神世界に対する損害賠償訴訟
第17回口頭弁論(2011.9.20)

(以下の内容は、第17回口頭弁論を傍聴した方のレポートに基づき作成しました)
 (有)神世界等に対する損害賠償訴訟の第17回口頭弁論が、2011年9月20日(火)、午前11時0分より東京地裁631号法廷で行われた。この日の裁判は、神世界教祖・斉藤亨が逮捕された後で行われる最初の裁判であり、神世界トップの逮捕を受けてどのようなやり取りが法廷で行われるのか関心が持たれた。
 この日、631号法廷では他の裁判が11時前から行われていたため、その裁判の時から神世界の口頭弁論を傍聴する目的の人たちも傍聴席に座っていた人も多かったようだ。裁判長らも、前の裁判から裁判官席に座ったままだったようで、開廷時の起立もないまま、定刻の午前11時から口頭弁論が開始された。原告席には原告及び代理人が16名ほど、傍聴席には11名ほどの人が着席していた。傍聴者の中には、杉本明枝の刑事裁判で被告代理人をしている人物の姿もあった。被告代理人の席には、いつもの顔ぶれ以外に、初めて見る顔の弁護士が1名着席していた。

午前11時0分開廷
 まず最初に、深山裁判長より訴訟告知の件で報告があった。被告側がAさんを訴訟告知したことを告げた後、裁判長は訴訟告知に関していろいろ説明をしていたが、かなり専門的な内容で、傍聴者には少々難解であった。この件については後日確認ができてから改めて報告したい。
 続いて深山裁判長が、「斉藤さんが逮捕され、組織的詐欺で・・・、他の被告も逮捕されて・・・」など、斉藤亨や他の被告が逮捕されたことに関して発言したが、すでに逮捕された斉藤亨を、「さん」付けで呼ぶことに少々驚いた。被害者感情としては、到底斉藤享を「さん」付けで呼ぼうとは思わないが、裁判所としてはまだ斉藤の刑が確定した訳ではないので、「さん」付けになるのだろう。裁判長は、第四次提訴の件にも触れ、裁判所としては第四次訴訟も含めた併合審理とする予定のようだ。
 深山裁判長が、「斉藤さんの逮捕に伴い、主張や立証の方針などに何らかの変更はありますか?」と尋ねたのに対し、原告側代理人は「ないです」と答えた。
 E2代理人が、「杉本の公判に入ったため、準備書面5、6の反論は間に合わなかった。次回には提出したいと思います」と述べた。このE2代理人の発言は、傍聴していた被害者や原告の耳には、刑事裁判を口実にして、準備書面提出を引き延ばしているようにしか聞こえなかった。
 続けて、えんとらんす代理人が、「佐野さん他2名の公判が予定されているので、組織性についての反論が間に合わなかった。刑事の開示証拠で関係あるものがあれば提示していく」と述べた。
 裁判長から、「原告側から甲60号証〜甲63号証提出」との発言があった。甲60〜63号証とは、@杉本の刑事事件の第1回公判調書、A検察官の冒頭陳述要旨、B証拠等関係カード、C神世界新聞第14号などである。裁判長から、「公判で供述されたら、(証拠として)利用出来る・・・」というような発言があったが、詳細は聞き取ることができなかった。
 裁判長が、「E2とえんとらんすは準備書面5、6の認否提出を・・」と述べた。
 原告側が、「組織性反論を・・・」といった発言をしたところ、えんとらんす代理人が「まだ釈明事項を明確に答えていなかったと思う。○○について出せるものがあれば出すつもりで検討中」と答えた。

 次々回の期日を決める際、杉本の公判日程について確認のやりとりがあり、刑事裁判との関係も見ながらこの損害賠償訴訟を進めていかざるを得ない状況であるようだ。原告側と被告側の代理人間のやりとりの中で、「難しい」という発言があったので、年内の結審は難しそうだと感じた。
 被告側代理人が出廷可能な日がなかなか見つからず、また、刑事裁判の進み具合等も観測しながら民事訴訟を進めた方が良いのではないかとの意向も働いているようで、結局次々回の期日は、年が変わった平成24年1月25日(水)午前11時からに決まった。法廷は以前よく使っていた626号法廷だ。
 最後に、被告代理人が、「追加(の提訴)はまだ予定されているのか?以前、もう追加はないと言っていたはずだが・・」と原告側代理人に質問した。それに対して原告代理人は、「場合によってはあるかもしれない」と答えた。
 閉廷時刻の確認ができなかったが、およその閉廷時刻は11時20分頃だったと思われる。

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