シルバーの亀

 神慈秀明会の違法性、犯罪性は、宗教のふりをして信者を騙し、恐怖信仰で信者を脅して多額の献金を巻き上げる行為自体にあり、集めた金の使い道によってその犯罪の軽重が変わるものではないと思うが、下記のような話を聞くと、そうとばかりは言ってはいられないような気がしてくる。

 私の所へ1通の投稿があった。
 投稿の主は秀明信者。投稿の内容はMIHO美術館の収蔵品に関してであった。

 投稿の内容を紹介する前に、少しだけ「予習」をしておきたい。
 私は美術館に展示されている古美術品を見ても、さっぱりその値打ちなど分からないが、ものによっては破格の値が付けられているということくらいは知っている。
 MIHO美術館とは関係ないが、近年のオークションで高額な値がついた絵画を挙げて見ると、
 1、ピカソ「パイプを持つ少年」2004年、(9,300万ドル)102億1233万円
 2、ゴッホ「医師ガシェの肖像」1990年、(7,500万ドル)114億6000万円
 3、ルノワール 「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」1990年(7,100万ドル)108億8430万円
などがある。

 秀明関係者が比較的よく知っているのは、MIHO美術館が購入した通称「ホルス神像」(正式名、隼頭神像)の値段だ。
 このホルス神像の購入に際しては、MIHO美術館とカタールのプリンスの二者がこの像を購入しようと競ったため価格が競り上がり、最終的にMIHO美術館が手に入れた時の価格は150億円に及んだという話が伝わっている。競り負けたこのプリンスは後日MIHO美術館を訪れ、その像だけじーっと凝視したあげく物も言わずに帰ったとのことである。
 そして、このカタールのプリンスは、自国にI・M・ペイの設計でイスラム美術館を建設することにしたそうで、よほど競り負けたのが悔しかったのだろうか。このイスラム美術館は2006年開館予定とのことである。
 たった40cmほどのホルス神像に150億円という価格が付くのも理解しがたいことであるが、カタールのプリンスをも蹴り落とす150億円もの大金でこれを購入したMIHO美術館はどこからその金を出したのだろうか? もちろん、信者がせっせと献金した金で買ったのである。

 この150億円と比べるとはるかに安い価格で購入したものの、それが盗品であったために話題をよんだのが、「セミの菩薩立像」事件だった。
 右記写真の石像は、1995年にMIHO美術館が英国の美術商から1億円で購入した高さ120cmの石像であるが、購入後にこれは中国からの盗品であることが判明し、MIHO美術館は自らを「善意の購入者」であることを認めてもらうことを条件に仏像を中国に無償返還した(2007年末までは無償貸出という形でMIHO美術館での展示が認められた)。

 こうした話だけでもMIHO美術館は信者が献金した金を湯水のごとく浪費して世界中から古美術品を買いあさっていることがうかがえるが、今回の投稿はこのホルス神像や石像の件ではない。

 左記の写真に見覚えはあるだろうか?
 これはMIHO美術館が所有する通称、「シルバーの亀」と言われているもので、正式名称は「亀型香炉」という。左記の写真はMIHO美術館の開館一周年記念展のパンフレット写真である。
 この開館一周年記念展では、この「亀型香炉」が目玉商品として扱われていた。MIHO美術館で販売している絵はがきの題材にも使われており、比較的人気のある展示品である。
 今回寄せられた投稿は、この亀に関するものである。
 以下が、その投稿である。
 (投稿された原文には具体的金額が記載されていますが、当方の判断で●●●等の伏せ字にさせて頂きました)。

