売していくのは?
証人C:どこかのタイミングで・・・
吉野検事:指導内容は変わっていったか
証人C:そのときによって・・・
吉野検事:そのとき(=神書や許可証を出すとき)に宗教と言うのか
証人C:違います。「他に言いようがないので神様と言っているだけであって、・・・(宗教ではない)」と話す
吉野検事:千手観音の絵を見て、「やっぱり宗教ではないのか」と言う客はいたか
証人C:たくさんいた
証人C:「目の前の絵は宗教的な絵に見えるが、宗教ではない。神様が人間界に現れて人を救う。これを描いた方が神書を書かれた方で、絵は何でもいい。へのへのもへじでもいい。描いた方が大事。絵そのものが拝む対象ではない」と言うように指示されていた

⇒史利被告、じっと聞いているが、少し首をかしげる

吉野検事:御霊光の目に見えない効果を客に分からせるためにどうしなさいと指示があったか
証人C:変化をちゃんと客に伝えるよう言われた。明るく、わぁーっと盛り上げてここに来なきゃ損だと思う、そういう状態をつくるよう指示があった

吉野検事:自身の体験談を話すよう言われていたか
証人C:はい。主に病気のことを話した。潰瘍性大腸炎。未成年の頃、発症。治らないと言われていた。入退院繰り返していた。卒業は無理、通常の社会人の生活も無理と言われていた。ステロイド剤治療で平成12年始め頃まで薬を飲んでいたが、生活状況などの諸事情から飲まなくなった
吉野検事:飲まなくなってから体調はどうだった?
証人C:意外と平気だった
吉野検事:サロンに通う前から安定していた?
証人C:はい。安定し続けていた
吉野検事:それはどうしてだと思う?
証人C:薬をやめたり、考え方が変わったり、自然治癒力が高まったからだと思う
吉野検事:サロンの影響感じたか
証人C:そのときはサロンの影響と思ったが、食生活を改善したことが影響したと思う
吉野検事:客に話したか
証人C:難病を持っていたが、サロンに通ったことでよくなったと話した
吉野検事:KR山から怒られたことがあるか
証人C:「そんな言い方じゃ神様のおかげでよくなったと伝わっていない。神様のよさを客に伝えないと今のいい状況取られちゃいますよ」と言われた
吉野検事:KR山自身、奇跡として取り上げていたか
証人C:「サロンに来るまで苦しんでいた、サロンに来て安定した」と話していた。違うと思ったが、目の前に客がいたので違うと言えなかった
吉野検事:KR山に指導されてから言い方を変えたか
証人C:「ここに来てからよくなった」と話すように言われた

⇒甲33号証、添付資料7,8,9。ノートをモニターに提示。
 佐野被告、モニターに目を向ける。嘉子被告はほとんど動くことなくじっとしている

ノート記載内容の確認:神様から頂いている結果を当たり前にしてはいけない。今の状況は、ダイヤモンドを扱っているのにガラスを扱っているようなもの。もっと、すごいですねぇ、不思議ですねぇとスタッフが伝えていかないといけない。御霊光を受け終わった後、姿勢や表情の変化を「変わりましたねぇ」と伝える。御霊光のおかげで変化があったと感動しているうちに巻き込むように。すごい奇跡ですねと時間がたたないうちに伝える。時間がたつと、それってそうだよなと常識的に考えてしまうので。あれって普通に考えたら奇跡ではなく、成るべくして成ったと人間的考え方する

吉野検事:人間、いつもハッピーじゃないよね
証人C:はい
吉野検事:「御霊光の効果ないですね」と言ったことはあるか
証人C:いいえ
吉野検事:嫌なことがあったという客にはなんて言うの?
証人C:「それで済んでよかったですね、それで済むようにして頂いたんですよ」と大難が小難になったという言い方をしていた
吉野検事:カウンセリングにつなげる大事さを佐野から言われていたか
証人C:はい
吉野検事:佐野から天野の鑑定につなげるよう指示あったのか
証人C:はい
吉野検事:具体的テクニックの指示あったか
証人C:はい。「悩みのある客にすごい先生がいるので、カウンセリングに入るよう話しなさい」と言われた

