神世界事件控訴審(斉藤亨被告の控訴審)

(最終更新日時:2012年10月19日 22:20)


1、斉藤亨 控訴審(第1回)

(斉藤さん、全然似ていなくてスミマセン!)
写真送ってくれたら差し替えます。

控訴審の法廷にたたずむ斉藤被告
2012.10.16 東京高裁805号法廷


東京高等裁判所刑事第10部
805号法廷
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平成24年(う)第1239号
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収
益の規制等に関する法律違反
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平成24年10月16日 11:30〜12:00
裁判長 村瀬 均
裁判官 河本雅也
裁判官 池田知史
検察官 山下 司
被告人 斉藤 亨
弁護人 三木祥史
弁護人 綱取孝治


控訴審での法定内の人物配置
(クリックすると大きくなります)
 2012年10月16日(火)、午前11時30分から斉藤亨被告(53)の控訴審が東京高裁で行われた。
 神世界グループトップである教祖・斉藤亨は平成24年5月1日(火)、横浜地裁で懲役5年の実刑判決を受けたが、量刑を不服として高裁に控訴し、この日の公判となった。神世界関係者に対する控訴審はこれが初めてだ。
 横浜地裁で行われた神世界事件に関する一連の公判では毎回多数の神世界関係者が傍聴に動員され、大半の公判が傍聴抽選券対象になった。中でも、斉藤亨被告が出廷する公判は特に神世界側の動員が多かった。これは被害者や「反対者」を傍聴席に入らせないようにするための「締め出し作戦」でもあったのだろう。しかし私は裁判所に足を運んだ全ての公判を傍聴することができた。
⇒神世界では私(fujiya)のことを「反対者」と呼んでいた。fujiyaという名前を出すと、誰かがその名前をネットで検索して「ヒーリングサロンによる被害」のHPを発見する危険性があったため、敢えて名前は出さず「反対者」という呼び方をしていたそうだ。
 この日(10/16)行われた斉藤亨被告の控訴審にも、第一審のように多数の神世界関係者が押しかけるのかと思われたが、蓋を開けてみると全く違っていた。
 この日、斉藤亨の控訴審を傍聴しにきた神世界関係者はごく僅かで、おそらく10名程度だったと思われる。第805号法廷の一般傍聴席は42席あったが開廷時にはかなり空席も目立った。この日の控訴審を傍聴したのは全体で34名で、34名中10数名は被害者や被害対策弁護団、警察関係者であり、一般の”傍聴マニア”らしき人も数人混じっていた。それ以外の者が神世界側関係者だったが、あの大量動員からは打って変わり、この日傍聴に来ていた神世界関係者はほんの一握りの者だけであった。神世界関係者の顔ぶれはいつもの白髪頭の年配女性の他は幹部クラスの者は誰も来ておらず、神世界も急速に勢いを失っている感が強かった。

 控訴審が行われた東京高裁第805号法廷は、これまでの法廷とは左右が入れ替わり、裁判長に向かって右側に検察官、左側に弁護人が着席していた。  2名の弁護人は、これまで神世界事件を担当してきた弁護士ではなく新しい弁護士に代わっていた。風の便りによると、神世界側顧問弁護士を務めてきたS弁護士は9月中旬に急逝したとのことだ。第一審を担当してきた尾崎弁護士等は、被告全員が有罪判決となったことから解任されたのだろうか?  新たに弁護人となった三木祥史(みきよしひと)弁護士は、最高裁判所司法研修所教官を務めるなどしてきた人物だ。関係者に確認してみたところ、三木祥史弁護士も綱取孝治弁護士も、これまで神世界側弁護人を務めてきたK弁護士のような「悪徳弁護士」ではないとのことだ。

 斉藤被告は弁護人席前の長いすに座っていたので、私はその直近の傍聴席に座り、終始斉藤の表情や仕草を観察することができた。この日の斉藤被告は、私が初公判で初めて見た斉藤の姿とは随分違っていた。顔の血色もよく、髪の毛も手入れされており、服装は黒地にピンストライプの入ったスーツ、白カッターシャツ、黒地に白の斜線が入ったネクタイを締め、終始姿勢を正していた。なかなか元気そうなので、長期間の刑務所暮らしにもきっと耐えることができるだろう。収監されて落ち着いたら、ぜひ私も面会をさせてもらおうと思っているので、その時はよろしくお願いしたい。


