写真はイメージです |
■死者等が出ていた事実
それらの事件・事案を山梨県警がその都度適切に捜査をしていれば、もっと早い時期に神世界の問題点が明らかになり、神世界グループによる一連の霊感商法詐欺事件が未然に防止できていた可能性がある。 一連の事件を看過した山梨県警の責任は重い。観音会代表(斉藤亨の父親)が山梨県警のOBであったために、県警は捜査をためらったのか? 山梨県警の捜査にも問題はあったが、御霊光なるものに何ら病気を治癒させる力などないのに、あたかもそのような力があるかのごとく会員を誤信させ、金儲けの為には人命をも粗末に扱ってきた千手観音教会と神世界幹部の責任が厳しく追及されねばならないのは言うまでもない。 |
■「奇跡話」はねつ造だった事実 |
■「神霊能力」は単なるパフォーマンスだった事実 |
■被告全員が、組織的詐欺を認めた事実
彼らが有罪を覚悟してまで起訴事実を認めざるを得ないところまで追い込まれたのは、詐欺であることが歴然とした事実を次々と突きつけられ、裁判所も組織的詐欺への訴因変更を認めるなど被告に厳しい状況となり、もはや言い逃れはできなくなったと判断するに至ったのであろう。有罪判決は免れないと悟り、弁護人は新たな作戦に切り替えたことが被告等の発言から伺える。 ●被告等の発言 杉本明枝被告 (起訴)事実は認めます。 しかし、詐欺をする目的のために宗教活動を行っていた訳ではありません。 (2011.12.6 第8回公判) 斉藤亨被告 (起訴)事実はその通り、間違いありません。 でも、私たちの宗教活動が全て詐欺だったという訳ではありません。 (2011.12.6 初公判) 佐野孝被告 (検察官が述べた起訴事実は)間違いありません。(起訴)事実については認めます。 ですが、私が長年行ってきた宗教活動は、すべてが詐欺ではありません。 (2011.12.8 第4回公判) 淺原史利被告 (検察官が述べた起訴事実は)間違いありません。(起訴)事実については認めます。 ですが、御神業、一般的な言い方をすると、“宗教活動”は、すべてが詐欺ではありません。 (2011.12.8 第4回公判) 淺原嘉子被告 検察官が述べた起訴事実は)間違いありません。(起訴)事実については認めます。 ですが、御神業など、“宗教活動”は、すべてが詐欺ではありません。 (2011.12.8 第4回公判) ●発言の真意 上記の通り、被告5名は組織的詐欺として起訴された内容については全面的に容疑を認めた上で、”宗教活動の全てが詐欺だったのではない”とする趣旨の言葉を付け足した。 しかし、これは極めて不可解な発言だ。裁判長もその真意がよく分からなかったようで、盛んに首をひねっていた。 被告等は、現在”組織的詐欺”の罪で裁かれているのだ。その法廷で、検事が述べた組織的詐欺の被疑事実を被告等が全面的に認めたということは、被告等は金を詐取する目的で一連の「宗教行為まがいの行為」を演じてきたことを、全て認めたのだ。つまり、被告が起訴事実を認めたということは、神世界が行ってきた一連の「宗教行為と称する行為」全てがインチキであったことを認めたのと同意なのである。もし仮に、「御神業の一部は詐欺を目的にしたものではない」というのであれば、その部分は否認して今後の裁判で明らかにしていくのが当然なのだ。しかし弁護人等も含め、誰一人としてそうした一部否認は行わず、全面的に組織的詐欺の事実を認めた。 では、被告等がこのように不可解な発言をした真意はどこにあるのだろう?それは次のようなことだと思われる。 @なんとか裁判官をごまかそうと頑張ってきたが、裁判所が組織的詐欺への訴因変更を認めたことから考えて、被告等が有罪になるのは100%間違いない。 A有罪が免れない以上は、全面的に容疑を認め、「反省の態度」を裁判所に示す方が有利だ。刑を少しでも軽くするためには下手に争わない方がよい。 B起訴事実を全て認めた以上、組織的詐欺の罪が確定し、実刑が下されるのは覚悟する。十数年の実刑にはなるだろうが、詐欺罪では命まで取られることはないので我慢する。 C起訴事実は認めるが、法廷にはたくさんの支援者が傍聴にきているので、今後のために、「御神業の全てが詐欺だったのではない」とするコメントを付け足すのを忘れないようにする。そのようなコメントを付け足しても、裁判所に対しては何の力にもならないが、馬鹿な会員らを引き続き騙す効果は期待できる。 D公判の内容はニュースやネットでも公開されるだろうから、「御神業の全てが詐欺だったのではない」という言葉を見た馬鹿な会員等は、引き続き神世界や観音会に留まってくれる可能性がある。一部の被害者に返金して「反省の態度」を示さねばならず、支払った金を残存会員からまたかき集める必要があるので、今後も馬鹿会員らを大切に温存していく必要がある。 ●起訴事実を認めた後の神世界 裁判で教祖以下、全ての被告が、神世界は”神世界グループ”として組織的詐欺を行ってきたことを認めた。普通に考えれば、神世界はこれで”おしまい”になる運命だ。 ところが、まだ逮捕されていない残党連中は、鼻息荒く今でも活動を続けているというから本当にタチが悪い。この期に及んで、まだ目が覚めない会員も困ったものだが、被告等が組織的詐欺を認めたことを知りながら、未だに活動を続けている経営者や幹部連中は、自分たちが行っている行為が”組織的詐欺”という犯罪行為であることを100%知っていながら活動しているのだから、悪質さに於いては一級品だ。 杉本明枝被告の弁護人は、被告が起訴事実を認めた理由を、「被告は反省しており、起訴事実を認めることにした」と語ったが、それはあくまでも裁判所向けのパフォーマンスでしかないことは、残存部隊の言動を見ていれば一目瞭然だ。神世界は反省など、何一つしていない。 もちろん、そうした悪質な残存部隊の連中に対して、捜査当局が手をこまねいている訳ではない。捜査に係わる内容は、私とて詳細に把握している訳ではないが、現在でも活動している者たちは、常に監視されていると思っていいだろう。 各人が情報端末を所有する現代にあっては、内部情報を完全にコントロールすることは不可能と考えて行動すべきだ。 |
■神世界は何ら反省などしていない事実 |
2012年1月1日には多数の人間が集まっていた |