6、杉本(吉田)明枝 第6回公判
(以下の第6回公判に関する記事は、公判を傍聴していただいた方のレポートを基に構成しました)
1 日時:平成23年10月27日(木)午前10時〜午後?時頃
2 場所:横浜地方裁判所第405号法廷
3 内容:元E2スタッフHの証人尋問
2011年10月27日(木)に行われた杉本(吉田)明枝の第6回公判は、元E2スタッフのHに対する証人尋問が行われた。
検察側は証人作成の報告書やメモ、ノートなどの同一性や記載内容の意味の確認のために証人申請したようで、 その点の立証はできていたと思われる。弁護側の反対尋問に対して証人は、「自分も他のスタッフも神様や杉本の能力を信じており嘘は言っていない」と述べるなど、証言を後退させたり、証言が曖昧になったりする場面もあった。
前回(10/25)の公判で、弁護側は訴因変更請求に対する意見を今回の公判で述べるとしていたが、弁護側は、「現時点ではまだ意見を述べられない」という内容の意見書を提出した。
尾崎弁護士がその概要を読み上げていたが、その理由の要旨は次のような内容だった。
@記録全部が開示されたわけではなく閲覧謄写が未了のため、証拠関係の検討ができていない。
Aこれまで5回の公判は単純詐欺として審理されており、検察側もこれまでに訴因変更には消極的な素振りを見せていた。
B開示された証拠が、仮に起訴時点で存在していた証拠であれば問題。
C訴因変更前後の事実は、法定刑も異なり、保釈条件にも影響する。
弁護側はこうした意見を述べていたが、裁判所としては次回公判(11/8)で、訴因変更の許否について決定するようだ。
●午前の部
●主尋問(大久保検事)(主として証人Hの証言を記録)
証人H:私はかつてE2の従業員であり、その前は客だった。
証人H:平成15年春頃より客、同年8月頃〜スタッフ。
証人H:スタッフ時代は給料を得ており、E2以外からの収入はなかった。
証人H:スタッフの給料は、生活に十分といえる程ではなかった。
証人H:給料は十分ではないが、スタッフとして働くことで運命が変わる、などと言われていた。
証人H:神様の手足になることが、御神業、神様との取引になる。杉本からの指導でそう言われていた。
証人H:働き始めた当初、杉本から「神様に莫大な借金があります。」と言われた。
証人H:金額は正確には覚えていないが、数百万単位だったと思う。
証人H:杉本は神霊能力で神様に聞いたらしい。
証人H:天秤の法則に関して、完全に釣り合っていない、と言われた。
証人H:釣り合わないとよくならない、子どもにも悪くなる、などと杉本から聞いていた。
証人H:ほとんどのスタッフもそうだと思う。
証人H:平成15年8月頃にE2のスタッフだったのは証人G、O田、M澤、K合とか。スタッフは4〜5人。
証人H:当時は青山の13Fにいた。
証人H:E2では、御霊光を受けに来る人のことを「お客様」と呼んでいた。「会員」とは呼んでいない。
証人H:平成17年秋頃、13Fから20Fに移った頃、サロンの外で働くようになり、仕事量は減った。
証人H:中で働いていたときは、毎日サロンで接客していた。
証人H:外のときは週1〜2回しかサロンにいかない。お客様への取り次ぎもしない。それでE2と距離ができた。
証人H:その後、いつの間にか「深沢」のスタッフに変わった。E2がびびっとに合併されたと後で知った。
証人H:「深沢」とはびびっとのサロン。正式な説明もなく変えられた。
証人H:吸収合併されたと思っている。それでますます距離が開いた。
証人H:しかし、すぐには関係切れず、サロンで祭典の手伝いや、祭典への参加はしていた。
証人H:その頃は給与はほとんどなかった。
証人H:神様から離れることが怖かったんだと思う。
証人H:天秤が釣り合っていない、といつも言われていたから。
証人H:天国と地獄の蜘蛛の糸のようなイメージ。地獄に転落する、という恐怖感が常にあった。