11:28開廷
■裁判長:少し時間が早いですが始めます。被告人は前へ。
⇒斉藤被告が弁護人席前の長いすから立ち上がり、証言台の前に立つ。
■裁判長:名前は?
斉藤被告:斉藤亨です。
■裁判長:生年月日は?
斉藤被告:昭和32年10月28日生まれ。
■裁判長:本籍は?
斉藤被告:山梨県甲斐市18番地・・
■裁判長:「玉川18番地」では?
斉藤被告:玉川18番地です。
■裁判長:いま住んでいるところは?
斉藤被告:世田谷区砧4丁目38−4 ●ランド●ラス●●●号室
■裁判長:今仕事は何を?
斉藤被告:現在無職です。
■裁判長:座っていてください。

■裁判長:本件控訴の趣意
9月6日付の趣意書・・・、及び10月10日付の補充書が出ておりますがこの通りですね?
斉藤被告:はい。
■裁判長:補充書の趣旨としては事実誤認の主張をされていますが、要するに本件は未必的故意にとどまると、こういう主張の範囲内で主張されるということでよろしいですね?
斉藤被告:はい
■裁判長:要するに「補充書」ですから、これ以上新たな主張はないですね?そういうことでよろしいですね?
斉藤被告:はい。
■裁判長:検察官のご意見は?
山下検察官:弁護人の控訴趣意・・控訴棄却を・・します。
■裁判長:(予め提出されている書面をめくりながら)事実の取り調べの請求・・、弁護人の方から書証が・・、書面請求・・・・・
■裁判長:検察官の方からは、書証を起こそうと考えていますか?
山下検察官:いいえ。
■裁判長:弁護人の請求については?
山下検察官:書証はいずれも同意します。証人尋問は必要ないと思います。被告人質問は現判決後の情状に限定した範囲内でのみ然るべく。
■裁判長:弁護人は?
三木弁護人:よろしいです。

⇒この後しばらくの間、裁判官と弁護人の間で提出書面の確認作業が行われた。

■裁判長:証人申請については裁判所も必要ないと判断します。被告人質問は原判決後の範囲内で、情状に限って10分程度簡潔に聞いてください。
三木弁護人:はい。
■裁判長:被告人は前に出て。座っていいです。

⇒斉藤被告は証言台に移動し、証言台の椅子に座った。緊張で身体がスムースに動かないのか、一連の動作は緩慢だ。


三木弁護人:では、弁護人の三木からお尋ねします。今回、あなたは一審で懲役5年の実刑判決を受けて、現在控訴をしているが、一審判決で不服な点というのはどういう点ですか?
斉藤被告:一審では、初めからこの組織が詐欺であるかのようになっており、また、神霊鑑定というものは、詐欺をやるための手段であったかのように、はじめから詐欺をやるためのものであったようになっております。それが事実と違うと主張したいということです。ですから5年は重いのではないか、そういう風に考えて控訴しました。
三木弁護人:一審では公訴事実自体は認めてらっしゃるんですけれども、どのような範囲で事実は認めているということになりますか?
斉藤被告:当時私が全体を知ることはほぼ不可能に近い状態でしたので、各社でどういうことが行われているということについては、あまり知らなかった。神霊鑑定士にしても、能力が低いという人がいるということも薄々は感じていましたが、どういう状況でそれが行われていたか十分把握していなかった。その辺でまた、私が当時全国に拠点を作り、拡大し、売上を上げるように言ったことでそれが原因だと・・。能力の低い神霊鑑定士でも現場では・・・・そのようなことが行われたのではないか。それが(私の)一番大きい責任ではないかと思っております。
三木弁護人:そうすると本件で公訴されている事件のように、神霊鑑定士が鑑定能力が十分ではないのにあるかのように装って詐欺をしたと、それ自体は事実として認めるということですね?
斉藤被告:はい、そうです。
三木弁護人:それ以外にも神世界というところでは「御霊光」、「御祈願」、「お浄め」という活動をしていましたね?
斉藤被告:はい。
三木弁護人:御霊光というのは、これは真正な宗教活動とお考えですか?
斉藤被告:その通りです。

