神世界事件の刑事裁判

2、佐野孝、淺原史利、淺原嘉子 第2回公判
(以下の第2回公判に関する記事は、公判を傍聴していただいた方のレポートを基に構成しました)

1 日時:平成23年10月14日(金)午前10時〜午後4時
2 場所:横浜地方裁判所第405号法廷
3 事件番号:平成23年(わ)第972号等(詐欺)
4 被告:佐野孝、淺原史利、淺原嘉子
5 内容:証人E(被害者)への尋問(午前主尋問、午後反対尋問)

加賀町署
 前回の初公判は午後からだったが、この日行われた第2回公判は午前10時からだったので、遠方から傍聴に来た人は前日から横浜周辺のホテルなどに宿泊した人が多かったようだ。傍聴抽選券の配布時刻までにはまだ時間があったので、神世界事件捜査本部がある神奈川県警加賀町署に行ってみた。加賀町署は中華街のすぐ隣にあり、逮捕された神世界関係者が車で連行されてきて、署内に連行されていく姿は何度となくテレビで見ているが、実際に見るのはこれが初めてだった。行ってみると加賀町署は7階建ての随分大きな建物だった。正面玄関がテレビに写ることはあまりないが、裏の通用口の方へ回ってみると、テレビで何度となく見慣れた加賀町署の風景があった(下記写真)。

神世界事件捜査本部がある神奈川県警加賀町署。横浜地裁までは徒歩数分の距離だ。

逮捕された神世界関係者が署内に連行されていく場面でおなじみの加賀町署通用口。

地裁ロビー
 地裁ロビーには傍聴券を求めてたくさんの人が来ていた。締め切り時刻までに列に並んだ人は76名で、初公判よりは若干少なかったが、今回もえんとらんす関係者と思われる者が多数来ていた。9/22に行われた初公判後、9/26には日原易子が新たに逮捕されたが、誰が逮捕されようが自分たちには関係ないと彼女らは思っているようで、今回も多数の、”えんとらんす応援団”が詰めかけていた。佐野孝被告の妻・りらや、数名のびびっと関係者の姿もあった。警察関係者とみられる者も数名来ていたようだ。ロビーに掲示された裁判情報は前回と同じで、裁判官などにも変更はないようだった。

法廷の概要
 法廷は初公判と同じ、405号法廷だった。傍聴者が傍聴席に入ると3名の被告はすでに入廷しており、佐野孝被告と淺原史利被告は白のシャツ姿、淺原嘉子被告は前回と同じような紺色のニットに黒色のズボン姿だった。被告弁護団もいつもと同じ顔ぶれが並んでおり、前列に笠原、市河、尾崎、後列に笠原事務所の女性弁護士、門西、清澤、大森の各弁護士が着席していた。検察官の奥に司法修習生と思われる男女2人が傍聴席側を向くように座っていた。書記官の横(弁護士側)に裁判所書記官の女性が着席しており、3、4人が40〜45分程の時間で交代しながら裁判記録を速記していた。
 この日、証言台に立ったE証人は、被害に遭った当時、航空会社の客室乗務員をしていた人で、法廷の張り詰めた雰囲気の中でも物怖じせず、堂々と受け答えしていたのが印象的だった。
 公判中、3名の被告の様子を観察してみた。淺原史利被告は裁判の間、時折体を動かし、3名の中では一番落ち着きのない感じだった。史利被告は以前から顔や髪を触る癖があったが、この日の公判中にも、またその癖が出ていた。一説によると、髪の毛や顔を頻繁に触るのはウソをつくときなど、心に不安を抱えているときだと言われている。史利被告の心中を考えれば、被告となった我が身に対する”焦り”もあることだろうし、そうした不安な気持ちがあのような態度となって出たのかもしれない。しかし、史利被告は検事が述べた内容に対して、ニヤッと笑いを浮かべた時もあり、開き直っているように見えた瞬間もあった。
 各被告の前には学校の机のようなものが用意され、1枚のA4メモ用紙とボールペン1本が置いてあった。佐野被告は、ほとんど目をつむっていたが、時折何かをそのメモ用紙に書き出したりしていた。傍聴席には妻・りらの姿もあった。
 嘉子被告の表情は着席した位置の関係もあってほとんど見えなかった。彼女は公判中、ほとんど身じろぎせず、じっとしていた。彼女のあの様子からは、精神的に参っているのか、それとも関係ないとでも思っているのか、よく分からない態度だった。嘉子被告は、二度ほどメモでもしたのか、机に腕を乗せる場面があった。
 傍聴者はえんとらんす関係者が多かったが、それに混じって数名のびびっと関係者の顔もあった。前回もびびっと関係者が来ており、今後びびっと関係者が逮捕されたときに備えて今から裁判の流れを把握しようとしているのだろうか。
 公判中、傍聴席から被告に向けて”取り次ぎ”をしていると思われる動作をしている女性の姿が見受けられ、あっけに取られてしまった。裁判所の法廷という公的な場所であのような行為をする者がいるとは驚きであり、見ていて気分が悪くなった。次回からは事前に裁判所側から、「法廷内では怪しげな行為をしないでください」と注意をしてもらいたいところだ。

