盗作拡大

 画像の一部を拡大して比較してみる。
 緑やピンクの線で囲んだ部分などを見比べてみると、赤枠で示した教主の画は、青枠で示した岡田茂吉の画のような、”線のかすれ”がほとんどないことが分かる。  鉛筆で描いた下絵を、あまりにも忠実になぞり過ぎた結果だ。鉛筆で下絵を描いた者とその上をサインペンでなぞった者は別の人物である可能性も高い。
 大量に偽造する必要があったので、鉛筆で下絵を描く者とそれをサインペンでなぞって仕上げる者が別の人物であった場合はこうしたことが起こりやすい。

 オレンジ色の線で囲んだ部分は、「光輪」と呼ばれるもので、仏や菩薩の体から発する円満の光を表している。
 こうした仏画を描く場合の常識として、仏や菩薩の姿を背景から浮き出させる効果をねらって光輪を描く線は墨の濃度を少し薄くして輪を描くものなのだが、この盗作品を描く作業をした者は、そのことを知らなかったようで、光輪も菩薩本体の線と同じ濃さで描いてしまっている。




 神世界の初級及び中級ライセンスはA3用紙を一回り大きくした程度の大きさであるが、岡田茂吉が描いた原画は非常に大きなものだ。
 下記の写真は岡田茂吉が描いた原画と同じ大きさのものを床の間に掛けた写真だが、これを見ても原画がいかに大きなものであったかが分かる。
 また、これだけ大きな画だったからこそ、細い線も筆で描くことができたのだ。
 ネットオークションで販売されている岡田茂吉の観音像はその大半が複製品であり、サイズも小さくリサイズされている。
 教主はその小さくリサイズされた岡田茂吉の観音像を元に複製品を作ったために線の太さに微妙な変化をつけることが出来ず、上記のような結果になった。