検察側冒頭陳述概要
(平成23年[わ]第1633号等 2011.12.6 横浜地裁101号法廷)
検事:それでは検察官が証拠によって証明しようとする事実について述べる。
■被告人の身上経歴
被告人は山梨県甲府市で出生し、同県内の高校を卒業後、大学の法学部に入学したがその後中退した。被告人は平成15年8月8日に共犯者・佐野孝の前妻の葉子と婚姻した。佐野と葉子との間に出生した3人の子供を養子にし、葉子との間に2児をもうけた。前科前歴はない。
■神世界グループの団体性
(有)神世界は平成12年2月7日に、(有)千手観音教会事業部として設立され、平成14年3月18日に商号変更によって現在の(有)神世界となった。同社は登記簿上、占いによる運勢姓名等の鑑定、祈願、供養などの受託、健康増進等に関するコンサルタント業務、掛け軸、額、お守り、書籍、食料品等の販売、宅地建物取引業をその目的とし、日原易子(ひはらやすこ)が代表取締役、被告人、妻の葉子等が取締役となっている。
(有)えんとらんすアカサカは、平成13年5月1日に設立され、登記簿上、健康増進・結婚等に関するコンサルタント業務、心理的な悩みを解消するためのカウンセリングの受託、書画・骨董品・書籍・食料品等の販売、宅地建物取引業等をその目的とし、共犯者・淺原史利が代表取締役、その妻である同嘉子等が取締役となっている。
同社と(有)神世界は平成14年1月1日、アカサカが千手観音教会の名称を使用して同社の定款の事業目的に記載された同一事業を運営することを認めることや、アカサカが神世界に対して売上金額の一定割合の金額(以下、上納金)を毎月支払うこと等を定めた契約を締結した。売上金額に対する上納金の割合は契約当時は50%とされ、平成15年1月1日からは、毎月の売上金額が3000万円以上の場合は30%で、それ以外の場合は50%とされ、平成18年3月1日からは30%とされた。なお、アカサカは他の有限会社とともに、いわゆるえんとらんすグループを形成しており、同グループの最高責任者は共犯者・佐野孝である。
(有)イースクエア(以下、E2)は平成15年11月18日に設立され、登記簿上、占いによる運勢姓名等の鑑定、健康増進等に関するコンサルタント業務、食料品等の販売等をその目的としていた。杉本こと吉田明枝が唯一の取締役であった。
同社と(有)神世界は平成13年3月7日、先に述べた上記2社と同一の契約を締結した。売上金額に対する上納金の割合は契約当時は50%とされ、平成14年1月1日からは、30%とされた。
(有)神世界はアカサカやE2以外にも、複数の有限会社等と同等の契約を締結してこれらを傘下に置き、これら各有限会社の経営者や従業員等によって(有)神世界を中心とする神世界グループを形成した。
■被告人の占める位置
神世界グループにおいては、被告人(斉藤亨)が最高責任者であり、被告人が執筆したとされる「神書」と称する本の記載内容がグループ内で共有され、その内容に従って行動することが各経営者や従業員等に求められるのに加え、被告人が祭典や会議等の機会に於いて直接・間接に行う指示も必ず遂行実現すべきものとして共有されていた。
具体的には、神書や被告人の指示に於いては、「御神業の為には金と人が必要である」などとされ、より多くの金と人を集めることが経営者等の必達すべき至上の目的とされていた。
■各社の営業形態
アカサカに於いては同社を含めえんとらんすグループの最高責任者であった佐野孝、同社の幹部であった共犯者・淺原史利及び嘉子らの指揮命令の下、E2に於いては最高責任者であった共犯者・杉本明枝の指揮命令の下、「外のスタッフ」と呼ばれる従業員が、新規顧客の獲得活動等を行って、「中のスタッフ」と呼ばれる従業員に引き継ぎ、中のスタッフが御霊光の取り次ぎと称する行為を顧客に対して行うなどしながら、顧客の悩みを聞き出すなどして神霊鑑定士と称する経営者や幹部従業員等による面談に誘導し、神霊鑑定士がカウンセリング等と称して顧客と面談し、高額な祈願を行わせたり、お守りや額などの物品を販売するなど、一体となって新規顧客や売り上げを獲得するための行為を反復継続していた。
■参加団体幹部の詐欺行為
本件詐欺行為が、神世界グループの団体の活動として、詐欺に該当する行為を実行するための組織により行われたことについて述べる。神世界グループの意思決定は先に述べた通り、神書を執筆したとされグループの最高責任者である被告人の一存で行われていた。従来の主力商品であった御霊光の取り次ぎに加えて、神霊能力を売り物にした金員獲得手法、すなわち神霊能力なる特別の能力を有すると称する、神霊鑑定士が「神霊鑑定」と称して悩みやトラブルを抱えた顧客と面談し、悩みなどの原因を的確に特定した上、確実な解決方法として高額な祈願等を提示し、顧客から多額の金員を取るという手法が被告人の考案によるものであるところ、その指示により当該手法による金員獲得活動が神世界グループ内で広く行われ、本件各犯行もその一環として行われた。