第2回公判時の法定内の人物配置
(クリックすると大きくなります)

●午前の部
●10:00開廷
 本日の公判も、傍聴者が法廷に入る前に裁判官らはすでに入廷しており、裁判官同士で何やら打ち合わせをしていた。傍聴者が入り終わると、起立などの場面はなく、そのまま裁判が始まった。
 証言を行う、えんとらんす被害者のEさんが傍聴席側から法廷内に入り、そのまま証言台の前に立ち、「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います」と書かれた宣誓書を読み上げた。

検察官の主尋問(に対する証人Eの証言など)

(1)サロンに通うきっかけ
証人E:平成17年7月、サロンに通うようになる。本屋でT(1)さんという女性に勧誘された。「ヒーリング」、「癒しサロン」、「疲れがとれる。肩こりや腰痛に効く」等の説明があった。イメージとしてはエステのような癒しサロン。
吉野検事:1ヵ月後くらいから通いましたよね?
証人E:ちょうど(仕事で)疲れがたまっていたのと、その年5月に祖父を亡くしていたので癒されたいと思っていた。
吉野検事:友人とのトラブルもあったんですよね?
証人E:そうです。

(2)ヒーリングとは
証人E:ヒーリングとは女性の方が目の前、正面に立って手をかざす。
吉野検事:どう感じたか。
証人E:なんとなく体があたたかくなったような気がした。
吉野検事:スタッフの手から何か飛んでくるわけではないですよね?
証人E:自然界からのパワーだとかエネルギーだと言われた。
吉野検事:その自然界からのパワーだとかエネルギーを受けることで何が起こるのか説明があったか。
証人E:マイナスがプラスに変えられる。
吉野検事:マイナスがプラスに変えられるとどういう効果があるのか説明があったか。
証人E:疲れがとれる、人間関係(が改善されるというような言葉)
吉野検事:説明を受けてどう感じたか。
証人E:疲れがとれて癒されるのだったらいいかなと思った。
吉野検事:その後、通い続ける中でヒーリングとは何か、こう呼ぶと説明があったか。
証人E:御霊光という名前を聞いた。
吉野検事:どこから来ると思ったか。
証人E:神様からの御霊光。
吉野検事:宗教と思わなかったか。
証人E:かなり不安だった。嵌って抜け出せなくなってしまうのではないかと思ったが、宗教ではないと言っていた。ヒーリングを商品として扱っている会社。信じる必要がないと説明を受けた。
吉野検事:信じる必要のない神様とどういう関係・・・
証人E:神様とお取引してよくなる。
吉野検事:・・・・(たぶん、誰からそれを聞いたかみたいな質問)
証人E:スタッフや客と日常の話をする機会があった。
吉野検事:日常の話とは?
証人E:たわいもない話。いいことがあったなど。
吉野検事:ヒーリングとの関係を話したことがあったか。
証人E:電車の乗換えがスムーズだったとか。

