神世界事件の刑事裁判

3、佐野孝、淺原史利、淺原嘉子 第3回公判
(以下の第3回公判に関する記事は、公判を傍聴していただいた方のレポートを基に構成しました)

訴因変更が認められたことを報じた
神奈川新聞(2011.11.10)

1 日時:平成23年11月10日(木)午前10時〜午後3時45分
2 場所:横浜地方裁判所第405号法廷
3 事件番号:平成23年(わ)第972号等
4 罪状:組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)
5 被告:佐野孝、淺原史利、淺原嘉子
6 内容1:証人D(被害者)の証人尋問(午前主尋問、午後反対尋問)
  内容2:訴因変更に関する冒頭陳述等

法廷の様子
 今日は書記官が女性だった。検察側はいつもの検事が3名。被告代理人は、前列が裁判官側から市河、尾崎、笠原。後列が大森、若い男(門西の代わりか?)、清澤、谷地向(女)が並んでいた。
 被告3名の並びもこれまでと同じだった。これまでの公判では淺原嘉子被告の表情を見ることが難しかったが、今回報告者が座った場所からはほんのわずかだが、嘉子被告の横顔が見えた。嘉子被告に関する内容が報告された際、モニターに写された内容を見ようと嘉子被告が顔を横に向けた場面があり、傍聴席から嘉子被告の横顔が見えた。被告の横顔は痩せこけた感じで、彼女はめがねを掛けていた。史利被告は、前回の傍聴記で落ち着きのない態度を指摘されたことが耳に入ったのか、今回はあまり目立つ挙動をすることはなかった。佐野被告は、終始目をつむっていた。
 佐野孝の妻、りらも公判の傍聴に来ていた。彼女が持っていたバッグは、しっかりとブランド物だった。

●午前の部
予定の10時を少し過ぎて開廷。証人が入廷し、宣誓を述べた後、検察官による尋問が開始される。

●大久保検事による主尋問(要約)
(1)サロンに通うきっかけ
【主な質問内容】
・証人の職業、客として関わった状況の確認
・被告3人の名前を挙げ、知っているかどうか、なんと呼んでいたかの確認
・えんとらんすを知った経緯の確認
・えんとらんすを紹介した友人の名前・職業・どう説明されたかの確認

証人D:会主様、天野先生、橘教会長と呼んでいた
証人D:友人2人から食事に誘われた席で紹介された
証人D:運気が上がって肩こりや冷え性が治る、自分がカウンセリングに入ったら大事なプレゼンがうまくいくようになったなどと言われた

・カウンセリングに入ると何がどうなると言われたか(思ったか)、興味を持ったか
・どのような人がカウンセリングをすると説明されたか
・何というサロンか、友人からそれを聞いたのはいつのことか、どこにあったか
・サロンの印象は?印象はよかったか
・すごい先生のカウンセリングはすぐ受けたのか

証人D:体のこと、会社の上司との関係など悩みがあり、出口を探していた
証人D:何でもアドバイスしてくれるすごい先生がいると言われた
証人D:リュミエール。話を聞いたのは平成17年11月4日。翌日、訪ねてみた。
⇒駅からの経路を説明。ストーリア14階
証人D:イメージ的には白。パステル調で豪華。印象はよかった
証人D:受けられなかった。まずはヒーリングに入ってからと説明を受けた

(2)ヒーリング
【主な質問内容】
・ヒーリングとは?
・一番最初はどれくらい受けたのか
・具体的に効果を感じたか
・その後の確認。受けた数日後、何か起こらなかったか

証人D:手のひら・指先をこちらに向けるようにし、3mくらい離れたところから何か送ってくれるような感じ
証人D:10分のコース
証人D:何も感じなかった。続ければ効果が出ると言われた
証人D:次に行ったときは28階。同じヒーリングを受けた。そのときも何も感じなかった。手足に発疹が出た。それまで出たことがなかったので、病院に行き、ステロイド剤が処方になった

・皮膚科に行き、症状はどうなったか
・誰かにそのことを話したか。何か言われたか

証人D:症状は治まった
証人D:サロンを紹介した友人に話した。
証人D:排泄かもしれない。詳しくはスタッフに聞いた方がいい。ヒーリングのおかげで毒素が出た。薬は飲まない方がいい。毒素である薬を飲んだり塗ったりしてはいけないと言われた。同じことをスタッフからも言われた

(3)カウンセリング
【主な質問内容】
・元々の目的であったカウンセリングを受けたのはいつか。場所は?
・誰から受けたか。どんな人だと思ったか
・相談内容は?何と言われたか
・何のための御祈願と言われたか。金額は?
・御祈願という言葉を聞いて何か思ったか

証人D:平成17年12月13日です。あ、11月13日です。場所はストーリア28階
証人D:K山先生。すごい先生だと理解した
証人D:社長と合わないといった仕事の相談をした。独立しなさい。成功する。そのために御祈願をしなさいと言われた
証人D:なりたいような自分になるための御祈願。10万と言われた
証人D:宗教的なものが含まれているのではないかと思った

(4)宗教ではない
【主な質問内容】
・宗教なのか尋ねたことはあるか
・宗教ではないと言われ、信じたのか。宗教とはどういうものだと思ったか
・もし、宗教だと思ったら通わなかったということか
証人D:K山先生に尋ねたら、「ここは宗教ではない。会社です」と言われた。
証人D:4、5人に聞いたら同じような答えだった
証人D:宗教ではないと言われ、信じた。宗教というと、自由を奪われ、信じるものにひれ伏すイメージがあった
証人D:はい