■各社に営業成績を競わせていた事実
被告人は、参加団体代表者の取り扱いを各団体の売上高の過多によって差別化し、参加団体のうち、売り上げの低いところは他の団体に吸収させるなど述べ、参加団体同士の競争を煽った。参加団体代表者等は、被告の意を受け、神霊鑑定等によって多額の祈願に誘導するなどの方法で、競って売り上げを伸ばそうとした。しかし、共犯者・佐野や史利、嘉子や杉本などの神霊鑑定士には顧客の悩み等の原因を的確に特定して確実な解決方法を提示する能力などなく、被告人もそのことを認識していた。
■死者等が出ていた事実
被告人が執筆したとされる神書には、御霊光は現代医学では不治あるいは原因不明と判断された重病・難病を次々と治すことが可能である等と記載され、被告人は祭典等に於いても同種の発言を繰り返した。しかし、実際には、
(1)平成10年5月には、幹部夫婦の間の生後3カ月の子供が当時の千手観音教会の本殿で、御霊光の取り次ぎを受けていたときに引きつけを起こし、ていえいぶや急性胃腸炎等を原因とする心肺停止状態に陥り、病院に救急搬送されて入院し、集中治療を施されたが効果はなく、1才11カ月となった平成12年1月にも高度の脱水を原因とする高体温等によって病院に救急搬送されて入院治療を受けるなどし、重い後遺症が残った。
(2)平成8年秋頃から千手観音教会に通い始めたある顧客は、糖尿病の治療を受けていたにも係わらず、薬は毒であって使い続ければ命の危険もあるから使ってはならない旨の神書の記載を信じ、平成10年秋頃からはインシュリンを使用しなくなるなど病院の治療を受けなくなり、その一方で御霊光の取り次ぎを受け続けていたが、平成12年2月11日、神世界教会で御霊光の取り次ぎを受けていたときに意識不明となり、病院に救急搬送されたものの、その日のうちに死亡した。
(3)平成11年7月には、生後9カ月であった千手観音教会会員の子供が、2日間高熱を発した後に、引きつけを起こして呼吸停止に至り、救急搬送したものの高熱から呼吸不全によって死亡した。
(4)平成13年8月には、生後8カ月であった教会会員の子供が、数日前からの発熱を経て痙攣を起こして呼吸停止に至り、救急搬送したものの急性脳炎等により死亡した。
(5)平成14年8月には、関西方面の幹部会員であった女性が、子宮頸癌に罹患していることが判明し、御霊光の取り次ぎを行うなどしたものの、翌15年2月に死亡した。
被告人等はこれらの事実を顧客らが知ることのないようにその隠蔽(注1)に努めた。
その一方で、御霊光による奇跡の体験談である、「奇跡の話」として、虚偽内容の体験談を会報に掲載するなどし、あたかも御霊光に病気を確実に治癒する等の効果があるかのように装い続けた。
(注1、同日午前中に行われた杉本明枝の公判において、隠蔽の様子が次のように述べられている)
(1)この亡くなった男児の父親の供述調書には、淺原嘉子からの電話で男児が病院に運ばれて危篤である旨聞いたこと、同女(嘉子)から男児の母親が千手観音教会のことを病院で話さないように病院まで行って口止めをすることを指示されたこと(中略)が述べられている。
(2)当時、斉藤亨や日原易子等が「神手かざし」と呼ばれる行為で御霊光というものを客に取り次ぐという業務を行っていた。これらの千手観音教会の幹部等は御霊光を取り次いでもらうことで健康になるよと言っていたこと。斉藤亨が薬を使用したその毒素が大量に体内に蓄積されると生命に危険がある等と言っていたため、母がインシュリン注射を打たなくなり、病院にも通わなくなったこと。母が会う度に痩せていき、歩くのさえおっくうそうになっていったこと、母は千手観音教会に通っていた3年間で500万円くらいを千手観音教会に使っていたこと、母は亡くなる少し前頃にも「遠隔神手かざし」を受けていたが、様態がますます悪化していったこと、亡くなる直前、母のたっての頼みで教会に連れて行き、日原易子等の神手かざしを受けさせたが、その途中で、「救急車!救急車!」という声が聞こえて騒がしくなり、母の様子を見たら意識不明の状態になっていたこと、斉藤亨の父が慌ただしく出入り、斉藤亨自身もその場にいたが、呆然とした表情でただ歩き回っていたこと、そのような騒ぎの中、救急車が到着するまでに職員が千手観音教会の看板に白いテープを貼って文字を隠していたこと、斉藤亨の父が、「インシュリンを止めろとか、病院に行くなとは言っていないですからね」、「これを受け取っておいてください」等と言いながら金が入っていると思われる封筒を渡そうとしたが父は受け取りを断ったことが明記されている。