⇒この間、史利被告だけが動きが多く、検察官と証人のやりとりを見ながら、頬杖をついたり、髪をいじったりしていた。佐野被告は目をつむり、嘉子被告はじっと動かずに同じ姿勢でいた。

(3)カウンセリング
証人E:結婚の話をしたときにカウンセリングを勧められた。C先生から結婚しない方がいい、相手と合わないと言われ、どうしようと思ったが、結婚するつもりでいた。ところが退職直前に相手が離職していることが分かったので結婚をやめた。退職願いの取り下げなど心身ともに大変な状況となり、体調変化が起こった。吐き気、不眠、食事は流動食しか食べられず体重が落ち、婦人科系トラブルが起きた。最終的に退職願いを取り下げてもらうことはできたが、つらい立場であった。
証人E:平成18年6月頃、H先生のカウンセリングを受けた。これまでのことを話し、号泣した。今後の仕事や恋愛について尋ねた。生理不順がひどいことも話した。H先生から「子宮が冷えている。子宮の状態がよくないので仕事を続けない方がいい」と言われた。子宮の問題を指摘されたのは初めてのことで悲しいことだと思った。立場上、仕事は辞められる状態ではなかった。H先生から天野先生のカウンセリングを勧められた。天野先生のカウンセリングを受ければ、子宮の問題について根本的な理由が分かると言われた。「天野先生は他の方にはない特別な能力がある、結果が出るのが早い、根本的な原因解決になる」と説明を受けた。

⇒史利被告は何かメモをしていた。「H先生」の話のときに突然、佐野被告もメモをし始めた。

(4)天野先生のカウンセリング
証人E:天野先生のカウンセリングはすぐには受けなかった。すべて見られそうな気がして嫌だった。自分の魂を根こそぎ見られるような気がして。
吉野検事:将来を知らされるのが怖かったですか?
証人E:はい。
証人E:H先生に言われた「子宮が冷えている」ということを思い出し、体調の悪さが気になり、仕事に対する不安もあり、天野先生のカウンセリングを受けることにした。
証人E:天野先生に特別な能力があると思ったのは、通っている際にスタッフや客から「天野先生はすごい。言われた通りにやったらうまくいった」といつも聞いていたから。「神様からのメッセージを受け取れる特別な能力がある」と言われていた。
⇒サロンへ事前提出した相談内容(甲44号証)を記憶喚起のため提示(モニターに映し出される)。
証人E:子宮に関する相談内容が書いていないのは、相手が男性なので書面に残したくない、そのときに話せばいいと思ったから。
証人E:天野先生のカウンセリングで、「立てないくらいの生理痛がある」と相談。「職業柄、子宮が気圧の変化を受けている。医学的にも証明されている。子宮が縮んでいる。子宮の壁が薄いところと厚いところがある。このままだと子供が産めなくなるので今の仕事を辞めた方がいい。貴金属の仕事やお金・話す・食べるに関する仕事に変えた方がいい。非常によくないので状態がよくなるよう御祈願をするといい」と言われた。20万円。御祈願してもよくならないことがあるとは言われていない。神様頼みだけで自分でも努力しなければだめとは言われていない。天野先生のそのときの話し方は、間をおきながら、遠くを見る視線をしていた。御祈願については、ヒーリングよりももっと効果が強いものと聞いていた。
⇒サロンへ提出した家系図(甲46号証)を提示。モニターの調子が悪く、市河弁護士が出てきて書面を直接確認。
証人E:母方の祖母の名前がピンク色で囲んであるのはカウンセリングの書記の人が囲んだ。
⇒同じく家系図(甲47号証)を提示。
証人E:筆ペンで書き込みがあるのは天野先生がカウンセリング中に書いたもの。
証人E:「母方祖母○代〜○代の家系に問題がある。養子で家系をつないだので血統が途切れた。途切れた先祖から合図出ている。先祖が助けてほしいと合図。合図とは先祖の霊の念。先祖の霊の念が祖母、母を超えて私の方にきている。私の子宮にきている。このままだと子供が生まれなくなる」と言われ、名前を思い出せないが御祈願を勧められた。
⇒史利被告、ニヤリとする。
証人E:「母方の祖母の家系を調べた方がいい。お墓の場所を調べ、分かればお墓のお浄めをするといい」と言われた。
証人E:「家系図余白に書き込みしたのは、子宮の状態。壁の薄い厚い。逆三角形は、家系が繁栄していくものと衰退していくものとその他を示している。矢印は先祖の念が私の方へ向かってくると示している。名前の枠の中まで線が書き入れた意味は、先祖のものが私の中まで入っている」と説明され、すごく怖いと思った。