三木弁護人:時間の関係で詳しく聞くことはできませんが、宗教活動としてはきちっとした、本来はちゃんとした団体であるという趣旨ですか?
斉藤被告:はい、その通りです。
三木弁護人:御霊光によって神様から救済されるということだと思うのですが、大体の会員の人数はどれくらいですか?
斉藤被告:当時の正確な数は把握してませんが、当時の幹部の人達から聞いた話から想像すると、御霊光ををいただいているだけという人を入れますと、大体1万人くらいじゃないかと思っています。
三木弁護人:そういった人達全員が詐欺であるとは考えていない?
斉藤被告:はい。

三木弁護人:本件では神霊鑑定が問題になっているんですけれども、神霊鑑定以外の点で問題になったということは感じていますか?
斉藤被告:はい。活動のメインは神様からの御霊光によって運気を上げる、体の調子を真の健康にするということがメインの目的でありまして、それが一番大きい活動です。一番の主要なものでありましたが、それでも私の当時の状況は、御霊光の取次の状況とかについても全部の状況を知ることはできない状態でした。でもやっぱり今考えますと、末端の一番目の届かないというか、末端のところで行われる職員とかスタッフなどについては、「絶対に良くなる」など極端な表現をして勧誘をしたり、指導したこともあるのではないかということは思います。
三木弁護人:あなたとしてはその点も含めて十分に反省しているということですか?
斉藤被告:はい。

三木弁護人:神霊鑑定というのは、神世界の活動の中ではどのような位置づけ?
斉藤被告:先ほども言いましたように、神霊鑑定はメインのものではなく、中心となるのは神様からの御霊光による運気の向上などであります。神霊鑑定というのは、神霊鑑定士がその方の悩み事に応じて神霊からのメッセージを受け、そうしてそれによって御祈願とか御霊光そういう風な指導をするものと思います。
■裁判長:時間かかりますか?
三木弁護人:もう少し
三木弁護人:当初、神霊鑑定をする人は何人くらい?
斉藤被告:私が認めた神霊鑑定士は2人であります。その後、神霊能力開発講座によって、十数人かそれ以上の人が受講しまして、実際にその中から神霊鑑定ができるようになった人は数人だったと思います。
三木弁護人:その方達が問題であったということですね?
斉藤被告:はい。
三木弁護人:あなたは、教主という立場だった。その当時そのことをわかっていた?
斉藤被告:そのようなことが行われていたことは知りませんでしたが、神霊鑑定士によって売り上げが十分に増えたきた状況から見て、各社では神霊鑑定が盛んにおこなわれてことは知ることはできましたし、また神霊鑑定士が末端ではどのようなことをやっているかは知りませんでしたが、末端では何かあるかもしれないなみたいなことは感じていました。
三木弁護人:そういう点についても十分に反省しているということですね?
斉藤被告:(声は発せず小さく頷く)

三木弁護人:ちなみに売上を伸ばす指示をあなたはしたようだが、それはどういう目的で指示をしたんですか?
斉藤被告:全国に拠点を作って、神様の力を、救いを広げていくということ。その拠点を100か所以上各社作りましたので、相当な金額が必要になった。さらに総本部、美術館を建設するという方針もありましたので、そのために美術品、宝飾品、世界救世教教祖のお肉筆などを集めて美術館に展示しようと思っていた。そのためにお金が必要だった。
三木弁護人:美術品、宝飾品を集めたのは、前判決ではあなたの「私利私欲のため」となっているが、それは違うということ?
斉藤被告:それは違います。
三木弁護人:では、どういうことですか?
斉藤被告:美術品、宝飾品を展示することで、見る人の感性・品性が向上することを目的としていました。