⇒甲34号証、添付資料1,6。ノートをモニターに提示。
ノート記載内容の確認:佐野の指示のメモ。

証人C:悩みごとがあると話したとき、よく話を聞いてカウンセリングに持っていく。悲しい、つらいですねと、その方が泣くまで話を持っていくよう指導があった
吉野検事:天野を客に紹介するときの指導はあったか
証人C:あった。とにかくすごい先生で、何でも視えて悩みの解決方法が分かる。カウンセリングと言っても心理カウンセリングではない。占いではない、とか
吉野検事:天野がどういう能力があるからすごいという指導?
証人C:神の声が直接聞こえる先生。メッセージとして伝えることのできる先生
吉野検事:「神様がすごい」ではなく、「天野がすごい」とアピールしていけという指導で間違いないか
証人C:はい。客はすぐにピンとこない。誤解する人もいるので天野をアピールするよう指示があった
証人C:客はカウンセリングに入りたいのに数が増えていないのはスタッフが悪い。カウンセリングにつなげるよう指示があった。スタッフが一方的に話すのではなく、客に話させるように。カウンセリングの価値高めるように、日常の会話で終わらせず、ちゃんとカウンセリングにつなげるようにと言われた

⇒資料4モニターに提示
ノート記載内容の確認:「人間○○(証人Cの名前)としてはこう思うが、神様としてはこう思うのではない」等、佐野の指示のメモ

吉野検事:「取らなきゃ次がない」とは?
証人C:「カウンセリングだけでなく、御祈願も取らなきゃ意味がない」という意味。カウンセリングをやっているだけではだめ、客から御祈願の予約を取っていくのもカウンセリングの仕事ですよ。御祈願は押さないと取れない。客にきちっと押さないとだめ」と指示があった

12時 午前の部終了



●午後の部

予定の13時30分を少し過ぎて開廷。すでに法廷内に入っていた証人C は、傍聴席に入ってくる人達の方にしっかり顔を向け、入ってくる人達を出迎えているかのようだった。

●吉野検事による主尋問の続き(要約)
吉野検事:カウンセリングは品川では天野が対応したか
証人C:はい
吉野検事:佐野から天野に指導することはあったか
証人C:あった
吉野検事:印象に残っていることがあるか
証人C:ふたつある。平成17年5月、夜遅いミーティングで佐野が天野に激怒することがあった。参加者は佐野、天野、KR山、りら、証人C。「天野先生は優しすぎる。もっとちゃんと言わなきゃだめ。そんな弱い言い方はだめ。なんでもっと押さない。強いこと言わないんだ!」と皆の前で怒鳴った。もうひとつは、平成17年12月、永田町サロンができてから品川サロンでのミーティング。天野は風邪で寝込んでいて不在。教会長は「実家に帰っちゃったんだよー」と佐野が言っていた。2人が不在の中、佐野は、「スピード遅い。あんなんじゃだめだ。山梨でカエルばっかり見てるからそんなんになっちゃうんだ!」と怒った。客をつなげるため、もっとちゃんとフォローするように指示があった

⇒佐野被告、じっと目を閉じている。この後もずっとそのまま。お〜い、あなたのことを話しているんですよー

証人C:「天野から言われたことはすぐにやってみるといいですよ。言われた通りにすると結果が速い」と客に言っていた。天野との役割分担で、金額少ないカウンセリングを担当。その後、天野につなげ、高額のカウンセリング(という流れ)