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■神霊能力に関して
神霊能力を有するとされる「神霊鑑定士」と称する者が行う”神霊鑑定”なる行為は、平成12年2月頃、被告人(斉藤亨)が、売上げを劇的に増加させるための高額商品として考案したものであり、現に多額の売り上げにつながることを確認した上で活動の柱に決めたものであった。
このような経緯から、神霊鑑定士となる方法については、被告人(斉藤亨)は平成12年2月頃には、「佐野孝は長年、私の言うとおりに修行したから神霊鑑定士になれた」旨述べるなど、後にえんとらんすグループの最高責任者となる同人が長年の修行によって神霊能力を取得し、最初の神霊鑑定士になり得た旨述べていたところ、平成13年2月頃には、「神霊鑑定は習えませんからね。突然授かるものですから。誰が授かるか分からないです。私がこの人に授けたいなと思う訳じゃないです。それこそ突如として授かります」旨述べるなど、修行等の努力によって取得できる訳ではない旨述べて説明を変遷させた。
更に平成14年12月頃には、「神霊能力開発講座」なる講座を受講すれば、神霊能力が授かるとして、アカサカに於いて講座を開講させる等しており、その説明は著しく変遷した。
当該神霊能力開発講座の内容は、例えば人の絵が描かれた紙を受講者に示し、その人の絵を受講者の病気の家族や知人に見立てさせてその名前を書かせ、その絵の周りに祖父母等すでに亡くなった親族の名前や続柄を書かせて、その親族のうちの誰を供養すれば最初に名前を書いた家族の病気を治すことができるかを思い描かせる等というものだったが、思い描いた答えが正解かどうかの答え合わせを行うことはなく、講師をした共犯者史利が、「神霊は答え合わせをしてはいけません。判定する人によって答えはいくつもあるのです」等と述べるなどした。
講座の過程に於いて、受講者が人の悩みの原因を的確に特定したり、その確実な解決方法を示すことができるようになったかどうかの確認を全く行うことがないまま、講師に於いて、「皆さんは、もう神霊能力を得た」等と宣言して講座を終了し、受講者に対しては神霊能力を得た御礼と称して、数百万円にも及ぶ金員の支払いを要求した。
その一方で受講者に対して、「神霊能力の使用は全て本人の責任に於いて行うものであって、神霊能力の使用によって生じた全ての事柄の責任は自分にあるから、開講者であるえんとらんすアカサカには責任が帰属しない旨の誓約書を書かせた。受講者はその講座により人の悩みの原因を的確に特定したり、その確実な解決方法を示したりする特別な能力を何ら得ることがなく、またその旨を自覚していた。
共犯者・杉本も平成15年に同講座を受講して終了したことをもって神霊能力を取得したと称し、この力によって神様からのメッセージを受け取ることができるという、神霊鑑定士を標榜するようになったが、第三者の悩みの原因を的確に特定し、その確実な解決方法を示す能力等はなかった。
以上のような事実の下、被告人は共犯者・佐野ら参加団体幹部や従業員等に対して、神霊能力を活用して顧客から多額の金員を獲得するよう指示し、参加団体幹部や従業員はこれに基づいて病気を含む悩みの原因を的確に特定し、これを確実に解決し得る祈願等の方法を示すことができるかのように装って、その旨顧客を誤信させ、多額の金員を得ることを繰り返し、本件犯行に至った。
本件各犯行によって騙し取られた現金は、一部が(有)神世界に上納され、残りがE2の収入になるなど、その利益は神世界グループに帰属した。
■参加団体幹部による詐欺行為の実態
E2に於ける詐欺
【被害者Fに対する犯行】
当時41才の被害者は、有限会社の経営者として機械工具等の販売を業としておりましたが、業績状態が悪く副業にも失敗したため、機械工具等をインターネット販売する新規事業を行うなどして経営を立て直したいと望んでいた。
E2の従業員であったM澤は平成16年4月頃、かねてからの知人であった被害者から本業の業績が悪化していることや新規事業を計画していることを聞くや、「杉本先生に診てもらったら私のことをズバズバ言い当ててきた。私が抱えている悩みもパッと解決してくれた」等と言って、共犯者・杉本に相談するよう被害者に勧めた。これを受けて被害者は共犯者・杉本による鑑定の依頼をM澤に依頼した。M澤はその前後に於ける被害者とのやり取りで、被害者の先祖が山梨県出身であること等を聞き出し、事前にその内容をFAX等で共犯者・杉本に伝えた。
