同じ紙面に二種類の千手観音
同じ紙面に二種類の千手観音

 神世界新聞裏面全体に薄く描かれている千手観音図は、いわゆる「武装解除された千手観音図」である。下記の写真は画像処理によってコントラストをやや強くして観音図がある程度はっきり見える状態にした紙面の上に、神世界が額入りで客に売っていた観音図を表示したものだ。
 神世界では、「これまでの千手観音は皆『刀』を持っていたが、教主様の描いた観音様は『刀』を持っていない。それが本物の証よ。本当の神様は他人を殺めるための『武器』はお持ちにならないのよ」と説明してきた。
 裏面にはこうして「武装解除された千手観音図」を掲載しておきながら、創刊号から第5号までは1面左上に彼らが御神体とする千手観音図が掲載されていた。御神体として掲載された観音図は岡田茂吉が描いた千手観音図であり武装した観音図である。
 同じ新聞の表面と裏面に別々の千手観音図を掲載すること自体が支離滅裂であり、この新聞を編集している者は一体何を考えてこのようにちぐはぐなことをしているのだろうか。また、上記のように千手観音が武装解除していることを誇らしげに吹聴してきたにも係わらず、本部神殿に御神体として掲げられた観音図が武器を持っていることを客にはどのように説明してきたのだろうか?

 「御神体」というのはその教えを信仰する者にとって最も大切なものであり、”唯一無二”なものである。「参拝の栞」132ページには、「神世界の主宰神は十一面千手観音菩薩御本霊が主宰神である」と明記されている。主宰神とは一般的にいう御神体のことだ。「参拝の栞」の巻頭には主宰神である十一面千手観音菩薩御本霊の図が掲げられており、その図は岡田茂吉が描いた千手観音図、つまり武装した千手観音図そのものだ。神世界本部の神殿に掲げられている御神体は、もちろんこの武装した千手観音図だ。つまり、神世界の御神体は「武装した千手観音図」が本来定めたものであることが分かる。それにも係わらず神世界新聞裏面には「武装解除された千手観音図」、つまり御神体ではない観音図が描かれている。
 神世界は、裁判が始まってからは手のひらを返したように、「神世界は宗教だ」とのたまっているが、本当の宗教であればこのように御神体の扱いがずさんであることは考えられないことだ。こうした点からも神世界には宗教を名乗る資格もないことが分かる。
 誰かさんの思いつきで、行き当たりばったりの運営をしているからこのようにちぐはぐなことが随所で起きてくるのだ。


創刊号裏面に「武装解除された千手観音図」を重ねてみた。




表(おもて)面に掲載された千手観音図(下図)は「武装した」千手観音図だ。
(世界救世教教祖・岡田茂吉が描いたオリジナル。ただし左下の落款は変造されている)