⇒甲40号証、添付資料1、2、3。ノートをモニターに提示。

ノート記載内容の確認:「高額取れない人、活躍できない人はH先生に入れる。天野先生に入れてはいけない。活躍しそうな客、お金使いそうな客は特急で天野先生に入れる」等、佐野から客層別の指示。
吉野検事:お金がありそうと思った客を実際に天野につなげたことがあるか
証人C:ある。北青山の客
吉野検事:天野の鑑定を勧めたことがあるか
証人C:はい
吉野検事:鑑定に入れて天野から文句言われたことがあるか
証人C:はい。「あの人何で私の鑑定に入れたんだ、お金持っていないよ!」と言われた
吉野検事:御祈願の後、御礼を勧めていたか
証人C:はい
吉野検事:佐野の指示か
証人C:はい
吉野検事:カウンセリング→御祈願→御礼の流れで終わりか
証人C:いいえ。神様とつながって受けていないと元に戻ってしまう、だから続けて繰り返していかなきゃいけないという指示があった
吉野検事:佐野の指示は1回だけか、繰り返されていたか
証人C:繰り返されていた
吉野検事:指示はミーティングに限られていたか
証人C:いいえ。突然、サロンに来て指示されたり、電話で指示されたりした
吉野検事:佐野から直接か
証人C:直接のときとそうでないときがあった。KR山、りらから電話がかかってきたことが多かった
吉野検事:他社の話や他社のやり方を気にしていると感じたか
証人C:感じた
吉野検事:他社の営業手法について学ぶべきと言ったか
証人C:はい
吉野検事:ノートに書いた?
証人C:はい

⇒甲34号証、添付資料2。ノートをモニターに提示。
ノート記載内容の確認:「vividふかさわ 潜り込む。スパイとして行かせろ。vividでどういう話し方しているか、いいところを盗んで来い」と佐野の指示のメモ

吉野検事:同じ商品を扱う会社ですよね?情報交換が許されていなかったのか
証人C:はい
吉野検事:教会長は神霊能力があるとされていたか
証人C:はい
吉野検事:鑑定を担当していたか
証人C:はい。平成17年夏、教会長が担当した鑑定にクレームがあった。ミーティングで問題になった。インターネットの2ちゃんねるに書き込みがあり、佐野が天野とKR山に「何とかしろ!」と言い、品川スタッフに指示が出た。「ネットカフェでも行ってその書き込みが分からなくなるよう書き込んで来い」というものだった
証人C:教会長は永田町にいるとき、「鑑定は天野先生がやるから私はやらない」と言っていた
吉野検事:犯人探しはした?
証人C:はい。サロンに天野やKR山は悪魔だと怪文書が送られてきたりもして、佐野は誰なのか分からないのかと天野やKR山に怒った
吉野検事:天野やKR山は分からなかったのか。神霊能力を使えば一発で分かるのでは?
証人C:KR山は、「そういうことに神霊能力を使ってはいけないのよ」と言っていた
吉野検事:斉藤が永田町に来たことはあるか
証人C:はい。平成17年12〜平成18年夏に数回。5回くらい。葉子、陽龍も来た
吉野検事:何をしてた?
証人C:ミーティング
吉野検事:食事やお茶はしたか
証人C:一番最初に一度。配膳係で手伝いしていた
吉野検事:誰がいたか
証人C:佐野、天野、教会長
吉野検事:証人はどこにいたか
証人C:キッチンの扉を閉めて中で待機
吉野検事:話の内容は聞こえたか
証人C:分からなかったが、斉藤と思われる声は聞こえた
吉野検事:天野や佐野の声ではなかった?
証人C:はい
証人C:売り上げやサロン運営の話をしていると思った。数字が並んだパソコンの画面を見たことがある。プリントアウトを頼まれた
吉野検事:誰に?
証人C:たぶん、教会長
証人C:表に数字がズラッと並んでいた。(プリントアウトの操作をしていると)教会長から「なるべくその画面見ないように」と言われた。また、6人が手元に持っていた資料をサッと隠したこともあった
証人C:佐野の話の中で、「さっき、教主様がこうおっしゃったように」とか言っていた
吉野検事:2回目以降も斉藤は話していたか
証人C:はい
証人C:「教主様がほめていましたよ。今日は神世界の皆様がとても喜ばれていました」と佐野から言われたことがある。教会長も「今日初めて教主様からほめてもらったの。昔から教主様に怒られてばかりで変わりましたね、やっと本当の経営者になりましたね」と洗物をしながら話していた。平成17年末、正反対にものすごく怒っていたことがあった。「ちょっと、こちらへ」と呼ばれ、わざわざ呼んだ上で佐野が教会長と天野を怒鳴りつけた。「天野先生も教会長も教主様から言われたこと全然分かっていない。○○(証人C)とH先生を使え。もっと泣くまでやれ!!」と厳しく追及していた。教会長と天野は下を向いてうなだれていた

