(前略)
今回の事件が、「神奈川県警の不祥事」にばかり焦点が合ってしまい、被害者の存在を忘れたような報道には私も納得が行かないところです。
今回の事件は神世界の犯罪によって多数の女性が多額の金銭的被害を受け、精神的にも大きなダメージを被った霊感商法事件です。
吉田元警視や杉本明枝の問題など、被害の大きさから言えば取るに足らない問題です。
神世界側は企業のトップに焦点が合うのを避けるために、”人寄せパンダ”として杉本に記者会見をさせてマスコミの目をそちらに誘導したのではないかと思っています。
この事件は杉本のような枝葉の問題ではなく、この団体を陰で操り巨額の利益を貪ってきた教主・●藤亨をいかにして公の場に引きずり出し、裁きを受けさせるかが最大のポイントです。
一つは多数の被害者、一つは教主・●藤亨とその配下の会主等の幹部に焦点を合わせた報道が望まれますが、残念ながらそのような報道はごく一部のマスコミでしか行われておりません。
以上により、貴社がこの度、被害者から直接取材し神世界問題の神髄に迫った報道をしようとされていることは、ありがたく思います。
ただ、被害者の心理は非常に複雑であり、誰でもがマスコミの取材に気安く応じてくれる状態ではないこともご承知おき頂きたいのです。
神世界被害者の大半は女性です。ごく一部男性の被害者もおりますがそれは例外的存在です。
現在私のところには全国から●●●名以上の被害者から連絡が入っていますが、その99%は女性です。
そしてその大半が、「家族に内緒でサロンに通っていた」という事実があります。こうして神世界が霊感商法、詐欺商法であったことが明らかになった今でも、自分が被害にあったということが家族、特に夫に分かった場合は家庭内で大きな問題となり、離婚に至る危険性を感じて家族にはうち明けられないでいる女性がたくさんいます。
独身の方でも、自分がこのようなカルトまがいのものに騙されていたということが家族や職場の同僚に知られることは非常に辛いことであり、できれば隠しておきたいと思っている人が大多数です。
これまで神世界による被害申告が少なかった背景にはこうした事情もあり、実際にはたくさんの被害が発生していたのですが泣き寝入りする女性が多く、誰にも知られることなく被害が全国に拡がっていました。
ごく一部の被害者が消費者相談センターや警察に相談に行ったことがありましたが、対応はひどいもので、「そんなものに騙されて金を払ったあんたも悪い」という態度で応対され、二度と相談などしないと怒っていた被害者もありました。
こうした状態だったため、今回神奈川県警が捜査を始めた際も、
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(中略)
この間には、神奈川県警とのやりとりが記載されていますが、現時点で公開することは現在行われている捜査に影響するおそれがありますので、公開は控えさせて頂きます。
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(神奈川県警の担当刑事との)会談は無事終了し、3時間の話し合いを通して私は彼らを信用し、全面的に捜査に協力する旨を伝えました。
もちろん神奈川県警内部にいる神世界に通じた警視等の話も具体的に出し、それらの者が属する部署とは違う部隊が捜査を担当していること、事件に関与した警視等は警察の同僚だからといって手加減せず厳正な処分を行うことも確認した上です。
私は直ちに捜査に協力してくれる被害者を選択し県警の捜査への協力を依頼しました。神奈川県警はどんなに遠方でも被害者からの調書を取るために奔走しました。こうして捜査が急ピッチで進められ、着々と全国一斉家宅捜索の日が近づいてきました。
Xデーは2007年12月21日(金)と決まりました。
ところがXデーの2日前、12月19日の夕方に担当刑事から悲痛な声で電話が入りました。
神奈川県警の警視が霊感商法に関与していることを一部のマスコミがかぎつけ、「家宅捜索を行うまで報道を控えてほしい」と県警が申し入れたにも係わらず、”報道の自由”を叫んで報道を強行するようだという電話の内容でした。
そんなことをすれば神世界側に重要な証拠を処分する2日間もの時間を与えてしまうことになり、捜査は大きな打撃を受け、神世界トップの●藤亨を逮捕することができなくなる危険性がでてきます。
また数十億から100億と言われている客から奪った金も、2日もあれば大半の金はどこかへ隠されてしまい、被害者への返金ができなくなってしまいます。
しかしバカな記者はそうした影響を全く考慮せずに19日(水)夜にニュースを流してしまいました。
その後のことはすでに報道されている通りの展開です。
19日夜から私の所へ日本中のマスコミが全部押し寄せてきたかと思うほどの勢いで取材要請が殺到しました。
それ以後、現在までにマスコミ関係者との間で受信・送信したメールの数は250通以上になります。