証人H:神様と離れると落ちていくと言われていた。スタッフは皆、当時思っていたと思う。
証人H:もともと、天秤の話は神霊鑑定で相談したらそう言われた。
証人H:辞めるときでもまだ釣り合ってないと思っていた。
証人H:平成17年秋頃、スタッフはかなり増えてた。M田代理、M本チーフ、N取チーフ、M川など。
証人H:この当時のスタッフは20人くらいはいたと思う(お手伝いも含めて)。
証人H:中のスタッフはお客様への取り次ぎ、御祈願の準備、神霊鑑定の案内をしていた。
証人H:外のスタッフは営業をしてくる。
証人H:E2で偉いのは杉本のみ。中間的な人はいない。判断、決定するのはすべて杉本。
証人H:「チーフ」には判断権限はない。杉本の言い分を伝えるだけ。
証人H:スタッフは「自分の意思、人間力は必要ない」自分の考えや感情は関係ない、神様にすべて任せろ、と常に言われていた。
証人H:神書は大事なもの。すべて、一言一句正しく伝える。自分の言葉で解釈してはいけない、と言われていた。
証人H:杉本の言葉も正しく伝えるようにいわれていた。
証人H:疑問を持ったり不安をもったりするのは御神業の邪魔と言われた。
証人H:杉本には質問もできない。
証人H:御玉串をあげないと「ただで神様を使うな」と言われてた。
証人H:お客様への対応、立ち居振る舞い等、とても厳しく指導されてた。
証人H:当時、ビジネスマナー等も教えてもらったので、杉本には恨みはない。むしろ感謝している。
証人H:お客様には杉本の指示どおりに伝えていた。
証人H:神書の中の間違いは聞いたことがない。
証人H:神書は教主様が書いたと聞いていた。
証人H:教主様が誰かは知らなかったが、今はインターネット等で見て、齋藤という人だと分かった。
証人H:お客様へ説明した内容は、杉本からチェックされていた。杉本に報告すると、指示を受けていた。
証人H:お客様からクレームを受けたこともあるが、杉本へ必ず報告していた。すぐに報告していた。
証人H:E2全体の活動目標を言われていた。
証人H:御神業の拡大、発展、そのためには人と金を集めなさい、と毎日、かなり聞いていた。
証人H:その他の目標は覚えていない。
証人H:杉本からの個別指導や、ミーティングがあった。
証人H:杉本ではなくより上の人の指示を聞いたこともある。メモに書いた。
→甲65のメモ・・・日原先生、天水、等の記載がある。
証人H:杉本にミーティングで言われたことを書いたと思う。
証人H:「8/26 400万借金」未納金がある、と杉本に神霊鑑定で言われ書いた。
証人H:杉本は大きい手帳を見ながら話していたので、上の人の話を伝えていると思った。
→甲95、96(ノート)
証人H:書かれているのは杉本の字だと思う。なので杉本のノートだと思う。
→甲68添付資料1・・・杉本の字で「場合によっては命さえも保障はない」
証人H:そのような話を聞いたことはある。
→「教主様の言うとおりにやってない人は売上伸びていない」などとも書かれている。
証人H:日輪祭は、祭典ということしか分からない。毎月25日、杉本は砧のマンションに行っていた。
証人H:自分が車を運転して送っていたので分かる。自分は中には入らず、車で待機して待っていた。
証人H:毎月1、18日は杉本は山梨に行っていた。祭典があった。何度も車で送っていた。
証人H:お客様から「宗教か」と尋ねられたことはときどきあった。
証人H:そのとき、「うちは宗教ではない」と答えてた。
証人H:「宗教法人ではない。有限会社。神様の奇跡が商品。御玉串をあげれば必ず奇跡をいただける。」とか。
証人H:スタッフは自分で考えて話したらいけないのですべて杉本の指示。
証人H:「神社仏閣のようにタダでもいいわけではない。税金も払っている。」などとも言っていた。
証人H:「実は宗教」とか「宗教法人にいずれなる」などという話は聞いていない。
証人H:今は宗教だと主張していることはネットで見た。