吉野検事:「京都」と言って思いつくことはあるか
証人C:はい。毎月行っていた。そのことは「誰にも言うな、チケットの管理は私が全部やるからいい」と天野に言われた
吉野検事:天野が定期的に行っていた?
証人C:はい
吉野検事:教会長も?
証人C:ふたりで行っているんだなと思った
吉野検事:佐野は?
証人C:平成18年統括室にいたとき、いつも天野たちが京都に行く時期に佐野がいたので、佐野は行かないんだと思った

吉野検事:重大な組織改変は知らされた?
証人C:はい。3つの会社に分ける。アカサカの他にKR山代表のわーるどヒルズ、F先生代表のスリートゥー1。あくまでもアカサカはえんとらんすグループの頂点
吉野検事:3社バラバラではない?
証人C:そうです。拡大のスピードを上げ、47都道府県に進出するために担当を変えると言われた
吉野検事:Vタワーに転勤させられた?
証人C:はい。「永田町の売り上げが悪いのはあなたがラクをしているからだ。品川に戻って来てやれ。リュミエールの責任者としてやれ」と言われた。その頃、教会長から直接電話があり、「天野だとスピードが遅いので今日から私が指導します」と言われた
吉野検事:どんな指導?
証人C:「今日の予約は何人?1万の予約は?カウンセリングは?今週はカウンセリング何件?天野先生の鑑定とれていないのにどうやって御祈願につなげるの?売上どうするの!!」などと言われた

吉野検事:教会長自身、佐野から厳しい指導を受けていたか
証人C:はい。佐野が教会長に電話しているときに居合わせたことがある。「品川どうすんの!?全然だめ。だから天野じゃだめだって言ったんだ!!教会長、黙ってたってだめですよ、泣いたってだめですよ。なんでこんなことも分からないんだ、バカ!」と怒鳴っていた
吉野検事:平成19年11月、ひとことで言えば、こんなサロンではやっていけないと思ったわけだよね?
証人C:そうですね。自分の体調が悪くなったこと・・・、北青山のサロンで倒れたことがある。平成19年には立つことができなくなったり、下血したことがある
吉野検事:神様と必死につながっていると認識していた?
証人C:そうです
吉野検事:よくなるはずが真逆になっていた?
証人C:そうです
吉野検事:教会長や天野に不信感増大していった?
証人C:はい
吉野検事:本当に神霊能力があるのかと疑ったことはあるか
証人C:改名の際、教会長は名前を間違っていたが、「それもいいのよ」と言っていて、いい加減だと思った

⇒嘉子被告、メモする

吉野検事:最終的に永田町サロンから逃げ出したのか
証人C:教会長に辞めたいと話したら止められ、監視されているのが分かったので、早朝こっそり荷物まとめて逃げた
吉野検事:客だった頃から働いていた間、幹部や現役会員が御霊光を受けている間に死んだとか意識不明になったとか聞いたことはあったか
証人C:一切なかった


●市河弁護人による反対尋問(要約)
・神書、御守り様を購入したのはいつか
・客のときにヒーリングをしたことがあるか
・客の感想を聞いたか
・受けてあたたかいと言った客はどれくらいいたか
・自分が受けて何か感じたか
・家のお浄めについて
・神霊鑑定を受けたことはあるか
・用語についての質問
・一番高額の御礼はいくら出したか

市河弁護人:初めて札幌サロンに通い始めたのは?
証人C:平成16年9月
市河弁護人:きっかけは?誘われた?
証人C:そうです。紹介されて
市河弁護人:ヒーリング受けた?
証人C:はい
市河弁護人:何か感じた?
証人C:何も
市河弁護人:その後、通った?
証人C:はい
市河弁護人:何も感じなかったのに?
証人C:通い始めたとき、自分の身にいろいろ起こって・・・。KR山から「感じなくても意味がある」と言われた

