神世界に対する損害賠償訴訟
第10回口頭弁論(2010.11.17)

11/17、小雨の日比谷公園
松本桜近くの紅葉した木々

 平成22年11月17日(水)に行われた神世界に対する損害賠償訴訟・第10回口頭弁論の開始時刻は午後4時30分からというこれまでになく遅い時間からとなった。午後1時過ぎに地裁に着くとカメラを携えた報道関係者の姿が目立った。この日午後からは、「1票の格差」が最大5.00倍になった今年7月の参院選は「憲法違反だ」として訴えた裁判の東京高裁判決があったので、マスコミはこの裁判の取材に来ていたのかもしれない。
 またこの日午後からは、ある傷害事件の裁判もあった。強盗に入った複数の暴力団組員が被害者を脅し傷害を負わせて金を奪った事件の裁判(平成20年合(わ)第584号)だが、この裁判では被害者8名が改正暴対法に基づき、実行犯3名に対してだけでなく、服役中の山口組組長に「使用者責任」があるとして1500万円の損害賠償を求めている。
 神世界事件の構図も暴力団犯罪と似た”組織性”があり、組織のトップは直接犯罪行為に手を出していなくても、配下の者を使って一連の行為を行ってきた。神世界事件に於いても手先となって”活躍”した者だけでなく、神世界トップの責任を厳しく追及する必要がある。

16:33開廷

 今回はいつもの男性書記官と違って女性の書記官が法廷内の対応をしていた。これまでになく遅い時間からの開廷ということもあってか、傍聴席はまばらだったが、被害者はその展開をしっかり見ており、法廷内のやり取りはこうしてネットで公開されていることを神世界関係者も忘れてはならない。
 今回の口頭弁論を傍聴した人は、これまでとは違った面白いものを見たかもしれない(笑)。今回の口頭弁論では今までになくエキサイトする場面がちらほらと見られた。例えていうと、神世界新聞のアホらしさと同様のものが法廷でも展開されたとも言え、”これが神世界なんだ”という姿が改めて浮き彫りとなった感があった。

 流れとしては、いつものようにまずは下記のような書面の確認が行われた。
 ●原告から求釈明申立書3・4、準備書面5の陳述
 ●被告びびっととうきょうの準備書面7陳述
 ●E2らの準備書面陳述
 ●みろくらの準備書面陳述
 ●神世界らの釈明書陳述
 ●えんとらんすアカサカ -> 代理人が書面を持ってくるのを忘れた

 今回は、原告から団体性についての主張が出た。「同じ手口で組織的にやっている」という主張。
 「被告は個別的な認否はしないということか」という廣谷裁判長の問いに対し、びびっと代理人が「できないということです」と返答。
 E2代理人は「今回は間に合わなかったので次回出す」。
 えんとらんす代理人は「聞き取りは終わっているので、今週中には書面を出す」と返答した。

 原告側代理人が「総括表の抜け落ちているところの○付けを終わるようにしてほしい。総括で出ているのであれば個別でも分かるのではないか? 結論として、すべてのグループにおいて手口は同じで、それを組織的に行っている。昨年11月9日付の書面で組織性について主張したが、えんとらんすとみろく以外認否が出されていないので早く出してほしい。もう一年経つので認否はできるだろう。えんとらんすとみろくも、より具体的な認否をしてほしい。“宗教的な儀式”とかでなく、祭典内容を具体的に説明してほしい」と述べた。

 それに対し、えんとらんす代理人が「具体的な儀式の説明ということでしょうか」と質問した。

 原告代理人は「参加者はこちらで分かる範囲で出しています。日も決めて定期的に開かれている会、系列の代表者が集まって行われているので忘れているということはない」と述べると、”そんなの分からないよ”と言わんばかりの被告側代理人の反応。失笑まじりのやりとりがしばらく続き、次回、被告が関係する限りで分かる範囲で出すということになった。

