2012年1月25日(水)に行われた神世界等に対する第19回口頭弁論は、これまでの口頭弁論とは、取り巻く状況が大きく変わった中で行われた。それは、神世界事件で逮捕された被告等が、横浜地裁で行われている刑事裁判で、”組織的詐欺”の起訴事実を認めた後、最初に行われた口頭弁論であったという点だ。
神世界及び被告人等は、前回までは民事訴訟に於いても原告等から金員を詐取したことを認めていなかった。しかし、状況は大きく変わったことから、この日の口頭弁論では被告側がどのような態度を示すか関心が持たれた。
●11時00分開廷
今回の法廷は、当初からよく使っている、東京地裁第626号法廷だった。原告代理人9名、被告及び被告代理人7名、傍聴人は7名ほどだった。
●口頭弁論の内容
被告側(プラス花を除く)から、和解案が提出された。提出された和解案は、概ね、被告側(プラス花を除く)が、原告の請求額を全て支払うといった内容だった。
今後の協議内容として、
@秘匿条項(第三者に対する公開をどのように制限するか。)
A懈怠条項(約束の金額を被告が支払わない場合、どのようなペナルティがあるか。)(注)
B原告になっていない被害者の請求及び和解についてどのようにするか。
などの点について検討を要するが、被告側代理人(市河弁護士)の意見では、@、Aについては、「原告の求めるような内容になるように努める」とのことだった。
Bの、原告となっていない被害者の被害回復についても、3月末を目途に行い、和解をしたいとのことだった。
(注)「懈怠」(かいたい)とは、法律において実施すべき行為を行わずに放置することを指します。
●今後の日程
次回は平成24年1月30日(月)12:00から、東京地裁12階、民事第50部書記官室にて、非公開(原告を除く)で口頭弁論が行われることになった。原告になっている人は中には入れることになっているが、部屋が狭いので、あまり多数の原告は入ることができないようだ。
●11時20分頃閉廷
●感想
本日の口頭弁論から感じられたことは、斉藤亨被告らが、”一応”自白に転じたことに伴い、被告側は、できる限り早く民事の和解をまとめたいと思っているように感じた。裁判所も、被告が原告の請求通り払うというのであれば、早いところ和解で終わらせたいという意向のように感じた。次回の口頭弁論を、裁判所の昼休み時間である12時から入れるということは、極めて異例のことであり、その点からも裁判所の和解に対する”やる気”を感じた。
第19回口頭弁論を傍聴して
本日(2012年1月25日)、東京地裁で行われた、神世界等に対する損害賠償訴訟の第19回口頭弁論の傍聴に行って来ました。 |