地球規模の大異変

 本当に悲惨なニュースが次から次へと報道され、人も地球もどうにかなってしまうのかなー?と不安になってしまうような世相ですね。
 神慈秀明会の助教師や資格者等は、「ほら、言ったとおりでしょ。前古未曾有の大異変が迫っているというのは本当だったのよ」と言いたくてうずうずしていることでしょうね。
 彼ら・彼女らは、人が不幸な目に遭っているのを見ると、「我が意を得たり」とうれしくなるような人たちですからね。

1、大災害は繰り返し起きている
 地球の歴史を振り返って見たとき、現在起こっているような災害や社会不安というのは何度となく繰り返されてきたことであることが分かります。
 何十万人もの人が一度に命を落とすような大災害は、近年の歴史を見ただけでも、

 20世紀中に発生した災害の中で、犠牲者の多かったものを調べてみると上記のような災害がピックアップされるが、数万人の死者を出したものも含めるとまだまだたくさんの災害が起きている。
 私たちの記憶にあるごく短い期間での災害だけを考えると、最近の災害の多さから、「前古未曽有の大異変が・・・」という脅しに騙されそうな気がするが、ある程度の期間を地球規模で見てみればこうした大災害は常に繰り返し起きていると言える。

2、地球温暖化の真犯人は二酸化炭素か?
 地球温暖化の問題が地球規模での深刻な環境問題として論議されている。確かに大気中の二酸化炭素濃度はここ100年間程の間、徐々に上昇しており、環境問題に関心のある人達の間では温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を抑えようという活動が活発化している。
 二酸化炭素の排出量を減らそうとする運動が必ずしも間違っているとは言えないが、少々エキセントリックになり過ぎており、二酸化炭素の排出量増大が地球温暖化の根元であるような、あたかも中世の「魔女狩り」のような様相を呈している。

 この地球温暖化の問題でも、「二酸化炭素犯人説」という「視野狭窄」に陥ったために地球温暖化の全体像が見えなくなった人達が多い。カルト宗教に騙された人が視野狭窄に陥り、真実が見えなくなっているのと同様の姿をそこに見ることができる。
 少々、専門的な話になるが、興味のある方はおつきあい頂きたい。

 まず皆さんに一つ質問をさせて頂きたい。
 地球上で一年間に排出される二酸化炭素の総量は、自然、人為、全ての発生源を合わせてどれくらいかご存じだろうか?
 突然そんなことを聞かれても、ご存じの方はあまりおられませんよね。
 正解は、197ギガトンだそうです。
 「ギガトン」なんて、あまり聞いたことがない大きな単位ですが、気体である二酸化炭素でも地球規模での排出量となると、とんでもない重さになるものです。
 さて、この197ギガトンの二酸化炭素の中で、私たち人間が化石燃料(石炭、石油、天然ガス、ガソリン等)を燃焼させることによって排出している二酸化炭素の量はどれくらいだと思いますか?
 全部?もしそうだったら人類が火力発電所を止め、自動車の利用を止め、省エネ生活で我慢をすれば大幅に二酸化炭素の排出量を減らせそうですね。そうすれば地球温暖化にブレーキがかかり、「北極や南極の氷が溶けることによる海面の上昇を抑えられる」、「デイ・アフター・トゥモロー」のような地球の危機も未然に防止できる、なんて思っていませんか?
 でも、その考えは間違いなのです。なぜって?
 それは197ギガトン排出されている二酸化炭素の中で、化石燃料(石炭、石油、天然ガス、ガソリン等)の燃焼によるものは5ギガトン、全体の2〜3%しかないのです。つまり、いかに私たちが化石燃料の使用を抑える努力をしても、人間の力で削減できるのはこの範囲内でしかないのです。
 大半の二酸化炭素は火山、珊瑚礁、森林伐採、野焼き、セメント生成過程等から排出されている。人間など動物の呼吸によっても二酸化炭素が排出されるが、これはごく微量であり、環境に影響を与えるほどの量ではありません。

