神世界事件の刑事裁判

佐野孝、淺原史利、淺原嘉子 第6回公判
斉藤亨 第3回公判
 (上記3被告と教祖・斉藤亨の公判は併合審議になっている)

1 日時:平成24年2月16日(木)
  午前10時〜午後4時40分
2 場所:横浜地方裁判所第405号法廷
3 事件番号:平成23年(わ)第972号等
4 罪状:組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)
5 被告:佐野孝、淺原史利、淺原嘉子、斉藤亨
6 裁判長 朝山芳史
  裁判官 杉山正明
  裁判官 山本美緒
7 検事:大久保検事、前田検事
8 被告弁護人:尾崎弁護士、市河弁護士
9 内容1:淺原嘉子被告の被告人質問(午前)
  内容2:佐野孝被告の被告人質問(午後)



傍聴希望者
 2012年2月16日(木)に行われた、淺原嘉子、佐野孝の両被告に対する被告人質問の公判には、9時40分の傍聴抽選券配布締切時間までに187名が列に並んだ。締切時間に10秒ほど遅れてきた人がいたが、地裁係員は、「締切時刻を過ぎていますので」と言って抽選券を渡さなかった。横浜地裁は、傍聴に対して何かと厳しいとは聞いていたが、その一端を見た思いだった。
 この公判での一般傍聴席数は43席とのことで、列に並んだ187名中、144名は抽選に外れることになった。神世界関係の裁判は、いつも傍聴希望者が多いのだから、地裁で一番大きい101号法廷を使えば、もっとたくさんの人が傍聴できる。横浜地裁は傍聴者に厳しくするだけでなく、そうした配慮もしてほしいものだ。

これが起訴事実を認めた被告か?
 被告が組織的詐欺の被疑事実を否認しているのであれば、「詐欺は行っていない」と法廷で主張するのは当然であり、自分が不利にならないように防衛的な証言をするのは理解できる。しかし、この日被告人質問された両被告は、すでに組織的詐欺の起訴事実を認めた被告なのだ。それにも係わらず、被疑内容の根幹である、”被告等は詐欺を行っていた”という部分に質問が及ぶと、両被告はことごとく回答をはぐらかし、詐欺の事実を認めようとしない。
 詐欺の起訴事実を認めた以上は、詐欺を行ったことを素直に認め、その上で詐欺を行うに至った経過や背景を説明し、情状酌量を求めるのが普通だ。詐欺の起訴事実を一旦認めておきながら、公判でそれを否定する証言を続ける両被告の姿からは、被告が公判途中で一転して起訴事実を認めた理由は別にあることが強く印象づけられた。
 被告が組織的詐欺の起訴事実を認めたのは、被告が自らの罪状を是認したからではなく、教祖の刑を軽くするための手段でしかなかったことが、この日の公判で裁判所にも強く印象づけられたのではないかと思われる。被告2名の証言内容や態度は、傍聴していた被害者等にとっては甚だ不満が残るものであったが、裁判所としてもこうした被告の不誠実な態度に対しては厳しい判断を下すことになるだろう。教祖に厳しい実刑が下されるためには、この日の公判で両被告が示したグダグダした態度は、”結果”としては、プラスに働くようにも思われる。
 嘉子被告の証言は、自分が調書で認めた内容や、すでに証言した内容とは違った証言をその後に行うなど、到底論理的とは思えない部分が多かった。裁判長、検察官、そして弁護人からも、証言内容の矛盾を再三指摘されていた。こうした支離滅裂な証言が出てくる理由はただ一つ、被告が裁判の目的を取り違えているからだ。裁判は、”真実を明らかにする”ために行われているものなのだが、被告は真実を隠し、人々の目が真実にたどり着かないようにしているとしか見えない部分が多かった。
 市河弁護人が、衆人環視の公判の中で、嘉子被告を叱りつけるに至ったことの意味を、彼女はどこまで理解しているのだろうか。
 嘉子被告は、口先では、「被害者に申し訳ないと思っている」との言葉を発しておきながら、どのような点を申し訳ないと思っているかを具体的に質されると、支離滅裂な返答を繰り返すばかりだった。こうした嘉子被告の態度からは、被告は本当は被害者に対して申し訳ない等とは思っておらず、ただ単に裁判所向けのポーズとして、「被害者に申し訳ないと思っている」という言葉を発しているに過ぎないことが如実に読み取れた。
 検事の質問が核心に及ぶと、返答に窮して長時間黙り込んでしまう場面も多々あり、「下手な回答をすると自分や教祖が不利になるので黙っておこう」という態度に見えた。
 真実を明らかにしようとして行われている公判に於いて、被告がこのような態度をとり続けるのは、あまりにも裁判所を愚弄する行為であり、その報いは厳しい判決となって被告に覆い被さってくることだろう。正に自業自得である。

 被告人質問のやりとりは、それほどペースが速くないので、今回の公判もそのほとんど全てを速記できた。しかし、その証言内容はあまりにも陳腐であり、内容を全文、文字起こしする必要があるか、しばらく思案してしまった。しかし、被告のこうした姿を多くの人に知ってもらうために、敢えて詳細な傍聴記録を作成し、公開することにした。

哀れな姿を晒す経営者
 淺原嘉子被告は、えんとらんすアカサカでは「教会長」として佐野に次ぐ位置にいた女であり、雑誌の紹介記事では積極的に顔出しして御霊光のすばらしさをアピールしたり、えんとらんす会員の前ではヒステリックな発言を繰り返すなど、逮捕されるまでは、”大物”振りを存分に発揮していた。しかし証言台のイスに座り、検事等の質問に答える嘉子被告の証言からは、逮捕される以前の被告の華やかな姿を連想することは全くもって不可能だった。裁判長、検察官、そして弁護人からも、「もっと大きな声で答えるように」との注意が、嘉子被告に対して再三なされた。真実を語っているのであれば、もっと大きな声でハッキリと答えることができるのに、真実を隠そうとするから声が小さくなっていくのであろう。私にはそうとしか思えなかった。
 被告が意図的にピント外しの証言をしている可能性もあるが、そうではないとすれば、嘉子被告の理解力、記憶力、人間性には、大きな疑問符が付く。嘉子被告は、弁護人の質問の意味や、”狙い”もよく理解しておらず、本来自分を守ってくれるはずの弁護人から公判中に叱責されるという、ていたらくを演ずる場面もあった。
 この日の嘉子被告の服装は、上下黒のスーツに白のブラウス、黒のパンプスと、”一見清楚”な服装にまとめていた。佐野被告も黒っぽいスーツを着ていたが靴は白のスニーカーを履いており、??な感じだった。佐野は、歩行には杖が必要なようで、足元がおぼつかないのでスニーカーだったのかもしれない。

涙を流し、鼻をすする被告
 被告人のふがいなさ、不誠実さは嘉子被告だけではなく、午後から行われた佐野孝被告においても同様だった。
 なんと佐野被告は、弁護人からの質問に対して泣き出してしまう場面があった。最初は黙って下を向いて時折ハンカチで目の辺りを押さえていたが、段々感情が高まってきたのか、本格的に泣き出してしまい、被告席に設けられたマイクを通して、佐野被告が鼻をすする音が法廷中に響き渡った。
 佐野被告が涙を流し、鼻をすすっていた間、法廷内の人々も、傍聴席の人々も、ひたすら佐野被告が落ち着くのを待つしかなかった。そうした時間が1〜2分続いた。やや落ち着いてきた佐野被告は、長々と逡巡したあげく、やっとの思いで言葉を発しようとしたので、人々は佐野被告がとうとう真実を語り出すのかと固唾を飲んで佐野が発する言葉に注目した。ところが、佐野被告が発した言葉は、「斉藤さんはとても優しい方で・・・」と、斉藤を擁護する言葉だった。私も、これだけ皆を待たせたのだから、もう少しはマシな言葉を発するかと淡い期待を抱いたのだが、その期待は200%裏切られた。散々待たされていた法廷内・傍聴席の人々は、皆、どっと疲れが出たようだった。

時間稼ぎ作戦?
 この日の公判では、両被告が意味のない証言を長々と行う場面が何度もあった。検事の質問に対して、嘉子被告も佐野被告もなんらかの証言は行うのだが、その説明している内容は、検事の質問の趣旨とは全く違った証言内容に及ぶことが多かった。
 検事の質問は、それほど難しいことを聞いている訳ではなく、一言か二言で簡単に答えることができる筈の質問なのだが、それに答える被告の説明は驚くほど長い。長い上にピント外れであり、検事が聞きたいこととは関係のないことまで延々としゃべり続けていたので、検事が「私が質問しているのはそんなことではない」と、被告の証言を遮る場面が何度もあった。
   被告がこうしたピント外れの証言を繰り返すのは、被告の理解力が乏しいためかと最初は思ったが、両被告が揃って同じように、”意味なし証言”を、延々と繰り返し行うのを見ていると、これは実は”時間稼ぎ作戦”なのでは?と思われた。
 被告人質問に必要な時間は、弁護人、検察官、双方からあらかじめ裁判所に伝えられており、公判はその時間配分の中で行われる。この日の公判では、嘉子被告に対する弁護人の主尋問は約40分間、検察官による反対尋問は約50分間程度の枠内で行われた。被告としては、この時間を何とかして”無難に”済ませたい訳で、そのためには、自分が長々と意味のない話で”時間稼ぎ”をすれば、検事に追及される時間をそれだけ短くできると考えたのかもしれない。
 そうした視点に立ってこの日の公判を改めて検証してみると、被告の卑劣さが更に浮き立ってくる。素人の私でもそう感じたので、賢明な裁判官は、とっくにそうした被告の作戦は見抜いており、判決を判断する上で”検討材料”になることだろう。

宗教妄想を伴う統合失調症
 この日の公判で佐野被告は、「自分には神霊能力がある」と思うようになった経過を証言したが、証言が事実であるとすれば、佐野被告は、”宗教妄想を伴う統合失調症”である可能性が高い。統合失調症(昔は精神分裂病と言っていた)疾患の患者の中には、宗教妄想を伴う例は比較的多い。
 ※参考:宗教妄想
 統合失調症を発症する原因は、先天的なものである場合もあるが、佐野被告は20才台のときに、顔のアザを消すため、病院で何度もレーザー治療を受けているので、その治療によって側頭葉(脳内の器官)に何らかの障害を受けた可能性も考えられる。
 側頭葉に強い電磁刺激を加えると、正常な人間でも強い霊的感覚を覚え、著しい神体験をすることが知られている。側頭葉に損傷があり、癲癇(てんかん)症状を起こす患者はたびたび霊的体験をし、宗教的・道徳的な問題にとりつかれたりする。
 佐野被告が法廷で述べた、”神様からの声がいつも聞こえていた”というのは、明らかな”幻聴”であり、宗教妄想を伴う統合失調症患者にはよく見られる症状だ。こうした症状が表れたとき、専門の医師による適切な治療をすぐに受けていれば、佐野被告はもっと早く正常になっていたと思われるが、彼も、相談を受けた斉藤被告も、揃ってこれを”神霊能力”と受けとめ、転落の道を歩み出してしまったのであろう。
 ”教祖”となるような者の中には、宗教妄想や誇大妄想を伴う統合失調症を患っている者が多い。

「悪いのは笠原弁護士」
 佐野被告の証言内容で驚いたのは、事件が公になった後、被害者に返金しなかったのは、当時神世界代理人を務めていた笠原静夫弁護士が、頑強に返金することに反対したためだ、と述べた点だ。
 佐野被告によると、「私(佐野)は、”神霊の言葉に従い”、返金すべきだと言い続けていたのに、顧問弁護士である笠原弁護士が返金に強く反対したので返金が実現しなかった」と述べ、「自分は悪くない。笠原が悪い」という内容の証言を繰り返し行った。笠原弁護士は、「警察の捜査は不当捜査だ。神世界関係者の逮捕はあり得ない」とも言っていたそうだ。
 こうした佐野被告の証言に対して、検事はすかさず、「では、あなたは神霊が返金すべきと言っていたのに、神霊の言葉を無視して人間である笠原弁護人の意見に従ったのか?そうであれば、あなたは神霊に刃向かったことになるのではないか?」と鋭く切り込み、佐野は返答に窮していた。

検察官
 一連の神世界裁判では、横浜地検の大久保検事、前田検事、吉野検事の3名が検察官としてその任に当たっている。検事が法廷で読み上げる論告や、証人・被告への鋭い質問や矛盾点の追及は、誠に的を射た”クリーンヒット”の連続であり、傍聴している神世界事件の被害者等は、いつも心の中で両検事に拍手を送っている。
 一連の神世界裁判では5名の被告が裁かれているが、それぞれの被告は、神世界グループによる組織的詐欺の実行犯だ。検事は、A被告の証言内容を足がかりにしてB被告を追及し、次にはB被告の証言をC被告にぶつけて新たな証言を引き出すなど、巧みな戦略で事件の全貌を明らかにしつつある。
 検事が、被告等の証言の矛盾点を的確に突き、鋭く被告に迫っていく様子は、被告等がかぶっている”隠れ蓑”を、鋭い刃物で次々と切り剥がしていく感がある。
 今回の公判に於いても、その鋭い切れ味はますます本領を発揮した感があり、最終的には佐野被告から、「斉藤亨が間違っていた」との証言を引き出すことに成功した。
 自分の目の前で、「斉藤さんが間違っていた」と佐野が証言したとき、斉藤被告は、目はうつろとなり、それまで続けていた「両手パー」の姿勢を崩し、体の前でだらしなく、手と手を握り合わせていた。
 神世界事件の公判は、検事の聡明さ、かっこよさが発揮される場面が満載であるが、それに引き替え、被告や情状証人のかっこ悪さが引き立つ公判になっている。神世界側は、毎回大量の動員をかけて傍聴券獲得に躍起になっているが、公判を重ねる毎に被告が追い込まれていく様子を、どのような気持ちで傍聴席から見つめているのだろうか。他人事ながら気になる点である。この点、神世界関係者は、ぜひ、意見を掲示板に投稿していただきたい。



当日の第405号法廷
(クリックで拡大)

●午前の部(10:00より)

■淺原嘉子被告への被告人質問(要約)