証人H:今さら、なぜ宗教と言っているのかがわからない。
証人H:初めの頃は、「ヒーリング」と言ってた。宗教を連想させないようにするため。これも杉本の指示。
証人H:「取り次ぎ」と「ヒーリング」は同じ。
証人H:「ヒーリング」の効果は目に見えるものではない。受けた分必ずプラスの運気が得られる。それだけ運気がよくなる。結果は必ず出る。結果に関して、「何か変化ありましたか」などと聞いていた。
証人H:「表情が明るくなった」とか。よい結果が出てると話しかけるように指導していた。
証人H:スタッフには、効果があるかどうか判断する能力はなかった。
証人H:気になることがあれば、杉本の神霊鑑定にご案内していた。
証人H:例えば、ちょうど電車が来た、ちょうど信号が青に変わった、といった答えでも、「間が良くなりましたね」と答えていた。
これも杉本の指示。
証人H:「排せつ」という言葉はE2で使われていた。御霊光で体の中の毒素が排せつされる、ということ。
証人H:例えば、熱が出たり、おなかが痛くなったりブツブツが出たりとか。
証人H:慌てて病院に行ったり薬を飲んだりするな、サロンに連れて行くように、と言われていた。
証人H:薬も毒素である、と神書に書かれている。
証人H:よく話を聞く、よく観察して聞くように言われていた。
証人H:聞いたことはすべて杉本に報告していた。悩みや気になったことがあると神霊鑑定に誘導していた。
証人H:御霊光だけでなく、神霊鑑定につなげて御祈願に誘導していた。御祈願を重視していたと思う。
証人H:御霊光は前提、と聞いていたと思う。
証人H:杉本のことは、客には神霊能力のあるすごい人、悩みも分かるしその解決方法も分かるすごい人、と言っていた。これも杉本の指導。
証人H:杉本には神霊能力がある、どうやって神霊能力を獲得したかは知らない。
証人H:杉本の神霊鑑定には、100回以上立ち会っていた。筆記は当初なかった。
証人H:筆記をするようになったのは客とのトラブルがあったからだと思う。
証人H:T木T江とのトラブルがきっかけだと思う。
証人H:T木T江は、平成16年春頃から来ていた客。あまり長くはいなかったと思う。
証人H:平成17年1月〜2月頃、急に来なくなった。詳しくは分からないが、杉本にも報告されていた。
証人H:当初、杉本が対応していたが、途中から弁護士が介入。
証人H:その後訴訟になった。証人名義の陳述書が出ていた。
証人H:その陳述書は捜査段階で見たが、内容はかなり変なものだった。
証人H:神霊鑑定は1時間と決まっていた。筆記に入る人以外のスタッフが知らせる。
証人H:神霊鑑定中、杉本は斜め上を向いて、考えている様子。
証人H:ポツポツとメモを取ったり、空間を目で追うような仕草もしていた。口調も普段とは違う。
証人H:なので、鑑定をしているときは杉本の様子を見れば分かる。
証人H:結果を告げるときはゆっくり、自信満々に断言していた。「たぶん」「思う」といったことは言っていないと思う。「〜ですね。」という断定調。
証人H:鑑定で話す内容は、だんだん変わってきていたと思う。霊的なししょうを言うことが多くなった。
証人H:当初は多くなかったが、平成17年頃になると家系図をもって鑑定に入ることも多くなった。
証人H:神霊能力が上がったということで、鑑定料も上がった。
証人H:平成17年春頃ではないか(同年秋頃には外のスタッフになっていたから。)。
霊的なししょうは、聞いた限りはいくつか、狐の霊、蛇霊、竜、霊界に入れていない、お客様の親族の霊
証人H:それ以外は大体そのあたり。
証人H:解決方法は御祈願以外にはない、と言われていた。
証人H:手術をして、病巣を取り除いても、霊的には無駄だと言っていた。
証人H:手術は人間力。神様しかできないのが奇跡。
証人H:御祈願をすれば瞬時に変わる。良い結果が出る、と言われた。