⇒史利被告、ぼんやり喉元を触りながら証人の方をじっと見ている。この後も鼻を触ってみたり、しばらく落ち着きなし

市河弁護人:通っていた間、何か感じたことあったか
証人C:・・・
市河弁護人:受けていて変化なかったか
証人C:たまたま家族に関する悪いことが起きた
市河弁護人:ヒーリングを受けていたのに悪いことが生じた?
証人C:そうです
市河弁護人:家族に悪いことが生じたのになぜ継続したのか
証人C:KR山に聞いたら「悪いのではなく、よくなる排泄の途中」と言われた
市河弁護人:・・・(それでどう思ったのかという旨の質問)
証人C:そうなの?と思った
市河弁護人:疑問持ったにも関わらず、どうしてスタッフになったのか
証人C:「よくなるための経過、ここでやめるとよくない。元に戻る」と言われ、怖くなった
市河弁護人:御霊光の効果を札幌でスタッフのとき、感じたことあるか
証人C:いいことも悪いこともヒーリング受けたからだと思うことあった。引越し先を探していていい物件みつかったとか、サロンに就職する前に次の就職先決まっていたとか
市河弁護人:札幌のとき鑑定を受けたことがあるか
証人C:天野の鑑定を受けたことがある。5万。家系図や生まれ育った家の間取り図を出した
市河弁護人:天野から鑑定を受けてどういう回答だったか
証人C:重たくて大変。よくここまでやってきた。先祖救われていない・・・。やらなければいけないことがたくさんあり過ぎて、今は全部言えない。とにかく大変だ、と言われた

⇒史利被告、証人の返答ぶりを感心しているような表情で見ている

市河弁護人:誰から先生になれと言われたのか
証人C:札幌の祭典の最中、客の前で天野から言われた。東京の先生になると言われて驚いた
市河弁護人:初めて聞いた?
証人C:はい
市河弁護人:東京に行くのも天野の指示?
証人C:そうです
市河弁護人:リュミエールで先生として活動したということか
証人C:はい
市河弁護人:運命鑑定はご存知?担当していたか
証人C:方位鑑定、世間一般的に言う占いみたいなの。私は担当していなかった
市河弁護人:方位鑑定は?
証人C:のちに担当した
市河弁護人:カウンセリング始めたのは平成18年5月以降?
証人C:そうです
市河弁護人:それ以前は一日もやっていないということ?
証人C:そこが曖昧なところだが、ワンポイントアドバイスをやってと言われたことはある
市河弁護人:神霊鑑定とは違う?
証人C:そのときはワンポイントアドバイスという名称だった
市河弁護人:講習受けたことは?
証人C:覚えていない。佐野と1対1で指導を受けていた中であったかもしれない

市河弁護人:証人Eのカウンセリングをしていないか。神霊鑑定ではない?
証人C:記憶が定かでないがワンポイントアドバイスをやるよう言われた
市河弁護人:誰に?
証人C:KR山か天野
市河弁護人:内容は覚えているか
証人C:はい。お付き合いしている人との関係。分かる訳なかったので、佐野から天野に聞くよう言われていたので天野に聞いたら、自分で考えてみるよう言われた。結婚しない方がいいと伝えたと思う
市河弁護人:事前に天野と相談した?
証人C:事前に「この人と結婚したらだめだ」と言われた
市河弁護人:天野からですか?
証人C:そうです
市河弁護人:カウンセリングの事前に資料頂いたときに内容みたか
証人C:みた
市河弁護人:中身は詳細?
証人C:自分と相手の名前と・・・
市河弁護人:天野からも事前情報得たか
証人C:内容を見て天野と話した。どういう答えが正しいのか分からないと相談したら、まずは自分で考えるよう言われた。結婚するのであれば、こういう不運、・・・するといいと言ったら、天野から全然違うと言われた。自分にはできないと思った
証人C:天野から言われた、結婚しない方がいいということをと伝えた
市河弁護人:その結果、証人Eがどうなったか聞いているか
証人C:はい
市河弁護人:証人E以外に平成17年春以前に鑑定したことは?
証人C:KR山から「ちょっとこれやって」と言われたことある
市河弁護人:方位鑑定をやっていたと人から聞いたことがあったが、やったことあるか
■裁判長:主尋問と関係ない。やめるように