⇒「枠の中まで線が書き入れた意味」と検事が言った瞬間、史利被告はニヤッと笑った。家系図の話をしている間、唇を引っ張って落ち着きがなかったが、笑った瞬間を見て、“そんなの何の意味もないよ”と嘲笑しているかのように見えた。

(5)御祈願
証人E:子宮が悪い状態になっていると理解したのは、仕事柄の気圧の変化と、先祖からの念。生理不順に関係していると思った。子宮の改善のためには御祈願をするといいと思い、8月29日の祭典の日に行った。祭典の日は普通の日より強い御霊光が受けられると言われていた。
証人E:前日、婦人科を受診。念のため、医療関係の意見を聞きに言った。検査結果は後日とのことで、結果を見てみないと分からないが、恐らくホルモンバランスが原因で、体質改善するためには漢方を1日3回服用。かなり時間がかかると言われた。医師の診察結果を聞き、早くよくなりたかったので御祈願をした方がいいと思った。
証人E:御祈願当日の朝、生理がきた。排卵の兆候がないと言われていたのに意味が分からないと思ったが、生理がきてホッとした。サロンとの関係において、「決めたら動く」とスタッフから言われていたので、自分が動いた(=行動した)から生理がきたと思った。いいことがあるないに関わらず、物事が動くということを言われていた。⇒笠原弁護士が大きく頷いていた。
⇒御礼文(添付資料写し6)を書いた。記憶喚起、同一性確認のため提示。
証人E:薬を服用せずにいられたことへの御礼。薬毒の話を聞いていたので躊躇していた。
⇒特別御祈願の文面提示。
証人E:子宮の状態を最大限よくしてほしいという文を書いた。
証人E:御祈願をした先生は思い出せない。立っていたか座っていたかも思い出せない。
証人E:「これでよくなります」と言っていた。子宮の状態が改善されると思った。

(6)一切合切
証人E:母親と祖母に3〜5代前の先祖のお墓の場所を聞いたが分からなかった。
証人E:御祈願の翌日に天野先生のヒーリングを受けるよう言われていたのでそのときに相談。
証人E:8月30日、御祈願の後の子宮の状況をみるために天野先生のヒーリングを受ける。
証人E:「よくなってきていますね」と言われ、御祈願してよかったと感じた。
証人E:だが、「子宮に先祖の念が入っているので子宮の根本的原因が解決されていない」と言われ、お墓のお浄めを勧められる。場所が分からないと言うと、「一切合切をするといい。先祖すべてを供養できるので、先祖の念がとれ、子宮が改善される」と勧められる。
証人E:一切合切をしないと元に戻ると感じた。30万円は高いと感じた。高いと思いつつ、一切合切をしたのは、仕事を続けていくには子宮の状態をよくしなければならないと思ったため。9月26日、光魂祈願祭の日に行った。すっきりし、よくなると思った。
証人E:生理痛が軽くなり、周期が改善されたとそのときは思ったが、結局、周期は治らなかった。御祈願に効果がないと思った。