被害者からのメールも爆発的に増加し、19日夜以後の一週間に被害者との間で交わしたメールの数はいまだに数え切れていません。ざっと300通は超えているのではないかと思います。
寄せられたメールには全て返事を出しています。被害者からのメールは深刻なものが多く丁寧な応対が必要なものが多くあります。2度、3度と段階的に気持ちを落ち着かせてあげる必要が多く時間もかかります。
マスコミ対応は私一人で全てに応ずることはとてもできませんでしたので、HPの文章、写真、画面撮影を自由にしてもらうことで切り抜け、リンク総合法律事務所で共同記者会見を開いてもらうようにしました。
一部のマスコミからは丁寧な取材申し入れがありましたので、私の方で個別に対応したケースもあります。
被害者へのインタビューを希望した社が多く、全てに応ずることはできませんでしたが、協力してくれそうな人に私からお願いして応じてもらったケースもかなりあります。
そうした時、●●●●社から私に対して取材依頼がきました。私はその●●●●社の記者に対し下記の返答を送りました。
メールを拝見しました。
私は、「ヒーリングサロンによる被害」のサイトを主宰しているfujiyaと申します。
私が●●●●社に対してどのような感情を持っているかはご存じなのでしょうか?
今回の神奈川県警による神世界関連施設への家宅捜査が、貴社の誤った判断(私はそう思っています)によって大きな打撃を受け、多くの重要な証拠が失われ、神世界トップを司法の場に引きずり出すことができなくなり、その結果、被害者に返済されるはずであった莫大な金もどこかへ隠され、結果として多くの被害者を苦しめることになるかもしれないことについて、貴社はどのように考えておられるのでしょうか。
まず、この件について明確なお答えを頂いてから、取材に協力するか否かを検討させて頂きたいと思います。
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(この文章を公開した時点では、「●●●●社からの返答はなかった」としましたが、この記事を公表後記者からメールがあり、翌日に返答のメールを送ってきていたことが分かりました。「迷惑メールホルダー」にメールが落ちてしまっていたためメールに気づかず、一時誤った内容を書いたことをお詫びします)
後日、●●●●社の記者から一連の経過を詫びる内容のメールがあり、その後電話で担当記者(報道を強行した記者とは別人)と話をした結果、了解点に達しましたので今後は●●●●社の取材要請も受け入れていくことにしました。
私がなぜこのような話をあなたにしているか分かりますか?
神世界の問題がどれだけ多くの問題を含んでいるかを知らずに取材しても、正しい報道はしてもらえないと思うからです。
もちろん紙面には限りがあり、全ての問題を報道できるものではないことも十分承知しています。
記者に意欲があってもデスクがそれを承認してくれなければ記事が出せないことも承知しています。デスクが了解しても会社の方針とやらで報道が止められる場合があることも知っています。
しかし、現場で取材にあたる記者が事件の問題点をしっかり把握していなければ、いい記事、つまり報道として市民に最も伝えなければならない問題点をえぐり出した記事を書くことはできません。鋭く問題点を捉えた記事はデスクをも納得させることができるのではないでしょうか。
私は報道機関の務めとは、報道の力によって社会を良くしていくことだと思っています。
私は神世界とは全く関係のない人間です。
偶然この問題を知り、たくさんの女性が苦しんでいるのを知りましたので放置しておくことができず、ここまでこの問題に取り組んできました。
私は一般のマスコミの方とは立場が違いますが、インターネットという媒体を使い情報発信を行っている点では、”ミニコミ”としての役割を果たしているのではないかと思います。
私の目的は社会からこのような詐欺商法、霊感商法をなくして安心して暮らせる社会を作って行くことです。
私の力は非力ですが、こうして神世界問題を世間に認知してもらうところまでくることができました。
マスコミの力は私などとは比較にならないほど強大です。
マスコミはその力を正しく発揮すれば、警察の力を上回る問題解決能力を持っていると思います。
神世界問題の解決にマスコミの力をお借りすることができれば私としても望む所です。
正しい方向に報道が行われるならば協力は惜しみません。
しかし、興味本位や、あらかじめ「会社の方針」で報道内容が決められている筋書きに沿った記事を作るような内容であれば協力はできません。
以上のことをご検討頂き、ご了解頂けるならば○○○○社・○○総局(県警クラブ)○○様の取材に協力させて頂きます。
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