神世界サロンで働いていた

 下記文章は、「ヒーリングサロン告発掲示板」[4999] に、「まだサロンでスタッフをしている方へ」と題して元住み込みスタッフさんが書かれたものです。
 神世界サロンで働いていたスタッフがどのような環境に置かれ、そこでどのようにマインド・コントロールされていったかを読み取ることができます。

 いまこれだけ明晰に当時の自分を振り返り分析ができる彼女ですら、神世界の手法に嵌れば、坂道を転げ落ちるようにして神世界に取り込まれてしまった点に注目して頂きたいと思います。
 ”出会ってしまえば誰でもが騙される危険性がある世界”、それが神世界というカルトです。

 私のように内情をよく知らない者が外野から神世界を論じているのではなく、実際に神世界に深く係わってきた彼女が自分の経験を通して神世界を論じている下記の内容をお読み頂けば、神世界という組織がいかに異常であり、許し難いものであるかを知ることができます。

まだサロンでスタッフをしている方、
あなたがこの掲示板を目にすることができていることを願いながら書き込みします。

私の話を聞いてください。
私は、某系列で、サロンに長らく住み込みながらスタッフをしていた者です。
今は完全にサロンから離れ、普通の生活に戻ることができています。

当時は一人暮らしをしていたのですが、スタッフになってしばらく経ってから、サロンに寝泊まりするようになりました。
家賃を払っているにもかかわらず、殆ど家に帰ることもできなくなり(休みなし・早朝深夜勤務だからです)、家賃を払う位なら御玉串にと言われ、借りていた部屋を引き払い、自分の私物も全てサロンに提供しました。気付けば自分の部屋どころか帰る場所もない、居場所もない、荷物すら置く場所がない、「住所不定」の状態で生活するようになりました。
もう帰る場所もなく、身軽なのを良いことに、サロンからはしょっちゅう異動の命令があり、あちこちのサロンに移動させられました。
これは私だけではなく、周りのスタッフ皆に共通していたことです。

いま振り返ると完全に異常です。でも、慣れって怖いものです。サロンに嵌っていた時は、神様を信じて必死だったので、それくらい必死になって当たり前と思っていました。また、そうしないといけない位、自分は重いと思い込まされていました。

私がサロンで送っていた生活の一部を紹介します。

サロンに提供した家具等の私物以外で、場所を取るようなものは全てサロンのマンションのトランクルーム、又は自腹で借りたトランクルームに詰め込みました。
サロンに住み込みと言っても、自分の部屋などもちろん与えられません。取次用の部屋で寝泊まりです。従って、荷物や私物を部屋の中に置くことは一切できません。最低限の着替えや洗面用具などは旅行カバンに入れ、サロン内のクローゼットやバスルームにしまい込んでいました。
(写真はイメージです)
ベッドももちろんありません。お客様や他のスタッフが帰ってから、リビングのソファに寝ていました。途中から、サロンの経費で布団が用意され、それからは毎日布団を上げ下げして寝るようになりました。その布団は、サロン営業中はクローゼットの中に押し込まれています。布団を敷いて寝る場所は取次用の部屋か、リビングです。
毎日毎日、これの繰り返しです。夜はお客様や他のスタッフが遅くまでいて、12時前に寝ることができないのに、朝はとても早く、いつも寝不足でした。
休みも殆どありません。休みをもらっても、ゆっくり休める場所がありません。時には自腹でホテルに泊まりました。といっても、ゆっくり1泊2日できることはなく、実質数時間、やっと一人っきりになって休めると言ったところでした。
休みの日に何をしていたのか、どこに行っていたのかも監視されていました。
サロンを離れて別のことをすることが、ものすごいマイナスになると言われていたので、休みの日もおちおち休んでいられませんでした。実際、持たされていた携帯に何度も連絡が入り、100%の休みなど取れたことはありません。休みなのに、「いつまでにこれをするように」と言われ、宿題が出されるので、一人になってもサロンのことを考えるしかありませんでした。

食事は基本的にはサロンの中でまかなうこととなっており、食費もしっかり給料から引かれていました。でも、ちゃんとした朝ご飯やお昼ごはんや夕食をとれたことは数えるほどしかありませんでした。
メニューは、白飯と、佃煮。たまに野菜のおかずや汁物。当時は、「毒素の少ないもの」と言われていたので、そのような粗食も受け入れる努力をしていました。
食器類もまともなものはなく、ゆっくり食べられる場所もありません。こそこそキッチンの裏や洗面所で食べるしかありませんでした。最初の頃はとても情けなかったです。

