神世界事件に関する声明


平成23年9月13日

神世界被事対策弁護団
団長 弁護士 紀 藤 正 樹

お問い合わせ先
〒102−0083
東京都千代田区麹町4丁目7番地
麹町パークサイドビル3階
リンク総合法律事務所
神世界被害対策弁護団
事務局長 弁護士 荻 上 守 生
03−3515−6681

1 平成23年9月12日、有限会社神世界を含む神世界グループのトップである斉藤亨が、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕されました。
2 当弁護団は、平成19年12月20日の、神奈川県警による有限会社神世界及び同関連団体(以下「神世界」とします。)に対する家宅捜索をきっかけに、神世界による霊感商法の被事者救済を目的として、全国霊感商法対策弁護士連絡会に所属し、宗教法人世界基督教統」神霊協会(統一協会)が組織的に行う霊感商法問題に取り組んで来た弁護士を中心として結成した弁護団です。
 弁護団結成後、神世界から多額の金銭を騙し取られたという多くの被寄者の方々からの相談が寄せられました。
 多くの被害者の方々や神世界の元スタッフ、神霊能力があるとされていた神世界の元先生らからの情報提供によれば、神世界は、「癒し」、あるいは、「ヒーリング」という耳当たりのいい宣伝文句により一般市民を勧誘し、真実の目的が神世界が組織的に行っている資金獲得活動を目的としているにもかかわらず、殊更にこれを秘し、被害者の抱える悩みや問題点を言葉巧みに聞き出し、その原因が、体に貯まっている毒素や先祖の因縁であって、御霊光・御祈願によって病気がよくなる、などと虚偽事実を断定的に申し述べて被害者らの不安感・恐怖感を煽り、悩みや間題点を解決するためには御祈願や御礼など様々な名目で金銭を支払うしかないと畏怖・誤信させ、多額の金銭を支払わせてきた団体です。
 弁護団としては、神世界による「神事」「ライセンス」「お肉筆」等の物品販売や、「ヒーリング」「御霊光」「御祈願」を名目とする多額の金銭収奪行為は、いわゆる典型的な霊感商法であり、詐欺ないし組織的詐欺にあたるものと判断し、神奈川県警及び横浜地方検察庁に、詐欺ないし組織的詐欺での立件をお願いして参りました。  その結果、本年3月10日の杉本明枝(有限会社E2代表者)外4名の逮捕に始まり(その後、別の関係者2名も逮捕)、本年5月30日には、えんとらんすアカサカの会主佐野孝、佐野りら、淺原史利、淺原嘉子外1名も逮捕され、杉本明枝、佐野孝、淺原夫妻については詐欺容疑で起訴されました。
 そして、本年8月中旬、神世界の教祖である斉藤亨、有限会社神世界の代表取締役日原易子、同社取締役斉藤葉子、同宮入参希江に逮捕状が出され、斉藤葉子、宮入参希江に続き、遂に、本年9月12日、斉藤亨が組織犯罪処罰法の組織的詐欺容疑で逮捕されました。  現在、杉本明枝の公判が始まっておりますが、杉本明枝は、神世界は当初より宗教団体として活動していたのであり、被害者らの金銭支払は、神世界が宗教であることを知った上での、熱心な信者としての行動であるなどと弁解して、起訴事実を全面的に否認しています。
 しかし、杉本明枝の弁解が虚偽であることは明白です。多数の被害者らが、神世界から金銭を収奪される過程で「宗教ではない」と説明を受けたと述べていますし、神世界関係者は、平成19年12月の家宅捜索後、弁護団に対しても、「宗教ではない」と弁解を述べていました。
 横浜地検特別刑事部及び神奈川県警、山梨県警が、神世界の「宗教活動であって詐欺ではない」との弁解を乗り越え、被害者の悲痛な叫びに真摯に耳を傾け、3年以上の長期間に渡り、慎重に捜査を続け、神世界の典型的な霊感商法を詐欺ないし組織的詐欺で立件するに至ったこと、特に、斉藤亨をはじめとする首謀者らの立件にまでこぎ着けたことについて、弁護団としては、捜査関係者のご尽力に対し、最大限の敬意を表するとともに、今後更に、神世界による組織的な霊感商法の全容が解明されることを期待しております。  最後に、当弁護団には、被害者の方々から多数の被害相談が寄せられていますが、神世界の被害実態からすれば、被害者の大部分の方々が泣き寝入りしているものと思われます。
 また、今回の逮捕をきっかけに、神世界の欺瞞に気づかれる現役信者の方々も多いものと思われます。斉藤亨は、自らの逮捕も予見できなかったのですから、神霊能力などないことは明らかです。
 神世界による被害実態の解明のためにも、被事者の方々やこれから神世界を辞められる方々は、当弁護団宛てに、勇気を持ってご相談ください。

以上


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