(7)サロンへの不信感、通うのをやめた経緯
■裁判長:疑問を感じたのはいつ頃?
証人E:2006年(E証人は西暦で経過を記憶)の寒い時期です。
証人E:よくなっているのかもしれないけれど、状況は変わらず、意味があったのか?と疑問を持ちながら、続けた方がいい結果をもらえるのかなと思い、サロンへ通うのはやめなかった。
証人E:サロンに不信感を抱いたのは、平成19年3月3日の大祭に参加したとき。集まっている人の雰囲気が暗く、おかしいと思った。もっとワクワクする場所と思っていた。
証人E:その後、1ヶ月サロンへ通うのをやめ、変化があるか試してみることにした。
証人E:嫌なことが起きるかと思ったが何も変わらなかった。
証人E:仕事のプレゼンがうまくいくよう遠隔を依頼してみたが、プレゼンは散々な結果だった。騙されたと確信した。
証人E:平成19年4〜5月頃、婦人科を受診し、多嚢胞性卵巣症候群と診断される。薬を飲まないと改善されないと医師から言われた。

⇒史利被告は病名を口パクで復唱。その後、ふと我に返ったのか傍聴席の様子を一瞬、目だけ動かしてチラリと確認する。嘉子被告も病名をメモしたのか、少しだけ手を動かした。

次に大久保検事による尋問
初めて天野先生のカウンセリングを受けたときの内容を再確認。
証人E:「科学的根拠がある」との話だった。「医学会では、気圧の変化が子宮の壁に影響を与えると証明されている」と。
大久保検事:壁の薄い厚いについて、具体的な部位は示されなかったか。
証人E:思い出せない。
大久保検事:天野先生とあなた以外に誰かいたか。
証人E:T(2)さんという人が書記をしていた。
⇒8月22日のカウンセリング内容の記録(甲?号証)を提示。

⇒この他、「先祖霊の合図」、「助けてもらいたい理由」、「供養してもらいたい」などについて尋問があったがメモしきれなかった。とにかく早く外の空気を吸いたくて、午前の部が終了すると同時に法廷の外へ出た。
●11:50午前の部終了(13:15まで昼休み)


●午後の部
●13:15再開
 笠原弁護士の反対尋問(に対する証人Eの証言など)
(1)告訴について
笠原弁護人:合計50万の祈願料に関して告訴をしているか。
証人E:告訴とは?
笠原弁護人:捜査機関に申し立てをしたのかということ。
証人E:もうちょっと分かりやすく言って下さい。
■裁判長:警察に書面で出したかどうかということ。
証人E:はい。
笠原弁護人:いつ頃?
証人E:4〜6月のいつか。
笠原弁護人:平成21年(2009年)5月、県警にスケジュール帳を提出したのを覚えているか。
証人E:2,3年前に提出しました。
笠原弁護人:経緯は?県警があなたのところへ尋ねてきたのか、あなたの方から出向いたのか。
証人E:県警から。
笠原弁護人:2006年の6・8月の件ふたつだけなのか、それ以外にも告訴したのか。
証人E:それ以外は刑事としてはない。
笠原弁護人:2,3年前に県警が事情を聞きたいと尋ねてきて供述調書を作成されたのか。
証人E:していると思います。
笠原弁護人:事情を聞かれて何通くらいの調書を作成されたか。
証人E:分かりません。
笠原弁護人:1回なのか、もっと多いのか。
証人E:2009年と今年に聴取を受けた。
笠原弁護人:被害の内容について検察官にどういう形で述べたか。
証人E:おっしゃっている意味が分かりません。
笠原弁護人:180万騙し取られたと供述調書にサインをしているが、そういう認識か。2006年6月29日頃、特別光魂祈願を受けていないか。
証人E:受けたと思う。
笠原弁護人:いくらの御玉串だったか。
証人E:けっこう大金だった。はっきりとした数は思い出せない。
笠原弁護人:支払い一覧表(弁1号証)2枚目67番。30万の御玉串をあげているが、この事実については告訴はしなかったのか。
証人E:はい。すべてを詐欺で告訴するという考えがなかったから。子宮が悪くなっているということに関しての詐欺と認識している。

