神世界に対する損害賠償訴訟
第4回口頭弁論(2009.12.16)

丸の内のイルミネーション

 神世界に対する損害賠償訴訟の第4回口頭弁論は2009年も残すところあと半月ほどになった12月16日(水)に行われた。前日の夜、丸の内周辺を歩いてみると街路樹に無数のイルミネーションが点灯しており、幻想的な雰囲気が醸し出されていた。

 今回も626号法廷では前回と同様午前10時から別事件(SFコーポレーションという金融業に関するもの)での口頭弁論があったので、神世界関連の人達はそれが終わるまで傍聴席で待機していた。そちらの件は書記官と代理人と思われる人のやりとりがあり簡単に終わったようだった。その後、神世界事件関係の原告、被告側代理人らが法廷内に着席し神世界に対する損害賠償訴訟の第4回口頭弁論はほぼ定刻の10:10に開始した。

 原告側代理人は紀藤、江川、荻上弁護士が前列に座り、その後ろに原告や被害対策弁護団の弁護士など計13名が着席した。
 被告側代理人は、尾崎、市河、門西、新たに参加したE2代理人が座り、その後ろに加藤被告夫妻と大森、笠原弁護士の計8名が着席した。E2代理人として新たに加った弁護士については詳細な書類がまだ届いておらず氏名等は不明とのことだ。
 傍聴席には報道関係者、警察関係者、原告、代理人など約18名ほどが着席していた。

 口頭弁論の内容は準備書面の確認等が主たるものでさしたる展開はなかった。裁判長の、「準備書面の他に口頭で出したいことがありますか?」との問いに答えて、原告側弁護士が、「今回の準備書面の内容を見るときちんとした答えがいただけていない。『宗教でないとは言ってない』と主張されるとは予想もしていなかったので、よくもまあ抜け抜けと、という感じだ」と発言した。それに対して神世界側は一言も反論せず沈黙していた。
 この様子を見ていたある原告は、「この段階でしっかり釘を刺す発言をしていただけたのは嬉しかった」と語っている。
 裁判長の、「売上データの準備はいつ出来るか」との問いに、えんとらんす代理人は、「警察から原本の返却があったので年明けには準備したい」と述べ、他の系列代理人も同様に早く進めていくと述べた。E2の代理人は、「新任されたばかりなので見通しがたっていない」とのことだったが口頭弁論に臨む弁護士の態度としてこれはいかがなものだろうか。
 神世界被害対策弁護団では現在争われている第一次訴訟に続けて第二次訴訟提訴の準備も進めている。この日のやり取りの中で裁判長に対し原告弁護団長はこの第二次訴訟についても予備的な話を裁判長にしていたようだ。

 最後に裁判長から、「次回までに原告側は個々の原告が受けた不法行為の実態をまとめる作業を終わらせてほしい」、「神世界側は認否を終了しておいてほしい」、「書面は一週間前までには出してほしい」などの方針が示され、次々回の口頭弁論期日(第6回)を決定して開廷から約15分ほどで閉廷した。


 当日の口頭弁論を傍聴していた原告の一人は、「いよいよ来年から神世界が行ってきた悪行の核心部分が暴かれていくものと思われます。取り組んで下さっている原告側の弁護士さんは、毎回オフィス総出と思えるような大勢の皆様が出席して下さっていて弁護団の強い意気込みが伝わってきております。きっと来年はいい展開になると期待し確信しております」と語っていた。

 なお、被告の「プラス花(元、美っとスティジ)」の読み方は、「プラスはな」だと思っていたが実は、「プラスと読むのが正しいらしい。裁判長も「プラスと言っていた。”物事が良い方向に変化する”という意味で「プラス化(花)」という名称にしたようだ。「プラス化」という言葉は神世界の他の系列でも御霊光の効能を説明する際などに使われていたようで、その言葉をそのままサロン名にしたようだ。ただし「化」では印象が悪いので「花」の文字に置き換えたのだろう。
 初めて聞く者にとって神世界の各系列組織名は上記のように意味不明?なものが多いが、今回、裁判長も、「みろく」を読み間違えて「みうらく」と発言した場面があり、今回もしっかり笑いをとっていた(笑)


第二次損害賠償訴訟提訴(2009.12.25)


第二次訴訟を報じた新聞記事

 2009年12月25日(金)のクリスマスに神世界被害者24名は「神世界」ほか25名に対し7426万5792円の支払いを求める損害賠償訴訟を東京地裁に提訴した。新たに提訴したのは10都道県の30〜60歳代の女性23人と50歳代の男性1人。
 これにより現在係争中の損害賠償訴訟と合わせた原告の人数は41名、訴額合計は2億4301万8108円となった。

第一次訴訟 平成21年5月25日
訴額 1億6875万2316円(内実損額1億2228万4290円)
原告17人 神世界含む被告25人

第二次訴訟 平成21年12月25日
訴額 7426万5792円(内実損額5381万5794円)
原告24人 神世界含む被告25人

 原告側は訴状で、「宗教性を感じさせないサロンに原告らを勧誘した」とした上で、「悩みを悪用して詐欺や恐喝的な文言で怖がらせ、多額の金を出させた」、「御霊光を受けなければアトピーが治らないなどと不安をあおり、高額の祈願料を支払わせていた」、「御祈願しなければがんが治らないなどと原告らをだまして脅迫し、多額の金銭を違法に収奪した」などと主張している。第二次訴訟の原告となった人達の訴額は人によって違うが一人約45万〜1500万円となっている。

 12月25日、東京・霞が関の弁護士会館で記者会見した被害対策弁護団長の紀藤正樹弁護士「この2年で組織の実態が解明でき、違法性が立証可能と判断した。神奈川県警には、刑事事件としても立件できるよう頑張ってもらいたい」と話した。
 被害対策弁護団は東京地裁に対して5月に提訴した第一次訴訟との併合審理を求めている。


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