●市河弁護士による被告人質問(主尋問)
■裁判長:淺原嘉子被告は前へ出て、証言台の席に座りなさい。

⇒「はい」と答えて嘉子被告が証言台の席に移動する。傍聴席から見た嘉子被告の後ろ姿は、どこにでもいるような女性にしか見えず、犯罪者の風貌はない。

市河弁護人:被告人に確認します。訴因変更後の罪状認否において「事実関係を認める」とあなたは答えたが、証人D、証人Eに対して、他の被告と共謀の上、組織的詐欺を行ったことを今でも認めますか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:あなたが千手観音教会に最初に行ったのは?
嘉子被告:平成9年10月です
市河弁護人:きっかけは?
嘉子被告:主人と私の共通の友人がおり、その人の紹介で行った。
市河弁護人:もう少し大きな声で答えてください
市河弁護人:その際、あなたは御霊光を受けたのか?
嘉子被告:はい、うけました
市河弁護人:何か、感じた?
嘉子被告:受けたそのときは特に体感はなかったが、翌日、小水が増えた
市河弁護人:その後、継続的に千手観音教会に通うようになったのか?
嘉子被告:当時は静岡にいたので、月1回程度は山梨に通い、それ以外は遠隔で御霊光を受けていた
市河弁護人:あなたはその当時、何か悩みや、健康状態に不安があったのか?
嘉子被告:一番の原因は子供を相次いで亡くしたことだ。第一子は妊娠9カ月で死産、第二子は妊娠4カ月で流産した。二人とも同じ3月11日に亡くなったので、運命のようなものを感じた。甲状腺の病気もあり悩んでいた。
市河弁護人:千手観音教会に通うことで、体調が良くなるなど、何か変化はあったか?
嘉子被告:甲状腺の病気が○*△×%#*・・・体調が良くなった。
市河弁護人:その後、千手観音教会のスタッフになったのはいつ頃か?
嘉子被告:平成10年の終わり頃と思うがよく覚えていない
市河弁護人:スタッフになったきっかけは?
嘉子被告:最初はお手伝いとして雑用をしていたが、周囲の人達の話から、ここは素晴らしいところだと思っていたので、スタッフへの誘いがあったとき引き受けた。
市河弁護人:スタッフになってからは御霊光の取り次ぎもしていたのか?
嘉子被告:その当時はしていなかった
市河弁護人:平成13年にえんとらんすアカサカが設立されたが、あなたは最初からここの取締役だったのか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:どういういきさつで取締役になったのか?
嘉子被告:斉藤亨さんと佐野孝さんから、「一緒にどうか」と誘われた
市河弁護人:あなたのご主人、淺原史利さんも役員になっているが、その経緯は?
嘉子被告:佐野さんが誘ったのだと思う
市河弁護人:あなたが誘ったのではない?
嘉子被告:よく覚えていない

市河弁護人:それで赤坂台でえんとらんすアカサカの活動を始めたのか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:その当時のスタッフは何人くらいいたのか?
嘉子被告:4〜5人だったと思う
市河弁護人:あなたと、ご主人と・・?
嘉子被告:○*△×%#*・・・
■裁判長:もう少し大きな声で答えるように
市河弁護人:あなた達は、平成13年に赤坂台でえんとらんすアカサカを立ち上げ、活動を開始した?
嘉子被告:はい
市河弁護人:その後、東京に進出しているね?
嘉子被告:はい
市河弁護人:どういうきっかけで東京に進出することになったのか?
嘉子被告:まず立川に行った
市河弁護人:そこでサロンを立ち上げた?
嘉子被告:サロンは作っていない。人を集めようとして、立川ではチラシをまいたりしていた
市河弁護人:東京で最初にサロンを作ったのは?
嘉子被告:恵比寿の奥の方に作った
市河弁護人:それがエレヴァシオン?
嘉子被告:はい
市河弁護人:もう一つ、リュミエールというサロンもあるようだが?
嘉子被告:はい、それも作った
市河弁護人:それから品川、柿の木坂、永田町とサロンを拡大していったということ?
嘉子被告:はい
市河弁護人:品川サロン、ここは「品川ストーリア」というサロンだが、ここのサロンは他のサロンとは違った特色、例えば慣れた客だけが来るとかいうことはあったか?
嘉子被告:特にそういったことはない
市河弁護人:青山のサロンは新規が中心だったのでは?
嘉子被告:はい
市河弁護人:なぜ?
嘉子被告:たくさんの人に来てほしかったので、入口のサロンとしていた

市河弁護人:えんとらんすアカサカは、平成18年3月に3社に分社化したね?
嘉子被告:はい、えんとらんすスリー・ツゥー・1とえんとらんすわーるどヒルズを作った
市河弁護人:3つに分けた理由は?
嘉子被告:より広げて行こうとした
市河弁護人:これは佐野からの指示か?
嘉子被告:そうだと思う

市河弁護人:神霊鑑定について尋ねる。あなたもサロンで神霊鑑定を行っていたか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:あなたはご主人の神霊能力開発講座を受けていたのか?
嘉子被告:いや、受けていない
市河弁護人:では、どうやってあなたは神霊鑑定をやることになったのか?
嘉子被告:佐野さんから、「神霊能力が授かった」と言われた
市河弁護人:あなたはそれをどのように聞いたか?
嘉子被告:○*△×%#*・・・
市河弁護人:その時期は?
嘉子被告:平成14年の秋頃
市河弁護人:いきなりそのように言われて、あなたは疑問に思わなかったのか?
嘉子被告:思った
市河弁護人:授かったと言われた後、何か講習のようなものを受けたのか?
嘉子被告:はい、受けた
市河弁護人:どんな講習だったのか?
嘉子被告:人型を使って人の○*△×%#*・・・をするような訓練を受けた
市河弁護人:それは何回くらい?
嘉子被告:3回だと思う
市河弁護人:その訓練の中で、自分が思ったことが正しいのか、答え合わせをすることは?
嘉子被告:なかった
市河弁護人:訓練以外であなた自身が答え合わせをしたことは?
嘉子被告:ない
市河弁護人:その訓練を受けて、あなたは自分には神霊能力がある、備わったと思うようになったのか?
嘉子被告:訓練をした結果、頭の中に単語が思い浮かぶようになった。

市河弁護人:あなたが思っていた神霊能力とはどのようなものなのか?
嘉子被告:神様からのメッセージを伝える能力だと思う
市河弁護人:そのメッセージというのは、声が聞こえてくるのか?
嘉子被告:声は聞こえない
市河弁護人:では、なにか映像が見えるのか?
嘉子被告:なにも見えない
市河弁護人:何かが乗り移るような感じなのか?
嘉子被告:そうではない
市河弁護人:それにも係わらず、あなたは「神様からのメッセージだ」と、どのようにして確信していたのか?
嘉子被告:説明が難しいが、”伝わってくる感覚”のようなものだ。
嘉子被告:鑑定の依頼があって、お客様が玉串を上げたときに私が感じる感覚があり、それをメッセージとして伝えた。その後、変化とか結果があったので、それで確認していた

市河弁護人:あなたは神霊鑑定を行う際、事前に家系図や家の見取り図などを相談者から提出させていたか?
嘉子被告:提出させていない
市河弁護人:事前に、相談内容などを書いたペーパーを提出させるようなことは?
嘉子被告:おおざっぱな内容は事前に聞いていた。細かな点は、本人から相談のときに聞いていた
市河弁護人:御祈願もあなたはしていたね?
嘉子被告:はい
市河弁護人:今回の被害者・証人Dの場合、100万円という高額な金額になっているが、えんとらんすアカサカでは、金額によって御祈願を担当する人は違っていたのか?
嘉子被告:はい、私は100以上だった
市河弁護人:100万円という金額を決めるのは、神霊鑑定の段階なのか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:あなたも決めたことはあるか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:平成18年当時、100万円の御祈願は年間どれくらいの数あったか?
嘉子被告:2、3件だったと思う
市河弁護人:アカサカ全体としては、どれくらいの金額の御祈願が多かったのか?
嘉子被告:10〜30万が多かった
市河弁護人:証人Dに対して100万円の御祈願をしたのは間違いないか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:100万円の御祈願になったことは誰から聞いたのか?
嘉子被告:スタッフから聞いた
市河弁護人:淺原史利さんから聞いたのではないのか?
嘉子被告:それはない
市河弁護人:起訴事実によれば、100万円という金額を決めたのは従業員Cということになっているが、そのことは知っていたか?
嘉子被告:はい、知っていた
市河弁護人:それを聞いて、あなたは何か感じたか?
嘉子被告:100万という大きな金額だったので、証人Dに対してきちんと説明ができているのかと思った
市河弁護人:説明ができていないと何か問題が生ずるのか?
嘉子被告:○*△×%#*・・・
市河弁護人:じゃ、あなたが証人Dに100万円の御祈願をさせる際に、「本当に100万円の御祈願をしていいのですか?」と確認したのか?
嘉子被告:していない
市河弁護人:あなたは御祈願をする際に、証人Dといろいろ話をしているがどのような話をしたのか?
嘉子被告:自分のこれまでの体験談などを話した
市河弁護人:あなたが、お子さんを亡くしたことなどを?
嘉子被告:はい

市河弁護人:証人Eという被害者がいるが、証人Eとの面識は?
嘉子被告:ない

市河弁護人:平成18年当時、あなたはアカサカの役員であると同時に、「教会長」とも呼ばれていたか?
嘉子被告:はい、呼ばれていた
市河弁護人:教会長とはどのような立場なのか?
嘉子被告:会主様(佐野孝)に次ぐ立場だった
市河弁護人:あなたのご主人である淺原史利さんの立場はあなたより上なのか下なのか?
嘉子被告:下位

市河弁護人:えんとらんすアカサカでは、佐野孝、淺原史利、スタッフなどによる経営のためのミーティングが行われていたか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:ミーティングの中で、佐野さんから、「売り上げを上げなければいけない。アカサカは売り上げが低い」という話はあったか?
嘉子被告:はい、あった
市河弁護人:あなたはそれを聞いてどう感じたか?
嘉子被告:(しばし沈黙)
嘉子被告:売り上げだけを上げるのはちょっと難しいと思った。特に新規の人増やすのが難しい
市河弁護人:なぜ売り上げを上げるのは難しいのか?
嘉子被告:売り上げを上げるだけというのは、神様の仕事からするとちょっと変な感じがするので
市河弁護人:売り上げを上げるというのは具体的にはどういうことになるのか?
嘉子被告:御霊光を受ける方がたくさん増えるということや、御祈願をする人が増えること
市河弁護人:あなた神書を読んでいますよね?
市河弁護人:神書には、”御神業とは人を集めること、お金を集めること”と書いてあるよね?
嘉子被告:書いてあります
市河弁護人:ということは、お金を集めることイコール売り上げを上げることは神書の教えですよね?
嘉子被告:そうなります
市河弁護人:であれば、あなたは売り上げを上げることを疑問に思わず、売り上げを上げようと努力すべきだったのではないですか?
嘉子被告:そこまでの気持ちはありませんでした
市河弁護人:それはどうして?
嘉子被告:神様のお仕事だから。納得が行かないところがあったが、人を集めればお金もあつまると頭を切り換えてやっていた
市河弁護人:あなたとしてはお金を集めることには矛盾があったが、人を集めれば結果的にお金も集まるのだからという意味合いに理解していたということ?
嘉子被告:はい

市河弁護人:あなたの会社は、(有)神世界という会社とロイヤリティ契約を結んでいたか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:売り上げの何割を支払うことになっていたか?
嘉子被告:30%と15%という取り決めがあった
市河弁護人:(有)神世界の役員かつ教祖である斉藤亨さんと一緒にミーティングをすることはあったか?
嘉子被告:ミーティングというか、話をする機会はあった
市河弁護人:えんとらんすアカサカの永田町サロンがあるね?
嘉子被告:はい
市河弁護人:永田町サロンに斉藤さんが訪れるということはあったか?
嘉子被告:はい、あった
市河弁護人:その際にはどのような話が行われたのか?
嘉子被告:神様の話などが中心だった
市河弁護人:アカサカは売り上げが低い、上げないとだめだというような話は?
嘉子被告:アカサカを大きくしたいという話はあった
市河弁護人:具体的な数字を上げての話は?
嘉子被告:細かな話はなかったと思う

市河弁護人:あなたは、神世界グループには、えんとらんすアカサカ以外にも会社があることは知っていたか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:いつから知っていた?
嘉子被告:最初から
市河弁護人:平成18年にアカサカを立ち上げた前から、それともその後?
嘉子被告:前から知っていた
市河弁護人:他の会社の人と話し合ったり連絡をとることは?
嘉子被告:一切ない
市河弁護人:他の会社の運営状況はどのようにして把握していたのか?
嘉子被告:一切知らない
市河弁護人:どれくらいの店舗数かも?
嘉子被告:知らなかった
市河弁護人:あなた達は、”祭典”と呼ばれる催しをしており、そこで他社の人と話をする機会はあったのでは?
嘉子被告:挨拶や世間話程度はするがそれ以上は話さない

市河弁護人:あなたは捜査段階では黙秘、否認を続けており、訴因変更前は裁判でも否認していた。ところが、訴因変更後は起訴事実を全て認めた。なぜ最初は黙秘・否認していたのか
嘉子被告:詐欺をしようと思ってやっていたのではなかったので、被害者が勘違いしているのだと思っていた。誤解を解きたかった
市河弁護人:あなた自身が直接、被害者に詐欺的な言葉をかけていた訳ではないという思いから否認していたといこと?
嘉子被告:はい
市河弁護人:でも、あなたは今回起訴事実を認めるに至りましたね。その理由はなんですか?
嘉子被告:被害者の方の話を公判で直接聞いたり、調書の内容を読んで、神様ではなく私たちに何か力があるというような誤解を、被害者にさせる言動があったのかと思うようになった。それで被害者の方に申し訳ないと思うようになり、罪を認めた
市河弁護人:今回の事件では、あなたは直接的には被害者に詐欺的言動をしていないが、あなたはどのようなことで、この詐欺事件に責任があると思うか?
嘉子被告:神様ではなくて、私たちに力があるかのように思わせてしまったこと
市河弁護人:あなたや、淺原史利さん、神霊鑑定士と呼ばれる人たち、スタッフなどが、「すごい先生がいる」だとか、特別の力があるかのような言動をしてきたことに対して責任があるということか?
嘉子被告:はい

市河弁護人:あなた達の本来の教えでは、”奇跡”というものは誰からいただくのか?
嘉子被告:神様から
市河弁護人:あなた達に、子宮筋腫の原因を特定し、それを治癒する能力はあったのか?
嘉子被告:ないです
市河弁護人:ありませんよね
市河弁護人:被害者の方々が、そういった力があなたを含めた神霊鑑定士にはあると考えているということを、あなたは知っていたか?
嘉子被告:当時は知らなかった。後になってみて、あ、そうだったんだと思うようになった
市河弁護人:あなたは先ほど、証人Dの件で、「大丈夫かな?ちゃんと理解してもらっているかな?」と思ったということを述べたが、もしそれがちゃんと理解されていなかったら、どのようなことになると思った?
嘉子被告:今回のようなことになると思った
市河弁護人:うん、そうだよね。まさに詐欺になってしまうよね。現に詐欺になってしまった訳でしょ?
嘉子被告:はい
市河弁護人:あなたはそれをきちっと防止すべく、どうして説明をしなかったのか?
嘉子被告:100という金額は、従業員Cが証人Dに対して出した金額だったので、私が口出しをすると証人Dと神様の間に私が割り込んでしまうと思い躊躇した。

市河弁護人:先ほどあなたは、売り上げを重視するやり方には疑問を感じていたと述べていたが、今回の事件は、売り上げ重視という考えかたが影響を与えたと思うか?
嘉子被告:はい、思います
市河弁護人:どういう点がそうだと思うか?
嘉子被告:考え方が、お金をお上げすれば結果がいただけるというふうになっていた
市河弁護人:玉串を上げれば結果がいただけると思わせてしまったということ?
嘉子被告:はい
市河弁護人:それはあなた達がそのように説明していたからでしょ?
嘉子被告:当時していました
市河弁護人:結果的には、被害者の方は治癒されていませんよね?
嘉子被告:はい
市河弁護人:これは、どうしてだと思うか?
嘉子被告:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⇒嘉子被告は、下を向いたまま、しばらく無言が続く。
⇒弁護人が、再度、同じ質問を繰り返す。