(2)スピリチュアルについて
笠原弁護人:話を変えましょうかね。あなたはスピコンに行ったことあるのか。スピコンとは何のことか。
証人E:スピチュアル・コンベンション。タロットやオーラソーマなどのブースがあってお試しをする形態のもの。
笠原弁護人:何回か出たことあるのか。
証人E:1回だけ。
笠原弁護人:時期的には?
証人E:6年前くらい。2005年より前。
笠原弁護人:アカサカに行く前?
証人E:はい。
笠原弁護人:スピリチュアルとは何?
証人E:目に見えない魂みたいなもの。
笠原弁護人:あなたは存在すると思っていたのか。
証人E:はい。
笠原弁護人:オーラの写真をとったことあるか。
証人E:はい。
笠原弁護人:オーラとは?
証人E:人それぞれ持っている色を示しているもの。
笠原弁護人:目に見えるものなのか。
証人E:通常、見えません。
笠原弁護人:写真に写ったのか?
証人E:はい。
笠原弁護人:実在すると信じたのか。
証人E:興味で撮った。
笠原弁護人:写真に写ったものがオーラという認識?科学的に証明されていないものに興味があったのか。
証人E:ありました。
笠原弁護人:そういうものが実在するという考えがあったということですね。

(3)勧誘の経緯と通い始めた頃の様子について
笠原弁護人:Tさんに声をかけられたということだったが、ヒーリングとはどういうものかと説明したか。
証人E:いつの段階のことですか。
笠原弁護人:声をかけてきたとき。
証人E:ないです。
笠原弁護人:どんなことをするのか、どういう効果が得られるのか説明がなかったのか。
証人E:癒し系のサロンという説明だった。
笠原弁護人:Tさん自身の経験談だとか・・・話したことなかったか。
証人E:あった。激務で肉体的疲労感を感じていたが、そういうものにも効果があるとの説明だったと思う。
笠原弁護人:どういうメカニズムで癒されるのかは説明なかったのか。
証人E:なかった。
笠原弁護人:説明を持って・・・・(すぐにサロンに行かなかったのかというような質問だと思う)ということですかね。
証人E:はい。そのときは仕事が立て込んでいたので紙(=チラシ)を手帳に挟んでそのまま。
笠原弁護人:1ヶ月経ったところで品川のサロンを訪ねたということですね。
証人E:はい。
笠原弁護人:2005年7月頃のことのようだが、このとき既に生理痛とか生理不順を感じていたのか。
証人E:若干あった。
笠原弁護人:サロンに通うきっかけは、仕事による疲労、祖父が亡くなった精神的疲労、友人とのトラブルで癒されたいと思った、でよろしいですね。
証人E:はい。
笠原弁護人:応対に出たスタッフはどなただったか覚えているか。
証人E:おそらくTさん。
笠原弁護人:何人かのスタッフがいたのか、それともひとりだったのか。
証人E:何人かいた。
笠原弁護人:Tさん以外に覚えている人はいるか。
証人E:Iさん。
笠原弁護人:ヒーリングとはどういうものか説明してくれたか。
証人E:受けた後かどうか覚えていないが、あった。
笠原弁護人:マイナスをプラスに変えると聞いて意味が分かったか。
証人E:悪いものを出していいものを・・・。
笠原弁護人:初めて品川のサロンへ行ってヒーリングを受けて体があたたまるような感じを受けた、ヒーリングを受けて現象を感じたということですね。
証人E:はい。
笠原弁護人:手をかざしたことによってどうして体があたたかくなったと理解したか。スタッフに尋ねなかったのか。
証人E:覚えていない。
笠原弁護人:サロンに出入りする会員が感想を記載するファイルを見たことがあるか。
証人E:ある。
笠原弁護人:どんなことが書かれていたか。
証人E:体調、仕事、人間関係などについてです。
笠原弁護人:受けてよかったという感想か。
証人E:はい。
笠原弁護人:書いたことはあるか。
証人E:あります。
笠原弁護人:何回くらい?
証人E:一度はあるが、何回かは分からない。
笠原弁護人:ヒーリングを受けてか、御祈願か?
証人E:たぶん、御祈願。
笠原弁護人:どんなこと?
証人E:・・・
笠原弁護人:ファイルに書くということは、サロンに通う人が読むのが前提ということでしょ?
証人E:たぶん。
笠原弁護人:2005年7月に何回ヒーリング受けたか覚えているか。
証人E:・・・
⇒支払い一覧表をモニターに提示。
笠原弁護人:4回受けている。それだけ通っているということになりますね。お水も買っているということになりますね。思い出しましたね?
笠原弁護人:なんらかの効果を感じて通ったということか?
証人E:体が疲れていたので通っていた。
笠原弁護人:効果を感じたので通ったのですね?
証人E:そうですね。