⇒佐野被告と嘉子被告はじっと座っている。史利被告は少し俯き加減にしていたが、宗教の話になったところでメモを取り始める

(5)ヒーリングの効果
【主な質問内容】
・ヒーリングの前後には何かすることがあるのか
・ヒーリングの効果に関する確認
・会社であるという話を複数回聞いたかの確認

証人D:お茶を出されてスタッフから、「何かいいことはあったか」と聞かれた。
大久保検事:どんなこと?
証人D:間がよくなった。電車やバスの乗り継ぎがよくなった、くじに当たったなど
証人D:「それはヒーリングの効果が出ていますね。よかったですね」と言われた
大久保検事:ヒーリングの効果でよくなったのではないと言われたことはあるか
証人D:言われたことはない
大久保検事:他には?
証人D:奇跡の結果のファイルがあった。いいことだけが書いてあった
大久保検事:その中に、効果が出なかったというのはあったか
証人D:なかった
大久保検事:効果があると思うようになったか
証人D:発疹が出たことによってよくなったと思った

大久保検事:会社であるということを何度か聞いたことがあるか
証人D:客に聞いたことがある

(6)カウンセリング
【主な質問内容】
・最初にK山先生のカウンセリングを受けたときに独立するといいと言われて実際に何かしたか
・会社成立に関してアドバイスを受けたことがあるか
・2度目のカウンセリングに関する確認〜内容確認の際、証人が返答に詰まり、少々混乱する場面あり

証人D:独立した
証人D:有限会社にするかどうか、社名をどうする等を相談したいと思った

大久保検事:2度目のカウンセリングを受けたのは?
証人D:平成18年1月29日。リュミエール28階
大久保検事:カウンセリングをしたのはK山先生か
証人D:いえ、違った。K山先生だと思ったら、天野先生だった
大久保検事:驚きはあったか
証人D:はい
大久保検事:天野先生に相談をしたね
証人D:はい
大久保検事:カウンセリングで体調についても相談しなかったか
証人D:2、3年前から耳鳴りが止まらなかったので原因を聞いた

大久保検事:カウンセリングで天野先生はどのような行動をしたか
証人D:こういうものが見えると言って、お稲荷さんを描いた。目を閉じて何かを聞いているような感じ
大久保検事:目を閉じたまま答えるのか
証人D:目をあけてから答える
証人D:お稲荷さんと言われて実家にあったお稲荷さんを思い出した。以前、家を改築するときにつぶした
大久保検事:今あるかどうか尋ねたか。天野先生に言われてどう思ったか
証人D:尋ねた。何か見えたのかと思った
大久保検事:他に何か言われたか
証人D:井戸のことや祖母が階段から落ちて亡くなったのでそのことを言われた。井戸や池をつぶすと水の流れが止まって、水が腐るとだめになる…
大久保検事:あなたが説明しないのに「井戸をつぶしましたね」と言われなかったか
証人D:はい
大久保検事:あなたから井戸があったと話したのか
証人D:井戸をつぶしたかと言われた
大久保検事:会話のテンポは?
証人D:間をあけ、何かを聞くような…、その後に顔を上げて、何かスピリチュアル的なものを感じ取っていると思った
大久保検事:井戸や池をつぶしたことによってどういう状態だと言われたか
証人D:水の流れを止めると蛇の霊が憑くと言われた
裁判長:そのときに天野先生が言った言葉を覚えているか
証人D:駐車場にしていたのだが、コンクリートを流すことはよくない。お浄めをした方がいいと言われた
大久保検事:お浄めしなければならないのは、実家がどうなっているからと言われたか。お稲荷さんをつぶしたので狐の霊が憑いていると言われなかったか
証人D:はい

■裁判長:誘導ばかりなので証人に言わせて下さい

大久保検事:他にもお祖母さんのこと言われたね?
証人D:階段から落ちたとき、霊が成仏されていないと言われた。耳鳴りの話をしたときに左後ろを見て、お祖母さんの霊が来ていると言われた
大久保検事:どう思ったか
証人D:耳鳴りの原因はそれかと思った
大久保検事:お祖母さんの霊はどういう対処が必要と言われたか
証人D:霊のお迎え、お浄めをするように言われた
大久保検事:それをしないとどうなると言われたか
証人D:自分の事業や兄が首から上に影響が出る…
大久保検事:何かの力で言い当てたと思ったか
証人D:はい
大久保検事:今、考えるとそう思うか
証人D:思いません。カウンセリングの前に実家の家系図、間取り図を提出した
大久保検事:それはスタッフから提出するよう言われたのか
証人D:はい。カウンセリングの1週間前に提出した
大久保検事:仕事の相談第一だったので家系図のこと念頭になかったということだね
証人D:はい
大久保検事:提出した書面を見れば分かるようなことだったが、すごい能力を持っていると思ったのだね
証人D:はい

・お浄めの金額、行った日、なぜその頃なのかの確認

証人D:105万。平成18年4月1日。自分の誕生日が4月なのでそれまでに済ませたいと思った。6日に会社設立を予定していたので誕生日を迎える前に心機一転したいと思った