嘉子被告:私たち人間が、神様の邪魔をしたんだと思う
市河弁護人:ん?あなた達が詐欺をしたからということですか?
嘉子被告:そうなります

市河弁護人:あなたは千手観音教会当時から通っていたので、千手観音教会のことも理解していと思うが、薬は毒素だとか、乳製品は摂らない、熱は排泄だから出した方が良いなどと言った教えは当時もあったか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:そうした教えを守った結果、亡くなった方もあったということは、あなたは知っていたか?
嘉子被告:はい、知っていた
市河弁護人:そのように奇跡が起きず、悪い結果になったという事実を聞いて、当時あなたは、なぜだろとは考えなかったのか?
嘉子被告:考えた
市河弁護人:考えた結果、どうしてだと思った?
嘉子被告:元々体が弱かったか、毒素が多かったのかと思った
市河弁護人:ほー、なるほどねぇ・・・?
市河弁護人:現時点ではどうなの?
嘉子被告:現時点では、なるべく薬は使わない方が良いとは思うが、御霊光を受けながら、病院に行く方法もあると思う
市河弁護人:つまりね、あなた達の教え、御霊光というものが、教え通り奇跡をもたらす万能な力を持っていると今でも思っているの?
嘉子被告:今は思っていない
市河弁護人:その理由は?
嘉子被告:そういう奇跡がある方と、ない方があるからです
市河弁護人:ない方というのは、今回の民事の被害者や賠償請求をしている方がいるからということ?そうです
市河弁護人:御霊光は万能ではないということ?
嘉子被告:はい
市河弁護人:ということは、あなたは現時点では、これまで信仰していた神世界の教え、神書の教えなどは、もう信じていないということか?
嘉子被告:はい


市河弁護人:今後のことを聞きます。
市河弁護人:えんとらんすアカサカはどうするのか?
嘉子被告:もう会社は無くしている。後は精算していく作業が残っている。
市河弁護人:裁判外で返金請求している人たちもいるが、そういった人たちへの対応もしていくということだね?
嘉子被告:はい

市河弁護人:神世界の教え、宗教活動はこれからもしていくのか?
嘉子被告:今後一切、行っていきません

市河弁護人:アカサカの精算が終わったら、どうやって生活していくつもりなのか?
嘉子被告:主人とよく相談していきたい

市河弁護人:あなたは今回の事件で、被害者に対して、申し訳ないという気持ちはお持ちでしょ?
嘉子被告:はい
市河弁護人:あなた達を信じてやってきた人たちも多いと思うが、そういう人たちに対しては?
嘉子被告:迷惑をかけた。信頼を裏切ったと思う。

市河弁護人:現在、健康状態は?
嘉子被告:普通です

市河弁護人:あなたのご主人(淺原史利)も、今回、逮捕・起訴されているが、ご主人が千手観音教会に通うようになったのは、あなたが原因か?
嘉子被告:はい
市河弁護人:結果として、ご主人も詐欺に問われているわけだが?
嘉子被告:最終的には、主人がこの仕事をすることを決めたのだが、私が係わっていなければ、このようなことにはなっていなかった。巻き込んだことは申し訳ないと思っている。
市河弁護人:後悔している?
嘉子被告:はい
市河弁護人:あなたは拘留中に、お父さんが亡くなりましたよね。
嘉子被告:(無言でうなずく)
市河弁護人:会えなかったでしょ?
嘉子被告:(無言でうなずく)
市河弁護人:それも、あなたがこうした事件に関与したからだと思っている?お父さんに対してどう思っているの?
嘉子被告:(涙声で)一番、親不孝をしてしまった・・・・

以上、弁護人による主尋問終了



●前田検事の反対尋問(要約)
前田検事:平成18年当時の確認をしますが、当時あなたは、神霊能力を持っていたと今でも思っているか?
嘉子被告:はい
前田検事:あなたが神霊能力を得たのは平成14年頃で、佐野被告から、「神霊能力を授かった」と言われたことがきっかけだったということだね?
嘉子被告:はい
前田検事:当時、あなたはそれに関して疑問を持っていたが、その後、佐野被告の講習を受けたり、自分で訓練をして、徐々にそれが確信に変わっていったということだね?
嘉子被告:はい
前田検事:何か具体的に、この時点で神霊能力が身についたと確信した時期はあったのか?
嘉子被告:変化があったとか、結果を見てそう思った
前田検事:あなたが神霊鑑定をして、結果が表れた人がいたからということか?
嘉子被告:はい
前田検事:あなたは夫の史利と供に、神霊能力開発講座を担当していたか?
嘉子被告:はい
前田検事:それは平成14年12月頃からか?
嘉子被告:よく覚えていない
前田検事:具体的に、「結果が表れた」と、お客さんから言われ、自分の神霊能力に確信を持つようになったのは、神霊能力開発講座を受け持つ前だったのか後だったのか?
嘉子被告:覚えていない

前田検事:そもそも、あなたの神霊能力、つまり神霊からのメッセージを伝える能力というのは、あなたが神霊に対して問いを発したことについて神霊が答えてくれるということなのか?
嘉子被告:はい
前田検事:あなたは自分自身でどのような答えが出ているのか、神様にお願いしながら考えて、悩みの原因などについて答えていたということか?
嘉子被告:集中はしていたが、考えていたかどうかは分からない
前田検事:あなたは悩み事などの話をよく聞いて、どういう解決方法がいいのか考えて、神様にお願いしながら集中してよく考えて、メッセージをいただいていたと言う話をしているじゃないですか?
嘉子被告:考えて○*△×%#*・・・集中してお願いしていただいていた
前田検事:考えて伝えていたということと、単に思いついたことを伝えていたということは違うのか?
嘉子被告:繰り返し内容を○*△×%#*・・・神様に・・はしていた

前田検事:あなたが佐野被告人から受けた講習や自分で行ったことは、例えば人型のものを見せられて、思いついたことについてぽんぽん書いていくということですよね?
嘉子被告:はい
前田検事:それは集中して行うものではないのでは?
嘉子被告:繰り返し使っていくうちに○*△×%#*・・・

前田検事:あなたは自分が神霊能力が授かっていることを確認するために、答え合わせのようなことはして、自分の神霊能力は間違いないということを確かめたことはあるのか?
嘉子被告:答え合わせはしたことがない
前田検事:どうして?
嘉子被告:○*△×%#*・・・
前田検事:当時、御霊光を受けていたが、その効果を得られなかった人がいたことは知っていたね?
嘉子被告:変化がなかったとは○*△×%#*・・・
前田検事:お客から奇跡があると言われたとき、それが偶然ではなく、あなたの自身の能力によるものだと、あなたは言うことができるのか?
嘉子被告:私自身の能力ではなく、神様からいただくものなので、私自身の能力とは思っていない
前田検事:では、どうしてそれが神様からいただいた神様の力だと言えるのか?
嘉子被告:○*△×%#*・・・
前田検事:でもそれが、偶然かもしれないとは考えないのか?
嘉子被告:考えたことはない
前田検事:それが間違いなく神様からいただいたものだと言うために、何か客観的に確かめることがあってもよいのでは?
嘉子被告:確かめようとはしなかった
前田検事:どうして?
嘉子被告:神様がおっしゃっていることなので、人間がそれを確かめたりするのは変・・・

前田検事:あなたは神霊能力開発講座を始めるとき、スタッフの人に、どうやって講座をやったらよいのかと相談したことはないか?
嘉子被告:○*△×%#*・・・佐野さんには聞いた
前田検事:平成14年にあなたがカウンセリングをした後、カウンセリングで言っていたことが当たっているか不安であるとか、自分には霊が見えないとか、ちゃんと当たっているのか分からない等とスタッフの人に相談をしていたということはなかったか?
嘉子被告:当てものに関しては私は○*△×%#*・・・
前田検事:当てもの?
嘉子被告:当たった外れたというのは・・・、神霊鑑定は相談を受けてその解決方法を伝えるだけだったので
前田検事:当時あなたがやっていたカウンセリングというのは、まさにその悩みの原因がどういうものかという相談を受けていたということだったのでは?
嘉子被告:神霊に聞いて、その解決方法を伝えていくということだった
前田検事:当てものと神霊鑑定は違うのか?
嘉子被告:当てるというのは、私は違うと思う

前田検事:スタッフの人に、どうやったらいいのか相談していたというのは、当時あなたには自分自身には神霊能力がないと思っていた証拠なのでは?
嘉子被告:能力ではなく方法なので・・
前田検事:方法については佐野被告人から教えを受けていたのでは?
嘉子被告:ちょっと不安だったので・・・
前田検事:自分自身でも、思いついたことをポンポンと紙に書いていく訓練をしたのでは?
嘉子被告:訓練した
前田検事:そういう方法だったのでは?
嘉子被告:そういう方法だったが不安だった

前田検事:あなた自身は、他人が神霊能力を授かっているかどうかを見分ける方法を持っていたのか?
嘉子被告:持っていない
前田検事:じゃあ、どうやってあなたは他人が神霊能力を授かったと分かるのか?
嘉子被告:会主様が「授かっている」と言った方は、授かっているのかと思った
前田検事:じゃあ、神霊能力開発講座を受け終わった方が、神霊能力を授かったかどうかはあなたには分からなかったということか?
嘉子被告:確認したことがない
前田検事:でも、あなたは神霊能力開発講座を受け終わった人に対して、「神霊能力が授かりましたよ」と伝えていたのでは?
嘉子被告:終わった後ではしていた
前田検事:でも、あなたには他人が神霊能力が授かったかどうか分からないのでしょ?
嘉子被告:結果をみてはじめて分かる

前田検事:そもそも、神霊鑑定に入るかどうかは誰が決めていたのか?
嘉子被告:お客様が
前田検事:え?佐野被告人が決めていたとあなたは説明してたのでは?
嘉子被告:私とか主人に関してはそうだったが・・。神霊能力があるかどうかは、講座を受けた人をカウンセリングして、その変化を見て確認していた
前田検事:あなたは自分の供述調書の中で、神霊能力が授かったという説明をした上で、エレヴァシオンというサロンで神霊能力開発講座を終えた人たちに神霊鑑定を行わせていたと供述していませんか?
嘉子被告:はい
前田検事:それは、あなた自身がその人に神霊能力が授かったことが分かったということなのでは?
嘉子被告:鑑定に入り、結果を見た上で判定していた

前田検事:えんとらんすアカサカでは、「ここは宗教である」とお客に説明していたか?
嘉子被告:していない
前田検事:それはどうしてか?
嘉子被告:当時、宗教のイメージがよくなかったので宗教と言わないようにしていた
前田検事:宗教と説明するとお客さんが来なくなるだろうと考えたということ?
嘉子被告:はい
前田検事:要するにそれは看板を掛け替えていたということになるのでは?
嘉子被告:とにかく、一度御霊光を受けてもらいたいたかった。それで結果を見てもらいたかった
前田検事:御霊光を受けてもらうためであれば、ウソをついてもいいということ?
嘉子被告:ウソということではなく、宗教法人でもなかったので、そういう意味で宗教ではないと・・。神様なので・・
前田検事:でも、最初から神様とか御霊光という言葉は出していなかったね?
嘉子被告:最初はそうです
前田検事:そのように隠していたことについて、不適切だったとは思っているか?
嘉子被告:当時はまったくそのように思っていなかった
前田検事:あなた達がそのように、宗教ではないと言っていたのは、斉藤亨被告人からもそういわれていたのでは?
嘉子被告:私は千手観音教会に行っていた当時から、スタッフからここは神様なんです、宗教じゃないんですと言われていたので、宗教ではないんだと思っていた
前田検事:では、あなたは当時から宗教ではないという認識だったのか?
嘉子被告:神様だが、宗派には入っていないし・・
前田検事:あなた方がやっていたことは、ビジネスではないのか?
嘉子被告:違います
前田検事:斉藤被告人からそのような話を聞いたことはないか?
嘉子被告:聞いたことはあるが神様の仕事なので・・・
前田検事:斉藤亨被告人は、当時、「教主」といわれた絶対的な存在だったね?
嘉子被告:はい
前田検事:神書を書かれた方ということで、その教えは絶対的なものだとされていたね?
嘉子被告:はい
前田検事:斉藤被告人は祭典等で、「ここは企業です。ビジネスです」と言っていたことについて、あなたは疑いを持っていたということか?
嘉子被告:有限会社なので会社だと思っていた
前田検事:斉藤被告人が、売り上げを上げることに執念を燃やすと言ったことがあったね?
嘉子被告:はい
前田検事:先ほどのあなたの説明だと、佐野被告人がミーティングで売り上げを上げることを関する説明があったときに、それは違っており、自分たちのやり方は、人を集めることがメインだから、売り上げを上げることに固執するのはどうかと思っていたということだったね?
嘉子被告:はい
前田検事:先ほど弁護人も述べていたが、それは当時の神世界の教えとには全く反することだったのでは?
嘉子被告:そうですね
前田検事:あなた方の教えでは、お金を集めることが拡大発展、御神業の拡大につながるものだという説明だったのではないのか?
嘉子被告:お金を使って御霊光を受ける場所を日本全国や世界中に増やしていくという計画はあったので、お金はそのために使っていくと思っていた
前田検事:要するにそのためにはお金が必要な訳だよね?
嘉子被告:はい
前田検事:だから、最終的にはお金が必要だということでしょ?
嘉子被告:はい
前田検事:あなたはお金のことばかりはどうかと話していたが、それはあなただけの認識で他の人の認識とは違うのでは?
嘉子被告:そうかもしれない
前田検事:人を集めることがあなたにとって大事なことだと言っているが、だとすると老若男女を問わず、いろいろな方にそのような教えを伝えて広めていくとことだよね?
嘉子被告:はい
前田検事:でも神世界は、まさに女性をターゲットにして人を集めていたのでは?
嘉子被告:若い女性の方が、ヒーリングなどには興味があるだろうなと思った
前田検事:それはあなたの考えですか?
嘉子被告:はい
前田検事:神世界全体として若い女性をターゲットにして誘うということだったのではないか?
嘉子被告:それはそうです
前田検事:そのことに関してあなたはどのように認識したのか?
嘉子被告:若い女性がいいんだと思った
前田検事:でもあなたの認識では、幅広く教えを広めていきたいということだったよね?
嘉子被告:はい
前田検事:あなたの認識と、神世界で共有されている共通認識は違うということか?
嘉子被告:若い方から、その方の両親や祖父祖母にも伝わっていくので、そのようなことを考えたことはなかった
前田検事:先程来、あなたの話を聞いていると、あなた自身の認識と、神世界で共有されている認識とでは、全然違うように感じるが?
嘉子被告:もう一度言ってください
前田検事:売り上げが大事なのか人が大事なのか、若い女性が大事なのか幅広くということが大事なのか等といったこと
嘉子被告:○*△×%#*・・・
前田検事:あなたはえんとらんすアカサカでナンバー2の教会長という立場であり、それなりの発言権もあった訳で、当然、スタッフに対しても指導する立場にあったね?
嘉子被告:はい
前田検事:当然、神世界の教えについても教える立場にあった。でもスタッフも他の人も、あなたのような考え方をしている人はいなかったのでは?
嘉子被告:それはちょっとわからない
前田検事:あなたはこの場で、場当たり的な発言をしているということではないのか?
嘉子被告:そのようなことはない