 この亀の置物をよく見て頂きたい。これはMIHO美術所蔵の骨董品、「シルバーの亀」です。

 この亀の置物一個の値段がいくらかご存じでしょうか? なんと●●●億円。●●●億円です。
 まともな神経をもっている信者であれば、この不当に高額な値段を聞いて、平静を保つことはできないでしょう。なぜなら、秀明会は、宗教法人であり、信者からの献金で運営されている団体だからです。信者が汗水流して稼いだ収入の中から捻出した献金です。それも、自分の生活を切り詰めて。それがガラクタの亀を買うのに、●●●億円も垂れ流したのです。この亀に●●●億円の価値が無いことは素人の目にも明らかです(ホルス神像は150億円でした。)
 ●●●億円という額は、桃の実献金(100万円)●万個分です。●万人の桃の実献金を価値の無いガラクタ購入に垂れ流す秀明会。なぜ、信者の信頼を裏切るような背任的行為ができるのか?答えは、小山家にとって、信者の献金は所詮他人の金だからです。信者が日々、どういった苦労をしてお金を稼いでいるのか、「信者は奴隷」にも書かれていた通り、男爵家の末裔である小山家の人たちには理解できないのです。家柄が違うのです。
 秀明会では、献金することによって、地上天国が完成し、献金をした人は、お徳を積みことができ、霊界で救われるといいます。しかし、価値の無いガラクタの亀を●●●億円で購入することによって、地上天国が完成することはありえません。素性の知れない美術品ブローカーに騙し取られるであろうお金を献金して、なんで、霊界で救われるのですか。
 そして、秀明会も堂々と公表したらいいでしょう。この亀は●●●億円で買いました。これからも、こういう高価な美術品をどんどん買いますから、信者の皆さんもどんどん献金して下さいと。
 私の地元である○○支部では、数年後に引っ越すため、新支部建設に7億5千万円かかるといわれています。しかし、この亀一個で、▲▲個の新支部が作れます。それに、秀明会には、現在、不動産を除いても、■■■億円の資産があるといわれてます。新支部を建設するからといって、その所属信者から無理やり献金をむしりとる理由はどこにもありません。もし、そんな理由があるとすれば、今、秀明会がもっているお金は小山家が無駄づかいにまわすためのものであり、信者が使う支部には、1円たりとも使わせないという小山家の経営理念です。

 この亀を秀明会に売りつけたのは、ユダヤ人のエスケナージという美術商です。秀明会はこうした置物や骨董品はほとんどこのエスケナージから購入している。
 この亀の購入が幹部会で検討された際、当時まだ健在であった会主は、この亀の購入を積極的に希望していた。会主が積極的に購入を希望したのは美術商とのシガラミや、国連やクレストンとの関係構築のためにというより、会主の個人的な趣味で購入を希望した様子であった。
 会主は秀明会の信者が喜んで献金していると思い込んでいたので、献金を自分の思うがままに使用していいと信じており、●●●億円という巨額を支払うことについても何ら臆することはなかった。
 会主の強い要望もあって、この「シルバーの亀」を●●●億円で購入することが幹部会で決定されたが、弘子会長もはっきりとこの購入に同意していた。

 この●●●億円の亀を見て、感動できる人は、これからも一生、秀明会に献金を続けるといいでしょう。このガラクタを見て、激怒した人は、秀明会に正々堂々と、こう主張するべきです。
「本部にある■■■億円で新支部を建ててください」と。

 秀明会本部の総務担当者の方へ。
 この情報は、当時の幹部会出席者と会計担当者しか知らず、一般の教師の先生は知りませんので、金額の真偽を確認されるのでしたら、上記の方々にお聞きください。会長先生に聞けば、すぐに分かります。


 投稿は以上であるが、●●●億円という、あまりにも途方もない金額に私も一瞬耳を疑った。
 しかし、投稿者にこの情報の入手ルートを確認したところ、秀明会本部中枢に直結したルートが確認できたので、その信憑性はかなり高いと思われる。
 自分で汗水流して働いて得た金ではないので、彼ら秀明会中枢部の金銭感覚は完全に麻痺しているのだろう。
 それにしても、この亀に●●●億円をつぎ込んでまで入手した理由は何だったのだろう?
 ひょっとすると、小山美秀子会主のあだ名が、「カメさん」だったからだろうか?
 それとも、乙姫->竜宮->亀の因縁だろうか?

 MIHO美術館がこの亀に付けた解説には、「亀は古来吉凶を知る神聖な存在とされ、名亀を得ることによって家が繁栄すると信じられた」と書かれているので、秀明会もこの亀を得ることによって自らが繁栄することを夢見たのだろうか?

 しかし、いま、秀明会は衰退へと向かっている。

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