(2011年9月21日横浜地裁第405号法廷)

杉本(吉田)明枝 第4回公判
(以下の第4回公判に関する記事は、公判を傍聴していただいた方のレポートを基に構成しました)

台風15号の影響で多数の帰宅困難者
(写真は9/21夕刻の渋谷駅)

 台風15号が刻々と関東地方に近づいてくる状況ではあったが、杉本(吉田)明枝に対する第4回公判は、予定通り2011年9月21日(水)、横浜地裁で行われた。裁判が終わった時刻は台風15号が最も関東地方に接近した時刻と重なったため、交通機関は次々とストップし、裁判を傍聴した人の中には、横浜駅で5時間近くも足止めされてしまった人もいた。
 この日の証人尋問の様子は下記の通りだが、傍聴席には神世界側と思われる人(女性が多かった)が多数つめかけていた。法廷内では、杉本被告が腕組みをしたまま、憮然とした表情で笠原弁護人に時折何か伝えたりしていたのが印象的だった。
 午後から行われた、笠原弁護人の反対尋問の中には、事件との関連性が乏しい質問も多かったように思われた。
 なお、当初予定されていた医師の尋問は撤回された。これは、弁護側が検察側作成の医師の調書の証拠提出についてほぼ同意するに至ったため、医師を直接尋問する必要がなくなったことによる。

1 日時:平成23年9月21日(水)午前10時〜午後4時
2 場所:横浜地方裁判所第405号法廷
3 内容:証人F(被害者)への尋問(午前主尋問、午後反対尋問)

●午前の部
 検察官の主尋問(に対する証人Fの証言・要約)
 【大久保検事による主尋問の概要】
(1)導入
 証人Fの仕事や、家族の状況について概要が述べられた。証人Fは被害にあった当時、事業があまりうまく行かなかったり、親族を相次いで亡くすなどしていた。この導入部分で述べられた内容には、プライバシーに係わる内容が多いので、詳細については割愛する。

(2)勧誘された経緯
証人F:E2はM澤から紹介された。M澤によれば、「うまくいくかどうか、見てくれるところがある」という話だった。それを聞いて、最初は占いかと思った。M澤に「占いか?」と聞いたら、「占いではない。言い当てるだけでなく、もし良くないことが起きるとしても、軌道修正してくれる。なので占いではない」という話だった。
 M澤自身も悩みがあったときにそれが解消できず、いろんな所に行ってみたがそれでもダメだった時に、妻からの紹介で初めてE2に出向いたら、ズバズバ言い当てられて解決した、という話だった。値段は1時間3万円とのこと。予約が必要で、予約申込表の書き方等はM澤に教えてもらった。自分が見てもらいたいこととして予約申込表に書いたのは、事業の今後、家族のことなどだった。
大久保検事:甲40(神霊鑑定予約申込表)を示す。
大久保検事:これは証人F自身が書いたのか?宗教じゃないか?と尋ねたか。
証人F:尋ねた。「神霊」という言葉が引っかかった。M澤の答えは、「宗教ではない。有限会社E2という会社。領収証も出せる」という話だった。
大久保検事:宗教と最初から分かっていたらどうだったか?
証人F:関わらなかったと思う。マイナスイメージがあったから。M澤との話の中で、親近感を覚えた出来事があった。それは、雑談の中で、有限会社E2が山梨の会社の系列会社だと聞かされたから。というのも、私自身の先祖も山梨であり、菩提寺も山梨にあるから。
大久保検事:そのことはM澤に伝えたのか。
証人F:雑談の中で伝えた記憶がある。その時点ではM澤に対する不信感はまったくなかった。

(3)1回目の神霊鑑定
証人F:時期は平成16年4月中頃。場所は青山サロンと呼ばれていたハイタワーマンションの13階の記憶。非常に高級感があり、高貴な印象だった。カルト的なうさんくさい印象とは真逆だった。そのとき、神霊鑑定予約申込表を持参した。事前にファックスで送っていたが、原本は自分で持っていた。その原本が警察に提出したもの。
 鑑定で杉本から言われたのは、大きく2点。1点目は、土地建物がある場所は元は首切り場で、汚れていること。2点目は、無縁墓地があり、先祖の霊が苦しんでいる、ということ。
大久保検事:1点目については、地縛霊がいると言われなかったか。
証人F:はい。言われました。それらのため、今の運や、会社の業績に悪影響を与えている、という話だった。
大久保検事:何か驚いたことはあったか。
証人F:あった。菩提寺が浅草と山梨にあると断言され、そのとおりだったので非常に驚いた。
大久保検事:杉本には事前に菩提寺について話していたのか。
証人F:話していないし、申込表にも書いていない。
大久保検事:その瞬間の心境は。
証人F:「えっ」と声を上げて、背筋がぞくぞくしたことを今でも鮮明に覚えている。
大久保検事:杉本がそのことを言ったときのことばの調子は、普段とは違ったか。
証人F:違った。まったく。
大久保検事:どんな調子だったか。
証人F:目をつぶって、うつむき加減で、頭上の何かと会話をしている様子。それで、低い声で言う、という感じだった。
大久保検事:言い当てられて、杉本はどんな人だと思ったか。
証人F:すごい能力を持っている人だと思った。
大久保検事:今でもそう思っているか。
証人F:まったく思っていない。
大久保検事:なぜか。
証人F:今回の件で、捜査員から示された物を見たから。
大久保検事:それは誰が何をしたことを示すものか。
証人F:1回目の鑑定の前に、M澤が菩提寺について報告した報告書。
大久保検事:甲41(2004/4/14付けFAX文書)を示す
大久保検事:菩提寺のことも書いてあるね。
証人F:はい。
大久保検事:甲42(2004/4/14付けFAX文書)を示す
証人F:これを見たとき、初めから知ってたんだ、と思った。
大久保検事:杉本は、菩提寺を言い当てたとき、誰かから聞いた、という話し方をしたか。
証人F:していない。
大久保検事:このことを知っていたら、杉本の能力を信じたか。
証人F:信じなかった。鑑定では、解決方法として、まず本来であれば、退去した方がよい、と言われた。ただし、退去するのは、100%無理な話だった。というのも、自宅兼会社は借金の抵当にとられていたから。そのことを杉本に伝えたところ、「お浄めをした方がいい」と言われた。「お浄め」をするのは、地縛霊が憑依している(自宅兼会社の)土地建物。「お浄め」の金額や時期、方法については、この時点では具体的な話はなかった。ネットでやろうとしていた会社の会社名についても、具体的には聞けなかった。というのも、1時間の時間制限のため時間切れになったから。御霊光を受け続けた方がいい、とも言われた。神様とつながるために、受け続けた方がいい、という話。高熱が出たり下痢が出たりすることがあるが、それは「排せつ」なので薬は飲むな、という話もあった。実際には、体調に変化はなかった。神書や御守り様も買った。それは杉本を信じたから。