(7)次なる問題と天野先生のヒーリング
【主な質問内容】
・子宮筋腫に関する確認
・天野先生のヒーリングを受けた際の確認

大久保検事:サロンを知った頃からお浄めした頃の問題点といえば仕事のことだったよね。独立して解決したかと思ったら、さておいた問題が出たのでは?
証人D:持病の子宮筋腫の手術をしたが、心配は持っていた。手術で解決せず、様子をみていた。貧血や腹痛があった
大久保検事:薬での治療を試みたことは?
証人D:平成17年春から夏にかけて、筋腫が大きくならないようにする薬を飲んでいた
大久保検事:副作用は?
証人D:マイナス思考になった
証人D:手術して全摘の方法は、同じところを切るのと2回目は負担が大きいと聞いていたのでしたくないと思っていた
大久保検事:病院には行っていたのか
証人D:平成18年5月20日。しばらくぶりに行った。診断結果があまりよくなかった。薬物治療を止めていたので筋腫が大きくなっていた。自分にとって深刻な問題だった
大久保検事:通院した翌日、天野先生のヒーリングを受けたね
証人D:はい。病気について天野先生に打ち明けたら、ヒーリングしていた手を下腹部に向けて、「子供の頃から薬を飲んでいた毒素が解毒作用を弱まらせ、筋腫を作っている」と言われ、ドキッとした。実母が医者だったので薬を飲み続けていたため、言い当てられたと思った
大久保検事:事前に出した書面に母親のことは書いていたか
証人D:はい
大久保検事:そのとき天野先生は何をしていたか
証人D:下腹部に向けた手を半開したり、ボールを握るような、何かに触るような動きをした。何かを感じ取っているのだと思った

⇒史利被告はA4の紙びっしりになるほどメモをしており、隣の刑務官がその様子を見ていた

証人D:手術をしたくないと言うと御祈願を勧められた。子宮筋腫が良くなる、縮小されると言われた
大久保検事:そのときの天野先生の様子は?
証人D:厳かな感じでひとことずつ区切ってはっきりと言っていた
大久保検事:どうなると思った?
証人D:良くなる、治ると思った
大久保検事:金額は?
証人D:聞いたが答えてもらえなかった。しばらくして従業員Cのカウンセリングを受けてそこで聞くよう言われた
大久保検事:従業員Cという人について何か聞いたことは?
証人D:腸が解ける病気がサロンに来るようになって治ったと聞いた
大久保検事:誰から?
証人D:本人から
大久保検事:従業員Cについて特別な能力があると認識していたか
証人D:はい


(8)従業員Cのカウンセリング
【主な質問内容】
・カウンセリング内容の確認
・御祈願をすると決めた経緯、証人の心情の確認

大久保検事:従業員Cのカウンセリングは、どれくらい後に受けたか。場所は?
証人D:5月24日。Vタワー31階
⇒甲?号証添付資料1をモニターに映し、提示資料を確認。
 佐野被告は顔を上げ、モニターを見る。史利被告はモニターを見ようとせず、口に手を 当ててみたり、書いたメモを見て何か書き加えたりしている。自分の考えに没頭してい るようだ
大久保検事:資料下の文言“特別御祈願100万 5/29 @永田町”と書いてあるものは?
証人D:私が書いたものではありません
大久保検事:従業員Cのカウンセリングに入り、金額を確定してもらったのだね
証人D:はい
⇒ここで大久保検事のリズムが少し乱れ、質問内容を撤回すると述べる場面があったが、 その際、史利被告が顔を上げ、検事を見る

証人D:御祈願がいくらか聞くと100万円と言われた
大久保検事:あなたの様子を見るような動作はなかったか
証人D:あった。天野先生のように目をつぶってしばらく黙って、「重いですね」と言われた。その後に100万と言われた
大久保検事:原因は聞かされなかったか
証人D:聞いた。「腎臓と肝臓の解毒作用が悪くなり、重いですね。手術は体に良くない。麻酔を体に入れることは良くない」と言われた
⇒史利被告、顔に触るしぐさあり。まるで、スタッフに責任転嫁することでも考えているかのように見えた。その後、またメモを取る
大久保検事:御祈願したら治ると言われたか
証人D:私が聞いた
大久保検事:その前に聞いたことがあるか
証人D:忘れた。天野先生からは「筋腫が小さくなる、良くなる。自分が思っているような状態になる」と言われた
大久保検事:従業員Cからは?
証人D:「御祈願すると毒素が体から出る」と言われた
大久保検事:御祈願した後、薬を使う必要があるか言われなかったか
証人D:・・・(メモとれず)
大久保検事:すぐに金額を言われたのか
証人D:すぐではない
⇒この後、質問に対する解釈に食い違いがあり、少々、流れが止まる。
 大久保検事が「ちょっと混乱していますね」と証人に声をかけると、史利被告は検事を 見る
大久保検事:従業員Cからは御祈願を勧められたか
証人D:「手術しなくて済む、薬を体に入れなくて済む。筋腫が小さくなる、良くなる、消滅させましょう」と言われた
大久保検事:どう思ったか
証人D:天野先生からも同じようなことを言われ、それしかないのかなと思った
証人D:その後、金額について言われ、高くないかと聞いたら、「金額の問題ではない。このままだと会社を立ち上げたのに休まなければならなくなる」などと言われた
証人D:「100万が払えなければ、50万支払い、20人を連れてくるように」と言われ、御祈願以外に方法がないのか聞いたら、「御祈願するしかないですね」と言われた
大久保検事:あなたが100万を選んだ理由は?
証人D:人に話すのが苦手なので…
大久保検事:100万は容易だったか
証人D:いいえ。簡保から貸し入れした
大久保検事:御祈願するとどうなると思ったか
証人D:筋腫が溶けて出て行くと思った