証人H:御祈願や供養の御玉串の額は、杉本が神霊鑑定で神様に伺って決めていた。スタッフが決めることはない。
証人H:そのときの杉本の言い方は、例えばスタッフに言うときは「そうですねー。100万くらいですかね。」とか。
証人H:客に対しては「100万くらいは必要ですね。」とか。
証人H:その場合、100万でも50万でもできた。50万分の結果は出る、とされていた。
証人H:神霊鑑定の客は、御祈願に誘導されていた。
証人H:霊的なものは人間にはどうすることもできない。祈願、供養するしかない、とも言っていた。
証人H:「ならないかもしれない」、「分からない」、と言った覚えはない。杉本が言っているのも聞いたことはない。
証人H:高額の御玉串になったこともある。霊的なししょうの時は高かった。
証人H:ためらう客には、お金に執着するとダメ。握ってるとダメ、ということも言っていた。
証人H:業績が上がらないとか、努力しないと変わらない、と事前に言ったことはない。
証人H:御祈願、御供養に立ち会ったことはある。杉本が祝詞をあげるのが主な行為。
証人H:杉本が客に対してうまくいったかどうか説明していた。杉本は「おめでとうございます。」と言っていた。
証人H:霊について「霊界に入れました」とか、「とれました」とか、「だいぶ軽くなりました」などと言っていた。
証人H:「だいぶ軽くなりました」という場合はまだ続ける必要がある、ということ。
証人H:自分でも99%努力して、1%神様にお願いする、と言っていた。事前には言わない。
証人H:例えば、相談に来る人には結婚したい女性とかが多いが、化粧をがんばるとか、出会うところに出て行く努力とか、当たり前のこと。
証人H:お客様からのクレームを杉本が受けているのを見たことはある。
証人H:このとき、杉本は、「神様は今回違うことで結果を出した」などと説明したこともあると思う。
証人H:神様の優先順位は、健康、経済、人間関係の順、と言われていた。
証人H:たとえば業績をよくしようと祈願したが、健康の方に御玉串が使われてしまったとか。神様にお任せ、などと言っていた。
証人H:事前にはそのような説明は杉本もスタッフもしていない。
証人H:御礼は先払いということもあった。
証人H:御祈願と同等金額をさせるようになった。これは事前には説明していない。
証人H:本心から、心からしていない場合、御玉串が神様に届かず、預り金になっている、ということもあった。これも事前には説明していない。
証人H:預り金になっているか、天秤が釣り合っているかは、杉本にしか分からない。
証人H:クレームの人には、もし御祈願を受けなければもっとトラブルになっていた、大難を小難にしてくれた、と言っていた。
証人H:このようなことも事前に説明していなかった。もし事前に言っていたら、やめた人もいただろう。
証人H:当時はいろいろ詮索すること自体タブー、御神業の邪魔になる、と言われていた。
証人H:分からない時はスタッフとしては杉本の神霊鑑定につなぐようにしていた。
証人H:引き続き神様とつながるように、御霊光に誘導していた。
証人H:外のスタッフには、連れてくるのは子どものいる主婦や華があるようなきれいな女性で、男は老人はいらない、と言われていた。
証人H:男は頭が固いから、主婦は井戸端会議をして広まるから、という理由。
証人H:主婦は結婚や子どもについて悩みが多いから、とも言われていた。
証人H:T内さんのことは知っている。ヒーリングもした。
証人H:あまり口数は多くない人だったが、聞いたことがあれば、杉本には報告していたはず。
証人H:排せつの効果も説明していたと思う。
証人H:T内さんと杉本と一緒に「鮨勘」に行ったと思う。よくお客様と行っていた。
証人H:そこで昇魂祈願の話をしたか詳しくは覚えていないが、昇魂祈願の話をするときは、魂のレベルが上がると言っていた。
証人H:Y口さんのことは、顔は思い出せないが知っている。S川さんが連れてきた。S川さんは今は先生になっている。