共犯者・杉本は同月15日頃青山のサロンに於いて、神霊鑑定と処して被害者と面談した際、被害者の菩提寺を言い当て、事前に共犯者・杉本がM澤からこれらの情報を得ていたことを知らない被害者は、共犯者・杉本には特殊な能力があるものと信用した。その際、共犯者・杉本は別紙記載の通り、業績不振等の悩み事の原因を的確に特定してその悩み事を確実に解決する能力等ないのに、地縛霊や先祖の霊が被害者に取り憑いていることが業績不振の原因であり、解決するためには土地建物のお浄めをすることが必要である等の嘘を言い、その旨被害者を誤信させた。
共犯者・杉本は土地建物のお浄め等の相談のために、再度神霊鑑定を申し込んできた被害者に対し、同月19日青山のサロンに於いて、業績不振等の根本的な原因となっている地縛霊や先祖の霊を霊界に送るためには、代金を支払って特別祈願と自宅兼店舗の土地及び建物のお浄めをすることが必要であり、これを行えば必ず被害者の願いが叶うものの、やらなければ業績が改善されることはないと嘘を言い、様々な悩みを根本的に解決するためには、代金を支払って特別祈願等を共犯者・杉本に依頼する他ない旨、被害者を誤信させた。
被害者は共犯者・杉本の要求する高額な代金を支払うためには事業資金名目で借り入れを行うほかなかったが、代金を工面して共犯者・杉本に依頼するなどした。そして共犯者・杉本及びE2の従業員は、同年5月19日頃、被害者から490万円を受け取ったり、その後、直接的かつ具体的な効果があったかのような嘘を言った。また共犯者・杉本は同年6月24日頃、M澤等と被害者の自宅兼店舗を訪れ嘘を言った上、お浄めと称して共犯者・杉本が祝詞を読み上げるなどし、その後、被害者に「これで地縛霊も成仏しましたから、後はあなた次第で年収2000万円位にはなりますよ」等と直接かつ具体的な効果があったかのような嘘を言った。
被害者はその後も共犯は杉本の能力に対する誤信を強めて行ったが、平成19年頃、インターネット上の情報をきっかけし、騙されていたに過ぎないことを気づくに至った。
【被害者Bに対する犯行】
当時36才だった被害者は、平成16年頃、病気を原因とする腹痛などに悩んでいたところ、同年5月頃、知人に誘われてヒーリングを受けるためにE2のサロンを訪れた。
同社従業員のY田M佳等は被害者に対し、「ヒーリングを受けると喘息とかアトピーだって良くなる、被害者のお腹の痛みもきっと良くなる」等と言った上、病気の原因は私たちのようなスタッフには分からないけれど、E2には杉本先生と言って病気の原因とか悩み事の原因が何でも分かるすごい先生がいらっしゃる。杉本先生は神様からの言葉も分かるすごい先生だから、杉本先生の神霊鑑定を受ければ、子宮の病気の原因も解決方法まで教えてくれる等と言って神霊鑑定に誘導した。被害者は神霊鑑定を申し込んだ。
共犯者・杉本は平成16年5月8日頃、青山のサロンに於いて、神霊鑑定と称して被害者と面談し、同女に対して嘘を言い、その後予定の時間を超過したとの理由で鑑定を打ち切った。
被害者は同年6月始め頃、病気を原因とするひどい腹痛の度に会社を休み、渋谷のサロンで御霊光を受けたが、その際に対応したE2の従業員に対して、病院から子宮を取る手術の決断を迫られて悩んでいることを話した。この従業員から直ちに電話でその旨の報告を受けた共犯者・杉本は、従業員を介してサイド神霊鑑定を受けるよう被害者に勧め、その予約を入れさせた。
共犯者・杉本は平成16年6月4日、被害者に対し子宮筋腫等の根本的な原因は霊的なものであり、その影響を除去しないうちに手術をしても効果が期待できないので、代金を払って御祈願をすればその霊的な影響を除去することができるかのような嘘を言ったので、被害者はその旨誤信した。
被害者は生活状況が苦しかったため、すぐに御祈願を申し込むことができずにいたところ、共犯者・杉本がY田を通じるなどして祈願を受けるよう被害者に促したため、被害者は借金によって代金を支払うこととして御祈願を申し込んだ。共犯者・杉本及びY田らは、同月23日、被害者から50万円を祈願代名目で受け取った後、共犯者・杉本が祝詞を読み上げるなどし、その後嘘を言うなどした。
被害者はその後騙されたことに気づくに至り、平成16年10月始め頃を最後にサロンに通うのを止めた。
【被害者Aに対する犯行】
当時42才だった被害者は、平成16年2月頃、勤務先での人間関係に悩み、書店で対人関係や自己啓発に関する本を立ち読みしていたところ、G司から声を掛けられ自宅兼事務所を訪問することとなった。その後G司はE2の拠点である青山のサロンに於いてヒーリングを受けるよう被害者に勧め、訪問の約束をとり付けた。