市河弁護人:証人Dの鑑定をするとき、筋腫で悩んでいること事前に天野から聞いていたか
証人C:はい
証人C:佐野から神霊鑑定をやれと言われたのに、急にやらなくていいと言われた。方位鑑定とかの方が多かった
市河弁護人:どうして証人Dの鑑定をやったのか
証人C:自分でも、なんで?と思った。佐野からの指示はいつもコロコロ変わって、朝言われたことが夜になって変わることなどはよくあったので言われた通りにした。神様スピードと言われていた

市河弁護人:神霊鑑定は他にもやっていたか
証人C:北青山サロンで何回か
市河弁護人:方位鑑定ではない?
証人C:方位ではない
市河弁護人:神霊鑑定という意味での鑑定は何件やった?
証人C:平成18年北青山のときは5〜10件。佐野からやるよう言われていた
市河弁護人:御祈願のお玉串料で一番高かったのは?
証人C:30〜50万
市河弁護人:100万超えるのはなかった?
証人C:なかった
市河弁護人:神霊鑑定によって30〜50万の御祈願になったのはあなたがやった?
証人C:天野の予約がいっぱいのときに「あなたがやれ」と言われていた
市河弁護人:最後に神霊鑑定をやったのはいつ?
証人C:平成18〜19年はカウンセリングはやらなかった。H先生がやっていた。方位は下請け的に回ってきた。立てなくなって事務所で寝泊りしていたとき
市河弁護人:方位鑑定はどうやって行っていた?
証人C:論理的に当てはめていた
市河弁護人:勉強していた?
証人C:天野による鑑定講習、勉強会に出席して天野から習った
市河弁護人:疑問に思わなかったの?
証人C:疑問ってどういう?
・・・:方位鑑定本当に当たっているのかな・・・

⇒史利被告、薄笑いを浮かべる

市河弁護人:必ず御祈願するよう言われた?
証人C:そうですね
市河弁護人:疑問に思っていた神霊鑑定をどうして続けたのか。どうして所属していたのか。辞められない理由が何かあったのか
証人C:辞めたら大変になると言われていた。仕事が嫌だという気持ちになったことはなかった。不信感を持ってはいけないと言われていたので、持ったら打ち消すようにしていた
市河弁護人:証人Dに100万の御祈願を勧めたのは、神様からのメッセージという意識?
証人C:自分が直接、神様からメッセージを受けたという認識もなかった
市河弁護人:天野から言われたメッセージをそのまま伝えたのか
証人C:そうです
市河弁護人:天野が、神様からのメッセージなんて受け取っていないんじゃないのかと思わなかったのか
証人C:そのときは思わなかった

市河弁護人:被疑者扱いされたこと覚えているか
証人C:はい警察官や検事から聞かれたとき
市河弁護人:どう答えた?
証人C:被害者だと思うと答えた
市河弁護人:加害者とは言わなかった?
証人C:はい。騙そうとは思っていなかった
市河弁護人:疑問持っていたんでしょ?
市河弁護人:これは全くのインチキだと思っていた?それとも、こういうのもあるのかもしれないと思っていた?
証人C:あるかもしれないと思っていた

⇒以後、用語についてなどの質問がまだ続き、史利被告も飽きてきたのか、顎の周りを触りながらやりとりを見ている。佐野被告は、午後はずっと目を閉じて、なぜか右斜めの姿勢。まるで難聴の人が耳を傾けて聞いているようなしぐさ

市河弁護人:・・・(最後に天野と話したのはいつかという趣旨の質問)
証人C:平成20年、「お金を返して下さい」と電話で言ったら「返せない」と言われた。そのときの対応がいい加減だったので、「騙したのではないか?」と聞いた。かなり頭に来ていたので、相当文句を言った。それでインチキだとわかった
市河弁護人:・・・(改名についての質問)
証人C:姓名学と同じようなもの。直接私は関わったことない
市河弁護人:2ちゃんねるで騒がれていたのは神霊鑑定のことか
証人C:教会長のカウンセリングのこと