→甲58の添付資料、甲86の添付資料・・・報告書を作って、杉本に報告していた。
→甲86の資料2・・・Y口の神霊鑑定を筆記したもの(記憶はないが字は証人のもの)
証人H:筆記は一言一句していたのではない。大体正確とは思う。
証人H:被害者Fさんの家でお浄めをしたことはある。そこは処刑場だったからお浄めした。
証人H:家族の人の反対があり、何回か行ってようやくできた。
証人H:具体的には塩や米をまく。自分も塩をまいた。杉本の指示で、指示された場所にまいていた。
証人H:杉本から、「しっかりしていないと霊的なものを背負う」と言われていたので怖かった。
証人H:現場で指を指して、ここにいる、と言っていた。背負うといわれていたので、怖かった。
証人H:実際には何も見えなかった。
証人H:E2では客同士の名刺交換、客とスタッフの接触は禁じられていた。スタッフ同氏の接触も禁じられていた。
証人H:御神業の邪魔になると言われていた。
証人H:御神業を受けて排せつしていたが後に死んだ人の話は聞いたことがない。
●午後の部
●反対尋問等(弁護人笠原ほか)
証人H:検事との証人テストは3回くらい。
証人H:杉本から最後に神霊鑑定受けた時期はあまり覚えていない。
証人H:神霊鑑定は10回くらい受けた。
証人H:被害者Fさんの件で強制捜査があった平成19年12月20日頃より後に神霊鑑定をうけたかどうかは覚えていない。
弁護人:平成21年夏頃、千駄ヶ谷で受けたのではないか?
証人H:それが鑑定だったかは不明。
弁護人:吉田澄夫も一緒だったのでは?
証人H:記憶がない。会った気はするが日時は不明。
弁護人:その時に御玉串を神様におあげするように言われなかったか?
証人H:その可能性はある。
証人H:T内さんの件で逮捕、勾留された。
証人H:逮捕事実(杉本等と共謀して650万円詐取した)は否認した。弁録、勾留質問でも否認。
証人H:現在も、自分は嘘をついていないと考えている。経験や認識に反する事実をT内さんに述べたことはない。
証人H:当時は、杉本が嘘をついているという認識はなく、ありのままを話していたと思っていた。
証人H:T内さんの件では最終的にどういう処分になったかは分からない。釈放された。
証人H:不起訴処分の報道については、新聞を見ていないので知らない。
証人H:Y口さんの件で再逮捕された。
証人H:この逮捕事実(杉本等と共謀して50万円詐取した)も否認したと思う。
証人H:勾留質問でも明確に否認したと思う。
証人H:現在でも自分は嘘はついていないという認識。
証人H:Y口さんの事件当時の認識も、自分の認識と違う事実を言ったという認識はなかった。
証人H:終局処分がどうなったかは分からない。
証人H:起訴状に杉本さんと共謀したと書かれていることは知っている。
証人H:杉本と意思を通じたという認識はなかった。
証人H:杉本と知り合ったきっかけは、同じ仕事仲間だった証人Gから紹介され、杉本の神霊鑑定に入った。
証人H:当時、証人Gとは理容仲間。エステの仕事で、証人Gから商品を仕入れていた。
証人H:場所は証人Gのサロン、都立大の近く。平成15年頃。
証人H:サロンは、証人Gの事務所に一部屋、お取り次ぎをする部屋があった。
証人H:杉本も証人Gのサロンに来て、そこで杉本から神霊鑑定を受けた。
証人H:鑑定を受けることになった理由は、当時、5人目の子どもを妊娠しており、生活に困っていたところ、証人Gに相談したら、ちょうど杉本が来るから相談したら、と言われたから。
証人H:スタッフになるまで、証人Gのサロンでヒーリングを受けると赤ちゃんのためにもなる、と言われていたので、
週1、2回定期的に通っていた。
証人H:御玉串は1回3000円くらいあげていた。
証人H:部屋に掛け軸はあった。御軸と呼んでいた。
弁護人:取り次ぎの時に掛け軸にお参りしていたか?