(4)2回目の神霊鑑定
証人F:2回目もすぐに受けた。1回目の数日後だと思う。このときも申込表書いた。書いたのは、新規事業の会社名はどうしたらよいか、お浄めについて、金額等の詳細はどうか、等。
大久保検事:甲43(神霊鑑定予約申込表)を示す
証人F:これも、原本を自分で持っていて、警察に任意提出した。杉本から神書を読んだか確認された。その時点で、ある程度読んでいた。杉本によれば、神書に書いてあることは、そのとおりで、やればよくなる、などと言われた。
■裁判長:何が良くなるのか。
証人F:そのとおりに行動すれば、うまくいく、ということ。
大久保検事:すべてがうまくいくとは言われなかったか。
証人F:言われた。そのほかに、目先のことを変えるのではなく、根本原因を解決しなさい、と言われた。具体的には、地縛霊と先祖の供養をしなさい、ということ。
大久保検事:先祖の霊の状態については、何と言われたか。
証人F:非常に苦しんでいる、あなたとは霊線でつながってるので、だから現世のあなたも苦しいんだ、と言われた。
大久保検事:霊の数については何と言われたか。
証人F:1つ2つではなく、たくさんと言われた。そのそれぞれと、霊線でつながっているということだった。
大久保検事:どうすれば良いという話だったか。
証人F:特別祈願で、霊界に返す必要がある、という話。
大久保検事:地縛霊については。
証人F:土地建物をお浄めする必要がある。やらなければすべてこのまま悪いまま。やったらすべて良くなりますよ、と言われた。具体的には、新規事業も、会社の業績も、子どもの受験も、(未入居の)テナントも、うまくいく、という話。
大久保検事:値段は。
証人F:先祖の霊は、200万円以上、最高で7000万円くらい、という話。
大久保検事:お浄めは。
証人F:200万円以上と言われた。
大久保検事:それを聞いてどう思ったか。
証人F:数千万という話が出てきたので、払えないけど、何とかしないと、という気持ちだった。
大久保検事:すぐに用意できる状況だったか。
証人F:自転車操業なので、会社個人ともに、余力のない状態だった。
大久保検事:いくらまでなら、と言ったか。
証人F:はい。500万までなら、と言った。
大久保検事:どうやって工面するつもりだったか。
証人F:事業資金として借りることを考えていた。
大久保検事:それで杉本の返事は。
証人F:10万円(税込み10万5000円)の御額も買う話もしており、それも含めて、
大久保検事:500万円で全部やりましょう、という話になった。
大久保検事:このときも普通に話すのか、先ほどの仕草をしていたのか。
証人F:仕草をしていた。
大久保検事:特別祈願とかの話をしたときはどうだったか。
証人F:そのときもしていた。
大久保検事:だからあなたは信じたのか。
証人F:はい。
大久保検事:特別祈願やお浄めをしなかったらどうなると思ったか。
証人F:しなきゃ悪いまま、すれば良い方向になると思ってた。
大久保検事:あなたは、杉本から言われたことを申込表にメモしていたか。
証人F:していた。
大久保検事:甲43(神霊鑑定予約申込表)の裏面を示す
証人F:これがそのときその場でメモした内容。
大久保検事:1回目のときは。
証人F:そのときも、持参したメモの裏面に殴り書きした。
大久保検事:甲40(神霊鑑定予約申込表)の裏面を示す
証人F:これも自分がそのときに書いた内容。
大久保検事:赤ペンでの書き込みもあるが、これは違うときに書いたのか。
証人F:この日に書いたという記憶。
■裁判長:同じ時に書いたのか。
証人F:はい。特に注意点は色を変えて書いた。