前田検事:この公判廷で、事実を認めようと考えたきっかけについて先ほど述べていたね。
嘉子被告:はい
前田検事:被害者の話とかを聞いたからということがそのきっかけになるのか?
前田検事:あなたは、公判が始まる前から、供述調書を差し入れられて読んでいたのでは?
嘉子被告:取り調べの後では
前田検事:起訴された後のこと
嘉子被告:はい
前田検事:裁判が始まる前に、その供述調書に目を通していたね?
嘉子被告:はい
前田検事:そのときに、「あ、自分は間違っていたんだ」と気づかなかったのか?
嘉子被告:徐々にそう気づいていた
前田検事:それが確信に変わったのはいつなのか?
嘉子被告:覚えていない
前田検事:徐々にということだが、なぜその供述調書を読んだだけではあなた自身の間違いに気づかなかったのか?
嘉子被告:勘違いをされていると思っていたので・・。直接被害者の方の話を聞いて弁護士にも話を聞いて、本当に申し訳ないと思うようになった




●大久保検事の反対尋問(要約)
大久保検事:被告は、体調が良くなったことがきっかけで信ずるようになったとのことだが、それは誰の、どのような行為を受けてそのようになったのか?
嘉子被告:誰とか言うことではなく、いろんな方がおられたので、○*△×%#*・・・御霊光をいただいた結果良くなった
大久保検事:一番気になっていたのは、相次いでお子さんを亡くしたことだったとのことだが、その件は解決したのか?
嘉子被告:解決した
大久保検事:どのようにして?
嘉子被告:もともと弱い子供だったので、毒素が多かったんだろうなと思った
大久保検事:ん?あなたが子供さんを亡くしたとき、御霊光は受けていたの?
嘉子被告:受けていない
大久保検事:その後、御霊光を受けるようになって体調が良くなったということで、お子さんが授かるための祈願をしたり、そのための努力はしたの?
嘉子被告:仕事が楽しくて、そういう気持ちにはならなかった
大久保検事:祈願もしなかった?
嘉子被告:はい
大久保検事:あなたが佐野被告人と最初に出会った頃の佐野被告人の印象は?
嘉子被告:ほとんど会話をしたことがなかったので、おとなしい方だなと思った
大久保検事:佐野被告人の地位はあなたより上の地位にいたとのことだが、あなたにとって佐野被告人とはどのような人物だったのか?
嘉子被告:上司であり、細かな点も指導してくれる優しい人だった
大久保検事:彼の神霊能力などについてはどう思っていたのか?
嘉子被告:すごい神霊能力のある方だと思っていた
大久保検事:それはあなた自身が何かの体験をしたからか?
嘉子被告:佐野さんの神霊鑑定に同席したことがあり、その後の結果が出ていたので、すごい能力があるんだと思った
大久保検事:先ほど来の説明も含めて、神霊能力があるかどうかは、結果で判断するしかないということだね?
嘉子被告:はい
大久保検事:今回、証人Dさんは、なぜ結果が出なかったの?Eさんも
嘉子被告:勘違いさせてしまったから・・。神様ではなく、私達人間に力があるかのように思わせてしまったから
大久保検事:だから結果が出なかったの?
嘉子被告:はい
大久保検事:それをしていなかったら、確実に結果を発生させることができていたと今でも思っているのか?
嘉子被告:それはちょっとわかりません
大久保検事:どういう意味?
嘉子被告:・・・・・・・・(しばし沈黙)
嘉子被告:絶対にそうなっていたとは・・・・
大久保検事:あなたは先ほど、「御霊光は万能ではないと思っている」ということを述べているね?
嘉子被告:御霊光ということではなく、神様の教えとかに関しては万能ではないいう意味
大久保検事:じゃ、御霊光や神霊鑑定についてはどうなのか?
嘉子被告:・・・・・・・・・・・・・(長い沈黙)・・・・・・・
嘉子被告:万能ではない
大久保検事:結果が出なかったのは、元々御霊光は万能ではなかったからじゃないの?
嘉子被告:(しばし考えた後)そうなります
大久保検事:大丈夫かな?混乱しているようなので、一度整理しますね。
大久保検事:あなたは今回、結果が出なかった理由について、「私達に能力があるかのように誤解を与えたから、本来万能で、効果が出るべきものが効果が出なかった」と言っているが、その一方で、「元々万能ではないんだと、今では思っている」とも述べている
嘉子被告:神様からの御霊光は万能です
大久保検事:えー?御霊光は万能だと思っているの!?さっきの話と違うけど?
■裁判長:御霊光は万能ではないとさっき言ったんだけど、覚えていますか?
嘉子被告:神書の内容の方は万能ではないと思うが、御霊光については今でも万能だと思っている
大久保検事:御霊光の効能が書いてあるのが神書なんじゃないですか?神書が万能でなければ、神書に書いてある御霊光も万能ではないのでは?
嘉子被告:神書は・・・・えーー、御霊光は・・・あっ、・・・(しどろもどろになる)
嘉子被告:御霊光は万能だと思っている
大久保検事:なぜ?!!(強い語調)
嘉子被告:言い方がむずかしい・・。私は結果をいただいているので・・
大久保検事:元へも戻ってしまったねー
大久保検事:あなた記録を見ましたよね?御霊光をいただいていたが亡くなった方がいた、重篤な障害が残った人がいたという内容の記録
嘉子被告:はい
大久保検事:先ほどの供述では、当時からそういう人がいたことを知っていたと言いましたね?間違いないですね?
嘉子被告:はい
大久保検事:じゃー、その人達はなぜ結果が出なかったのか?
嘉子被告:体が弱かったからです
大久保検事:いま、そう思うということ?当時そう思っていたということ?
嘉子被告:当時も、今も・・。今は、病院に行くという方法や薬もあると思う
大久保検事:それはやはり御霊光は万能ではないという意味なのでは?万能じゃないから薬を合わせればいいと言っているんじゃないの?
嘉子被告:御霊光をいただく回数だとか・・○*△限界がないので×%#*・・・

⇒(理解不能な被告の言動に、検察官、裁判官も呆れた様子)

大久保検事:もう一度聞きますが、御霊光は万能だと今でも思っているのか?
嘉子被告:・・・・(非常に小さな声で)私は思っている・・・
■裁判長:御霊光が万能であれば、薬を飲む必要はないのでは?
嘉子被告:何も飲まなくいいというのは極端すぎると思う・・
嘉子被告:私自身、御霊光をいただいて結果が良かったので○*△×%#*・・・
■裁判長:他の人については?
嘉子被告:途中で止めてしまう人もいたし・・、私はずっと神様に・・
■裁判長:死亡など不幸な事例は、途中で御霊光を受けるのを止めた人がそうなったのではなく、むしろ熱心に御霊光をいただいていた人が不幸な結果になっているでしょ?
嘉子被告:○*△×%#*・・・答え方が難しい・・・
嘉子被告:・・・・・・・・・・・・・・・・(長ーい沈黙)・・・・・・・・・
嘉子被告:私自身はそう思っていた・・・

⇒(裁判長もサジを投げた感じで、「もういいです」と発言)

大久保検事:100万という大きな金額であった証人Dさんの御祈願についてだが、当時あなたは、ちゃんと説明が出来ているのか心配だったということだったね?
嘉子被告:はい
大久保検事:じゃー当時、あなたがそこで説明しておいて然るべき内容と思うのはどういう内容?
嘉子被告:神様との取り引きの説明を・・
大久保検事:その程度?神様にお玉串をお上げしてという認識は当時もあったのでは?
嘉子被告:当時はあったと・・・・、話をして、理解されているなーと安心した覚えがある
大久保検事:じゃー、なぜ結果がでなかった?
嘉子被告:・・・・・・・・・・・・・・・・(長ーい沈黙の後)分かりません
大久保検事:未だに整理できていないのか・・そこは、あなたは・・。自分たちのことを素直にちゃんとみれていないのかな?
大久保検事:では、こう聞きましょう。あなたは証人Dさんに対してだけは特に、自分に能力があるんだと振る舞ったという認識はあるのか?
嘉子被告:証人Dさんだけではないと思う
大久保検事:証人Eさんや、民事で訴えている人たちに対してだけ、自分たちに能力があるんだと振る舞ったのか?
嘉子被告:はい、あります
大久保検事:その人たちに対してだけということ?
嘉子被告:申し訳ないと思っている
大久保検事:申し訳ないかどうか聞いているのではない。あなた達が行ったどの行為が、自分たちに能力があるかのように振る舞った行為だと認識しているのか?
嘉子被告:すごい先生がいるとか、特別な方だとかいう表現が・・
大久保検事:その表現、ずっと使っていたよね?
嘉子被告:はい
大久保検事:ということは、みんなずっとあなた達にすごい能力があるんだと思い続けていた人がいてもおかしくない。そうすると、神様は怒って、何一つ結果が出なくてもおかしくないのでは?
嘉子被告:はい
大久保検事:あなたの理屈では、誰一人として結果をもらえていないことになる。そうなりませんか?
嘉子被告:・・・・・・・・・・・・・(長ーい沈黙の後)結果が出た方がいるので・・
大久保検事:あなた達が整理した原因が違うのでは?
嘉子被告:神様と証人Dさんの間に私が入ったことが間違いだったのかも・・・。申し訳ないと思っている
大久保検事:なにが申し訳ないのか、間違ってその原因を捉えていても仕方がないからこうやって聞いている
大久保検事:あなた達が、自分に能力があるかのように振る舞っていたこと、すごい先生がいる、特別な方などの表現をしていたことが神様を怒らせ、結果が出なかった原因であるとするならば、あなた達は誰にでもそうした表現をしていたのだから、神様の邪魔を常にしていたことになり、誰一人として結果など出ていないことになる。そうは思わないか?
嘉子被告:勘違いする人もいるので・・
大久保検事:結果が出なかったのはその人が勘違いをしたからであり、その人が悪いと言いたいのか?
嘉子被告:そういう意味ではない
大久保検事:ではどういう意味か?
嘉子被告:・・・・・・・・・・・・・・・(長ーーーーい沈黙)
大久保検事:(沈黙が長いので検察官は再び)どういう意味ですか?
嘉子被告:・・・・・・・・・・・・・・・(長ーーーーい沈黙)

⇒尾崎弁護人が「異議がございます」と発言

尾崎弁護人:重複の議論の繰り返しになっており、被告が言っているのは、勘違いをさせた責任を認めているわけで、勘違いをしていない多数の方は見守って・・・・・
■裁判長:それは意見になりますので、止めてください
大久保検事:重要な点であるということと、被告人から明確な答えが得られていないということから異議は却下願います

⇒裁判長と2名の裁判官が尾崎弁護人から出された異議を認めるか否かを協議

■裁判長:異議は却下します。続けてください
大久保検事:改めて聞きます。なぜ今回は結果が得られなかったのか?
嘉子被告:私たち人間が邪魔をしたから
大久保検事:もともと、あなた達がやっていたことが確実に悩みを解決するなどというものではなかったから、当然のように結果が出ない人がいるのではないのか?
嘉子被告:・・・・(しばらく沈黙が続いた後)○*△×%(意味不明な言葉)
大久保検事:終わります




●市河弁護人再尋問(要約)
市河弁護人:あなたが健康になったことは、結果であり、今でも確信をもって奇跡だと思っているのか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:検察官がいま言われたように、神霊鑑定、あるいは御霊光は、被害者の方には病気が回復するという結果が生じなかった。それが詐欺だったからなのか、誤解を与えたからなのかということをあなたは説明?神霊鑑定や御霊光、本来的にあなた達の教えとして、奇跡とはそういうものなのか?
嘉子被告:そうした方もいた
市河弁護人:そうした方も、でしょ?
嘉子被告:はい
市河弁護人:そうじゃない人もいた?
嘉子被告:はい
市河弁護人:「心と言葉と行動」という教えがあったね?
嘉子被告:はい
市河弁護人:玉串をお上げして、単に御霊光をいただくだけで神様は奇跡を与えると教えではなかったでしょ?
嘉子被告:はい
市河弁護人:つまり、あなた達の教えは、御霊光だけで、あるいは神霊鑑定だけで、御祈願だけで、それだけで万能の奇跡が100%保証されているという教えではないでしょ?
嘉子被告:はい
市河弁護人:それを「万能ではない」と言うんだよ。私がさっき言ったつもりなんだけどね
市河弁護人:そういう理解をあなたはしていないということか?
嘉子被告:それはしている
市河弁護人:そうだね
市河弁護人:つまりあなたは、御霊光や御祈願、御玉串を上げることで確実に奇跡が生ずる、万能な奇跡が生ずるという理解をしている訳じゃないんでしょ?
嘉子被告:はい
市河弁護人:そうだとすれば、それは万能ではないということだから、それを説明しなきゃだめじゃないですか(弁護人、語気を荒くして被告を叱る)
嘉子被告:はい
市河弁護人:それが先ほど検察官が聞きたかったことなんだよ
市河弁護人:証人Dさんに、お取引の中身、単にお願いするだけではなく、もっと具体的な行動、体にいいことだとか、いろんなことをしなきゃいけないんですよという、「心と言葉と行動」の部分を具体的に説明しなければ、御祈願だとか鑑定がすべて万能であるように受け止められるじゃないですか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:あなたが不安に思ったというのは、そこじゃないの?
嘉子被告:そうです
市河弁護人:そこを説明しなくてどうするの!
嘉子被告:はい
市河弁護人:そこが理解不十分だから、先ほど検察官が聞いていたんじゃないですか?
嘉子被告:はい
市河弁護人:あなたが奇跡を得たというのは、あなたの主観だから誰も何も言えない。だけど、他の人がそういう経験を経たかどうか、そう感じたかどうかということは、他の人の受け取り方だからそれは正直分からないんだよ
市河弁護人:でもはっきり言えることは、どういうことを言われたのか、どういうことを信じたのかということはある程度は分かる
市河弁護人:先ほどのあなたの説明では、あなたが悪いことをしたのかどうかが分からないんだよ
市河弁護人:つまり、あなた自身が、自分が何をしたのか、自分がどのような悪いことをしたのかが分からないんだよ。自分がやったことを、ちゃんと理解しないといけない
市河弁護人:先ほど私が、「御霊光や教えは万能なんですか?」と聞いたのは、元々あなた達の教えでは、万能ではないはずなんです
市河弁護人:それがあたかも万能であったり、会主さまから、神霊鑑定士から奇跡がいただけるような形になってしまっていた
市河弁護人:元々の教えからどんどんずれていって、それが確実性と保証性100%の奇跡を与えるかのような外形と言動が横行していたことが問題だったんじゃないの?
嘉子被告:はい、そうです
市河弁護人:ちゃんと分かってますか?
嘉子被告:分かります