 環境問題を扱ったあるホームページにこのような記述がありました。
 「大気中の二酸化炭素濃度は、18世紀の産業革命以前は約280ppmであったものが近年急激に上昇し、現在約370ppmとなっています(ppmは100万分の1)」
 この文章を見た人は、「やっぱり最近は環境破壊が進んでいるからなー」と「納得」してしまうのではないでしょうか。
 ところが、恐竜が生きていた白亜紀の二酸化炭素濃度は1000ppm以上だったのです。ここ100年ほどの短いスパンで見ると、「二酸化炭素濃度は上昇している」と言えますが、もっと長いスパンで見れば大気中の二酸化炭素濃度は上下に変動しているものなのです。「学者」と呼ばれる人達が公表するデータは自説を補強するのに都合のよい部分だけのデータを切り取って公表する場合があるので注意が必要です。ここ100年ほどの温暖化傾向も、人為的原因によるものなのか地球規模の自然現象なのかは本当のところあまりよく分かっていないというのが実状なのです。たまたま二酸化炭素濃度の上昇率と平均気温の上昇率が近似値だっために、「二酸化炭素犯人説」が出てきたというのが本当のところのようです。

 国の公的機関や環境問題に熱心な人達の間では、二酸化炭素の排出量を抑えれば地球温暖化にブレーキがかかると「信じて」いる人達が多く、その論点で各種広報や環境対策が展開されるため、あまりよく知らない一般の人達は、「専門的に研究・運動している人達がそう言っているのだから・・・」と、この波に飲み込まれ、二酸化炭素犯人説を「信じさせられる」結果となっている。
 地球温暖化の原因として二酸化炭素を一つの要因と捉えることは間違っていないのだが、それはたくさんある原因の中の一つに過ぎず、他の原因としては水蒸気が大きなファクターを占める。温室効果を有する気体の約97%は水蒸気なのだが、地球温暖化を議論する際に水蒸気の問題が取り上げられることはほとんどない。
 それはなぜなのか? それは、水蒸気は人間が増減させているものではないということと水蒸気は地域差、高度差等による変動が激しく測定が難しいという理由だ。大半の水蒸気は海や川から自然に発生しているものであり、人間の力でコントロールできるものではない。
 人間が増減させているものではない水蒸気を、「温暖化の犯人」と特定してしまうと環境運動に熱心な人達は困ってしまう。「水蒸気を発生させないようにしましょう」なんて言ってみても、誰も運動に参加できない。

 他にも温室効果を高めるものとして、メタン、フレオン、六フッ化硫黄、亜酸化窒素、笑気等があり、この中でメタンは、赤外線エネルギーを吸収する能力が二酸化炭素よりも大幅(20〜25倍)に高く、温室効果を低減させるためにはメタンの放出を削減すれば二酸化炭素を削減するより即効性が期待できるとされており、一部の国や機関ではそうした活動も行われている。
 このメタンガスの発生源の一つである、「牛のゲップ」に注目し、何とかして牛にゲップをさせないようにできないか、等という???な研究もかなり真剣に行われているらしい。
 少し前までは冷蔵庫やエアコンにフレオンガスが使われていた。このフレオンという物質は1分子あたりで見ると、二酸化炭素の1万倍の効率で赤外線放射を吸収する(温室効果が高まるということ)能力を持つという代物で、地球温暖化に大変悪影響を及ぼすということが分かったので、これに代わるものとしてフロンガスが登場した。しかし、そのフロンは成層圏で分解して塩素に変わり、これがオゾン層を破壊し紫外線の照射量の増大を招き、人体に悪影響を及ぼすことが分かったので急遽フロンガスの製造・使用も中止された経過がある。

 地球はなぜ暖かいか?それはもちろん太陽があるからだ。この太陽の黒点とフレアの周期リズムが、現在の地球温暖化の主原因ではないかとする考え方もある。
 太陽活動が地球温暖化に影響を与える要因として、黒点の数や規模が大きくなった時に活動が活発化し地球に降り注ぐ光も熱も増大する。
 また、黒点が増えると太陽光線中の紫外線量が増加し、地球のオゾン生成は活性化する。黒点の増加によって太陽風も強くなり、その結果宇宙線がさえぎられるため地球環境に種々の影響を及ぼす。