(5)特別祈願
大久保検事:500万円は、700万円の残債の返済とともに借り換えたのか。
証人F:はい。○○○○支店で借り換えた。
大久保検事:(甲21添付の資料3「金銭消費貸借契約書」を示す)1250万円借入の契約書だが、あなたの名前がありますね。
証人F:はい。
大久保検事:特別祈願とお浄めは、別々にやったのか、それともどっちが先か。
証人F:別々にやった。特別祈願が先。
大久保検事:その前に誰か紹介されたか。
証人F:された。
大久保検事:誰から誰を紹介されたか。
証人F:M澤から、神奈川県警の吉田澄雄を紹介された。
大久保検事:吉田からは何か言われたか。
証人F:神奈川県警警視の名刺をもらった。公安畑で、悪徳集団、カルト宗教の取締をしている。ここはそういうところとは違うので、安心しなさい、と言われた。
大久保検事:それで信じたのか。
証人F:はい。
大久保検事:特別祈願はいつしたのか。
証人F:2回目の鑑定の1月後くらい。
大久保検事:(甲44「予約表(サロンからの押収物)」を示す)5/19に「F様」とあるが、このときか。
証人F:はい。
大久保検事:場所は。
証人F:青山サロン。
大久保検事:この日は500万円全部払ったのか。
証人F:スタッフに全部渡した。
大久保検事:内訳は。
証人F:御額10万円と、その消費税5000円は500万円とは別に払った。その他の内訳は分からない。
大久保検事:特別祈願では、具体的には何をしたのか。
証人F:杉本が祝詞をあげて、祈願をした。
大久保検事:その後、杉本からは何と言われたか。
証人F:これですべての霊が霊界に入れましたよ。おめでとうございます。と言われた。
大久保検事:霊界に入れなかった霊がいるとは言われたか。
証人F:言われなかった。
大久保検事:領収書はもらったか。
証人F:もらった。
大久保検事:領収書には金額が書いてあったか。
証人F:書いてあった。内訳は覚えていない。
大久保検事:(甲21添付の資料5の1〜3「領収書」を示す)
証人F:これらがそのときもらった領収書に間違いありません。

(6)お浄め
大久保検事:お浄めは青山サロンでやったのか。
証人F:いいえ、その場所(土地建物)でやった。
大久保検事:お浄めについては、家族に話したか。
証人F:話した。
大久保検事:それまで家族には話していたか。
証人F:はっきり覚えていないが、この頃には話していた。
大久保検事:家族は賛成していたか、反対していたか。
証人F:反対していた。騙されている、と言われて、強く反対された。
大久保検事:でも、あなたは効果があった、と信じていたね。
証人F:はい。
大久保検事:何があったのか。
証人F:空きテナントに入居者が来た。
大久保検事:それはいつ。
証人F:特別祈願の1週間後くらい。
大久保検事:今でもそのおかげと思っているか。
証人F:いいえ、思っていない。
大久保検事:なぜ。
証人F:捜査官から、実はテナントの入居は特別祈願の前に決まっていた、と教えられたから。
大久保検事:テナントの入居について、御礼はしたのか。
証人F:した。
大久保検事:いくらしたか。
証人F:10万〜30万くらい?
大久保検事:最初10万、その後50万では。
証人F:はい。
大久保検事:お浄めは、杉本が1回来てすぐできたのか。
証人F:いいえ。
大久保検事:いつできたのか。
証人F:4回来て、4回目でできた。
大久保検事:3回目はなぜできなかったのか。
証人F:3回目は、家族が不在の予定だったのに帰宅してきて、お浄めの様子をビデオカメラで撮影しようとしたから。
大久保検事:杉本からは何と言われたか。
証人F:家族の○さんが反対しているのは、○さん自身のせいではない。○さんに地縛霊が憑依していて、それが邪魔をしている。と言われた。それで、○をお浄めしてほしいといったが、無駄だと言われた。「重大決心をしてください。やらなかったらこのままですよ。」と言われた。

(プライベイトな内容であるため一部割愛)

大久保検事:お浄めを実施できたのはいつか。
証人F:その約1月後だと思う。
大久保検事:当日、誰が来たか。
証人F:杉本、M澤、Y田の3人。
大久保検事:杉本は何かコメントしていたか。
証人F:「空気が非常に悪い。ここに来るといつもそうだけど頭が痛くなる。」などと言っていた。
大久保検事:会社については。
証人F:具体的に指を指して、ここが首切りの処刑場でしたとか、行き倒れの子どもがいたとか、処刑された胴体が積み上がってるとか。
大久保検事:どこがどうだと言われたか。
証人F:駐車場が処刑場。***に行き倒れの子どもがいて、風呂場に胴が積み上げられている、という話。
大久保検事:そのときの杉本の動作は。
証人F:このときは普通のもの言いで、特に動作はなかったと思う。
大久保検事:あなたには何か見えたか。
証人F:全く見えませんでした。
大久保検事:M澤やY田には見えていたのか。
証人F:特に、覚えていない。
大久保検事:その後、お浄めをしたのですね。
証人F:はい。
大久保検事:どこでやったのか。
証人F:会社、居住部、すべての部屋で。
大久保検事:具体的には何をするのか。
証人F:白米と日本酒と塩を、各部屋にまいていた。その後、杉本が祝詞をあげた。
大久保検事:杉本は何か言っていたか。
証人F:「これで空気が良くなりましたね。頭が痛いのも取れました。」などと言っていた。
大久保検事:あなたは何か変化を感じたか。
証人F:特に変化はなかった。
大久保検事:それについて杉本は。
証人F:「Fさんはずっと住んでたので麻痺してたんでしょう。変わったのは分かりませんか。」「おめでとうございます。よくなりました。これでFさんも年収2000万円くらいにはなりますよ。」などと言われた。当時の年収は700万円くらい。
大久保検事:年収について、あとこれをしたら、とか、条件は言われなかったか。
証人F:特になかった。「あなた次第」と言われた覚えもない。
大久保検事:実は霊は取り除けていない、とか、定期的にお浄めをする必要がある、とか言われなかったか。
証人F:言われなかった。
大久保検事:それでどう思ったか。
証人F:これでネット事業もうまくいくと思った。
大久保検事:実際はどうだったか。
証人F:ネット事業には着手できなかった。
大久保検事:業績については。
証人F:6月期末だが、最初の4半期は業績はよかった。前年同期比何割かアップだった。
大久保検事:その後は。
証人F:最初だけで、また失墜した。