尾崎弁護人:結果をいただいた方もいれば、今回の被害者のように結果がいただけなかった方もいるわけだが、その割合はどの程度のものか?
嘉子被告:7割くらいの人は、いただいていたと思う
尾崎弁護人:あなたは神様が万能だと思っているのか?
嘉子被告:はい
尾崎弁護人:人間のやっていることは万能ではないね?
嘉子被告:はい




●裁判長の尋問(要約)
■裁判長:あなたは教会長であり、佐野さんの次の立場であり、ご主人の史利被告より立場が上だったが、どのような経緯でそうなったのか?
嘉子被告:私の方が先にスタッフだったから
■裁判長:神霊能力という点ではどちらが優位だったのか?
嘉子被告:私は東京で仕事をしており、主人は山梨にいた。神霊能力開発講座を受ける人は山梨の方が多かったので、主人がそうした活動に従事していた
■裁判長:あなたが教会長になるということは、佐野さんが決めたのか?
嘉子被告:そうだと思う
■裁判長:えんとらんすアカサカでは、客に対して「ここは宗教ではない」と言っていたが、あなたもそう思っていたのか?
嘉子被告:宗教法人ではないし・・・
■裁判長:宗教法人かどうかということではなく、あなたの認識として、えんとらんすアカサカの活動は宗教活動だと思っていたのか?
嘉子被告:はい、宗教活動だと思っていた
■裁判長:思っていた?
嘉子被告:はい
■裁判長:じゃー、お客さんに対して、「ここは宗教ではない。取り引きです、ビジネスです」と言っていたのは間違いだね?
嘉子被告:神様であって・・・
■裁判長:神様とはどういう意味ですか?
嘉子被告:(しばらくの間、逡巡したあげく)宗教だということです
■裁判長:要するに、人間の力の及ばない、超自然的な力。そういうものに力があると信ずるというのは宗教ですよね?
嘉子被告:はい
■裁判長:じゃ、「宗教ではない、神様です」と言い換えたところで、人にウソを言っていることですよね?
嘉子被告:はいそうです
■裁判長:看板を偽っていますよね?
嘉子被告:はいそうです
■裁判長:あなたはいま、えんとらんすアカサカを清算中で神世界の宗教活動もしないと言っているが、神様は信じているのか?
嘉子被告:はい
■裁判長:今後は、個人として信仰していくということ?
嘉子被告:はいそうです
■裁判長:あなたは、元スタッフだった証人Cさんの証言を聞いていたね?
嘉子被告:はい聞いていました
■裁判長:証人Cさんは、あなたが佐野さんから叱責されたり、指示されていたと証言をしているが、それは事実か?
嘉子被告:はい
■裁判長:じゃ、その通りだと聞いていいですね?
嘉子被告:はい
■裁判長:では後ろに下がってください。

午前の部終了(11:29)





●午後の部(13:30より)

■佐野孝被告への被告人質問

●市河弁護人による被告人質問(要約)
市河弁護人:あなたは証人C・Dに関する組織的詐欺について自分が関与したことを認めるか
佐野被告:認めます
市河弁護人:神世界の前身である千手観音教会に関わるようになったのはいつ頃か
佐野被告:平成3年あたり
市河弁護人:それはどういうきっかけか
佐野被告:私の顔に蒙古斑(?)というアザが17歳のときから出始め、悩んでいた。会社に勤めてから平成3年頃まで病院に通い、治療をしていたが、完治せずにまた出てきて悩んでいたときに、職場で日原葉子さんに知り合い、家にお邪魔したときに御霊光のお取次ぎをしているお母さんがいるということで御霊光の存在を知った
市河弁護人:初めて御霊光を受けたとき、何か感じるところはあったか
佐野被告:最初は感じなかったが、何度か受けるにあたり、アザの上に治療行為をしたところの皮膚の下に何かムズムズ感じて、不自然に温まるような○*△×%#*・・・何か不思議な気持ちだった
市河弁護人:アザというのは右目側?左目側?
佐野被告:左目側。顔の左半分
市河弁護人:実際にアザは消えたのか
佐野被告:病院の治療が終わってから左の頬に出始めて、御霊光を受けるにあたり、薄くなり、消えていった
市河弁護人:通い始めてどれくらい経って?
佐野被告:半年くらい経ってほとんど分からなくなった
市河弁護人:治療行為の結果だとは思わなかった?
佐野被告:はい。病院で手術をしたときにこれ以上皮膚を焼いたり・・・すると、皮膚が薄くなって不可能と言われて、そのときに治療をあきらめた○*△×%# *・・・
市河弁護人:アザが消えたということで千手観音教会の会員になった?
佐野被告:はい
市河弁護人:スタッフになったのは?
佐野被告:平成7年
市河弁護人:きっかけは?
佐野被告:お手伝いという形で神様に使って頂いていたが、平成7年の○○のときに千手観音教会で働くお許しを頂いた
市河弁護人:お許しを頂くというのは誰から?
佐野被告:・・・・・(しばし沈黙)、え・・・、お許しを頂いたのは斉藤亨さんだったと思う
市河弁護人:御霊光のお取次ぎなどをしていた?
佐野被告:はい
市河弁護人:拠点の活動は山梨中心?
佐野被告:はい
市河弁護人:通っていた会員の中で、薬はよくないとか、乳製品はよくないだとか、熱を出した方がいいだとか、御霊光を受け続けた方がいいとか、そういう教えを守って、むしろ悪化したりお亡くなりになった方がいたのはご存知?
佐野被告:知っていたが、何か事情があるのではと思っていた
市河弁護人:悪いことが起こったのは何か事情があるのではないかということ?
佐野被告:背景が分からなかったので、何か事情があるのではと思っていた
市河弁護人:あなた自身はお子さんが何か健康を害することがなかったか
佐野被告:はい。ありました
市河弁護人:それは、神世界の教えを守ったから健康を害したと考えなかったか
佐野被告:・・・(しばし沈黙)、当時は、子供がそういうことになったということが大変ショックで考えられなかった

市河弁護人:あなた自身、神霊鑑定士の第1号と言われているのはそれは事実か
佐野被告:はい
市河弁護人:神霊能力に目覚めたのはいつ頃?
佐野被告:平成12年
市河弁護人:お子さんが健康を害したのと何か関係があった?
佐野被告:子供がそのようになったのは私の活動が至らないばかりにと思っていた。神様に助けて頂ける方法を考えていたところに神様に能力を授けて頂いた
市河弁護人:神霊能力とは具体的にどういう状態?神様の声が聞こえるだとか、映像が見えるだとか、何か思い浮かぶだとか
佐野被告:千手観音教会の仕事が夕方終わるときに、神様の姿の所にソフトボールくらいの大きさの光る観音様が見えたので何故だろうというのがきっかけ
市河弁護人:観音様の姿が映像として見えたの?
佐野被告:はい、そうです
市河弁護人:その後は具体的に何か経験したか
佐野被告:何度か見えたので、その内容を不思議に思い、斉藤さんに報告した
市河弁護人:斉藤さんは何て言った?
佐野被告:・・・、神霊能力を頂いたという御言葉を頂いた
市河弁護人:それ以外は?
佐野被告:人が幸福になるようにしっかりそれをするように(?)と御言葉を頂いた
市河弁護人:具体的には何をしたらよいと言われた?
佐野被告:当日はその会話だったが、家に帰ると、お姿の前に座っているとお姿から神様が私に話しかけてきてお前を使うというような御言葉が聞こえた
市河弁護人:神霊鑑定を行い始めたのは斉藤さんから言われてしばらくしてから?それともすぐ?
佐野被告:間は空けなかったと思う。過程の中で鑑定に対して能力を授かっていった
市河弁護人:神霊鑑定の方法は?
佐野被告:対面式で話をして、相手の方が神様に聞きたい内容をお伝えすると、私が聞いた後、神様から言葉が体の○×△・・なくなって、スラスラ出てくるもの
市河弁護人:家系図や家の見取り図は利用していたか
佐野被告:最初は家系図等はなかった

市河弁護人:何か困ったことはあったか
佐野被告:神様からの声が一日中、時間関係なく聞こえるようになり、自分の時間が制約されるようになり、○*△×%#*・・
市河弁護人:年がら年中続いて非常に恐怖を感じたとか、精神的に落ち込んだことは?
佐野被告:神様からの御言葉を伝えるという大事な仕事ですので、自分に間違えがあってはいけないとか、見えないものが見えることの怖さとか、入られる方の先祖の方が一日中助けてほしいと霊的に現れるなど、精神的に恐怖感を・・・
市河弁護人:それで一度、神霊鑑定やめていないか?
佐野被告:はい、やめました
市河弁護人:やめたことについて斉藤さんは何か言っていたか
佐野被告:精神状況などを含めた上で、やめることに対してお許しを頂いた
市河弁護人:神霊鑑定を再開したきっかけは?
佐野被告:○*△×%#*・・心に変化が起きたときに、斉藤さんからまた声をかけて頂き、考えて最終的には鑑定をすることになった
市河弁護人:一度やめて再開するまでの期間はどれくらいだった?
佐野被告:・・・・・・・(長い沈黙)、精神状態が・・、心が疲れているときで・・・、はっきりしません
市河弁護人:再開してまた、見えないものが見えるようになったとか現れたのか
佐野被告:○*△×%#*・・斉藤さんから神霊能力を頭の中に入れて下さったから、以前のような・・・でなく、・・・能力を授かっているという形なので大丈夫だ・・・

市河弁護人:あなた以外に神霊鑑定士は最初誰がいたか
佐野被告:びびっととうきょうのW田さんという方。あとからK藤さんという方
市河弁護人:このふたりにあなたが講習したり、あなたが神霊能力があると判断したのか
佐野被告:私は関与していない
市河弁護人:えんとらんすで認定した人は誰か
佐野被告:淺原史利さんと嘉子さんが始めで、K山さん、小塚さん、従業員Cさん。私が神様から教えて頂いて声をかけた
市河弁護人:神霊能力があるとどうやって見分けるの?
佐野被告:淺原史利さんと嘉子さんに関しては、私がアメリカにおいて活動を行うということを神様から承ったときに神霊鑑定ができなくなるということで神様に相談したところ、神様からの答えが、神霊鑑定ができるように用意してあればその方たちに講習をしてよいと、頭の上を見たら光る観音様がいらっしゃったので○*△×%#*・・・
市河弁護人:それで神霊能力があると判断した?
佐野被告:神様の指導通りに、講習を行うことによって神霊能力を授かることができるというように教えて頂いたのでそのように変更した
市河弁護人:神霊能力開発講座を行うように指示したのは誰?
佐野被告:・・・(しばし沈黙)、あの、そのような講習を行えないかと問い合わせがあったので神様にお聞きして実行した
市河弁護人:そのような講習会を行いたいと言ったのは誰?
佐野被告:・・・記憶がはっきりしませんが、神世界の関係のどなたか
市河弁護人:つまり、あなたがアメリカに行ってしまい、神霊鑑定をやる人がいなくなるから?
佐野被告::はい、そうです
市河弁護人:神霊能力開発講座を史利被告にアカサカで行うよう指示したのは?
佐野被告:私が神様にお聞きしてそのようにした
市河弁護人:講座の内容はあなたが史利被告に伝えたのか
佐野被告:神様に聞いた内容を伝えた
市河弁護人:答え合わせをしてはいけないのはなぜ?
佐野被告:○*△×%#*・・、受講者同士でひとつのテーマに対して答えが合わない可能性があるので、答え合わせをしてはいけないということで○*△×%#*・・
市河弁護人:なぜ答えが違う可能性があるのか
佐野被告:ひとつは、質問される方の心を通して答えが頂けるので、その方の心にふさわしい答えを頂ける。あとは、受講者の気持ちが、どうしてもその方を救いたい、神様に救って頂きたいという気持ちがあるかどうか

市河弁護人が事例を出して質問(省略)

市河弁護人:あなた自身は神様から頂いた答えに対し、確認作業(答え合わせ)をしたことがあるか
佐野被告:はい
市河弁護人:それは当たっていたか。何回くらい?
佐野被告:はい。神様は正しいという信念はあるが、○*△×%#*・・・・
市河弁護人:具体例は?
佐野被告:・・・(しばし沈黙)、はい、あの、例えば、スーパーで○*△×%#*・・お店の状況が今後、どのようになって行くか・・・

市河弁護人、反応せず、質問を変える

市河弁護人:アメリカに行って布教活動をした?
佐野被告::当時、千手観音教会の会員の方がいないわけではありませんが、あの、会員の方が少し増える形でできないかということで、斉藤さんと話をしたところ、アメリカに布教活動に行って、神様のご指導の下で活動することによって、さらに千手観音教会が展開していくこと、奇跡をまた頂けるように神様から○○を頂いたので、アメリカの方に行った
市河弁護人:現実に拠点はつくれたのか
佐野被告:つくれなかった
市河弁護人:そのことに対して神様からメッセージは?
佐野被告:目的としては、アメリカでのテロに遭われた方の霊、悲しみの心を救うということで現地に出向き、お祈りしなさいと言われていたのでその行為をしていた。世界的に宗教活動を、海外の人たちも念頭において布教活動をしなさいということでしたので、そのようなことを実行した

市河弁護人:でも、実際に拠点を作れなかったんだよね?それは神様の計画と違うのでは?
佐野被告:はい。そう思う。
市河弁護人:帰国後、すぐ神世界の活動を始めたのか
佐野被告:いや、自分の、なぜアメリカでの活動が自分の思うようにできなかったのか、自分が活動に復帰するに当たって、その役目が果たせるのか、自分がその立場でいいのかということを深く考えることがありまして、仕事に復帰するのが・・・

市河弁護人:神世界の活動を控えた、でもあなた、もう一度活動始まったよね?
佐野被告:私の子供が、斉藤亨さんの養子になったことから、その子供に会いに行くことが月に1度か2度あった。そのときに斉藤さんから神世界で働かないかと声をかけて頂き、最初は神様にお聞きし、お断りしていたが、3度目、4度目のときに・・・

市河弁護人:杉本被告の民事裁判でのトラブルのことを確認(省略)

市河弁護人:トラブルの原因である神霊鑑定や御祈願をやめるという話にならなかったのか
佐野被告:神様から、神霊鑑定というのは今の活動規模において対応が困難である、説明不足と人間の活動面における対応の不足から問題が生じるということで神霊鑑定のやり方を変えるようにという話があったので斉藤さんに伝えた
市河弁護人:神霊鑑定をやめなさいという話に対して、斉藤被告はなんと言ったか
佐野被告:問題が起きない形で、○*△×%#*・・、その後、問題のない形がないか神様にお聞きしたら不可能という御言葉だったので、神世界に話をした
市河弁護人:そしたら、斉藤被告からどういう回答を得たか
佐野被告:○*△×%#*・・、神様にお聞きしたら、やめるということはいけない、残って組織の上に立って、○*△×%#*・・、今は問題が起こらない形を精一杯努めるようにと伝えたので、あの、○*△×%#*・・
市河弁護人:斉藤被告は、神霊鑑定を続けると言ったのか、やめると言ったのか
佐野被告:まぁ、あの、続けると・・・
市河弁護人:でも、あなたからすれば、神様からのメッセージなんだから、神霊鑑定をやめた方がいいと、斉藤被告にどうして強く言わなかったのか
佐野被告:それは私の信仰に関する○*△×%#*・・、神様からの御言葉を基に幸福になっていった。斉藤さんの御神業における手足となっていく中で、神霊能力を授かったわけだが、斉藤さんは神様からの御言葉を聞くことができる、私は神霊からの御言葉を聞くことができるということで、私の中で、斉藤さんは神様からの言葉を聞けると神霊から○*△×%#*・・話を聞いたことがあるので、私の神霊からの答えより、斉藤さんの答えが合っているという・・・○*△×%#*・・
市河弁護人:斉藤被告の言葉の方が、あなたが聞いている神様、あるいは神霊のメッセージよりも大事だと考えた?
佐野被告:はい、○*△×%#*・・