Y田は平成16年2月下旬頃、青山のサロンを訪れた被害者に対してヒーリングを行い、「家に帰ってから熱が出たり、お腹をこわしたりすることがあるが、それは毒素が排泄されているからであり心配ない。心配しないように」等と述べた。被害者はその後繰り返しヒーリングを受けることとした。またY田は被害者から悩み事の内容を聞き出すと、「問題や悩み事の原因が何でも分かるすごい先生がいる。占いなどの当て物とは違い、具体的な解決方法を教えてくれる」等と言って、共犯者・杉本の神霊鑑定を受けるように勧め、予約を入れさせた。
共犯者・杉本は、その数日後に、神霊鑑定と称して被害者と面談し、被害者の自宅のマンションの立地や環境、被害者と折り合いの悪い上司の性格などについて断定的に言及したため、被害者は共犯者・杉本が本来なら知らないはずのことを特殊な能力によって言い当てたものと感じた。その後被害者は繰り返しヒーリングを受け続けるようになり、良いことは全てヒーリングの効果であるように感じていった。
被害者は平成16年10月始め頃、従業員のO平に対し、自分が長年にわたって目の充血や疲れに苦しんでいることや、視力回復のためのいわゆるレーシック手術を受けるかどうか迷っている事などを打ち明け、共犯者・杉本による電話鑑定を申し込んだ。
共犯者・杉本はその申込みをしてきた被害者に対してO平を介して、平成16年10月7日頃、公訴事実別紙一覧表記載の通りの嘘(「子狐が3匹見えます。この狐の怒りを鎮めるには先祖を御供養するしかない」等)を言うなどした。また、原因を詳しく知りたければ鑑定を受けるように誘導するなどし、不安に駆られた被害者は目のことに加えて給料や結婚などその他の悩みも併せて共犯者・杉本の鑑定を申し込んだ。そして共犯者・杉本は同月23日頃、神霊鑑定と称して被害者と面談し、公訴事実別紙一覧表1記載の通りの犯行に及んだ。
同月28日頃、渋谷のサロンに於いて被害者から共犯者・杉本の鑑定結果に関する相談を受けたG司は、供養についてのお玉串料について、「100万円でも200万円でも多いほど早く結果が出る」等と言った。これらの嘘を信じた被害者は、まず100万円を支払って先祖の霊の供養を共犯者・杉本に依頼することにした。共犯者・杉本及びY田らは、同年11月3日頃、青山のサロンに於いて被害者から100万円を受け取った。その日の夜、共犯者・杉本等は、被害者を行きつけの寿司店に誘い、被害者に対してこもごも公訴事実別紙一覧表1記載の通りの嘘を言い、その旨、被害者に誤信させた。
また、共犯者・杉本等は同月23日頃、祈願名目で50万円、被害者の魂のレベルを上げるための昇魂祈願名目で100万円を受け取り、御祈願と称して共犯者・杉本が祝詞を読み上げるなどした。またその御祈願の直後、共犯者・杉本は被害者に対して公訴事実別紙一覧表1記載の通りの文言を述べるなどした。
被害者は祈願の効果があると誤信していたため、視力回復手術を行わずに効果が現れるのを待ったが、視力が回復したり目の充血や疲れが取れることはなかった。
その後、平成17年11月頃、被害者は共犯者・杉本から家系図鑑定を行うから家系図を持ってくるように言われ、家系図を作成して共犯者・杉本の鑑定を申し込んだ。そして共犯者・杉本は同月23日頃、公訴事実第二の1記載の通りの文言を述べた。また御祈願を終えた後、共犯者・杉本は被害者に対し、公訴事実別紙一覧表1記載の通り、人の怨みの念を取り除くためにもう一度供養する必要があり、また魂が安定していないために念が憑きやすいから魂のレベルを上げる必要がある旨の嘘を言い、被害者をその旨誤信させた。
共犯者・杉本等は同月11日頃、被害者から「魂のレベルを上げるため」等の名目で合計100万円を受け取り、同様に杉本が祝詞を読み上げるなどし、その後、被害者に対し、「これで腎臓についていた人型無くなりました。魂が軽くなりました」等と効果があったかのような嘘を言った。
その後、被害者は共犯者・杉本等に騙されていたことに気づくに至った。
えんとらんすアカサカに於ける詐欺
【被害者Dに対する犯行】
被害者は平成10年秋頃、子宮筋腫に罹患し、一度は手術を受けたものの筋腫の全てを摘出することはできず、その後も激しい腹痛を投薬治療で耐えるなどしていましたが、平成17年頃には、激しい腹痛等の症状を完治させるには子宮全摘手術によるほかない旨、医師から告げられるに至った。また被害者は平成16年夏頃から勤務先の人間関係や待遇についても悩むようになっていた。
平成17年11月上旬頃、被害者は知人から、「運気が上がるサロンに通ってヒーリングを受けたら売上が倍になった。子供の悩みも解決した」とか、「そのサロンに通い始めて契約のプレゼンがうまく行くようになった」等と言われて、ストーリア品川のサロンを紹介された。