(7)その他
大久保検事:平成17年1月、年初に、杉本に質問したか。
証人F:した。
大久保検事:どのように質問したか。
証人F:先生から言われた年収2000万には届きそうにないがどうでしょう、と質問した。
大久保検事:杉本の答えは。
証人F:「実は、このときまでにあなたが車に飛び込んで亡くなるところだったのを、助けられました。そのこととチャラになりました。」
大久保検事:このときは先ほどの仕草をしていたのか。
証人F:していた。それでまた信じた。
大久保検事:2000万になるとは言ってないとか、あなたの努力が足りないとか、言われなかったか。
証人F:言われなかった。
大久保検事:あなたは怠けてたのか。
証人F:怠けてない。
大久保検事:そもそも、別の願いに御玉串を振り返るとか、事前に言われていなかったか。
証人F:言われていない。
大久保検事:杉本には追及しなかったのか。
証人F:しなかった。
大久保検事:なぜしなかったのか。
証人F:神書にも、疑ってはいけない、言われたとおり素直にやれ、と書いてあるから。
大久保検事:いつまでE2と関わってたか。
証人F:平成19年春頃まで。
大久保検事:平成17年8月頃、家系図を見られたか。
証人F:はい。
大久保検事:どうして見られたのか。
証人F:急に、杉本から直接電話があって、今から家系図を持って来なさいと言われたから。
大久保検事:見られてどうだったか。
証人F:私の4代前の先祖の生まれ変わりが、私だと言われた。
大久保検事:家系図には、4代前の先祖について何と書かれていたか。
証人F:投身自殺したと書かれていた。
大久保検事:それでどう思ったか。
証人F:自分も投身自殺するのかと思った。
大久保検事:その先祖とあなたと共通点はあったか。
証人F:経済的に困窮して自殺したと、両親から聞かされていたので、あったと思う。
大久保検事:それで杉本からは。
証人F:その先祖が、入水自殺して、寒いから早く迎えに来てくれと言ってると言われた。
大久保検事:場所は。
証人F:鳴門海峡。家系図に金比羅参りに行く途中と書いてあったので、そうかなと思った。
大久保検事:その他に、お詫びが必要とか、天下分け目の御祈願が必要とか、蛇に取り憑かれている、とか言われたか。
証人F:はい。
大久保検事:お金は余裕あったのか。
証人F:苦しかった。神書に天秤の法則が書かれていたが、そのせいかと思っていた。
大久保検事:あなたは、結果が出ていないことについて、誰かから何か言われていたか。
証人F:御礼をしたり人を連れてきたりしたら、天秤が釣り合いますよ、とは言われていた。
大久保検事:誰に言われていたか。
証人F:杉本や、スタッフにも言われていた。御礼や人を連れてくるのが足りない、と。
大久保検事:お金には限度があるね。
証人F:はい。なので人を連れてくる努力をしていた。奇跡の話をしたり。
大久保検事:必死だったのか。
証人F:はい。
大久保検事:奇跡の話は、ありのままを伝えていたのか。
証人F:いいえ、いいことを書いていた。
大久保検事:悪いことを書いたら御神業的には。
証人F:神書には良くない、と書かれている。
大久保検事:誇張していたのか。
証人F:していた。
大久保検事:それで天秤は。
証人F:それでも釣り合っているとは言われなかった。
大久保検事:平成19年初頭頃、ネットのサイトを見たね。
証人F:はい。
大久保検事:どんなことが書かれてたか。
証人F:fujiyaさんのサイト。神世界に対する批判が書かれていた。
大久保検事:それを見て最初はどう思ったか。
証人F:嘘ばかりだと思った。腹が立った。
大久保検事:その後は。
証人F:気になったのですべて見た。そうしたら騙されてると思うようになった。
大久保検事:すぐにE2から離れられたのか。
証人F:できなかった。
大久保検事:なぜか。
証人F:もっと悪くなる、という恐怖心があった。
大久保検事:そのことは誰から言われていたか。
証人F:神書にも書いてあるし、杉本や、スタッフからも聞いたことがある。御礼が足りないとか、よく説教されていた。御霊光や御祈願で、今が維持できている、離れると悪くなっていく、と言われている。
大久保検事:その心境を御守りとからめて言うとどうか。
証人F:御守りはぶら下げていることで神様と繋がるもの。外すのは躊躇が非常にあって、怖かった。
大久保検事:E2から離れた後、急に体調が悪くなったとか、悪いことが次々に起こったことは。
証人F:なかった。