私は子供の頃から、食事を大切にする家庭環境で育ってきました。食材も、食器も、場所も、雰囲気も、きちんとしたもので食事をすることが当たり前だったのに、サロンに住み込みをするようになってからはそんな酷い環境になってしまいました、最初はかなりショックでしたが、それも徐々に慣らされてしまいました。

季節が変わると、トランクルームから服を引っ張り出して衣替えをしました…。

テレビも、インターネットも全く見られない環境でした。
読書すらする時間がなかったです。許されなかった、と言ったほうが適切かもしれません。

24時間365日、サロンの中に身を置かされ、監視され、サロン以外のことは考えられないようにさせられていました。

今、振り返ると、自分でも信じられません。よくあんな生活ができたものだと思います。普通の感覚なら、3日間でもご免です、と耐えられないはずです。

では何故そんな環境に長らくいられたのでしょうか。
マインドコントロールされ、完全に麻痺していたからです。
もちろん、そんな生活環境を、最初から自ら望んでいたのではありません。そうするしかないように誘導されていったのです。

私は今、ちゃんと自分の居場所を持っています。
自分の部屋があり、ベッドがあり、机があり、たんすがあります。
洋服はきちんときれいにクローゼットに入っているし、バスルームに物を隠す必要もありません。
とても快適です。こんな当たり前のことも許されていなかったことを思うと、情けなさと怒りがこみあげてきます。
今は好きなインテリアに囲まれ、好きなものを飾り、きちんとした食事をとり、きちんと働いてきちんと休みをもらってお給料をもらっています。
会社から私に支払われたお給料は、私の必要なものに、好きなものに、好きなように使っています。今私に給料を支払っている会社の商品の購入に毎月何万円も支払うことは、決してありません。サロンとは大違いです。サロンにいた頃は、お給料の大半をサロンのために使っていました。使わなければいけない環境にあった、と言ったほうがよいでしょう。

さて、あなたは、サロンから毎月もらっているお給料のうち、毎月何%をサロンに支払っていますか?
よく考えたらおかしな話ですよね。貯金も許されないはずです。貯金ができないようにされていませんか?

私がまだサロンに嵌っていた頃、私の家族の者たちが、何度も忠告をしてくれました。今思えば私がかえって頑なにならないように随分気を遣いながら接してくれていたのだと思います。神様は本当かもしれないけど、という前置きをした上でよくこう言ってくれていました。

「でもね、今のあなたのその生活で本当に幸せなの?」と。

当時は、幸せだと思っていました。でも、今振り返れば、そう思いながらもやっぱり不満や不信に思うことはあったはずだったと思います。変な意地とでもいいますか、自分が一度決めたことだから、もう後には引けないという気持ちもあったかもしれません。

私がサロンを辞めることができたのは、家族の協力があったからです。家族からの呼びかけがあったからこそ、時間はかかりましたが目が覚めました。
私の家族は、私がスタッフだった頃、決してサロンに対して敵意を表してはいませんでした。サロンにもお金を払ったことがあります。でも、今思えば、全て娘の様子を見るための必要経費と思っていたのでしょう。昔も今も、決してサロンに殴り込みをかけたり、大騒ぎをしたりはしていませんが(そんなことよりももっと有効な方法があるので)、いざという時はサロンに対して行動を起こすことのできる家族がいることに、そして今まで見守ってくれていたことに、今は本当に感謝しています。

あなたのご家族の方々も、同じ気持ちでいるはずです。

あなたには複雑な気持ちもあるのでしょう。
きっと私には理解できます。
それでも、真実はひとつ、サロンはおかしいです。
いや、サロンはおかしい、と私が言えば言うほどあなたは違う!とおっしゃるかもしれませんね。

でも、どうかこれだけは耳を傾けて下さい。

私はあなたと同じように、サロンに嵌り、家族に反発しながらも粘り強く見守ってくれた家族の協力のおかげで抜け出すことができ、真実に気づき、今、やっと幸せになれている元スタッフです。



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