被害者は早速その翌日にそのサロンを訪れてヒーリングを受け、従業員から「続ければ効果が感じられるようになります」等と言われて引き続きヒーリングに通うことにしたところ、何回目かのヒーリングの翌日頃、突然手足に湿疹が出るという経験をし、これについてサロンの従業員から、「それはヒーリングを受けて毒素が出ているんですよ。湿疹は毒素の排泄なんです。サロンでヒーリングを受け続けると体の中に溜まった毒素が排出されて健康な体になるんですよ」等と言われたため、ヒーリングに一定の効果があると信じるようになった。
被害者は同月中旬頃、当時アカサカの神霊鑑定師として活動していたK山E子のカウンセリングを受けたが、事前に従業員等から、「何でも言い当てられるすごい先生である」と聞いていたことに加え、K山E子の堂々とした態度や、「会社を辞めて独立すれば必ず成功する」等の断定的な発言により、K山E子には問題の原因やその解決方法が分かる特別な能力があると信じ、K山E子に言われるまま10万円で祈願を行うなどした。
その後も被害者は、サロンに通って全ての良い出来事をヒーリングの効果であるかのように話す従業員の態度に接したり、ヒーリングのおかげで良いことがあったとする奇跡の話を読む等しているうちに、ヒーリングを受け続けることで必ず自分にも良いことが起こるものと信ずるようになりました。なお被害者はK山E子やその他の従業員から「アカサカは宗教ではない」との説明を繰り返し受け、これを信じていた。
K山E子の神霊鑑定を受けて会社からの独立を具体的に考えるようになった被害者は、平成18年はじめ頃、独立後の会社名や事務所を置く場所等についてアドバイスを受けるためにカウンセリングを申し込み、実家の間取りや家系図等を事前に提出する等した上で、ストーリア品川のサロンにおいて、共犯者・史利によるカウンセリングを受けた。その際、共犯者・史利が、「お稲荷さんが見える。今もありますか?井戸を潰したんですね。整地してすぐにコンクリートを流しましたね」とか、「お祖母さんの霊はお墓に入っていない。今も来てますよ」等と言ったのを聞いて、共犯者・史利が本来なら知るはずがないことを特殊な能力によって言い当てたと思った。そして被害者は共犯者・史利から、「全て清めて軽くならないと商売がうまく行きません。お清めをしないとお父さんのアルツハイマーはお父さんの死後、お兄さんの首から上に影響します。合計百万円くらい必要だ」と言われ、平成18年4月1日頃、100万円を支払って共犯者・史利による実家の井戸等の清めを行った。
被害者は平成18年5月頃、久しぶりに婦人科の医師の診察を受けたところ、子宮筋腫が大きくなっている旨、医師から告げられた。しかし被害者は子宮の摘出手術を受けるのも、薬物治療を受けるのも嫌だったため、何とかして手術も薬物治療も受けずに病気を治せないかと思い詰めた。そこで被害者は同月21日頃、ストーリア品川のサロンで、共犯者・史利のヒーリングを受けた際、同人に子宮筋腫のことを相談したところ、同人は、指先を被害者の腹部に向けてしばらく目を閉じてから、公訴事実別紙一覧表記載の通り、「あなたは子供の頃から医者に処方されていた薬を飲み続けていましたね」等と、被害者の子宮筋腫の原因について、子供の頃から飲み続けていた薬の毒素によって、肝臓と腎臓の解毒作用が弱まり、その毒素が子宮筋腫となって現れた等と嘘を言った。
被害者はかねてから共犯者・史利に特別な能力があると信じていた上、実母が医師であった関係から幼少期から薬を飲み続けていたこともあって、共犯者・史利の言葉を信じた。
共犯者・史利は更に筋腫の大きさを手で触って確かめるような仕草をしながら、「だいぶ大きいね。何とかしないとね。どうしたいですか?」等と問いかけた上、被害者が手術も薬も使いたくない旨希望を述べたのに対し、「手術は体に悪いよね。御祈願を受けた方がいいですね」等と言って祈願を受けるように促した。そして被害者が、「治るんですか?」と尋ねたのに対し、共犯者・史利は公訴事実記載の通り、「御祈願してください。良くなります。小さくさせましょう。消滅させましょう」等と嘘を言い、被害者は祈願をすれば子宮筋腫が消滅するものと信じた。
共犯者・史利は、あわせて当時アカサカの神霊鑑定師であった従業員Cのカウンセリングを受けて祈願の金額を教えてもらうよう被害者に指示したので、被害者は従業員Cのカウンセリングを申し込んだ。その頃、共犯者・史利は従業員Cに対して被害者からの相談の経緯、自らが被害者の病気を原因として話した内容を伝えるとともに、高額の祈願を担当する共犯者・嘉子による祈願に誘導するよう指示しました。同月24日頃、従業員Cは品川Vタワーのサロンにおいてカウンセリングと称して被害者に面談し、共犯者・史利の指示に基づき、被害者に対し公訴事実記載の通り、「子宮筋腫は薬の毒素が原因であり、祈願をすれば手術を受けたり薬物治療を受けたりしなくて済む」等と言うなどとした上、「祈願の代金として100万円です。それが無理ならば御祈願50万円。人を20人連れてきなさい」と言うなどした。その結果、被害者は祈願を受ければ手術や薬物治療を受けずに子宮筋腫は完治するものと誤信し、100万円を支払って祈願を受けることにしました。そして同月29日頃、共犯者・嘉子らは、永田町プルデンシャルタワーレジデンスのサロンにおいて、祈願名目で被害者から100万円を受領し、共犯者・嘉子が、「特別祈願」と称して祝詞を読み上げるなどした。