●午後の部
被告弁護人(笠原)による反対尋問(に対する証人Fの証言・要約)

1 日時:平成23年9月21日(水)13:30〜14:45,15:05から16:00頃まで

【傍聴席の様子】
 この日は台風15号の接近で、悪天候が予想されたにも係わらず、多くの傍聴希望者が地裁に詰めかけ、傍聴券配布には席数の倍以上と思われる人が並んでいた。傍聴席に入って満席の傍聴者を眺めてみると、傍聴席の多くは「神世界側?」と思われる人達が座っていた。報道席には4席ほどの空席があった。

【笠原弁護人による反対尋問の概要】
(1)告訴について
笠原弁護人:告訴日は平成19年12月20日であり、平成19年12月9日付の員面調書があるが、告訴前に何度か警察に行ったのか?
証人F:はい
笠原弁護人:平成19年12月20日、神世界の施設に大規模捜索があったことは知ってるか?
証人F:はい
笠原弁護人:その捜索の被疑事実は、証人が告訴した事実であることは知っているか?
証人F:はい
笠原弁護人:被疑事実の内容は?
証人F:490万円の件です
笠原弁護人:平成19年12月に、弁護士を立てて、2000万円の損害賠償請求をしましたよね?
証人F:はい 
笠原弁護人:(弁4の添付資料1「支払状況報告書」を示す)これを警察から示されたことは?
証人F:あります
笠原弁護人:このうち、御玉串、お浄めと特別祈願を告訴したの?
証人F:はい
笠原弁護人:他にもあるが、この2つだけを告訴したの?
証人F:金額が大きいものだけ告訴した
笠原弁護人:他にも計600万円の御玉串料があるが(3枚目H18.5.18?)、なぜこれらを告訴しなかったの?
証人F:490万円の件が今回の発端だから
笠原弁護人:490万円は、あなたの判断で告訴したのか?
証人F:私の意思です
笠原弁護人:告訴手続は誰がやったの?
証人F:私自身でやりました
笠原弁護人:平成19年12月中に弁護士を立てて損害賠償をやっているが、告訴について弁護士を立てていない理由は?
証人F:特にない
笠原弁護人:弁6(通知書)を示す=神世界被害対策弁護団の弁護士が作成した神世界とびびっととうきょう宛の通知書
笠原弁護人:この通知後に告訴しているが、告訴に弁護士が関与していないのはなぜ?
証人F:弁護士費用が掛かるから
笠原弁護人:平成23年5月に、M澤が逮捕・勾留されたことは知っているか?
証人F:はい
笠原弁護人:平成19年12月20日は、杉本だけでなく、M澤も告訴したの?
証人F:いいえ。杉本のみ
笠原弁護人:M澤が逮捕・勾留されたのは、なぜか知ってるか?
証人F:知らない
笠原弁護人:今回の尋問前に、検察官と何回か打ち合わせをしたか?
証人F:3回した
笠原弁護人:検面調書は示されたか?
証人F:いいえ
笠原弁護人:検面調書の内容は正しいと思うか?
証人F:はい

(2)資産について
(この後、被害者Fの資産等の状況についてやり取りがあったが、裁判の趣旨とは食い違うものであるため割愛)
■裁判長:主尋問から離れる質問です
笠原弁護人:後で出てくるんですが、分かりました。

(3)勧誘の経緯(M澤との出会い・やり取りが中心)
(この後、M澤と出会った経緯などについてやり取りあったが、裁判内容とはあまり関係がないので一部割愛)
笠原弁護人:1回目の神霊鑑定までの間に、M澤とやり取りはあった?
証人F:何回がやり取りした
笠原弁護人:M澤から予約申込表のファックスが来たとき、M澤に神霊鑑定について尋ねた?
証人F:はい
笠原弁護人:M澤は何て言ってた?
■裁判長:M澤があなたに説明した神霊鑑定の内容は、どういうものでしたか?
証人F:質問事項がうまく行くかの見立てと軌道修正をしてくれると
■裁判長:M澤に神霊鑑定とは何か尋ねた?
証人F:その時でなく、△△△の時に話を聞いていたので、1回目の鑑定までに質問したことはない
■裁判長:占いでないとM澤に言われたそうだが、具体的にどうやって杉本が軌道修正をしてくれるとM澤は言っていたのか?
証人F:覚えてない。
笠原弁護人:甲40の検察官調書で、あなたは「神に尋ねて道を示してくれる、それが神霊鑑定だ、とM澤が言った」と述べているが、こういう説明を受けたのでは?
証人F:・・・・
笠原弁護人:1回目の鑑定前、M澤と何回かやり取りをしているが、神書が話題になったことは?
証人F:ある。これを読めば全て理解できると言われた
笠原弁護人:M澤は神書を信じていると思うか?
証人F:そう思う
笠原弁護人:1回目の鑑定前に、M澤から「お守様」の話を聞いたことがあるか?
証人F:プラスのエネルギーがもらえるという説明を受けた
笠原弁護人:「御霊光」の話は?
証人F:プラスのエネルギーがもらえると聞いた。これらを聞いたのは、杉本に会う前。
笠原弁護人:甲40(神霊鑑定予約申込表)を示す
笠原弁護人:紹介者の欄には、M澤・S宮とあるが、このS宮は△△△の?
証人F:そうです
笠原弁護人:S宮もE2の紹介者だったのでは?
証人F:ちがう
笠原弁護人:なぜS宮を書いたの?
証人F:E2に良い印象を持ってもらうため。数が多いほうが良いと思ったから。
笠原弁護人:S宮がE2の関係者だと知っていたから書いたのでは?
証人F:・・・分かりません
笠原弁護人:平成16年3月ころ、あなたは神を信じてた?
証人F:信じてたことはない
笠原弁護人:神が人の人生に影響を与えるという考えはなかったのか?
証人F:神うんぬんではなく、何かに頼りたいという感情
笠原弁護人:あなたは、人知を超えたものの力を信じるのか?
証人F:とにかく良くなりたいという一念だけ
笠原弁護人:何かにとにかく頼りたいということ?
証人F:どうなんでしょう
笠原弁護人:霊は信じてた?
証人F:心霊スポットとかは信じてない
笠原弁護人:甲40に「神霊」と書いてあったのに、あえて申し込んだのか?
証人F:M澤に宗教でないと言われたので