(9)教会長による御祈願
【主な質問内容】
・御祈願を行った日・場所・人・内容の確認

証人D:平成18年5月29日。Vタワー37階
⇒甲18号証添付資料2をモニターに映し、提示資料を確認。
 御祈願のときに書く祈願文が映し出される。
 佐野被告、史利被告、モニターの方を見る
大久保検事:左下に100万と書いてあるが、あなたが書いたのか
証人D:いいえ
大久保検事:御祈願を行ったのは誰か?
証人D:橘教会長
大久保検事:どういう人か聞いたことはあるか
証人D:すごい先生と聞いていた
大久保検事:地位は?
証人D:めったに会えない方
大久保検事:天野先生との上下関係は?
証人D:天野先生より立場が上だと聞いていた
証人D:金額が高いので上の先生がやるのかと思った
大久保検事:祝詞を読み上げた後の教会長は何か言ったか
証人D:「おめでとうございます。今、浮きましたね」と言われた。どういう意味か分からなかった。「7人の神様が出てきて皆がバックアップしてくれる」と言われた
大久保検事:そのときの教会長の様子は?
証人D:明るく、ちょっと興奮状態だった
証人D:御祈願が成功したと思った
大久保検事:他にこういうことをするようにと条件をつけられなかったか
証人D:ヒーリングを受け続けるように言われた
大久保検事:あなたは他に特別な水も飲んでいたよね
証人D:はい。筋腫が溶けて体から出て行くと思って…

(10)パーティーの開催
【主な質問内容】
・会主からの指示の確認
・教会長、天野先生から言われた内容の確認
・パーティー開催に関する証人の取り組みや心情の確認

大久保検事:佐野被告に会ったことはあるか
証人D:ある。特別ヒーリングを受けた
大久保検事:そのとき、何か言われたか
証人D:「あなたの先祖は神様に御仕えしていた人です。あなたの代でもう一度、仕えるようにパーティーを開きなさい」と言われた。
大久保検事:どこで?
証人D:永田町の部屋
証人D:週に30人くらい集めるよう言われた。知人やサロンに通っていない人
大久保検事:サロンを広めるようにだね?
証人D:はい
証人D:ひとりでやるのか聞いたら、サロンを紹介した友人とやるよう言われた
証人D:最初はできないと思った。人を集めるのが苦痛だと思って橘教会長に相談した。「すごい役を頂いた、喜ばしいことだ」と言われ、開くことにした
⇒史利被告、少し顔に触る。パーティーのことを思い出しているのか?
証人D:買出し、料理などを自分がし、人を集めるのは友人がした。皆が団欒しているときに天野先生が登場という進行を考えた。手順の了解は主にH先生
証人D:パーティーを開くことは苦痛だった。頑張って開いた。やめたいと天野先生に相談したら、「嫌々やったらだめじゃないですか。パーティーの開催をやめたら、元の状態戻ります」と言われた
大久保検事:元の状態とは?
証人D:悩みがある、体調が悪い状態

(11)サロンへの疑念、やめた経緯
【主な質問内容】
・サロンへ疑念を抱いた出来事、時期、証人の心情の確認
・サロンへ通うのをやめたきっかけ、時期、証人の心情の確認

大久保検事:サロンに疑念を抱くことがなかったか
証人D:大祭に出たとき。平成18年9月3日。すごい人数が集まり、馴染みのないサロン名があった。頭を皆で下げていることが宗教的イメージがあり、おかしいと思った
大久保検事:誰かにそれを伝えたか
証人D:天野先生に伝えたら、「宗教ではない」と言われた
⇒史利被告、机に前のめりになってメモを取る
大久保検事:それであなたはすぐやめたのか
証人D:やめたら転がり落ちる、今まで払ってきたものが無駄になると思ってすぐにはやめなかった。予定していたパーティーがまだ残っていたこともあり、不信感は大きくなっていったがすぐにはやめられなかった
証人D:不安定になり、体に症状が出た。手の震え、不眠など
大久保検事:医師の診断は?
証人D:うつ状態だと言われた。もう(サロンには)戻りたくない、自分がダメになると思って離れた。持病の診察を受けたら、筋腫が変わりなかった。良くなっていなかった。平成18年10月半ばくらい。騙されたと思った
11時28分頃、午前の部終了



●午後の部
予定の13時15分を少し過ぎて開廷。

●市河弁護人による反対尋問(要約)
・サロンに通い始めた日と最後の日の日付を確認
・友人に誘われ、一緒に通っていたことの確認
・初めて行ったサロンの名前の確認
・初めて受けたのはヒーリングでよいか、値段の確認