三木弁護人:示談についてお尋ねします。
三木弁護人:神世界では、これまで被害者からの請求に対して示談ないし和解で殆ど請求に近い金額を返しているということでよろしいか?
斉藤被告:はい
三木弁護人:原判決後も、これまで民事1億2千万円余りの請求に対して、1億1千万円の金額を払っているということですね?
斉藤被告:はい
三木弁護人:今回また証拠に出しているが、更に98名から総額4億1233万円あまりの請求をされているが、それについてはどう対応するつもりですか?
斉藤被告:現実に受け取ったことを確認できれば、全額返済はしてもらうつもりです。
三木弁護人:全額返済をするというのはどういう理由から?
斉藤被告:本来神世界の教えでは、お金を返してほしいという方にはお金を返すという単純な教えがありまして、それに基づいてお金を返すという風に考えていた。
三木弁護人:こういう問題になる前からそういう姿勢であったということ?
斉藤被告:その通りです。
三木弁護人:それはあなたの教えにも通ずること?
斉藤被告:そうです。
三木弁護人:最後にもう一点。会社の解散について。
三木弁護人:神世界グループ各社は、7月11日付で正式な解散公告を出していますね?
斉藤被告:はい。
三木弁護人:今後解散をして、あなとしては宗教活動についてはどうしていくつもりですか?
斉藤被告:今後は宗教活動はしない。しかし神を信じ、信仰は続けていくつもりであります。
三木弁護人:あなた自身は今後宗教活動を対外的にはしなくても、あなたの周りにいた幾人かの人達が今後も同じような活動を続けようと考えた場合、あなたはどう対応するのですか?
斉藤被告:私は今、完全に引退しておりまして、幹部の人たちにもはっきり言いまして、私は基本的に神世界のお守り、御神体、神書は絶対に使ってはいけないというふうに厳しく命じました。ただ、「信仰の自由」というものがありますので、個人の動きまでは・・。
三木弁護人:あなたとしては神世界の御神体などを使ってはいけないとしたので、あなたの関連でまたこういったことが起きることはないという理解でよろしいか?
斉藤被告:絶対にありません。

綱取弁護人:先程、お金を返してほしいという人がいた場合には返すという神様の教えであると述べられたが、今回の事件では、当初、(当時の)弁護人の判断に従って、被害者に対する支払いを拒んだ時期があったね?
斉藤被告:はい。
綱取弁護人:その辺のあなたの心情、認識ってどういうことだったのですか?
斉藤被告:もともと宗教の教えとか活動と、社会のルールは別に考えていまして、いくら神様の教えといえども社会のルールはしっかり守らなければいけないと思っていました。ですから今まで経理はしっかりやっており、金銭の不明なものは一切なく、何の狂いもなくやってきました。
そして、法律的なことについてもしっかり守ってきたつもりでおりましたけれど、民事において訴訟になりまして、そういうことから、やはり法律の専門家にお任せした方が最善ではないかとそう思い、依頼することにしました。その結果、当初は返金することはなかなかできませんでした。

⇒【解説】斉藤が言いたいのは、「私は法律を守る意思があった。民事訴訟が起こされたので、法律の専門家である弁護士に依頼した。ところが当時依頼した弁護士が返金に反対していたので被害者に返金ができなかった。悪いのは当時の弁護士であり、私は悪くない」ということ。

綱取弁護人:すると神様の教えがあっても、社会の規律とか、社会の専門家の意見があればそれを尊重するという姿勢であるということですか?
斉藤被告:はい、その通りです。

■裁判長:以上でよろしいですか?

三木弁護人:弁護人としては今、示談を進めており、12月いっぱいか1月初めくらいまでには今請求されている人たちと示談できると考えています。出来ましたらもう一回期日を指定していただきたい。
■裁判長:(この先変動する要素があるのは)示談の関係だけですので、先に(判決の)日時を決めまして、それまでに(示談内容等の)状況が変わったら事前に裁判所に(書面を)出して連絡していただきたい。

■裁判長:検察官の方から、被害者の意見陳述(書面)があるんですね?
山下検察官:はい。

⇒弁護人も同意したので、検察官が被害者の意見陳述が記載された書面を裁判長に手渡した。書面による意見陳述をしたのは、ある神世界被害者の女性だ。

⇒この後、次回期日(判決)の日程調整が行われた。弁護人の都合がなかなか合わず、期日が決定するまでに二転、三転したが、最終的には12月6日に決定した。

■裁判長:それでは判決は、12月6日木曜日の午後1時半、法廷はこの法廷です。

11:54閉廷



被害者の感想(1) 投稿者:ブレイク

 斉藤亨被告の控訴審を傍聴した。
 斉藤被告は「教主」という神世界のトップに君臨していた男なのだから、もっとしゃんと芯の通った人物で、人間的にも大きな器の持ち主かと思っていたが、目の前で見た斉藤被告の姿、彼が話す言葉には全くオーラがなく、そこに居たのはただの「オッサン」でしかなかった。外見も話し方も、斉藤の後ろに座っていた三木弁護士の方がよほど素敵だった。

 弁護人の質問に答える斉藤被告の話し声、話し方を聞いていると、教祖としての威厳は皆無で、ボソボソと低い声で答える彼の様子からは、犯罪者の雰囲気が濃厚に漂っていた。
 ひょっとすると、あのボソボソとした精気のない話し方は、ショボーンと反省している雰囲気を醸し出そうとした演技なのかもしれないが、もしそうであればとんでもない大根役者でしかない。口では「反省している」と言っているが、聞いている者には彼が反省しているとは全く聞こえてこないし、心に伝わってくるものは何もなかった。