市河弁護人:平成19年12月の警察の捜索をふまえて、再度、斉藤さんに神霊鑑定をやめた方がいいのではないか、返金した方がいいのではないか、と話をしなかったか
佐野被告:はい、伝えた

市河弁護人:平成18年えんとらんすの売上は他社と比較して高かった?
佐野被告:低かった
市河弁護人:1億円売上がないと、他社に吸収されると斉藤被告に言われなかったか
佐野被告:みろくに吸収される具体的な話があった。えんとらんすとみろくでは、指導面、神様に対する感謝の気持ち等、意識として自由な面があり、とても他のグループについていける形ではないので、吸収されると、会員がやめてしまい、○*△×%#*・・トラブルになりそうな懸念があった
市河弁護人:それであなたは、売上をあげなければいけないと指導していた?売上をあげないと吸収されてしまうという不安があったから強く言った?
佐野被告:はい
市河弁護人:斉藤被告から売上をあげるよう指導があったか
佐野被告:??
市河弁護人:売上をあげるという発言や指導に何か、○*△×%#*なかったか
佐野被告:神霊鑑定ということがあって、神様のところに救いを求めに来られている方、○*△×%#*・・、そういう活動によって対応が困難になって・・・
市河弁護人:売上をあげると単純に言うと、御玉串をたくさんあげてもらうということで、杉本さんの民事事件のようにトラブルが多発化すると思わなかったか
佐野被告:そういう恐れがあるので、策としてできる形を取った。杉本さんにみろくの管轄に入って活動してもらうとか、各経営者の方に誓約書を結んでもらうとか

市河弁護人:あなたは捜査段階と訴因変更前までは否認していたね?その理由は?
佐野被告:捜査段階から私は返金を考えていた。しかし笠原先生から、「返金はダメだ」と言われた
佐野被告:捜査段階での検事さんとのやり取りを録音したテープも聞かされた
佐野被告:警察の捜査には不当性があると笠原弁護士に言われていたので黙秘した
市河弁護人:つまり、あなたが返金したいと言っていたのに、笠原弁護士が「捜査には不当性がある。取り調べに対しては黙秘で行く」との方針を示したので、あなたはそれに従ったということか?
佐野被告:はい
市河弁護人:返金をするということは、神様からの指示でそうしようと思ったのか?
佐野被告:はい
市河弁護人:そうしたことがあったのに、今回、返金を決めたのはなぜ?
佐野被告:神様が弁護士の先生を説得しなさいということで、神世界関係者が逮捕されたときに笠原先生に○*△×%#*・・、私の方で○*△×%#*・・、返金の対応を・・
市河弁護人:あなたは以前、弁護士の先生から返金することを強く抑えられていたんでしょ?方向転換に到った最大の理由は?
佐野被告:斉藤さんを通じての神様で、○*△×%#*・・・、今回の件の中で、○*△×%#*・・・斉藤さんが逮捕されたことをきっかけに笠原先生に相談し、○*△×%#*・・・
市河弁護人:端的に答えてほしいんだけど、つまり、あなたは以前から神様の方から、罪を認めて謝ってお金を返しなさいと言われていたのか
佐野被告:はい
市河弁護人:それを神世界の人に言ったら反対されたんでしょ?斉藤さんの意志には抵抗できなかったんでしょ?
佐野被告:はい、あの、○*△×%#*・・・そういうような指導を受けて、○*△×%#*・・・
市河弁護人:つまりね、あなたからすれば、斉藤さんや弁護士の先生の意見が通って、あなたはそれに従っていたんでしょ。
佐野被告:はい
市河弁護人:斉藤さんが逮捕されて、それによって、どうして今まで従っていたのに、意志を強く出して返金をしようと強く押したのか。そのとき、何が変化したの?
佐野被告:○*△×%#*・・・
市河弁護人:つまり、こういうことでしょ?あなたは今まで斉藤さんの意志・指導をずっと守ってきたけど、神様の言葉ですら逆らって斉藤さんの言葉をきいていた。だけど、最終的に正しかったのは神様だった、ということをそのとき、確信持ったんでしょ?
佐野被告:はい、そうです
市河弁護人:斉藤さんの考えは間違っていたと思ったということじゃないの?だから、神様の言う通りにしなきゃいけない、言う通りにしないからこういうことになるんだ、そういうふうに強く確信を持ったんじゃないの?
佐野被告:その通りです
市河弁護人:だからこそ、あなたはかなり強く、先生たちに早く返さなきゃいけないと言っていたよね?そのとき、あなたは心境の変化が起きたんじゃないの?
佐野被告:はい

市河弁護人:あなたが本来やるべきことは単純で、神霊鑑定を全体的にやめる、被害を受けた人たちに直ちに返金する、こういう行動をとるべきだったのではないか?あなたは神世界でNo.2と言われている、なぜNo.2と言われている?
佐野被告:はい。神霊能力を最初に授かったので
市河弁護人:それだけ神霊能力・神霊鑑定に責任ある立場なんでしょ?現実に本当の意味でNo.2であるかは別として、あなたが責任ある立場としてもっと早く神霊鑑定をやめさせるよう動かなきゃいけなかったのではないか?
佐野被告:その通りです
市河弁護人:今後、神世界の活動を続けていくつもり?
佐野被告:続けていかない、退職願を出した
市河弁護人:えんとらんすについては?
佐野被告:問題を起こしたので解散
市河弁護人:自分の神霊能力は今の時点であると思っている?
佐野被告:ない
市河弁護人:自分で宗教を起こしたりとか別の宗教活動を行おうと思っている?
佐野被告:一切ない(?)
市河弁護人:みえるとか聞こえるとかいう能力を宗教的なことに利用して活動はしないということね?
佐野被告:しない
市河弁護人:民事の裁判で和解が成立し、被害者50人近く、裁判外の和解人数が50人以上、それ以外にも請求があるかもしれないが、そういった残りの人達に対する返金作業についてどう思うか
佐野被告:しっかりと責任を持って会員の方に返したい
市河弁護人:本当に真面目に信じていた人に対して迷惑をかけていたと考えるか
佐野被告:はい
市河弁護人:御霊光によって必ず奇跡が起こると考えているか
佐野被告:いいえ



●尾崎弁護人による反対尋問(要約)
尾崎弁護人:先ほど証言した他社の規模についての推測は、売り上げの差から考えてということか?
佐野被告:はい
尾崎弁護人:あなたは他社に対して指示命令は?
佐野被告:していない
尾崎弁護人:平成19年12月に警察の強制捜査が入ったが、被害者への返金を考えていたのは、強制捜査の前か後か?
佐野被告:返金については19年12月の段階で考えた
尾崎弁護人:その後に、押収されていた預金などが返還されたことがあったね?
佐野被告:はい、ありました
尾崎弁護人:平成22年の春だった?
佐野被告:はいそうです
尾崎弁護人:そのときには返金を考えなかったのか?
佐野被告:神様から返金しなさいと言われていた
尾崎弁護人:先ほどの発言では、斉藤亨被告が当初は返金はだめだと言っていたが、その後、返金を認めるようなことはあったのか?
佐野被告:斉藤さんは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(長い沈黙)

⇒約1分ほどの長い沈黙の後、佐野被告は自分のズボンのポケットからハンカチを出し、下を向いて目の辺りを何度もぬぐいはじめる。

佐野被告:・・・・・・・とても、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(再び長い沈黙)

⇒更に1分間ほどの沈黙が続く。
⇒時間の経過とともに更に感情が高まってきたようで、完全に泣いている。
⇒証言台に取り付けられたマイクを通して、佐野被告が鼻をすする音が法廷内に響き渡る。
⇒そうした状態が約2分ほど続いた後、やっと少し落ち着きを取り戻してきたようで、顔を上げて、何かを話そうとする。
⇒法廷中が、佐野被告が次に発する言葉に注目する(ひょっとすると詐欺を認める発言をするのか?)


佐野被告:・・・・根がやさしい方で・・・・・、本当にその方が○*△×%#*・・その中で一生懸命やってこられた活動という意味で、正当性を持って、神様から教えて頂いた内容または私の考えを伝えるにあたり、返金という形で考えを変えて考えて下さり、説得を関係者の方にして下さった
尾崎弁護人:しかし、現実にはね、返金はずっと後になった訳で、その理由をもう少し詳しく言ってください
佐野被告:関係する内部の方々の意見、やはり皆さん真剣にやっていた。私も真剣にやっていた。その中で今回の出来事があり、そのとき担当されていた笠原弁護士、検事の録音テープがあって、事件は逮捕なしで終結、在宅という形になるというような説明を受けていた。そこで民事での対応になるからという説明を受けていたので、皆の考えがそこに固まってしまうものがあり、それが返金が遅れた理由になった
尾崎弁護人:終わります




一旦休憩(2:58)-----------------------------(3:15)審議再開




●前田検事による被告人質問(要約)
前田検事:今回の事件で何が悪かったと思う?
佐野被告:神霊鑑定をする者に能力があるように誤解させてしまったこと
前田検事:神霊鑑定において、詐欺になるような行為が行われていたことを当時から認識していた?
佐野被告:誤解を与えてしまい・・・○*△×%・・・
前田検事:売上を上げることに前のめりになったのは、えんとらんすがみろくに吸収されると斉藤被告から言われていたことがひとつの理由?
佐野被告:はい
前田検事:アメリカから戻って来て神世界に復帰する前のこと?後のこと?
佐野被告:復帰してからのこと
前田検事:以前から売上が上がらない経営者は吸収されることはあったことでは?
佐野被告:はい
前田検事:ということは、えんとらんす特有のことではなく、前々から認識していたのでは?
佐野被告:・・・○*△×%・・・
前田検事:お金を集めることは、人を集めることと並んで御神業にとって必要なものだったのでは?
佐野被告:救いの場を広げると思えば、必要なものだったと思う
前田検事:神世界ではある意味、当然のことでは?
佐野被告:・・・ひとり、ひとりの救いを求める方に対しての十分な対応が・・・○*△×%・・・
前田検事:神世界全体としても、その頃から何か動きが変わったのか
佐野被告:全国展開するということを、神様の救いの場を・・・
前田検事:千手観音教会時代から斉藤被告は、「ここはビジネスなんだ。利益を上げなければいけないんだ」と口をすっぱくして言っていたのでは?
佐野被告:記憶しているが、救いの場の・・・○*△×%・・・
前田検事:売上のためにはトラブルが起こってもやむを得ないと感じていたのか
佐野被告:人間的な対応が不十分・・・○*△×%・・・
前田検事:あまりトラブルを起こさないよう、えんとらんすで活動していきたいという認識だったか
佐野被告:・・・・(しばし沈黙)、トラブルというよりも、救いを求める方が・・・○*△×%・・・
前田検事:売上は上げたいが、トラブルは起こさないようにという指導をしていたということか
佐野被告:きちんと説明を、結果に対して、救いを求める・・・○*△×%・・・
前田検事:私の質問に対して、答えは「はい」なのか、「いいえ」なのか
佐野被告:もう一度、質問をお願いします
前田検事:売上を上げるのは大事だが、トラブルを起こさないよう、従業員に指導していたのか
佐野被告:はい

前田検事:史利被告のノートにあなたの発言の記載がある。「うちの神霊は神霊ファンドである。今年中にファンドの会社をつくる。ファンドは成功すれば、村上のようによい○○」、そのように言った記憶は?
佐野被告:記憶にない
前田検事:同じく、「未来が予測できる演技。一般大衆に対してのインパクト。そのためには話術が大事」との記載があるが、これはミーティングなどで伝えたことでは?
佐野被告:記憶にない
前田検事:従業員Cのノートには「8月にはアカサカ全体で売上7千万円を達成するように」との記載があるが、この記憶はあるか
佐野被告:はい、私が言ったと思う
前田検事:さらに「御祈願で3千5百万円を売り上げるように」とあるが、間違いないか
佐野被告:・・・(しばし沈黙)、何かの思いがあって出たものだと思うが、そのような発言をしたと思う
前田検事:現在の認識で、御祈願にノルマを設けるということは、あなたが言う、救いとは矛盾すると思わないか
佐野被告:私は、あの、・・・○*△×%・・・皆が継続してくれるにはどのような形が望ましいかと・・○*△×%、人を増やすということを・・○*△×%、そのような話が出たと思う
前田検事:鑑定によって御祈願につなげ、具体的な御祈願の金額が出てくるのは若干おかしいと思わないか
佐野被告:なんらかの事情で、将来予測をしなければいけない・・○*△×%・・・
前田検事:神霊からも神霊鑑定を続けると詐欺になるかもしれないと言われていた?
佐野被告:説明が不十分なために民事・刑事で問題になると・・・
前田検事:神霊鑑定をやめるように言われたということ?
佐野被告:形を変えるか、やめなさいと言われた
前田検事:それなのに神霊は、神霊鑑定士に対してメッセージを送り続けてくるのか
佐野被告:説明をちゃんとして、やるべきことをやった上で展開していれば・・・
前田検事:やめろと言われた後もメッセージが届いていたのか、それとも神霊鑑定士が人間力で勝手にメッセージを作っていたということ?
佐野被告:組織の考えが変わるまで対応するということで、メッセージを頂いていた
前田検事:トラブル回避のため、E2杉本を別の会社に置くことと、誓約書のことを言っていたが、誓約書の中身を覚えているか
佐野被告:よく覚えていない
前田検事:その誓約とは、誰に対してしたものか
佐野被告:神世界と契約している経営者
前田検事:えんとらんすで言えば、あなたか嘉子被告が有限会社神世界に対して提出したものということか
佐野被告:はい
前田検事:神世界に迷惑が及ばないように作ったものだったのでは?
佐野被告:当時はそのようには思っていなかった。しっかり対応を取ることが必要であるので、その責任を自覚して頂く上で作った
前田検事:誓約書を書かなければ、自覚できないものだったのか?
佐野被告:皆さん自覚されているとは思うが、さらに・・○*△×%・・・