証人D:回数券を勧められた。5枚綴りで7,500円。初回は10分
市河弁護人:効果を感じなかったと言っていたが、ヒーリングを継続したのか
証人D:はい
市河弁護人:効果を感じられるようになったか
証人D:2回目以降、発疹が出て…
市河弁護人:それ以外で効果感じたことは?
証人D:特になかった
市河弁護人:カウンセリングは受けたいと思ったか
証人D:・・・
市河弁護人:友人から具体的にどう説明を受けたか
証人D:自分の体験談を聞いた
市河弁護人:どういう?
証人D:仕事の業績が伸び悩んでいたが、カウンセリングを受けて業績が伸びた
市河弁護人:最初の悩み事は会社の人間関係ということだったが、子宮筋腫の悩みを相談しようと思わなかったのか
証人D:会社の人間関係の方が大変だった。持病の方は薬で保留状態だったので検診に通って様子をみていた
市河弁護人:病院にはどれくらい通っていたのか
証人D:3,4ヶ月に1回
市河弁護人:ヒーリング受けてから検診に行ったのはいつか
証人D:
市河弁護人:サロンに通うのをやめるまで病院には何回行ったか
証人D:5月21日、1回のみ
市河弁護人:その間、体調は悪くならなかったのか
証人D:生理痛は昔からなので…
市河弁護人:薬は服用していたか
証人D:服用期間が決められた薬だったので、普段の生活には必要なかった。最後に飲んだのは8月
市河弁護人:それ以降、どうして飲まなかったのか
証人D:必要なかったので。半年あけてまた飲む薬
市河弁護人:病院に行かなかった理由は?
証人D:?(聞き取れず)が特に際立って感じなかった

市河弁護人:平成17年11月13日、最初のカウンセリングはK山先生でよろしい?
証人D:はい
市河弁護人:相談内容を事前に提出したのか
証人D:はい
市河弁護人:中身はどういうもの?
証人D:仕事に関すること
市河弁護人:会社独立のアドバイスを受けたのか
証人D:はい
市河弁護人:御祈願するよう言われたか
証人D:・・・
市河弁護人:ここで初めて聞いたのか
証人D:・・・
市河弁護人:なりたいような自分になれますよと言われたのか
証人D:言われた
市河弁護人:10万で御祈願するように言われて、どういうことをすればいいか聞かなかったのか
証人D:後からスタッフに聞いた。祈願文を書いてお金を払うという内容だった
市河弁護人:それで、御祈願をすると決心したのか
証人D:はい
市河弁護人:御祈願をしたのか
証人D:はい
市河弁護人:決めてからどれくらいで御祈願をしたのか
証人D:1週間以内だったと思う
市河弁護人:金額は?
証人D:10万
市河弁護人:御祈願文には何と書いたか
証人D:独立するにあたってうまく誘導してもらえますように
市河弁護人:御祈願の際、あなたは具体的に何をしたか。お祈りをしたのか
証人D:頭を下げ、スタッフの指示に従った。祈願文と一緒にお金を上げた
市河弁護人:お金はどこへ上げたのか。台はあったか
証人D:台の上に上げた
市河弁護人:他に掛け軸や額はなかったか
証人D:台の上に額があった
市河弁護人:お金をお上げしてどういうことをしたか
証人D:頭を下げた
市河弁護人:祝詞は上げなかったか
証人D:上げなかったと思う
⇒史利被告、証人の方を見て含み笑いをする
市河弁護人:その後、ヒーリングを受け続けたということでよいか
証人D:はい
市河弁護人:発疹が出た以外に何か変化があったか
証人D:具体的に口に出して言うほどのことはなかった
市河弁護人:では、どうして受け続けたのか
証人D:会社設立をしようと思っていたので、何かしら影響を受けられると思ったから
市河弁護人:友人からはどんな変化があったと聞いたか(というような質問)
証人D:子供の家庭内暴力が落ち着いた、アドバイスを受けていると聞いた
市河弁護人:カウンセリング、御祈願と続けて、御礼をしたか
証人D:スタッフに言われてするようになった
市河弁護人:御礼とは?
証人D:自分の気持ちと一緒にお金を入れてお上げする
市河弁護人:いいことがあったか
証人D:事務所を立ち上げて間が良くなった。つながったのかなと思った
市河弁護人:最後に御礼を上げたのは?
証人D:平成18年9月半ばまでくらいだったと思う
市河弁護人:平成21年7月20日に警察の事情聴取を受けて、サロンに通っていたときの支払い表を見せられ、記憶喚起したと思うが、これを見れば思い出せるか?
⇒弁?号証添付資料をモニターに映し、提示資料を確認。
 史利被告、モニターに目を向けず、頬杖をついている
市河弁護人:平成17年11月5日、初回ヒーリング1,500円と書いてある
証人D:はい
最後は平成18年9月18日、御礼。これが最後で間違いはないか
証人D:はい
市河弁護人:何かいいことがあったから御礼をしたのではないのか
証人D:いいことがあったとかないとかではなく、苦痛だったパーティーが無事に終わったことへの御礼。苦痛を負わされていたこと、やり遂げることへの責任感などから開放され、無事終わったことに対する御礼

市河弁護人:もう1回初回ヒーリングに戻りますが…
⇒ヒーリングやカウンセリングの鑑定料をくどくど確認する。
 その後も細かい質問が続く

・カウンセリングの際、事前に見取り図、家系図を提出していたのか
・コピーなど控えはとっていたか
・警察の聴取のときに見せられたのか
・見取り図は昔のと現在のとふたつあるのか。井戸や池が描いてあったのか
・家系図には、両親、先祖とか書いてあったか。職業も書いてあったのか

証人D:スタッフから細かく書くように言われていた
市河弁護人:母親の職業は何と書いたのか
証人D:医者です
市河弁護人:カウンセリングのとき、その図を机の上に置いて話していたか
証人D:自分が座っていたところからは見えなかった
市河弁護人:どういう位置だったか
証人D:ふたつ机があって高さが違った。こちらからは何も見えない
市河弁護人:天野先生との間は、何か遮るようなものがあったか
証人D:・・・