 傍聴席には神世界側の女性が数人来ていた。被告全員に有罪判決が下されても、まだ目が覚めないのは”自己責任”、”自業自得”と言われても仕方がないとも思ったが、未だにこんな男に騙され続け、傍聴席で必死にメモを取るおばさん達の姿を間近に見て、同じ女性として哀れにも思った。見方を変えれば彼女等も被害者なのだ。できることなら今からでも遅くはないので、斉藤らの操り人形として貴重な人生を終わりにするのではなく、自分の人生を生きてほしいと思った。

 斉藤被告自身は現在は引退していると言っていたが、こうして必死にメモを取っている連中はこれからも形を変え活動を続けて行くのだろう。神世界事件が一定の解決に至り、マスコミによる報道は下火になっても、このサイトがなくなることはない。活動を続けている者の中には子供がいる者もいる筈だ。今の若者はインターネット無しでの生活は考えられない。子供達はいつでも「親の過去」を知ることになるのだ。
 客観的に家族を観察できる年齢になった子供達は、どのような形で親の過去・現在を受け留めていくのだろう。

 人間は、一人で生まれてきて、一人で旅立っていく。
 悪行によってほんの一時の地位と経済的繁栄を得たところで、悪事が長続きした例しはなく、未来永劫そのような状態が続くことはない。
 斉藤被告は、詐欺行為は全て他の者がやったこととして責任を転嫁し、我が身の保身に全力を上げていたが、それが斉藤亨という人間の器なのだろう。他の者のことなど何とも思ってない姿が、この日の公判でも色濃く出ていた。
 時が過ぎ、世間が忘れてくれることをひたすら願い、ほとぼりが冷めれば、蓄えた資産によって優雅に、仕事もせずに過すことが最大の願望なのだろう。
 斉藤被告の辞書には「因果応報」という言葉が載っていないのだろうか?そんな斉藤被告に一つの書をプレゼントしてあげよう。返金すればそれだけで自分の犯した罪の償いができると勘違いしているあなたには、下記の書がよく似合う。




被害者の感想(2)

 組織のトップの言葉とは思えないと言うべきか、“この組織の”トップにはふさわしいと言うべきか、しばし頭を抱えて悩むと言ったらいいのか、腹を抱えて何とやらと言ったらいいのか、開いた口が塞がらないと言ったらいいのか、なんとも言い難い、混沌とした気持ちだ。
 あまりにも、・・過ぎて「絶句」。
 こんなところに所属していた自分が心底恥ずかしい。

 末端は、「自分以外のもののせいにするなっ!」と日々、教え込まれてきましたが?
 あなたは最高責任者ですよね?

 初めと違うから自分には責任がない?
 変貌してきたのなら統制するか、解散するか、辞任するかすればよかっただけのことをあなたがしなかっただけですよね。
 「何かに目が眩んでその座に居座り続けた自分」が事実であり、あなたにすべての責任があるのです。
 他に想像以上に悪が増殖したとしても、共存して繁殖していったことに変わりはありません。

 あなたの言う「責任」は、世間一般では「無責任」と言います。
 教祖様の主張を要約すると、「薄々感じていたが把握しようとしなかった、でも悪いのは能力の低い鑑定士だ、末端スタッフだ」、「なかなか返金できなかったのは弁護士のせいだ」となります。
 問題が生じたときに、部下や他人のせいにする組織のトップがどこにいるでしょう。
 この世でも神様の世界でも通用しないことを言っている、そんなのがこの組織のトップであり、実態です。

 そして何より、最悪なのが、「5年は重い」と言えてしまう無神経さです。
 反省も何もあったもんじゃありません。
 その5年以上、長きに渡って苦しんでいる人々がいるということを全く分かっていない。
 亡くなった方々もいるという事実を全く受け止めていない。
 返金されようが、関わりがなくなろうが、道を踏み外した事実は私たちから一生、消えないのです。
 そのことがどれだけ重いことなのか、たった5年の時間も耐えようとしないその無神経さには、さらなる厳罰を望みます。自分が現在進行形でしている罪の重さに気づかない者には、天秤が釣り合う結果をどうかお与えください。



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