3、結論
 このように地球温暖化の原因はたくさんあり、決して二酸化炭素だけが犯人ではない。
 温室効果が高まっているのは確かなのだが、化石燃料を使用することでの二酸化炭素量増加は前述の通り2〜3%であり、水蒸気や他の原因物質の増大の方がむしろ深刻な影響を及ぼしていると言っていい。
 だからと言って、私は環境問題に取り組むなと言っている訳ではない。例えわずかな効果であっても、「ちりも積もれば山となる」で、少しはその効果が期待できるかも知れないので無駄な二酸化炭素排出は抑制するのが正しい行動だろう。
 私がここで言いたいのは、「地球温暖化の原因」という問題を論ずる際、すでに人々の頭の中には、「二酸化炭素が犯人だ」とする既成世論が浸透しているため、それ以外の原因を探ったり、言われている説に矛盾がないかを自分で確かめようとしない人が多いことに警鐘を鳴らしたいということだ。
 インターネットで、「地球温暖化」の言葉で検索してみると、出てくるのは、「二酸化炭素排出を規制して温暖化にブレーキをかけよう」という論調のものが大多数だ。
 人々に「お手軽」に環境問題を訴えるには二酸化炭素を犯人としておくと「運動がやりやすい」といった面があり、政府や関係機関までがこうした論調に乗ったため多くの人が「二酸化炭素犯人説」という視野狭窄に追い込まれているのが現在の、「地球温暖化防止運動」ではないだろうか。

 大きな災害が続いて起きたからといって、それが「最後の審判」の前触れではないかと恐れたり、地球温暖化によって地球は壊滅的な打撃を受け、「ノアの方舟」が必要になるのではないかと考えたりするのは間違いである。ちょっと自分で調べてみれば、そのような考え方は知識不足から起きた妄想でしかないことがわかる。
 カルト宗教に騙され、カルトのいうことを鵜呑みにしている人も、自分で何が真実かを見きわめる姿勢を持たない限り、視野狭窄から抜け出し、自分にとって本当に大切なものを見つけだすことはできない。


<参考>
 下表は、代表的な温室効果ガスについてまとめたものだが、二酸化炭素の地球温暖化係数の基準値と他のガスの数値を比較して見てれば、二酸化炭素が地球温暖化に及ぼす影響が推測できる。
 「用途、排出源」欄の二酸化炭素の項目は、基データをそのまま掲載しているため、「化石燃料の燃焼など」としてあるが、実際には二酸化炭素排出源の大半は自然発生(火山等)であり、化石燃料の燃焼による割合は2〜3%である。
温室効果ガス地球温暖化係数性質用途、排出源
二酸化炭素(CO2)1代表的な温室効果ガス化石燃料の燃焼など。
メタン(CH4)23天然ガスの主成分で、常温で気体。よく燃える。稲作、家畜の腸内発酵、廃棄物の埋め立てなど。
一酸化二窒素(N2O)296数ある窒素酸化物の中で最も安定した物質。他の窒素酸化物(例えば二酸化窒素)などのような害はない。燃料の燃焼、工業プロセスなど。
オゾン層を破壊するフロン類CFC、HCFC類数千から1万程度塩素などを含むオゾン層破壊物質で、同時に強力な温室効果ガス。モントリオール議定書で生産や消費を規制。スプレー、エアコンや冷蔵庫などの冷媒、半導体洗浄など。
オゾン層を破壊しないフロン類HFC(ハイドロフルオロカーボン類)数百から1万程度塩素がなく、オゾン層を破壊しないフロン。強力な温室効果ガス。スプレー、エアコンや冷蔵庫などの冷媒、化学物質の製造プロセスなど。
PFC(パーフルオロカーボン類)数千から1万程度炭素とフッ素だけからなるフロン。強力な温室効果ガス。半導体の製造プロセスなど。
SF6(六フッ化硫黄)22200硫黄とフッ素だけからなるフロンの仲間。強力な温室効果ガス。電気の絶縁体など。
地球温暖化係数とは、温室効果ガスそれぞれの温室効果の程度を示す値です。ガスそれぞれの
寿命の長さが異なることから、温室効果を見積もる期間の長さによってこの係数は変化します。
ここでの数値は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第3次評価報告書の値
(100年間での計算)になります。

データ出典:全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)
http://www.jccca.org/education/datasheet/01/data0108.html





戻る