・耳鳴りのことは尋ねたか
・霊によるものと天野先生は答えたか
・霊とは何か聞かなかったのか

証人D:どういうことか聞いた。祖母が今もここにいると言われた
⇒史利被告、首を振る
証人D:家系図に死亡年月日も書くよう言われた

市河弁護人:お浄めとは?
証人D:霊を浄めること
市河弁護人:霊のお迎えとは?
証人D:成仏できていない霊をお墓に連れて行くこと
⇒しばらく、お浄めなどのやりとりが続く。お浄めには何かがないといった返答を証人がした際に史利被告、首を振る
証人D:お浄めをやるかどうかは即決しなかった
市河弁護人:誰かに相談したか
証人D:兄に相談した
市河弁護人:何と言われたか
証人D:騙されているんじゃないのかと言われ、事情を説明した。金額が100万と言ったら反対した
市河弁護人:それでもなぜやったのか
証人D:しないと、父親のアルツハイマーの影響が兄の首から上に出てくると言われたので…
市河弁護人:天野先生が来てやったのか
証人D:はい
市河弁護人:池、井戸、お墓か
証人D:あと、お稲荷さんです
市河弁護人:池のお浄めで用意したものは?どんなことをしたのか
⇒史利被告、メモを取る
証人D:バケツに水を溜め、蛇の霊を入れ、うずらの卵を流して…
市河弁護人:天野先生の祝詞と儀式的行為があったか
証人D:・・・
証人D:午後から天野先生が来た
市河弁護人:午前中は?
証人D::Nさんという男性が対応した
市河弁護人:その方は先生?
証人D:いえ、スタッフ
市河弁護人:その人は何かしたのか
証人D:池と井戸のお浄めをした。お稲荷さん、霊のお迎えは天野先生
市河弁護人:霊のお迎えはどういうことをするのか
証人D:白い菊の花を上げて、霊を乗り移らせ、お墓まで運ぶ儀式
市河弁護人:時間はどれくらいかかるのか
証人D:1時間くらい。お墓までの距離による
市河弁護人:お浄め、霊のお迎えについて御礼はしているか
証人D:はい
市河弁護人:それはいいことがあったからなのか
証人D:いえ。習慣的にスタッフからするといいと言われていた
市河弁護人:いいこと起きなくてもやったのか
証人D:何かこじつけてやるようになった

市河弁護人:平成18年5月、天野先生のカウンセリングのときに筋腫の話はしたのか
証人D:カウンセリングでなく、ヒーリングのときです
市河弁護人:天野先生が実際に言った言葉を端的に述べて下さい
証人D:「腎臓と肝臓が子供の頃から飲んでいる薬のせいで毒素になっていますね。大きいですね。どうしますか。御祈願して下さい」と言われた
市河弁護人:御祈願するとどうなると言われたか
証人D:筋腫が小さくなる、消滅する

市河弁護人:御祈願は誰に対してすると思ったか
証人D:御祈願をする先生に対して
市河弁護人:神書に神様と出てきたが?
証人D:自分の意識では神様なのか天野先生なのか分からない
市河弁護人:神書は購入したか
証人D:はい
市河弁護人:いつ?
証人D:お浄めの前に
市河弁護人:携帯版か?
証人D:はい
市河弁護人:読んだか?
証人D:読んだが頭に入ってこない。神書の会に参加するように言われて何回か出席した
市河弁護人:神書の会とはどういうものか
証人D:神書を分かりやすいよう説明する。ホワイトボードを使ったり、天野先生の体験談を話したりする
市河弁護人:神様、御霊光という言葉は出てきたか
証人D:はい
市河弁護人:お浄めのときに神様という言葉を聞いたか
証人D:・・・

市河弁護人:神様との取引とは何か聞いたか
証人D:はい。神書を買う前は、神様と取引できる会社、買った後は、天秤の法則で神様によくしてもらったらお金を支払うといったようなもの
市河弁護人:お浄めのとき、天秤の法則を知っていたか。天秤の法則とは?
証人D:願いに対する対価
市河弁護人:100万を天秤の法則で説明できるか
証人D:釣り合い取れていない、高いと思った
市河弁護人:釣り合い取れていないと思ったのになぜやったのか
証人D:追い詰められたから。それしかないという状況だった
⇒この一連のやりとりの際、史利被告は証人の方をじっと見ている

市河弁護人:御祈願をする決心をしたのは?
証人D:手術か薬か御祈願しかなかった

・天野先生は御祈願の金額を言わなかったのか
・従業員Cのカウンセリングで聞くよう言われたのか
・相談内容を事前に提出したか。その際、経歴を細かく記載したか
・従業員Cのカウンセリングでは、まず金額が出たのか、体に関する話が出たのか、何を言われたか。解毒作用が弱くなっていると言われたか
⇒主尋問と同じような質問を繰り返す

証人D:先程は混乱していました。「消滅させましょう」と言ったのは天野先生でした
⇒史利被告、証人をじっと見る

・御祈願はそこから1週間後くらいか
・誰かに相談したか
・平成18年5月29日、御祈願をしたのは教会長か
・教会長とはそのとき初めて会ったのか

⇒明細書を見て場所が分かればいつ初めて会ったか分かるとのことでモニターに明細書を映す。このとき、嘉子被告が初めてしっかり顔を横に向け、モニターを見る。痩せこけて生気がないように見えた。眼鏡をかけていることに初めて気づいた。
この後、Vタワーで教会長と話をしたときの部屋の様子や話の内容などのやりとりがあり、教会長から言葉を頂いて歓喜した際の御礼に関する確認、その他明細書にある低額の祈願までも確認を続ける。焦点がどんどんずれていき、法廷の緊張感が薄らいでいく