共犯者・嘉子は祝詞を読み上げた後、被害者に対して、「おめでとうございます。7人の神様が天から降りてきてみんなでバックアップしてくれました」等と言うなどしたので、被害者は祈願が成功し、手術を受けたりしなくても子宮筋腫は完治するものと思い、更にお礼として3000円を支払った。被害者はその後も子宮筋腫がより早く消滅すると信じてヒーリングを受け続けたり、御霊光が入っていると称する水を飲んだり、御霊光が出ていると称する額を購入したりした。
そうするうちに被害者は被告人・佐野から新規顧客を開拓するためのパーティーを開くよう指示され、その負担が過大であるとは思いはしたものの、共犯者・史利から、「お礼をしなかったり、サロンの手伝いをしなかったりするとサロンにくる前の暗い状態に戻ってしまう」等と言われていたため、仕方なく指示に従ってパーティーを開催するなどした。
ところが被害者は、神世界の主催する「大祭」と称するイベントに参加したことをきっかけに、アカサカの行っていることは宗教なのではないかと疑問に思うようになり、あくまでも宗教ではないと否定する共犯者・史利やその他の従業員に対しても、不信感を抱くようになりましたが、サロンと縁を切ることによって病気が悪化したり、仕事が決定的にうまく行かなくなるのではないかといった不安との狭間に思い悩み、精神的に不安定になるなどしたあげく、最終的には思い切ってサロンに行くのをやめた。
その後、被害者は婦人科を受診し、医師から、「子宮筋腫は小さくなっていない」等と告げられたことなどから、”騙された”とはっきり分かった。
【被害者Eに対する犯行】
被害者は平成17年6月頃、書店で立ち読みをしていた後に街頭でアカサカの従業員から声を掛けられ、「癒し系のサロンなんですけど、ヒーリングとかしているので一度どうですか?」等と勧誘を受けた。
被害者は航空会社の客室乗務員として勤務上の不規則な生活による疲労があったことや、祖父が亡くなって気分的に落ち込んでいたことなどから、同年7月上旬頃、ストーリア品川のサロンに赴いてヒーリングを受けた。その際、被害者はサロンの従業員からヒーリングについて、「自然界からのパワーで気功のようなものですよ」とか、「受け続けると効果が出ますよ。運気が上がってタイミングも良くなるし、アトピーとかの病気だって良くなるんです」等の説明を聞いた上でヒーリングを受けたところ、何となく体が温まってスッキリし、疲れが取れたように感じたことや、客の体験記と称してサロンに置かれていたファイルを読むなどして、ヒーリングにはアトピーを改善するなどの効果があるものと信ずるようになった。
こうして被害者は時々サロンに通ってヒーリングを受けるようになりましたが、その際従業員から、「ここは宗教じゃないんです。ヒーリングを商品として扱っているちゃんとした会社です。ここのサロンの神様は本物で、信ずるものではなくて、神様と取り引きをしてちゃんと結果がいただけるところです」等と説明を受けました。またヒーリングの前後に従業員と話をしているうちに、よいことは全てヒーリングのおかげであると思い込むようになり、またプライベイトなことを何でも従業員に話すようになっていた。
被害者は平成18年3月中旬に退職して同年5月に挙式の予定であったが、退職の直前になって結婚は一旦取りやめになり、上司に懇願してようやく条件付きで勤務の継続を認めてもらうなど、肉体的、精神的に疲労困ぱいした状態になりました。そこで被害者はアカサカの神霊鑑定師であったH向A子(K塚M衣子)のカウンセリングを受け、結婚が取りやめになったことや、勤務時間が不規則であること、生理不順や生理痛に悩んでいることなどについて相談したところ、H向から、「子宮が冷えていますね。このまま今の仕事を続けていると、子宮の具合が悪くなって子供が授かれない体になってしまう場合がありますよ」等と言われたため、生理不順等に悩んでいた被害者は自らの子宮の状態について不安を抱き、被害者は解決方法をH向に尋ねましたが明確な回答を得ることはできず、「天野先生であれば、整理不順や生理痛の根本的原因も分かるでしょうし、将来Eさんが進むべき道も分かりますから、天野先生のカウンセリングを受けるといいですよ」等と、当時、「天野」を名乗っていた共犯者・史利のカウンセリングを受けるよう促された。