(4)1回目の鑑定(平成16年4月15日)
笠原弁護人:1回目の神霊鑑定の部屋の様子は?
証人F:長方形の部屋。左がたが窓、右がた中心に大きい額、鑑定後を受けたのは、左上の隅にテーブルがあり、そこで杉本と
笠原弁護人:額の前に祭壇やテーブルはなかったか?
証人F:なかった
笠原弁護人:掛け軸はなかった?
証人F:殴り書きみたいな、じろじろ見るのがはばかられるような字が書いあった
笠原弁護人:観音様の掛け軸はなかった?
証人F:記憶にない
笠原弁護人:全部で(青山サロンに)何回行ったの?
証人F:3回くらい
笠原弁護人:20階に引っ越してからも、掛け軸があったのでは?
証人F:その頃は、表参道サロンに行くように言われたので
笠原弁護人:玉串袋を何回もあげてるよね?どんな風にあげてたの?
証人F:13階では、御額や掛け軸の前にあげていた
笠原弁護人:その掛け軸や御額を神様と呼んでたんじゃないの?
証人F:はい、神様と呼んでました。手を合わせ、おじぎをして玉串をあげてました
笠原弁護人:1回目の神霊鑑定のときも、玉串をあげてない?
証人F:スタッフにあげたが、神様にあげたかどうかは覚えてない
笠原弁護人:1回目の鑑定で、杉本が言った解決策は?
証人F:できれば自宅の土地を出た方が良いと言われた
証人F:私が出れないと言ったところ、特別祈願とお浄めが必要だと言われた 
笠原弁護人:そうじゃなくて、まず神様とつながることが一番先、と言われたのでは?
証人F:順番は覚えてないが、甲40の裏面にメモしてあることを言われた
笠原弁護人:甲40の2枚目の裏面を示す
証人F:上から順に書いたと思うので、その順で言われたと思う。
証人F:だから、特別祈願とお浄めの話の後、神様とつながる話をされたと思う
笠原弁護人:杉本の話を聞いてどう思ったか?
証人F:立て続けに身内が死に、事業もうまくいかず、自分の立場上、先祖の霊を供養しなければと思った
笠原弁護人:先祖の供養と、事業がうまくいかないことはどうつながると思ったのか?
証人F:先祖の霊が成仏してないから、色々うまくいかない、成仏すれば、軌道修正できると思った
笠原弁護人:なぜ先祖と事業等を結びつけて考えたのか?
■裁判長:あなたは元々は霊とか信じていなかった。しかし、杉本に言われて信じたんですよね?それはなぜですか?
証人F:立て続けに身内が死に、会社の業績もいつまでも上がらない、その上、杉本に菩提寺を言い当てられて、すごい能力だと思い、信じた
笠原弁護人:平成19年12月9日付検面調書で、あなたは、神霊鑑定を信じた理由を、サロンに高級感があったこと、M澤の経験談をきいたこと、家族から浮遊霊の話を聞いたこと、であると述べているが?
証人F:それもある
笠原弁護人:1回目の鑑定結果を家族に話したら何て言ってましたか?
証人F:帰宅後すぐ、首切り場で自縛霊がいる話を伝えたところ、家族の者は、数年前にいたバイトの子が、同じようなことを言っていたが、その子から内緒にしてくれと言われていたので、今まで言わなかった、と言われた。
笠原弁護人:弁1(神書)を示す
笠原弁護人:平成16年4月15日の前に、神書と御守様を買うつもりだったか?
証人F:100%買うというつもりではなかった。存在は知っていたが、一応買うつもりということ。そのことは、M澤に伝えた。
笠原弁護人:甲41を示す(平成16年4月14日付M澤→杉本の報告書)
笠原弁護人:なぜ神書と御守様を買おうと思ったの?
証人F:M澤の体験談を聞いたから
笠原弁護人:平成16年4月15日に神書を買って帰ってから、読んだか?
証人F:当日か翌日かは分からないが読んだ。その後、数回読んだ。
笠原弁護人:どんな印象をもったか?
証人F:天秤の法則で釣り合うんだ、御霊光によりプラスのエネルギーが充満するのだ、と思った。
笠原弁護人:M澤から、神書を読めばE2のことが分かると言われたよね?
証人F:はい
笠原弁護人:警察や検察に神書の感想を話したことは?
証人F:記憶にない
笠原弁護人:警察や検察に嘘をついたことはあるか?
証人F:故意での嘘はない
笠原弁護人:平成19年12月9日付検面調書の17ページには、「その日のうちに読んだ・・・どんどん引き込まれ、信じれば救われると思った」とあるが?
証人F:(メモできず)
笠原弁護人:1回目の鑑定は時間切れになったとのことだが?
証人F:杉本から△△△株の公開は難しいと言われたが、ネット販売の社名の件やお浄め等の件については、聞けずに終わった
笠原弁護人:甲43(神霊鑑定予約申込表)を示す=2回目の鑑定分の申込表
笠原弁護人:これは平成16年4月15日中に作ったのか?
証人F:15日中ではないと思うが、よく覚えてない
笠原弁護人:自分で作ったのか?
証人F:1人で作ったと思う
笠原弁護人:これは直接送ったのか?それともM澤経由か?
証人F:覚えてない
笠原弁護人:(質問事項の)1項目は、ネット販売の社名についてだよね?
証人F:はい
笠原弁護人:2項目は、お浄めの金額等についてだよね?
証人F:はい
笠原弁護人:お浄めのところに「どうしても」と挿入されてるが、これを書いたのはあなただよね?
証人F:はい
笠原弁護人:2項目に「どういうことを神様にしたら良いか」という質問を書いているが、どういう意味?
証人F:この時点で神書を読んでいるので、どうやったら良くなるか、ということ
笠原弁護人:3項目に、「出て行く覚悟も決断しました」とあるが、これはどういう意味?
証人F:出て行くための方法を聞いたということ
笠原弁護人:4項目に「・・・永遠にするために、すべきことを教えて欲しい」とありますが、誰に教えて欲しいということ?
証人F:杉本です
笠原弁護人:神様じゃないの?
証人F:いえ
笠原弁護人:5項目の文中に「本日」はとありますが、これはいつですか?
証人F:文章からすると、色紙を3枚もらった日と解釈できます。
笠原弁護人:そうすると、これを書いたのは4月15日ということですか?
証人F:文章からはそう推察されます。