前田検事:神霊能力はどのようにして授かるものか
佐野被告:私個人においては、お許しを頂いて、・・○*△×%・・・
前田検事:あなた自身は授かったという意識は?
佐野被告:神様のお姿が見えるようになった、見えないものが見え始めたということで、・・○*△×%・・・
前田検事:あなたは努力して神霊能力を授かったのではないか
佐野被告:活動を通じて努力は必要だが、努力をして授かるものではない
前田検事:斉藤被告が祭典の中で、あなたは(斉藤被告のために)犬の糞を拾うなど、すごい努力をしたからこそ、授かったと言っていなかったか?
佐野被告:そのような御言葉も頂いたかもしれないが、・・○*△×%・・・
前田検事:結局、結論としては、突然、授かったということ?
佐野被告:お許しを頂いて授けて頂いた
前田検事:誰から授けていただくのか
佐野被告:神様と斉藤亨さんを通じて授かった
前田検事:そこには斉藤被告は介在してくるのか
佐野被告:授かったときに神様にお願いして、その能力を授けるようお願いしたという御言葉を頂いたので、・・・○*△×%・・・
前田検事:あなた以外の淺原被告はどのようにして授かったか
佐野被告:神様に私が教えて頂いて、神様の分霊が出ているから・・、講師をしなさいということで神霊鑑定という・・○*△×%・・・
前田検事:淺原夫婦は、選ばれし人だったということ?
佐野被告:もう計画上の・・・○*△×%・・・
前田検事:あなたがやった講習は、授かった能力をうまく引き出すためのものということ?
佐野被告:・・・、スムーズに神霊からの言葉を伝えられるように○*△×%・・・
前田検事:従業員Cや他の神霊能力を授かっている方は、淺原さん達と同じような状況?
佐野被告:私が関与していない人もいるが、私が関与した人は同じような状況・・・○*△×%・・・
前田検事:神霊能力開発講座を受けた人は、いつの段階で能力を授かったのか
佐野被告:受講を申し込まれたときに神霊が降りられているので、そこから言葉を発する・・・○*△×%・・・
前田検事:講座は、経営者の許しを得て、どなたでも参加できるものではないのか
佐野被告:神様に対しての気持ちをしっかり持っている方が、経営者のお許しを頂いて、活動をしていきたいという気持ちのある方が・・・○*△×%・・・
前田検事:受講の申し込みの段階で神霊能力を得たということになるのか?
佐野被告:神様からの神霊が降りた、申し込みをされたときに頂くもの
前田検事:開発講座でうまく使いこなせるようになるということか
佐野被告:はい
前田検事:非常に多額の御玉串をお上げしているね。多い場合で300〜400万のものもあったね
佐野被告:御礼のことですね
前田検事:神霊能力を得たことの御礼ということか
佐野被告:アメリカで活動しているときで、御礼の形がどのような・・・、御礼をお上げしている人としていない人といるということで、これからは本当に感謝された方の、自分がお上げしたいという方が・・・○*△×%・・・
前田検事:神霊能力を得たことの対価ということではないのか
佐野被告:そうだと思う
前田検事:未納になっている人は能力が身についていないということ?
佐野被告:・・・、講習に入ったときはできるが外に出るとできないという方がいらして、アフターコースで対応してしっかりその辺を・・・○*△×%・・・
前田検事:淺原夫妻が神霊能力を授かったのは、あなたがアメリカに行ってしまい、神霊鑑定を行える人がいなくなってしまうから。従業員Cに講習をしたのは、淺原被告が手が回らなくなっちゃって忙しいから、新たな鑑定士が必要だったからということでよいか
佐野被告:はい。・・・○*△×%・・・
前田検事:人手不足になると次々と神霊鑑定士を創設しているように思えるが?
佐野被告:それは、あの、○*△×%・・・鑑定だけでなくて一般的な相談という上でも・・・
前田検事:あなたが、神霊鑑定士が人手不足なので必要だと神霊に問うと、神霊は、この人を任命する、と返してくれるということか
佐野被告:私の都合ではないが、必要があって、・・・○*△×%・・・

前田検事:従業員Cに対する講習で「客の悩みの原因は毒素・霊・環境の3要素に必ず当てはまる。御祈願やお浄めの代金について、M入先生なら30万円、W田先生なら300万円」と説明しているね 
佐野被告:だったと思うが、私の考え方が足りなかったばかりに従業員Cに誤解を招いたと思う
前田検事:それはいい。悩みの原因は3つにパターン化されているものなのか
佐野被告:主にその3つの要素があるので・・・○*△×%・・・
前田検事:それは、神霊鑑定士になった人が神霊から聞けばいいのではないか
佐野被告:はい。たとえば、あの、その、神霊鑑定をする者に対して説明をしなければならない、・・・○*△×%・・・
前田検事:相場はあったのか
佐野被告:いや、神霊鑑定というものは鑑定士の気持ち、すべてはその人を助けてあげたいという気持ちの方であれば、その方が問題ない形でしっかりやっていきたい、結果も異なるが金額も異なるので・・・○*△×%・・・
前田検事:神霊鑑定士のレベルによって御祈願の値段が変わってくるのか
佐野被告:神様から頂いている結果で異なる
前田検事:能力の低い鑑定士はそれなりだし、能力の高い鑑定士はそれなりに高くなる?
佐野被告:求める方の気持ちがまず第一に大事で、その次に神霊鑑定士・・・○*△×%・・・
前田検事:そうすると、ことさら高い御祈願の方につなげるということ?
佐野被告:・・・、おっしゃる意味がよく分からない
前田検事:従業員Cの講習のときに「もっとすごい先生がいるから」と史利被告の鑑定につなげるよう指導したのでは?
佐野被告:やはり、あの、重要なことを抱えている方というのは、あの、当時は史利さんの鑑定に入られた方が経験もあるし、神様から評価されているので・・・○*△×%・・・

前田検事:奇跡については千手観音教会時代から冊子などがあったね。あなた自身も投稿したことはあるか
佐野被告:はい
前田検事:平成8年3月18日付の会報で、あなたのお母さんの体験談が記載されているのを知っているか
佐野被告:調書をみながら思い出して、当時、2回ほど会報に投稿した。一つ目は言い回しなどをみてほしいと私に依頼し、2度目は会報を作成される方との直接のやり取りで・・・○*△×%・・
前田検事:あなたのお母さんの供述調書で書いているものは一つ目と二つ目とどっちか
佐野被告:会報を見たときの記憶では、父が前立腺肥大で治療を受けなければいけないところを神様のところに来てよくなって喜んで○*△×%・・。会報について、自分がどのように携わったか記憶はない
前田検事:あなたのお母さんは、自分自身で体験談を投稿したことはないと言っているね?
佐野被告:はい、調書にそのように書いてあった
前田検事:あなたは自分自身でやったかどうかは曖昧なのか
佐野被告:一度目の内容は母が原稿を書いてきてチェックしたが○*△×%・・
前田検事:あなたのお母さんは、家族しか知らないようなことが書いてあると言っていたね
佐野被告:はい、そのときは母と話をしながら・・・○*△×%・・
前田検事:あなたのお母さんは自分で投稿したことはないし、そんな事実はないと言っているのであれば、あなたか誰かが内容を捏造したということではないのか?
佐野被告:・・・・、母がそのように言ったのであれば、私の当時の記憶だが、何か母との会話の中で違いがあったのかもしれないが、母は当時祭典にも出ていたし・・・
■裁判長:あの、質問に答えて下さいね
佐野被告:はい
■裁判長:あなたが勝手に書いたことはあるのか、ないのか
佐野被告:勝手に書いたということはない。一度目の内容は母の依頼に基づいて・・・○*△×%・・・
前田検事:あなたが書いたのでなければ、神世界の誰かが勝手に書いたということ?
佐野被告:その内容はそういう内容かもしれないので、そこははっきりとは分からない




●大久保検事による被告人質問(要約)
大久保検事:あなたの最初の奇跡の体験は病院で治らなかったものが治ったこと?
佐野被告:病院で治癒したがまた出てきたのでその後・・・
大久保検事:奇跡の話を集めた冊子を置いていなかった?あなた自身、編集してた?
佐野被告:はい。・・・編集というよりも、言い回しの確認をしていたことはある
大久保検事:どう確認した?
佐野被告:取次者や神霊鑑定者に対してありがたいというような話がある内容に対して、誤解があってはならないので、書かれた方に対して、スタッフを通じて、神様が結果を下さることを理解して頂いた上で書き直して頂いて、考え方を改めて頂く・・・
大久保検事:内容について把握していたね?
佐野被告:はい。一時、把握していた
大久保検事:病気が治ったとかいいことがあったとそういう話ばかりだった?命を落とすに到った人などの話を載せていた?
佐野被告:載せていなかった
大久保検事:なぜ?
佐野被告:それはあの・・、事情があってそのようなことが起きたと理解している・・
大久保検事:何の事情があってこういうことがあったと事情も踏まえて載せるのが公平なのでは?なぜ載せなかった?
佐野被告:・・・(答えに詰まる)
大久保検事:あなたは誤解を与えてはいけないと当時から思っていたと言ったね。誤解を与えちゃいけないなら持っている情報はすべて出すのではないか
佐野被告:それは・・奇跡のツールであって・・奇跡の内容は神様へ感謝の気持ちを持って出すもの・・・、○*△×%#*・・・
大久保検事:載せなかった理由を聞いている。そんな話を載せちゃったらお客さんが来なくなるし、お金を払わなくなるから載せなかったのではないか
佐野被告:・・・そのようなことは一切思っていなかった
大久保検事:じゃあ、なぜ載せなかった?
佐野被告:奇跡の○*△×%#*・・・
大久保検事:奇跡のことしか書いてないものを見たら、お客さんは、来たら必ずこういういいことがあると思ってしまうと思わないか
佐野被告:思う
大久保検事:当時は思わなかったのか
佐野被告:当時は、神様を広めたいと思っていた
大久保検事:神様を広げるためにあえてそういうものばかり置いていたということ?
佐野被告:・・・、大勢の方が奇跡を頂いている状況の中で○*△×%#*・・・

大久保検事:神霊能力授かった経緯においての説明の確認。私の活躍が足りなかったので、神霊能力を私が授かり、挽回するチャンスを与えられたと思った、ということ?
佐野被告:三男がそのような状況に陥ったときに、斉藤さんから活動の上に足りない部分があるのでそのようなことが起きたと説明を受けた記憶があり、親として、本当に救って頂いた内容に対して全然足りていないので、何とか助けてほしいと神様にお願いしていたので、そのようなことになった
大久保検事:自分自身が神霊能力を授かったと言われた後、お子さんとは会ったか?
佐野被告:神霊能力の内容だが、三男のことも結果は完治ということもないし、結果がよくなると考えてはいけない、ただ、三男が背負ったものに関して軽くなるということで、しっかり活動していくんだということで、その中で自分の時間を作ってはいけないというのがあって、神霊鑑定士である以上、自分の時間作ってはいけない。三男に会ってはいけないと、それ以降、自分の時間はつくらなかった
大久保検事:誰かから言われていたということ?
佐野被告:神様から言われた
大久保検事:望んでもどうにもならないこともあるとその当時、神霊からあなたは認識したということ?
佐野被告:あの、そういうケースもあると認識した

大久保検事:一旦、神霊鑑定士をやめたときは斉藤被告の了解を得た?
佐野被告:はい
大久保検事:辞めたら声が聞こえなくなった?
佐野被告:すぐにはなくならなかった
大久保検事:どのようにしてなくなった?
佐野被告:庭仕事をさせて頂いたり、斉藤さんから指導を受けながら生活していく中で心を取り戻し、落ち着きを戻した
大久保検事:斉藤被告から許しを得たと言ったが、神霊からは?
佐野被告:あ、あの、そのときは本当に怖いという状態になっていて聞かなかった
大久保検事:その後、また斉藤被告から声をかけられてやるようになったということ?それ以外に、またふたたび神霊鑑定を始めるあなた自身の理由はあったか
佐野被告:それまでみていた内容の中で、あの・・・、鑑定に入られた方が神様から結果を○*△×%#*・・・
大久保検事:せっかく神様から授かったものを使わなかったり御神業を撤退したりすると、よくないことが起こると言われていた?
佐野被告:そういう言い方ではなかったが、神様からの素晴らしい能力を○*△×%#*・・・
大久保検事:あなた自身は鑑定をやめたとき恐怖なかった?
佐野被告:それ以前に当時の神霊鑑定は自分がない状態での指導があって、恐怖心と心の葛藤で○*△×%#*・・・
大久保検事:あなたや家族にとって徹底的によくないことが起きるなど、その間にあったか
佐野被告:その間は、自分の精神状態を含めて取り戻すことで精一杯で、家族にとっては起こらなかった
大久保検事:今はどう思う?
佐野被告:なかった
大久保検事:せっかく、神様から唯一与えられたものを使わずに放棄したが、その間何も何も悪いことは起きなかったという事実についてあなたはどう思う?
佐野被告:・・・(答えに詰まる)
大久保検事:御神業を撤退したら本当に悪いことは起こるのかと聞いている
佐野被告:・・・(答えに詰まる)。全体的なことは分かりませんが、私のそのときに関してはお許しを頂いていたと思うが、よくあの、状況が分からないので・・・

大久保検事:神霊鑑定の答え合わせの件で、何か間違ったことを責任ある立場で言ってしまってはいけないから、あなた自身、ことあるごとに確認していたと言った?
佐野被告:必要に応じて確認はしていた
大久保検事:神霊能力がちゃんとあるのかときどき確認していたということでは?
佐野被告:鑑定に応じての結果を通じて、あの、神様からのお答えが、あの、その会員の方が合っているようなことを言われているかの確認をしていた
大久保検事:あなたですら、ずっとやってたんでしょ?
佐野被告:間違えてはいけないので・・・私が間違っていなければ・・・
大久保検事:あなた自身の中で神霊能力によって得た答えに合っている間違っているという概念があなた自身に存在するんだよ。神霊能力開発講座でも合っている間違っているのチェックをしたらよかったのに、なぜしなかったのか
佐野被告:はい、あの、何人かの確認をとったら、○*△×%#*・・・合っている合っていないじゃないですけど、神様からくる内容を整理できているかの確認はしていたので○*△×%#*・・・
大久保検事:答え合わせをしていなかったというのが皆の認識じゃなかったのか
佐野被告:受講者同士の答え合わせはしていなかったが、証人Dの調書にあったように史利被告の鑑定でその答えが正しいかどうか確認を求めたという記述があったが、そのように答えを相手に確認することはなかった・・・
大久保検事:もっと明確に答えが分かることってあるでしょ?客観的に歴史的に答えがはっきり分かるもので確認をしていないのでは?
佐野被告:考えたことはなかった
大久保検事:できないからでしょ?できるようにならないからでしょ、そんなこと
佐野被告:・・・あ、できるということでも、私の中でそのような・・・するのは禁止されていたので・・・
大久保検事:あなた自身は当たっているかどうか確認してたって言ったじゃないか
佐野被告:年数だとかそういう部分に関しては確認していないが、○*△×%#*・・・

大久保検事:神書には禁止されているけど、斉藤被告は、神霊能力を磨くためにはどんどん使いなさい、株もやりなさいと勧めていたと記録残っているけど、聞いているね?あなた株もやったね?当たった?
佐野被告:大変お恥ずかしい話だが、そのときの・・・えんとらんすの・・・
■裁判長:いいんですよ、あなた、当たったかどうかの結果だけを言えば
佐野被告:○*△×%#*・・・その株を損した
大久保検事:もっと手近に馬券とか宝くじとかあるけど、そういうものを買ってお金を集めるのが御神業なんだったら、斉藤被告もそれを否定していなかったんだから、皆でこぞって当てていけばよかったじゃない。あなたはそんなに外れたことがなかったと言うから聞いているんだけど、もっと当てていけばよかったじゃない
佐野被告:・・・禁止されているから・・・
大久保検事:斉藤被告はいいって言ってたじゃない
佐野被告:申し訳ないが株は・・・考えていなかった。必要に応じて・・・
大久保検事:必要に応じてと言うけど、御神業のために、より多額のお金を集めるのに必要に応じるときと必要がないときがあるのか
佐野被告:・・・(答えに詰まる)
大久保検事:儲けられないなら儲けないという理由があるのか
佐野被告:株に対して神霊に聞くということはやってはいなかった。株は例外で・・・

