大本(教)

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 関西地方に在住している方から興味深い新聞記事が送られてきた。その記事は、2011年8月8日(月)の京都新聞朝刊に掲載されたもので、京都府亀岡市にある大本(教)の祭典の様子を報じたものだった(右記写真)。
 大本(おおもと)は日本に於ける新興宗教のルーツとなった宗教団体で、出口なお、出口王仁三郎によって創設された宗教団体だ。一般的には「大本教」と呼ばれているが、正しくは“教”をつけずに「大本」が正しい名称だ。大本についての詳しい内容は、Wikipediaの大本を参照していただきたい。

 この記事のどこが興味深いかというと、朝刊51万部、夕刊31万部を超える発行部数を持つ地方紙が、こうした宗教団体の祭典の模様を”普通に”報じている点だ。これは地元では大本が安定した宗教団体として位置づけられており、地域に根付いた活動をしている証拠なのだろう。これが、”霊感商法”や”カルト”などと騒がれるような怪しげな団体であれば、祭典の様子が一般紙の記事として掲載されることは絶対にないだろう。山梨日日新聞に神世界の祭典の様子が掲載されることなど、天地がひっくり返ってもあり得ない。

 (有)神世界のルーツである世界救世教という宗教団体は、この大本から分派してできた団体だ。神世界の前身は千手観音教会であるが、現在の観音会代表・S藤H保氏や、その息子である神世界教祖・S藤Tは、以前は世界救世教信者であったことは周知の事実である。つまり、神世界は世界救世教や大本の影響を受けた部分が残っていてもおかしくないということだ。
 京都新聞の記事を読んでみると、大本の代表は”教主”という称号で呼ばれていることが分かる。神世界にも「教主」という肩書きがあるのは、この辺りにルーツがあるのかもしれない。記事には大本が「みろく会館」という建物を新築したともあり、「みろく」という名称から神世界の(有)みろくを連想してしまうが、”みろく”という言葉は「弥勒菩薩」など、日本の宗教界ではよく出てくる言葉である。大本と神世界は直接的な関係は全くないので誤解のないようにお願いしたい。
 そして新聞に掲載された写真を見てみると、神世界の祭典とは全く違う状況を確認することができる。御簾を飾った祭壇の様子などは神世界の祭壇と似たところもあるが、大本の祭典では、祭壇の前に並んでいる信者は全て男性であり、それもかなりの年配者の姿が目立つ。神世界の祭典では、ここに並ぶ者は大多数が女性である。
 神世界がなぜ女性をターゲットに客集めをしてきたか。その理由はただ一つ。女性の方が騙しやすかったという一語に尽きる。
 神世界は、今になって慌てて「宗教」の仮面を被り、刑事訴追、民事訴追を逃れようとしているが、コウモリのような変わり身の術によって裁判所の目を騙すことは到底不可能だ。神世界がこれまでに行ってきた悪事の数々は、調書と各種証拠、これから行われる証人尋問によって明らかにされていくだろう。

 観音会は新たな本殿を建て、宗教法人格取得も目指すということなので、ひょっとしたら大本のような団体になることを目指していたのかもしれないが、神世界の残党ばかりを集め、神世界との関係を引きずったままの状態では、到底まともな宗教団体になることはできまい。例え自分の息子であっても、過ちを犯した者にはきちんと責任を取らせることが親の務めであり、そうした常識的行動ができる者でなければ、宗教団体の長となる資格はない。


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