(4)許可証について
笠原弁護人:8月31日、許可証購入、覚えているか。これは何の許可証か。
証人E:自分でも受けられる許可証。
笠原弁護人:サロンに通わなくても受けられるということか。
証人E:はい。
笠原弁護人:購入の際、儀式めいたものは行われていたか。
証人E:記憶がはっきりしない。
笠原弁護人:拝受式行われていなかったか。品川サロンの特別室で行われたのではなかったか。
証人E:いくつか部屋があって、それが何という部屋なのかまで知らない。
笠原弁護人:祭壇のことは何と呼んでいたか。
証人E:スタッフが祭壇と言えば、祭壇と言っていた。
笠原弁護人:「御神台」と呼んでいなかったか。
証人E:聞いたことない。
笠原弁護人:掛け軸の部屋はあったか。
証人E:文字が書いてあった。
笠原弁護人:何ていう文字?
証人E:覚えていません。
笠原弁護人:祭壇の上に許可証があったのでは?
証人E:・・・
笠原弁護人:お金を自分でお玉串袋に入れたのではないか?
証人E:・・・
笠原弁護人:訴えているのに通っていたときのことを思い出そうとしなかったのか。
証人E:・・・
⇒史利被告、首をかしげる
笠原弁護人:許可証がどういうものであるか注意事項についてスタッフからきかなかったか。
証人E:説明文を見た。
⇒御守り拝受の説明文(弁2号証)をモニターで提示
笠原弁護人:これと同じものを見たのか。
証人E:・・・。項目の5,6を見たような覚えがある。
笠原弁護人:これは、御守りと書かれている、あなたのときは許可証と言われていた。
笠原弁護人:これは現在の物。

⇒ひっかけたつもりなのか得意気に言い、イヤラシイ感じがした
⇒5項の神様から御霊光を頂くという文面を読み始める
⇒宗教性をアピールしたいのか、意味不明の行為に法廷内はシラーッとした雰囲気に。
⇒佐野被告は相変わらず目をつむり、史利被告はモニターを見ることもなく、証人とのやりとりを見ている

笠原弁護人:許可証買ってから落としてお浄め受けたことは?
証人E:一度はある。
⇒支払い一覧表(弁1号証)をモニターで提示
笠原弁護人:9月以降、1年で4回お浄めしているようだが?
証人E:・・・
笠原弁護人:(許可証を)大切に扱っていたことになりますね。
笠原弁護人:母親に取次ぎをしたようだが、何か言ってからやったのか。
証人E:何も言わずに黙ってやった。
笠原弁護人:講習会には何回出たか。
証人E:・・・
笠原弁護人:買った日も受けているようですね。
笠原弁護人:どうやって自分に受けるか(等、ごちゃごちゃ・・・?)
証人E:・・・だけだったと思う。
⇒史利被告、首を振る。
笠原弁護人:サロンに行くときは祭壇に御玉串あげていなかったか。
証人E:初めのころはスタッフに渡していた。
笠原弁護人:取次ぎ御礼をしている。