証人H:していなかった。
証人H:御霊光について、証人Gからは「プラスのパワー、運気が上がる」と言われていた。
証人H:効果としては、何となく胎児が動いていたように感じていた。証人Gからも言われていた。
証人H:御守り様は、子どもが生まれる前、証人Gのサロンで買ったと思う。
証人H:自分も取り次ぎができる、という説明だった。
証人H:その後、自分でも、子どもに取り次ぎをしていた。
証人H:最後の子どもは平成15年6月に生まれた。命名したのは杉本。
証人H:ヒーリングはいつも証人Gがしていた。
弁護人:命名は、杉本に頼んで神様にしてもらったのでは?
証人H:そうです。
証人H:神書も、子どもが生まれる前、証人Gのところで買ったと思う。
証人H:証人Gによると、事前回の法則が書かれているという話だった。
証人H:神書は数え切れないほど読んだ。信じていた。神世界の神様の存在も信じていた。
証人H:神様は、当時は自然界の法則を司っていると思っていた。
証人H:神様との取引、神様の手足となって働くことは、御神業と釣り合う。天秤の法則。
証人H:御神業の拡大、発展のために働いた。
証人H:平成15年8月にE2のスタッフになったきっかけは、子どもが生まれて大変な時期で、証人Gに勧められたから。
弁護人:杉本にスタッフにするようにお願いしたのか?
証人H:覚えていない。
弁護人:検察官の調書では、証人Gの紹介で、杉本がスタッフに誘ってくれた、とあるが、そのような経過でいいか?
証人H:はい。
証人H:平成16〜17年当時、青山サロンでの御霊光の部屋は決まっていた。祭壇があったかは分からないが、御玉串を置く場所はあった。
証人H:御軸、御額ともにあった。御軸には文字が書かれていて、途中で変わったと思う。観音様の御軸もあった。
証人H:それらは「神様」とか「御神体」と呼んでいた。
証人H:その部屋に入ったお客様の中に、「宗教じゃないの」と言って立ち去る人がいたかどうかは記憶していない。
証人H:宗教かどうか、聞かれることはあった。
弁護人:神霊とは?
証人H:人間でなく、人間でないことができる。神様の言葉。
弁護人:神霊能力とは?
証人H:神様の言葉を聞くことができる能力。
弁護人:神霊鑑定とは?
証人H:神霊能力を使って、神様の言葉をお客様に伝えること。
弁護人:平成16〜17年頃、杉本に神霊能力が備わっていると信じていたのか?
証人H:はい。
証人H:その当時、神霊鑑定の部屋は御霊光がされていた部屋と同じ。御霊光は、神霊鑑定の部屋とは別にリビングでもやっていた。
証人H:神霊鑑定の部屋は、祭壇があり、その上にさんぼう、御軸があった。御軸には観音様と文字があった。
証人H:神霊鑑定に出す御玉串は鑑定料という認識。
弁護人:御玉串とはどういうものか、神書に書かれている。
証人H:御玉串は、基本的にスタッフに渡す。
証人H:御玉串をあげる際の作法は、お辞儀。一礼三拍手。
証人H:御祈願は、お客様の望みを神様に伝え、望みどおりに変えていただくもの。
→弁8号証の資料3(証人作成の手帳)
証人H:見覚えある。杉本からの指導内容を書き留めたものだと思う。
証人H:御玉串をあげる手順はこれでいいか、杉本にも確認してもらっていた。
証人H:祝詞は、天津祝詞を杉本が奏上する。
弁護人:参拝の栞は見たことあるか?
証人H:見たことはあるが、中まで見たことはない。
→弁2号証(参拝の栞)
証人H:杉本が持っていたのを見たことがある。どういうものなのか聞いたことはない。
弁護人:奇跡とは何か?
証人H:身の周りでよいこと、特にあり得ないようなことが起こったとき、御霊光の効果としてとらえる。
証人H:祭典には毎月ではないが、自分も参加していた。
証人H:祭典では、まず祝詞をあげて、次に神書拝読、その後会主のことばがある。
弁護人:その場所には大きな掛け軸とかがあるね。それも御神体ですか?