(5)2回目の鑑定(平成16年4月19日)
笠原弁護人:平成16年4月19日の2回目の鑑定は、1回目と同じ場所?
証人F:はい
笠原弁護人:お礼として玉串3万円あげたよね?
証人F:はい
笠原弁護人:神に向かってあなた自身があげたのでは?
証人F:記憶にない。鑑定のインパクトが強いので。
笠原弁護人:あなたは力・気・楽の色紙を3枚買っているが、持ち帰ってからどうした?
証人F:言われたとおりの場所に、額に入れて飾った
笠原弁護人:2回目の鑑定の結果、お浄めと特別御祈願をすることにしたのか?
証人F:はい
笠原弁護人:代金は、御額も合わせて500万ということか?
証人F:はい
笠原弁護人:500万円はすぐに準備に入ったのか?500万円の支払に代わる他の方法を杉本に尋ねなかったのか?甲43には「500万円払えなかったら、どうしたら良いか教えて欲しい」というようなことが書いてあるが。
証人F:尋ねなかった
笠原弁護人:お金を準備することを選択したのか?
証人F:はい
笠原弁護人:納得したのか?
証人F:用立てられる金額だったので。
笠原弁護人:テナントの募集条件は?
証人F:賃料月32万、保証金10ヶ月分
笠原弁護人:テナントがすぐ決まれば、どの位の収入になるのか?
証人F:32万円×月数
笠原弁護人:弁4(テナントの募集広告)を示す
笠原弁護人:神様の力によって、テナントがスムーズに決まれば500万円の玉串は割りに合うと思わなかったか?
証人F:キャッシュは入ってくるが、プラスに転じるわけではない。会社が資金ショートしているので、そうは思わない。
笠原弁護人:2回目の鑑定時、特別御祈願があったが、御祈願文は書いた?
証人F:書いてない
笠原弁護人:玉串はあげた?
証人F:あげた
笠原弁護人:誰があげた?
証人F:記憶にない
笠原弁護人:どういう形で特別御祈願が進んだか言ってみて?
証人F:玉串をあげる→杉本が祝詞をあげる
笠原弁護人:一礼・三拍手はしなかった?
証人F:覚えてない
笠原弁護人:杉本は何に向かって祝詞を?
証人F:掛け軸だか御額だか
笠原弁護人:祝詞の間、あなたは何をしてたの?
証人F:頭を床にこすり付けてた
笠原弁護人:掛け軸か額に向かって平伏していたんですね?
証人F:はい