 更に原告側代理人は鋭く主張していく。
 上申書3枚目の証拠提出について、「プラス花以外、証拠を出していない。認否する際は否認の根拠を示してほしい」。
 それに対し、E2代理人が「言葉のやりとりが多くて現時点でお出しできる証拠を出すのは難しい。どういったもののことなのか伺いたい」と質問。
 原告側代理人が、「祭典時の言動等を示してほしい。否認されるのであればその根拠を出してほしい」と返答すると、そこへ神世界代理人が主張し出した。

 「これは不法行為による損害賠償請求ですよね。不法行為に相当するような発言があったと言うのか。詐欺をしてでも集めろ、脅してでも集めろというような発言があったのか。不法行為にどう結びつくのか我々としては解せない」と興奮気味に訴えた。
 それに対し、原告側代理人が「平成21年11月9日付の書面を認否してから言って下さい。プラス花は具体的にどう話していたか書いてある。そのことさえ認否していない」と反論すると、神世界代理人が何かまた言おうとしたところへ裁判長が、「ちょっと待って下さい」と制止する。「原告が言われているのは準備書面1ですね?これについて認否されていないじゃないかと言うことですね」と言い、書面の綴ってあるファイルをそれぞれが確認する。
 神世界代理人が「売り上げを増やせとか言うことが詐欺と結びつくものではない。被告は書面を出していないと言うが原告も同じではないか。証拠は神書しか出していないではないか」と主張してくるのに対し、「甲15号証まで出している」と原告側代理人が反論するなど、しばらくの間、今までになかった緊迫したやりとりが展開された。

 最後は廣谷裁判長が、「脅迫じみたことをしてどんどん買わせて、それが組織的なものだと原告側が主張することに対し、(被告側が)“どうしてそれが不法行為だ”と言うなら、それを認否反論していただけばいい。裏づけの資料を出せば被告にとって有利になる、且つ、否認してその根拠となるものを出してもらうのは通常のことかなと思う。否認もなく、証拠もないなら被告にとって有利にならない、かな」とまとめた。

 原告側代理人が、被告びびっとら代理人に対し、これ以上認否しないという趣旨かどうか確認したところ、今度はびびっと代理人が「何月何日にヒーリングを受けて何を言ったのか、金を取るための文言を発せられているのか」と論点を逸らすような発言をまた始めた。認否をするのかしないのかと問われると、「現時点ではしない」と返答したため、裁判長が「びびっとはこれ以上のことはしないということですか?」と確認すると、びびっと代理人は「はい」と明言した。

 次に、廣谷裁判長が次回期日などについて確認していった。
 原告側代理人が準備書面5と準備書面1をまとめた書面を出す予定と発言。
 被告側代理人に裁判長が次回のことを促すと、びびっと代理人は「平成21年11月9日付の書面に認否できるものがあれば対応する」と返答。続けて、今回の原告の主張に対してはどうかと問われると「検討します」と返答した。

 次回、第11回口頭弁論の日程は平成22年12月22日(水)16:00よりとすでに決まっているが、来年(H23年)の期日を裁判所、原告、被告で検討した結果、下記の日程が決定した。

■第12回口頭弁論 2011年2月16日(水)午後4時00分より
■第13回口頭弁論 2011年3月23日(水)午前11時00分より

 裁判所の予定としては、「主張のまとめは4月」と廣谷裁判長が念を押した。
 その次は原告から陳述書が出てくるという話になると、原告側代理人から「その関係があるからとにかく認否を出してほしい。プラス花が出した書面を確認していただいて認否を」と再度、主張した。すると、E2代理人がその(プラス花の)準備書面を持っていないという話になり、さらには他の代理人も(プラス花の準備書面は)知らないということが判明した。被告側代理人の間では情報の共有が全く行われていないようだ。その結果、プラス花の準備書面は原告側が提示することになった。

17:07頃閉廷


この日行われた第10回口頭弁論の様子は、Happy Flavor Senseにも関係する記事が掲載されています(11/17付け記事)。


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