被害者はかねてより、従業員から共犯者・史利について、「神様からのメッセージを受け取る特別の神霊能力がある。何でも当たる。根本的な原因が分かる。解決策を教えてくれる。天野先生の言うとおりやっていれば、何でも良くなる」等と聞いていたことや、H向のカウンセリングの後も従業員から繰り返し進められていたことなどから、共犯者・史利のカウンセリングを受ければ確実な解決策を教えてもらえると思った。そこで被害者は共犯者・史利のカウンセリングを申し込み、事前に相談内容や詳しい家系図、これまでの住居の間取り図等を提出するなどした。
共犯者・史利は、平成18年8月22日頃、永田町のプルデンシャルタワーレジデンスのサロンにおいて、”カウンセリング”と称して被害者と面談し、公訴事実記載の通り、「子宮は縮んでいます。子宮の壁に厚いところと薄いところがあります」等と述べたほか、実際にはその当時、気圧の変化の影響で子宮の壁の厚みに差ができているような事実はなく、また、「子宮が気圧の変化に影響されることが婦人科で証明されている」等という時事もなかったのに、あたかも子宮が気圧の変化に影響されるということは婦人科で証明されており、被害者は普通の人よりも影響を受けやすい体質であるとか、客室乗務員の仕事に伴う気圧の変化のせいで子宮の壁に厚いところと薄いところができて生理痛の原因になっているとか、結婚して子供を産みたければ、そろそろ客室乗務員の仕事を辞める方がいいかのような嘘を言った上、「子宮の状態は今とても悪いんです。だからすぐにでも子宮の状態が早く良くなるように御祈願を20万円でした方がいい」等といいました。そして被害者が、「御祈願をすれば子宮の状態は良くなるんですね?」と述べたのに対し、共犯者・史利は、「そうです。よくなります」と嘘を言ったため、被害者は祈願をすればそれまでの気圧の影響によって悪くなった子宮の状態が改善されると誤信した。更に共犯者・史利は被害者が提出した家系図を見た上、「Eさんのお母さん方の先祖の霊がシグナルを送っています。お祖母さんの家系を調べてください。先祖の霊の念が子宮に入り込み、それが子宮の状態が悪くなっている根本的原因になっているのです」等と、あたかも子宮の調子が悪い根本的原因は先祖の霊にあり、このままでは子供が産めないかのような嘘を言った。
被害者はまず気圧の変化が原因であると言われたことから、子宮の悪い状態を改善するための祈願を受けることとし、20万円の祈願を予約しました。被害者は祈願の前日である平成18年8月28日頃、念のため婦人科の医師の診察を受けましたが、その日のうちには血液検査の結果が出なかったことなどから、生理不順等の原因を直ちに知ることができず、そのことによりむしろ共犯者・史利らに対する方針を強めました。そして翌日29日頃、被害者はストーリア品川のサロンで祈願名目で20万円を支払い、祈願を受けました。
被害者は共犯者・史利の指示で母方の先祖のことを調べましたが、具体的なことが分からないまま、翌30日頃、ストーリア品川のサロンで共犯者・史利のヒーリングを受けました。その際、共犯者・史利は被害者に対して、まず、「子宮の状態は少し良くなりましたね」と、前日の祈願に具体的な効果があったかのような嘘を言った上、改めて、公訴事実記載の通り、「先祖の念がEさんの体に入り込んで、それで悪い影響がきています。それが子宮の状態が悪くなる根本的な原因になっているんですよ」等と嘘を言い、できるだけ早くお墓をお清めするよう促した。そして共犯者・史利は被害者から母方のお墓の状態は分からないことや、公訴事実記載の通り、「お墓のお清めができないのであれば、”一切合切祈願”をするといいですよ」等と、あたかも”一切合切祈願”を行えば子宮の状態が悪い根本的な原因を解決することができるかのような嘘を言ったことから、被害者は一切合切祈願をすれば、子宮の問題を根本的に解決することができ、生理不順や生理痛から解放されると誤信しました。そして平成18年9月26日頃、被害者はストーリア品川のサロンにおいて指定された金額である30万円を祈願名目で支払い、祈願を受けた。
被害者は祈願直後の頃に生理痛を比較的感じるなどしたことから、御礼として更に金員を支払うなどした上、更に運気を上げる等の目的でヒーリングを受けるなどしたが、望んだ効果が得られなかったことなどから、ヒーリングや祈願の効果に疑問を抱くようになった。そして平成19年5月頃、前年8月以来初めて婦人科の診察を受けたところ、生理不順は多嚢胞性卵巣症候群を原因とするもので、投薬治療によって体質改善を図るなどしなければ症状が改善することはないということを知り、騙されたことにはっきり気づいた。
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