(6)お浄め(平成16年6月24日に実施)
笠原弁護人:Y田はどういう人?
証人F:3、4歳下で、やせ型の女性スタッフ
笠原弁護人:お浄め後の感想は?
証人F:杉本から空気が良くなったなどと言われたが、全く実感がなかった
笠原弁護人:空気が良くなったと言ったのは、あなたではないか?
証人F:違います
笠原弁護人:弁4の添付資料9(M澤が書いたメモ)を示す
笠原弁護人:ここには、「証人F氏 空気がきれいになった」と書かれているが?
証人F:言ってません
笠原弁護人:あなたはE2に何人紹介したの?
証人F:30分3千円の普通のヒーリングには5、6人連れて行ったが、1回きり。
笠原弁護人:札幌や大阪でも何かしたのでは?
証人F:奇跡の話を伝道師として話に行った

(この後、事件との関連性が乏しいと思われるプライベイトな内容なので一部割愛)

笠原弁護人:弁4の添付資料41(?)3頁152番を示す
笠原弁護人:これはどんなご祈願?
証人F:100万円が最高額で「改造」という効果があるということ
笠原弁護人:天下を分ける御祈願、は一定の人だけできるものでは?
証人F:月1回の祭典に出てる人のみと思っている。
笠原弁護人:パンフレットを見たことは?
証人F:А4のチラシを見た。金額ごとに効果が書いてあった。
笠原弁護人:スタッフ用と思わなかった?
証人F:いいえ。祭典はスタッフは出ないので、スタッフ用じゃないと思う。
笠原弁護人:弁4の添付資料21の2枚目を示す
笠原弁護人:ここには、スタッフ用だと書いてあるが?
証人F:スタッフ用ではないと思う。
笠原弁護人:弁4の添付資料21の3枚目を示す
笠原弁護人:「会主様へ」とあるが、これは誰?
証人F:一番上の人という認識を持っていた
笠原弁護人:びびっととうきょうの会主ではないか?
証人F:そうです
笠原弁護人:ここに拠点とおして表参道と書いてあり、人名に丸が付いているが?
証人F:私が書いたのでないから、知らない
笠原弁護人:札幌、福岡、福島とあるが、この時に東京のスタッフは参加してないの?
証人F:覚えてない
笠原弁護人:平成16、17年ころ、青山サロンのスタッフで、O平、Y田、G司、H、という女性はいたか?
証人F:いた
笠原弁護人:一般のスタッフとは違うのか?
証人F:はい
笠原弁護人:この人達は、神や杉本の能力を信じてた?
証人F:そう思う。

(プライベイトな内容であるため一部割愛)

大久保検事:お客同士の連絡は自由だったか?
証人F:平成16年当初は、客同士の連絡を禁止することはなかった
証人F:ただ、時期ははっきりは分からないが、表参道サロンができた平成17年12月下旬頃の前後に、客同士の連絡が禁じられるようになった。表参道にはその旨の張り紙がしてあったので分かった。
大久保検事:(杉本が能力を得た経緯について質問)
証人F:私がE2に関わって中盤くらいのころ、杉本がどうやって能力を得たかを教えてくれた。
証人F:杉本は、「私も元々お客で、杉本家の墓守だったが、あるとき腹に激痛が走り、トイレに行ったところ血の塊が出て、その後、能力を授かった」と言っていた。拳大の血の塊だったと言っていた。
大久保検事:「排泄」と混同してないか?
証人F:してないと思う。
大久保検事:杉本が、何か講座を受けたからそういう能力を得たと言ってたことはないか?
証人F:ない。
大久保検事:M澤を今日見かけたか?
証人F:はい
■裁判長:M澤が傍聴席にいるか確認してもらってもいいですか?
笠原弁護人:どういう趣旨か?
大久保検事:弁護人側はM澤を人証請求するといっており、他の証人の尋問は聞かせないのが通常だから、もし聞いているなら証言の信用性に影響するから。
■裁判長:じゃ、証人見てください。
証人F:(傍聴席のM澤を指差して)います
■裁判長:指は指さなくていいです
笠原弁護人:弁6(通知書)を示す
笠原弁護人:表参道サロンがE2から離れたのは知ってるよね?
証人F:はい
笠原弁護人:弁7(奇跡コンテスト申込用紙)を示す
笠原弁護人:トウレキ、って何?
証人F:神世界で使っていた暦だから、よく分からない
笠原弁護人:どんなコンテストだったの? 
証人F:そこに書いてあるとおりだが、結局順位とかは決めなかったと思う
■左陪席裁判官:御額って何?
証人F:神様自体と言われた
■左陪席裁判官:実際に払ったのは500万5千円か?
証人F:はい
■左陪席裁判官:1つの封筒で払ったのか?
証人F:いいえ。5千円は自分の財布から出して、払った。よく覚えていないが、言われるままに3つに分けたような気もする
■裁判長:お浄めは4回目でできたということだったが、1回目・2回目はなぜダメだったの?
証人F:そのときは家族はいなかったが、杉本が1、2分で、今日はダメだ、やめましょう、といって流れた。
■裁判長:1回目と2回目はいつごろか?
証人F:分からない
■裁判長:3回目のどれくらい前かも分からないか?
証人F:はい
■裁判長:3回目は全く行われなかったのか?
証人F:はい

16:00頃閉廷

 裁判が終わり帰途についたが、台風15号は関東地方に再接近しており、裁判所の外は暴風雨が吹き荒れていた。電車が不通になり、”帰宅困難者”の仲間入りを余儀なくされた人も多かった。



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