証人H:そうです。
弁護人:他の祭典には出席していたか?
証人H:E2、びびっとの祭典には出ていた。毎月あった。
弁護人:宗教活動をしているという意識はなかったか?
証人H:当時はなかった。
弁護人:もう離婚したようだが、○○さんという人と一緒に生活していたね?
証人H:はい。
弁護人:○○さんにE2で御霊光を受けさせたことはないか?
証人H:E2に連れて行ったことはない。御霊光の取り次ぎをしたことはあるが、嫌がられた。
証人H:プラチナカードは子どものために買った。平成16〜17年頃。御額と同じ絵が描かれている。
証人H:御霊光が出ているカード。自分も持っている。
弁護人:最後に取り次ぎをしたのはいつか?
証人H:覚えていない。
弁護人:証人が客に断定的な言い方をしたことはあるか?
証人H:当時はあまりしてなかったと思う。
弁護人:杉本はどうか?
証人H:悩みについて、神霊能力で「これが原因ですね」と言っていた。
弁護人:捜査段階では、杉本も断定的な言い方はしていない、と述べていたね。
証人H:はい。
弁護人:それが事実だったのではないですか?
証人H:はい。
弁護人:鮨勘で、T内さんに昇魂祈願で魂のレベルをあげなければいけない、といった話はしたのか?
証人H:そういう話はしていていもおかしくない。覚えていない。「低級霊」という言葉は使っていないと思う。断定的に言ったかは覚えていない。
弁護人:平成16年6月頃、Y口さんに対応したのか?
証人H:「カオルさん」という名前で対応していた。S川さん、O平さん、HRさんほかのスタッフがいたと思う。
→甲86の資料1、2(メモ)
証人H:正確に記載されていると思う。資料2は、O平さんが作成したものだと思う。中身は分からないが、日報なのでおそらく書かれているようなやりとりがあったのだと思う。
弁護人:「首に縄をつけて連れてきました」とあるが、S川が熱心にY口を誘っていたというのが実態ではないか?
証人H:S川さんは当時はお客様だが、そう思う。
→弁3号証の資料4(H16.6.22付け報告書)
証人H:私の字だと思う。「霊魂祈願は50万でやらせていただきたい」とあるが、これはY口さんが自分で申し出たもの。その旨杉本にも報告した。
→甲38(平成16年6月4日付け神霊鑑定予約申込書、Y口さんに関するもの)
証人H:ファイルがあって情報共有されていた。見た覚えはあまりない。
弁護人:手書き部分に、努力99%、霊的な部分1%とあるが、御祈願も霊的な部分に対応するということでY口さんに接していたね?
証人H:はい。当時はそうでした。
弁護人:検察官の主尋問でY口さんへの御祈願への誘導について杉本の指示だと証言したが、その具体的な内容は?
証人H:覚えていない。
弁護人:平成23年4月9日付け調書に記載があるが、検察官には答えていたのでは?
証人H:今は覚えていない。
弁護人:要するに何が何でも御祈願、ということではなくて、Y口さんの判断を尊重するように、というのが杉本の指示だったのでは?
証人H:そうかもしれません。
弁護人:それが実態だった?
証人H:はい。
→弁8資料2(身魂祈願、御祈願など杉本から教わった内容がメモされたもの)
弁護人:この指導に従って、お客様に案内していた?
証人H:はい。
弁護人:御神業で、何が何でも金集めしろとは杉本から言われていないでしょう?
証人H:そうは言われていない。「人とお金を集めなさい」とは言われていた。
弁護人:「少しでもお金もったいないと思ったらやらないこと」との記載もある。そういう人には勧めないように言われていたのでは?