●尾崎弁護人による反対尋問(要約)
・給料はいくらだったか
・支払った御玉串の合計額はいくらか
・調書をとられた場所はどこか

尾崎弁護人:ノートつけていたのは人から見られること予想していてつけたわけではない?
証人C:ノートは佐野から言われたことを忘れないように書き留めたもの
市河弁護人:仕事はうまくいったことはないのか
証人C:何をもってうまくいったということか?
市河弁護人:ノートには自分の思いを書いていたのではないか
証人C:ノートは自分の気持ちを書きとめるためではないので書いていない
市河弁護人:ロールプレイのときの佐野の顔は?
証人C:真面目な顔でシーンとした部屋で行われた
市河弁護人:自分は被害者だと言うのは聴取を受けたときか今か
証人C:取調べの中で私も騙されていたことに気づいた。辞めた時点では全くなかった


●裁判長からの尋問
■裁判長:主尋問の最後に教会長に対して不信感あったということで姓名鑑定(改名)で間違えたと言っていたが、佐野や天野に対してはどうか。何かエピソードがあるか
証人C:辞める数ヶ月前に鑑定に関することで問い合わせがあって、パタ−ン化していると思ったことがあった。鑑定の書記に入ったが、客が井戸、木、祠のお浄めをするときは別のスタッフが対応。そのときに「木のお浄めは20万だったっけ?」と天野から聞かれたことがあり、「いえ、(鑑定では)木は10万だった」と伝えたところ、「そうだよねえ〜、木で20はないよねえ〜」と言われたことがあった。対応した別のスタッフが間違っていたのだが、相場があって、それに基づいて言っているのかなと思った
■裁判長:佐野に対しては?
証人C:天野と私に何かあるのかと誤解していた。本当に能力あるのなら分かるのではないかと思った

■裁判長:神霊能力に関して不信感持ったことは?
証人C:教会長から「嘘を言っていると私には分かるのよ」と言われたが、本当に神霊能力があるなら、私が本当のことを言っているのが分かるはずなのにと思った
■裁判長:辞めるときは騙されていると思わなかったのか
証人C:そのときは思わなかった。あれ?どうなんだろうと思うことがあったが、私が本当のことを分からないだけかもと思った

■裁判長:斉藤のことはどう思っていたか。神霊能力があると思っていたのか
証人C:斉藤のこと、神様のことは「絶対」と思っていたが、この会社はどうだろうと思っていた。会社なので利益追求は当然。いいものを使っているので売上を上げなければ、と思っていた
■裁判長:神様なのに売上だなんて変じゃないかと思わなかったの?斉藤の神霊能力を信じていたのに・・・、宗教だと普通、思うのでは?
証人C:KR山たちにずっと(宗教ではないのかと)言い続けてきたが、「宗教ではない」と言われ、そうなのか…と思った
■裁判長:辞めた後は矛盾していると思わなかったのか
証人C:裁判(民事)が始まってから、(神世界側が)「宗教だ」と言い始めたのを聞いて、おかしいと思った
(以上で証人尋問終了)

⇒証人Cは、3名の被告の顔を一人ずつ、しっかり確認してから退廷。その間、被告たちが顔を上げることはなかった。


●訴因変更に伴う罪状認否(要約)
裁判長より、訴因変更された起訴事実について、再度、3名の被告に確認。
前回、「保留」としたが、今回意見を述べることがあるかを被告3名に問うた。
「はい」と答え、被告3名が前へ出る。

佐野被告:(起訴事実は)間違いありません。事実については認めます。ですが、私が長年行ってきた宗教活動は、すべてが詐欺ではありません
天野被告:(起訴事実は)間違いありません。事実については認めます。ですが、御神業、一般的な言い方をすると、“宗教活動”は、すべてが詐欺ではありません
嘉子被告::上記2名と同様の答え

市河弁護人の意見を聞いた後、検察側より本日付で追加の調書、弁護人側より公訴事実に対する意見の変更等のやりとりがしばらく続く。
最後に、再度被告3人を起立させ、次回公判は、2012年1月10日(火)午前10時から行う旨を伝えて終了。


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