・パーティーに関しても主尋問で確認されたことを再度繰り返し、質問する
市河弁護人:友人をパーティーに誘ったということだが、他に勧誘行為をしたことは?
証人D:ないです
⇒史利被告、不満気で何か言いたげな表情をする
市河弁護人:山梨に行ったことあるか。誰が行こうと誘ったのか
証人D:友人が山梨に縁があったので一緒に行ったという趣旨の返答
市河弁護人:それは佐野会主から言われたことか
証人D:いえ
市河弁護人:大祭以外の祭典、山梨の祭典に参加したことがあるのか
証人D:はい
⇒祭典の金額、神真意願いや光魂祈願祭、感謝祭、天宮祭、大祭の前夜祭・講習会などについて再度、モニターを使ってひとつひとつ確認していくやりとりが続く

市河弁護人:平成18年10月に病院に行かれた?体の具合が悪かったのか
証人D:サロンを去った後、筋腫の状況を確認しに行った
市河弁護人:じゃあ、やめた後か
証人D:はい
市河弁護人:1年間、手術を伸ばしていた理由は?
証人D:生活の安定が優先。サロンに多額のお金を支払っていたことと精神安定するまでと思った
市河弁護人:薬は使い始めたのか
証人D:お腹に注射になった
市河弁護人:副作用は起きなかったか
証人D:はい。会社の忙しさ、人間関係のよさで紛れた
市河弁護人:産婦人科(婦人科が正しいが)に行ってはいけないと天野先生から言われたか
証人D:そのときは言っていない


●尾崎弁護人による反対尋問(要約)
尾崎弁護人:平成18年1月29日、天野先生と最初に会ったのはカウンセリングかヒーリングか。特定できる根拠はあるのか
証人D:・・・
尾崎弁護人:民事も起こしているが、損害一覧表には1月29日のカウンセリング書いたか
証人D:はい、書いたと思います
尾崎弁護人:載っていない。後で確かめて下さい
証人D:はい

尾崎弁護人:見取り図、家系図をその場では見ていなかったととれる証言だったか
証人D:そう証言した覚えはない。見てるかどうかは分からない
尾崎弁護人:家系図見ながらやったと警察に言ったか
証人D:・・・
尾崎弁護人:今の記憶は?
証人D:見ていたと察せられる
尾崎弁護人:撤回ということになるか
証人D:いえ
尾崎弁護人:池、お墓、祖母の話は天野先生が自分で考えた話か、神様からのメッセージとしてとらえたか
証人D:天野先生の言葉として捉えた
尾崎弁護人:検察にはどう説明したのか。検事調書では神様のメッセージで受けたと書いてあるが?
証人D:そういう説明を受けたということ
尾崎弁護人:△#□%×・・・
大久保検事:何をですか?
■裁判長:あの、それは、天野先生がどう言ったのかということと、証人がどう取ったかは違うから
証人D:…お稲荷さんのことを言われ、見えているのかなと思った。そういう疑問はずっと続いていた
⇒裁判長、頷く
■裁判長:どういうふうに聞いた?
証人D:見えるんですかと聞いた。感じるとか…
尾崎弁護人:他のスタッフからどう説明を受けたか
証人D:何でも言い当てることができるすごい先生。神様からの伝言を…
証人D:祖母が亡くなった階段の場所がはっきりせず、兄とふたりでここらへんと思っていたところから1,2m離れた所を「ここだ」と言い当てて気持ち悪くなった
尾崎弁護人:感じるとは神様をか?
証人D:霊を感じるという意味

尾崎弁護人:筋腫のことは5月21日、天野先生のヒーリングのときに初めて話したのか
証人D:そうです
尾崎弁護人:そのとき、天野先生は知っていたような感じだったか
証人D:まぁ、初耳という感じ
尾崎弁護人:誰が筋腫を消滅させてくれると思ったか
証人D:言葉を発した天野先生がしてくれると思った
尾崎弁護人:神様ではなくて?
証人D:天野先生と神様の関係性は分からない。商品として売っている会社と言われていたので、そうだと思っていた
尾崎弁護人:実際に直すのは神様と思っていなかったか
証人D:よくなるという言葉を信じるしかなかった。言葉を発する天野先生を信じた
⇒神様を強調、「神様を信じていた」と言わせたい弁護人のしつこさに、法廷内は”見えないため息”で溢れ、嫌気がさした
■裁判長:もう繰り返しになるからおやめ下さい
⇒裁判長から制止されたにも係わらず、尾崎弁護人は同じような尋問を続ける・・・
尾崎弁護人:筋腫を溶かして体から出すというということをしてくれるのは誰か
証人D:橘先生
尾崎弁護人:神様ではなくて?
証人D:それは本人に聞いてもらえば分かると思うが?私は橘先生を信じた

尾崎弁護人:パーティーの買出し費用はどうしたのか
証人D:サロンで頂いた。領収書をつけて報告した
尾崎弁護人:では、金銭的な負担はなかったのか
証人D:タッパーとかは自分で購入した