証人H:そうです。
証人H:証人Gさんは、青山サロンができてからは外のスタッフとして人を集めていた。
証人H:証人Gが平成16〜17年当時、杉本の神霊能力に疑いをもっていたかどうかは分からない。
証人H:証人Gが杉本の神霊鑑定を筆記していたことはあまりないと思う。
証人H:平成16〜18年頃、O平やM澤が神様の存在を疑っているというそぶりはなかった。
証人H:活動をやめた理由は、収入が少なく、生活できなかったから。当時、保険の仕事もしていた。
証人H:E2がびびっとに吸収されて人間関係の問題もあった。
●再主尋問(大久保検事)
大久保検事:あなたは、お客さんに杉本のことをどう説明していたか?
証人H:神霊能力があるすごい人、解決方法も教えてくれる、とか。
大久保検事:「もしかしたら」とか「かもしれない」という言い方はしていたか?
証人H:そうは言っていないと思う。
大久保検事:杉本が「〜ですね」と伝えていたことは間違いないか?
証人H:はい。
大久保検事:杉本が「〜だと思う」という言い方をしていたことはあるか?
証人H:そういう言い方は聞いていないと思う。
大久保検事:Y口さんの件について、杉本から御祈願に誘導するようにと言われた明確な記憶はあるのか?
証人H:ない。
大久保検事:取調時も、「おそらくこう思う」という話を述べたのではないのか?
証人H:はい。
→弁8号証の資料4
大久保検事:5万以上とあるが、誰が参加するのか?
証人H:スタッフもお客様も参加する。
大久保検事:もったいないという気持ちがあってはいけないというのは、なければ祈願しなくていい、という意味か?
証人H:きっちりしなさい、という意味。
証人H:鑑定は御祈願につなげないと意味がない。100万単位で変わる。
証人H:当時は疑うことはなかった。
証人H:祈願文についても、杉本の指示で書き直させられることがあった。
証人H:杉本と一緒にご飯を食べたことがある。そのとき、杉本はお酒も飲んでいた。
大久保検事:杉本の好きなつまみは?
証人H:・・・
■裁判官:反対尋問に出ていないので止めるように。(下記、注参照)
大久保検事:宗教でない、と言っていたのは嘘にあたるのではないか?
証人H:今の対応はおかしいと思う。
●再反対尋問(弁護人笠原)
笠原弁護人:「つながる」という言葉はE2ではどういう意味か?
証人H:神様とつながること。
笠原弁護人:御祈願には「誘導」と言っていたのでは?
証人H:はい。
笠原弁護人:神書にも「誘導」という言葉が出てくるね?
証人H:はい。
証人H:杉本が書き換えさせたのは、願いごとの内容ではなく形式。
証人H:お浄めで被害者Fさんの自宅に行ったが、入ると寒気がした。当時は霊的なものが原因だと思っていた。
証人H:頭痛があったかは覚えていない。具合が悪くなった。
証人H:M澤さんは吐いたりもしていた。
証人H:お浄めが終わった後、すっきりした気分になった。M澤、被害者Fさんもそう。
証人H:御霊光や遠隔を受けていた。地縛霊に取り憑かれないように、まじめにやっていた。
●再々主尋問(大久保検事)
証人H:被害者Fさん宅のお浄めの時以外に、そのような気分になったことはない。
証人H:背負うよ、ということは杉本から何度も言われていた。
●補充尋問(裁判長)
証人H:逮捕された際の弁護人は、知り合いから笠原弁護士を紹介された。笠原弁護士に尾崎弁護士を紹介された。
(注)裁判官が検事の尋問を止めさせた理由
再主尋問では反対尋問に現れた事項およびこれに関連する事項について行うとされており(刑事訴訟規則199条の7第1項)、自己の主張を支持する新たな事項については、裁判長の許可がなければ尋問できない(同条第3項、199条の5第1項)とされています。そのため、上記のようなやりとりがなされたものです。
次回(第7回)公判予定
公判日時:2011年11月8日(火)10:00開廷
場所:横浜地方裁判所(第5刑事部)
抽選券配布締め切り:午前9時30分(横浜地裁ロビー)
事件番号:平成23年(わ)第458号等(詐欺)
被告人:杉本(吉田)明枝