大久保検事:アメリカから帰ってきてしばらく活動しなかったが斉藤被告から誘われて再開したという経緯で、神霊に聞いて断ったというとき、神霊からは何と言われた?
佐野被告:活動面において問題が起きるのではないか。活動に加わるのは止めなさいと・・・
大久保検事:最後に誘われたときは、神霊の言葉に従って参加したのか、それとも従わなかったのか
佐野被告:神霊に状況を話したところ、活動を直すために加わりなさいということで・・・
大久保検事:何回か聞いたら神霊の答えが変わったの?
佐野被告:何回かというそれは、その日一日のうちではなくて、3ヶ月かけての内容だった。状況が変わったのかもしれない
大久保検事:あなたの認識で何か状況が変わったことは?
佐野被告:・・・
大久保検事:たとえば、問題が起こらないようにこういうことやってくれる?と斉藤被告が約束したとか
佐野被告:なかった

大久保検事:名古屋のトラブルを経て、神霊鑑定をやめるよう言われたという件で、なぜ神霊からやめるよう言われた?
佐野被告:ここまで組織が大きくなって神霊鑑定を行うと、論理的に対応が不十分になってしまう。そこからの誤解が生じる恐れがある。そのようなことをやっていると、おみえになっている方が民事・刑事事件という形で悩みを抱えることになってしまう。そのような活動になってしまうので形を変えなさいというようなことを言われた
大久保検事:斉藤被告からは、問題が起きない形を聞くのが役目だと言われたんだよね?
佐野被告:はい
大久保検事:斉藤被告は自分で神様からの声を直接、聞けるんでしょ?
佐野被告:あの・・・、神様の媒体であるということなので・・・、神様からの御言葉を発せられると思っていた
大久保検事:だとしたら、斉藤被告が自分で神様に聞いて答えられる役目だと認識していておかしくないはずだが、なぜこれがあなたの役目だと言われて納得したの?
佐野被告:・・・、神霊能力を授かったときは、子供を救って頂くという気持ちがあったので、そのような疑問は持たず・・・
大久保検事:斉藤被告ならあなたに聞かなくたって自分で分かると思わなかった理由は?
佐野被告:そのときの神霊からは不可能であるということであったために、どうしたらいいかということで、あの・・・
大久保検事:それだと、斉藤被告は、あなたがもう1回聞いたら不可能だと言われることが分からないで、あなたに振ったということになるね?
佐野被告:なので、何回も話をしました
大久保検事:そうしたら、斉藤被告から、「神世界から離れる」と言われたとのあなたの話だが、要するに「辞めろ」と言われたということか??
佐野被告:はっきりは分からないが、少し距離を置かなければいけないようなことは・・・

大久保検事:そうした出来事が平成17年頃にあり、神霊はもう止めろと言っていたにも係わらず、平成18年、19年には、神霊鑑定士と称する人が神霊鑑定をして神霊の声を聞いたと言っている。それはなぜか?
佐野被告:○*△×%#*・・・、問題のない形ですることで対応するよう神霊からのお許しを頂けたので、継続できたものと思う
大久保検事:問題を認識した神霊がそれにもかかわらず、神霊鑑定士が誤解しやすそうなことを神霊が伝えていたのか、それとも、神霊鑑定士が聞いてもいない神霊の声を誇張して伝えていたからこういうことになったのか、あなたは今どう思っているか?
佐野被告:神霊からの内容について正確に伝えることができず、説明が不十分だったためにこのようなことになった
大久保検事:神霊はトラブルが起きていることを全部知っていて、なおまだ、神霊の言葉を与え続けているとあなたは思っているのか?
佐野被告:??的に活動で補っていくということでやっていた
大久保検事:平成17年にトラブルがあって、18年、19年と補えないことは神霊はずっと分かっているわけだよね?それでも神霊の言葉を与え続けてきたとあなたは思っているんだね?
佐野被告:それは十分対応するということで継続させて頂いたので、あの、それに基づいて、あの・・・、私の??のためにこのようにご迷惑をかけてしまって・・・
大久保検事:神霊が早々とあなたたちに気をつけて、言葉を伝えさせなければよかったのではないのか?
佐野被告:そうかもしれない
大久保検事:そうなの?!

大久保検事:御祈願ってそもそも御玉串の金額は神霊が決めるんでしょ?
佐野被告:いやぁ・・・、神霊鑑定で出すのと、自分なりに御祈願される方と・・・
大久保検事:2種類あるの?
佐野被告:はい
大久保検事:神霊鑑定を経て御玉串が決まる場合、予測が不能だけど、自分の意志で御玉串の額を決めるお客さんもいるから、そのお客さんに働きかけてたくさん出すように頑張りなさい、という指示を出していたということか
佐野被告:・・・、そのような形ではなくて、人数が集まることにより・・・、あの、必然的に売り上げに現れてくるということで・・・
大久保検事:ノルマ厳しく、達成できなかったね、いつも。ノルマを設定するときに達成できるかどうか神霊は教えてくれないの?
佐野被告:あの・・・○*△×%#*・・・、途中からは変更し、自分達が可能な金額を出すということで・・・

大久保検事:証人Dに対してパーティーを開くように言った件に関して、神霊から人を集めることがやるべきことだという声があったのか
佐野被告:人を神様のところへ御案内することにより、証人Dもしっかりみてあげようというような御言葉だったと思う
大久保検事:元々、結果を頂けないことについての相談であったこと前提だよね?
佐野被告:鑑定の流れで○*△×%#*・・、
大久保検事:証人Dが求めていた結果が病気の治癒だと知っていたか?
佐野被告:・・・・・、それも求めていたことは聞いていた
大久保検事:それをすれば証人Dの病気は治癒したはずだ、そういうこと?
佐野被告:・・・(しばし沈黙)、そこまではっきりした答えを頂いたかどうか記憶がないが、その流れで頂いたと思う
大久保検事:元々、鑑定結果を求めて祈願をやるんだから、結果出ないこと自体おかしいとは思わないか
佐野被告:証人Dの御祈願に関しては、私の講習が到らないばかりに勘違いさせてしまったためにそのようなことが生じてしまったと思う
大久保検事:あなたにとっては、誤解をしてしまった人が、完全に治癒すると思っているからトラブルになっているんだと当時、あなたは認識していたのではないのか
佐野被告:そのような形ではなくて・・・、しっかり神様の御言葉で・・・、神様の御霊光を頂いて幸せになる形に進むものと思っていた
大久保検事:もうトラブルになって気持ちの平穏失っているんだから、なぜそういうことになったのか確認しようとは思わなかったのか
佐野被告:そういう流れではなくて、何が原因かというようなことではなくて・・、神様にお許しを頂いて救って頂けるかということに対して・・・、まぁ、その、・・
大久保検事:今、振り返って、トラブルを認識した都度、行き過ぎたことしていなかったか確認していないのはおかしいと思わないか
佐野被告:??と思う
大久保検事:トラブル生じないようやっていこうなんて本当に思っていたのか
佐野被告:しっかり結果を頂けるよう、私の方で指導していたので・・・不十分だったので・・・
大久保検事:あなたの神霊の言葉で、証人Dが求めていた結果を得られていたはずだということ?
佐野被告:・・・(沈黙)
大久保検事:結果を得られるようしっかり指導したと言うんだったら
佐野被告:・・・ですので、活動が不十分であったために、あの・・○*△×%#*・・

大久保検事:黙秘は弁護人から指導を受けたからと言ったが、斉藤被告からも指導受けていたか
佐野被告:いなかった
大久保検事:弁護人がそう言った。一方で、あなたは神霊から罪を認めて返金するよう言われていた?
佐野被告:はい
大久保検事:弁護人は神霊能力を持っているのか
佐野被告:・・・、持っていない
大久保検事:神霊能力持っていない人の言葉と、神霊からの声と、なぜあなたは弁護人の言葉を取ったのか
佐野被告:・・・説明をして理解して頂くようにと・・・
大久保検事:自分が神霊の言葉に従って行動するのに、なぜ弁護人の了解が必要なのか
佐野被告:・・・○*△×%#*・・先生からの・・・
大久保検事:神霊から言われていたのに?
佐野被告:はい、あの、当時は・・・
大久保検事:なぜ?
佐野被告:私の言っている内容がおかしいと笠原先生から思われたために・・○*△×%#*・・・
大久保検事:弁護人を解任して自分で判断して行動しようとは思わなかったのか
佐野被告:・・・(しばらく答えに詰まる)、一時は思ったが、そういう形ではなくて、弁護士の先生に話をして理解してもらって方向性を変えるしかないと理解していたので・・・
大久保検事:弁護士から逮捕はないと言われて返金が遅れたと言ったね?逮捕されるかされないかについて神霊は何か言ってくれなかったのか
佐野被告:・・○*△×%・・・、先生の先生から・・・
大久保検事:神霊の言葉より、専門分野については弁護士の言葉を信じるということか
佐野被告:・・○*△×%・・・
大久保検事:認否を変えるにあたって、斉藤被告の考えは間違っていると言ったね。どういうところが間違っていると思う?
佐野被告:実際の活動の状態を反映した将来の展開においての活動を考えていかなければ、大勢の方が集まる活動にはトラブルが生じる、・・○*△×%・・・その都度改善が必要だと・・○*△×%、あとは、神霊鑑定をやめなかったこと
大久保検事:なぜそのとき、斉藤被告は間違ったことをしてしまったと思う?神が間違ったのか、斉藤被告は神の言うことを聞いていないのか、それとも何か他の理由か
佐野被告:・・・・、分からないが、何らかの理由があって・・・
大久保検事:分からない?未だに?
佐野被告:今までの活動の展開ということを捉らえた上での活動をしてこなかったためにそのような判断になってしまったと思う
大久保検事:あなたの疑問は斉藤被告と食い違ったところから始まっているよね?なぜ食い違ったと思う?
佐野被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)
大久保検事:神と神霊とは違うこと言ったと思う?
佐野被告:そのときはそのように思った
大久保検事:今は?
佐野被告:何か間違えたと思う
大久保検事:誰が?
佐野被告:斉藤亨さん
大久保検事:神からの言葉をちゃんと理解していなくて、それに従った行動ができていなかったと今は思っているということ?
佐野被告:はい
大久保検事:なぜ、斉藤被告はそうなってしまったと思う?
佐野被告:活動を大きくしたいという気持ちがよくなかったと思う
大久保検事:斉藤被告は、いつから間違え始めたと思う?
佐野被告:自分のことで必死で分かっていなかった
大久保検事:今でも分からない?
佐野被告:・・・・・・・・・・(長い沈黙)
大久保検事:あなたが神霊能力を授かったと言っているときから、もう彼は間違っているとは思わないか?
佐野被告:もし、そのときにいなければ、こんなふうに展開していなかったので、○*△×%・・・よかったと思う
大久保検事:自分に神霊能力が備わっていないと考えたことはあるか
佐野被告:自分が間違っているかもしれないということで確認したということが、自分にその能力がないかもしれないと最初、確認していたので・・・、最初はそのように思ったことはある
大久保検事:今はどう思っている?
佐野被告:今は神霊能力はないと思っている


●裁判長による被告人質問(要約)
■裁判長:平成17年頃に神霊から神霊鑑定をやめるように言われたことは斉藤被告にも伝えた?
佐野被告:はい
■裁判長:そしたら、斉藤被告からは続けるように言われたんだね?
佐野被告:そうです
■裁判長:ずっとその後も神霊鑑定をやらなければいけないとか、思い続けていたのか?
佐野被告:どのタイミングで変えられるか思っていた
■裁判長:ただ、本件で起訴されている証人C・Dの事件は平成18年で、神霊のお告げの後だよね?この頃は売上を上げることに熱心になっていた時期だよね。お告げがあったにも関わらず、やり方を変えないで売上を上げようとしていたことにならないか
佐野被告:対応としては誓約書を結んで、関係者に責任を持って鑑定や御祈願をされた方にしっかり接するように注意し、御祈願をしてその方に結果を頂けるように指導を徹底していたが、このようなことになってしまった
■裁判長:杉本被告が民事上のトラブルを知っているんだよね。でも、あなたは結局続けた訳でしょ?
佐野被告:・・・。平成17年で、流れで神世界に勤めていたときに聞いた
■裁判長:当時から民事上のトラブルが起きたときは、すぐ返金すべきだと思った訳?
佐野被告:はい、そのときに杉本さんの○*△×%・・・、神様に○*△×%・・・、来ている方が納得という形であれば、返金という形で・・・
■裁判長:神様がどうだったと言うけど、あなたは自分自身の考えもそうだというのか?
佐野被告:そのときには・・・、そのときの対応で・・・、私自身の神霊からそういうふうに・・・
■裁判長:笠原弁護士が返金する必要がないと言ったということだよね?逮捕されることないと言ったということなんでしょ。
佐野被告:そのように聞いたと思う
■裁判長:そのときに、私は神霊からこういうふうに聞いたと言ったのか。笠原弁護士が取り合ってくれなかったのか
佐野被告:おかしいというように・・・
■裁判長:逮捕されたとき、神霊の声に従って、私はこういうふうに思うと答えればよかったのでは?なぜ黙秘したのか?
佐野被告:ですから、あの、斉藤さんが逮捕される前は、検事の方に連絡をとって事実関係を話して、○*△×%・・・、早くこの状態を会員の方にも理解して頂けるよう、○*△×%・・・、弁護士の先生から話があって、その対応をすることが裁判では望ましいと話があって、裁判での返金することを理解してほしいと笠原先生にも○*△×%・・・
■裁判長:斉藤被告は逮捕された後、どういう変化あった?
佐野被告:神霊鑑定をやめるべきであったという点と、私が神霊の言葉と斉藤さんの言葉を比較して斉藤さんの言葉をとったことに問題がある、○*△×%・・・
■裁判長:被害者に返金することはあなたの方から言ったということでいいのか
佐野被告:はい
■裁判長:では被告は後ろに下がってください
(佐野被告、杖で体を支えながらヨロヨロと立ち上がり、被告人席に戻る)

■裁判長:それでは、本日はここまでとします。
■裁判長:弁護人、次回の情状証人は?
市河弁護人:はい、検討した結果、淺原夫妻に対する情状証人として、元スタッフで逮捕もされた小塚麻衣子さんを30分程度お願いしたい。
■裁判長:斉藤被告については?
市河弁護人:斉藤さんに関しては情状証人なしで、被告人質問だけとします
■裁判長:分かりました
■裁判長:次回までに、民事の和解に関する書面もお願いしたい
市河弁護人:はい、次回までには・・。実はまだ、支払いがまだ完了していないので・・
■裁判長:次回は3月1日(木)10時から行いますので、被告4名は出廷してください

4時40分閉廷


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