尾崎弁護人:池や井戸のお浄めは平成18年4月1日に100万を払ったというわけか。3月31日に合計105万とあるが?
証人D:払ってからでないとお浄めしてもらえないので前日に支払った
尾崎弁護人:刑事では105万になっていないが?
証人D:池の分を入れていない
尾崎弁護人:今の考えは詐欺となると思うか
証人D:はい

尾崎弁護人:会社独立してうれしかったと言っているが、そのときはそういう気持ちだったのか
証人D:はい
尾崎弁護人:サロンに来る客に話すよう言われたか
証人D:はい。スタッフからも天野先生からも言われた
尾崎弁護人:症例にされていたということか
証人D:はい


●大久保検事による再主尋問(要約)
大久保検事:ヒーリングの途中で天野先生に病院に行ってはいけないと言われてはいないという証言だったが、「どうされたいか」と言われて「手術はしたくない」と答えていたね。それに対し、天野先生から何か言われなかったか
証人D:手術は体に良くない、麻酔を体に入れるのは良くないと言われた
大久保検事:それで御祈願をしたということだね
証人D:はい
大久保検事:家系図見ていると察するというのは今になってあんなに当てられたのは…ということか。他に何かあったか。目の動きとか
証人D:見てたかどうか分からないが、見ていたと察するという感じ。ずっと観察していた訳ではないので分からない

●市河弁護人による再尋問(要約)
市河弁護人:筋腫の話だが、病院に行ってはいけないとは言っていない、手術はしたくないと言ったことに対して手術は良くないという評価をしたということか
証人D:・・・
市河弁護人:絶対、手術はしたくないと言ったのか
証人D:言っていない
市河弁護人:1回手術したことがあると言ったことはあるか
証人D:ある
証人D:手術はしたくないとはっきりは言った

●裁判長による尋問
■裁判長:橘先生は天野先生より立場上、上と思ったのはなぜか
証人D:スタッフから言われた
■裁判長:あなた自身はどう思ったか
証人D:受ける場所が違うので、立場が上かと思った
■裁判長:ヒーリングのやり方で違いを感じたか
証人D:天野先生は目をつむってじっとしていた。目を開けるときもあった。橘先生はにこやかに話しかけてくる
■裁判長:佐野会主に会った機会は?
証人D:リュミエールの神真意願いの後、今日は特別な人が来ていると言われ、呼ばれた。そのときに会った
■裁判長:一般の客は会えるのか
証人D:会えないと聞いていた
■裁判長:ヒーリングを受けたことはあるか
証人D:ある

証人D退室
20分ほど休憩した後、被害者2名についての医師の供述調書朗読(?)と、訴因変更にともなう罪状認否と検察側冒頭陳述が行われた。

> 裁判長が41号証、47号証について意見を問う。
処分取り下げ。弁1(?)号証、7号証、同意。取調べ次回。
医者の供述調書弁20、2?、25号証

●大久保検事による医師の供述調書朗読(要約)
20号証。証人Dの子宮筋腫の原因、手かざしで治癒するとは医学的根拠なし。30年以上医師として働いてきたが、全くそんなことは聞いたことがない。
2?号証。同じく証人Dの抑うつ状態について、怪しい宗教にお金を払い込んでいることが憶測された。サロンに通うのをやめた後、サロンの悩みを抱えていたことが分かる

25号証。証人Eに関して、「子宮が冷える」という表現はあり得ない。特定の臓器だけ冷えることはあり得ない。子宮の壁の厚みの差があることによる痛みではない。証人Eの子宮の壁の厚みは均一であり、生理痛の原因とは関係ない。子宮が気圧の影響を受けることはない

●その他
従業員Cを証人採用。次回、取調べるということにします。
*もう一名名前が挙がったが誰のことか分からず。



詐欺罪から組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)罪への訴因変更にともなう罪状認否及び冒頭陳述

■裁判長:検察官からの10月5日付変更請求について、弁護人、ご意見は?
市河弁護人:然るべき

起訴状朗読
大久保検事:佐野孝はえんとらんす統括、淺原史利・嘉子はえんとらんす代表、神霊鑑定師と称し、斉藤亨の指揮に基づいて、共謀の上、勧誘・鑑定・祈願料搾取・・・。
罪名及び罰条。組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)。刑法第・・・

■裁判長:被告人3人前へ。詐欺という罪名から「組織的詐欺」として審議を受けることになります。

罪状認否
佐野孝被告:保留にします
淺原史利被告:・・・を見ていないので保留にします
淺原嘉子被告:保留にします


冒頭陳述(要約)
大久保検事より、訴因変更による追加の冒頭陳述が行われた。
売上上納金の増加、千手観音教会時代から近年に及ぶ死亡事案の数々、これらの事実を隠蔽して多額の売り上げにつながることから鑑定を中心とし、組織を拡大させてきたことを述べた。神霊能力に関しては、「長年の修行によって佐野孝被告は鑑定ができに至った」から始まり、「突然授かる」と変えた後、「講座を受講すれば授かる」と変成している。杉本被告に関しては平成15年に「講座受講にて神霊能力を授かった」としている。斉藤亨の指揮の下、傘下会社と共謀し、悩みが確実に解決する機関と誤信させ、犯行に至った、という趣旨のことを述べた

■裁判長:証拠請求(確認?)について弁護人、ご意見は?
市河弁護人:まだ・・・
■裁判長:次回までに。次回は12月8日(木)、10時から

15:43頃、終了


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