神世界に対する損害賠償訴訟

23、被告弁護人の暴挙(2011.11.10)
 2011年11月9日(水)に行われた第18回口頭弁論で、被告代理人は突然、「原告全員に和解案を提示したい」と発言したが、法廷で具体的な和解案が示されることはなかった。その翌日、被告代理人は原告代理人に一言の説明もないまま、原告全員(プラス花を除く)の自宅に「ご連絡」と題した配達証明付き郵便を送りつけてきた。
 「血迷った」という言葉があるが、今回、被告神世界代理人が行ったことは、まさに血迷ったとしか思えない行為だ。弁護士資格を有する者が、これほどまでに非常識な行動を取るなど、普通では到底考えられないことだ。

 私のところには、封書を受け取った多数の原告から、驚き、怒り、戸惑いの声が届けられている。突然、被告代理人から配達証明付き郵便が届けられただけでも驚きであるが、封書を開けて見て、その内容があまりにも一方的であること、原告全員の氏名や損害額まで明記されていることに戦慄を覚えた原告が大半だ。

 現在、東京地裁で係争中の神世界等に対する損害賠償訴訟は、原告、被告双方が代理人(弁護士)を立て、これまで18回の口頭弁論が行われている現在進行中の訴訟だ。それにも係わらず、被告代理人は原告代理人を飛び越え、直接原告の自宅に和解を申し入れる文書を送りつけてきた。
 このような行為は、常識で考えても尋常でないことは明白だが、弁護士職務基本規程第52条に反する行為であることも明らかだ。この規定の第52条には、

弁護士職務基本規程 第52条
弁護士は、相手方に法令上の資格を有する代理人が選任されたときは、正当な理由なく、その代理人の承諾を得ないで直接相手方と交渉してはならない。


と定められている。

 原告の中には、神世界事件の原告になっていることを家族に明かしていない者もおり、突然、弁護士事務所から配達証明付き郵便物が届けられたことで、自分が神世界事件に係わっていたことが家族に分かってしまい、家庭内で本人が困窮する状況に追い込まれた者もいる。原告弁護団は、そうした者には、原告になっていることが家族に分からないように、これまで細心の注意をしてきた。

 封書を開けて見て、更に原告は驚いた。そこには原告全員の氏名や損害額等がびっしりと明示されており、これまで互いに氏名も損害額も知らなかった他の原告の個人情報を知ってしまう結果となった。もちろん、自分の氏名や損害額も他の原告に知られた訳で、原告等が受けた精神的ショックは甚大なものがある。


 今回、被告代理人が行った行為は、弁護士としてあるまじき行為であり、然るべき機関において厳しく処分されなければならない。正当な弁護士業務を妨害された被害対策弁護団は、今後そうした作業に取りかかるであろう。

 被告代理人は、係争中の民事訴訟を和解することで、刑事裁判の判決における被告の刑罰軽減を図ろうとしたのであろうが、このような軽率なやり方は全くもって逆効果でしかない。原告の意思を確認もせずに、一方的に和解を持ち出したことは、被告等が自ら有罪であることを認めたのと同じであり、刑事裁判で裁判官は迷うことなく被告等に有罪の判決を下すことになるだろう。
 「民事を和解しておけば刑罰が軽くなる」と被告等は考えたのだろうが、今回のように不当な手段で和解を押し付けようとする被告等の姿勢は、原告の神経を逆なでするだけだ。和解案自体も極めて不十分なものでしかなく、このような状況で原告が和解に応ずることはない。原告が和解に応じない限り、被告の刑が軽減されることはない。

 いま被告代理人がしなければならないのは、今回の行為を真摯に反省し、原告等に対して謝罪することだ。その後、正式な手段方法で原告代理人と話し合い、原告等が納得する状態にならなければ、和解に至ることはあり得ない。


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