騙し取られた金を裁判で取り戻すというのは、考えただけでもなんだか大変そうだ。
その結果、「泣き寝入り」してしまい、騙し取られた金を取り戻すことができないままになってしまうケースが多い。
こうした弱点を補うために用意されている、「少額訴訟」という制度をご存知だろうか。少額訴訟の特徴は、
1、原則1日(1回の審理)で終わる
2、弁護士や司法書士を頼まなくてもできる
3、訴訟費用があまりかからない
4、60万円以下の金銭支払請求以外利用できない
という点が上げられる。
4番目の上限金額については、例えば100万円の請求をしたい場合は、1回目の時に「今回は100万円のうちの60万円についての少額訴訟です」と訴状に記載しておき、残りについては次回の少額訴訟に回すことが可能だ。
神世界関連サロン(びびっと、えんとらんす等)に通い、気づいてみたら数十万円の金を神世界のために失ったという女性は非常に多い。
これらの女性が受けた傷は金銭被害だけでなく、心に受けた傷も深い。心の傷を癒すには周囲の人々の優しい思いやりが必要で時間もかかる。
せめて金銭被害だけでも救済することができたら、それによって心の傷も少しは癒されるのではないだろうか。
少額訴訟は通常の裁判による訴訟よりハードルが低く、手軽に利用できる制度だが、裁判であることに変わりはなく、証拠書類や証人からの証言など、勝てるだけの材料を準備し、必ず勝てる体制を整えてから訴状を住所地の簡易裁判所に提出することが必要だ。
例えば、山梨県に住む被害者(原告)が東京都にある神世界(被告)を訴えるような場合、山梨県の簡易裁判所に訴状を提出して審理を受けることができる。原告が有利になるように考えられているのだ。
全国の被害者が各地の簡易裁判所に訴状を提出し、続々と審理が行われるようになるとその動きがマスコミで報道され、神世界というエセ宗教団体の存在を世に知らしめることができる可能性もある。
正式裁判を提訴するのは難しくても、少額訴訟制度を利用すれば一人一人の被害救済が可能になるとともに、そうした大きなうねりができることによって神世界を追いつめ、この団体を壊滅させることができるのではないだろうか。
いま、神世界関連サロンでは急速に客が減少しており、新たな客もほとんど入ってこないため、収支のバランスが崩れ、光熱費の支払いや消耗品の購入にも苦労している。
この状況下で多数の少額訴訟が起こされれば、それは神世界にとって決定的なダメージとなるだろう。
そのためには、一人一人の被害者が立ち上がる必要がある。