(5)神書について
笠原弁護人:神書は購入したのか。
証人E:講習会か許可証を頂いたときに一緒に頂いた。
笠原弁護人:何回か読んだか。
証人E:・・・
笠原弁護人:通読はしたか。
証人E:通読は1回もしていない。読みたいところを読んだ。パッと開いたところ ⇒サロンで勧められていた読み方。
笠原弁護人:理解し、納得できたか。
証人E:・・・
笠原弁護人:反発覚えたことは?
証人E:お酒を飲んではいけない、肉を食べてはいけないとか・・・。

⇒史利被告は「お酒 ? !」と口パク。「そんなのあったか?」というような反応。

笠原弁護人:御霊光や霊に関しての反発は?
証人E:納得というか、「ふーん」という感じ。
笠原弁護人:反発があったらサロンやめるのでは?
証人E:・・・
笠原弁護人:「宗教だと嫌だ、嵌っちゃって抜けられなくなるのでは」という証言があったが、宗教とはどういうものを想定して言ったのか。
証人E:イメージとしてオウムみたいなもの。
笠原弁護人:検察官調書に・・・、どこかに本物の神様がいるのかなと思っていたわけですよね?
証人E:・・・
笠原弁護人:他を省みずに宗教に埋没するのが嫌だったということですね?
証人E:・・・
笠原弁護人:えんとらんすは本物の神様が存在する、御霊光の効果を信じる人の集まりだと当時考えていたが、神様との取引をどういうふうに理解していたのか。
証人E:・・・。(取引とは)気持ち的にも支払い的にも両方。
笠原弁護人:「何らかの効果を得られる」と、そういう印象でよいか。
証人E:いい方向に向かっていくという感じ。

(6)従業員Cについて
笠原弁護人:どこでいつ頃会ったか。
証人E:2005年の夏、品川のサロンです。
笠原弁護人:サロンでどういう立場だったか。
証人E:先生と呼ばれていた。
笠原弁護人:先生とはどういう立場か。
証人E:分かりません。
笠原弁護人:カウンセリングを行っていたが、どういう方がカウンセリングを担当していたか。
証人E:・・・
笠原弁護人:Cさんも神霊能力をお持ちの方だと紹介されたことがなかったか。
証人E:ない。
笠原弁護人:2006年に結婚しない方がいいと言われ、従うつもりはなかったが、別の理由でやめたということですよね?Cさんが言った通りに結果としてなったが・・・。

⇒(弁護人の質問に対して突っ込みいれたくなってしまい、その後を聞きそびれた)「結果としてそうなったことをどう思うか」等と聞いたと思われる。
笠原弁護人:先生とスタッフと何か違うものあったか。
証人E:どういう位置づけか分からない。

⇒スタッフの写真帳(弁1号証資料2)の写しをモニターで提示。
⇒コピーのため写りが悪くて分かりづらかったが、えんとらんすのスタッフが掲載されているページが写された。

笠原弁護人:写真帳にあなたが書き込んだことありますよね?
笠原弁護人:〜さん、〜様、〜先生と書いたのは?
証人E:・・・(スタッフや他の客が呼んでいたからというような返答をしたと思う)

(7)御祈願・祝詞・また神書・・・
笠原弁護人:特別御祈願を光魂祈願以外に何回か受けているが、あなたの方から申し出てやったものか。
証人E:・・・
笠原弁護人:祈願とは、誰が誰に対して何を言うのか。
証人E:(意味が分からないというような返答をしたと思う)
笠原弁護人:お願いする相手は誰?
証人E:神様?
笠原弁護人:その場所には掛け軸があるのですね?
証人E:・・・
笠原弁護人:2006年5月頃に3種類の祝詞を求めているのを覚えているか。
笠原弁護人:何のために購入したのか。家で祝詞をあげていたのか。
証人E:(忙しくてほとんど家にいない生活をしていたので、あげたことはほとんどないというような返答)
笠原弁護人:警察に提出していないのか。
証人E:(見せたことはあるが提出はしていないというような返答)
⇒実物の祝詞を提示。
笠原弁護人:(祝詞をよみあげていたのではないか?、効果を感じていたのではないか?と言った質問がされていたと思うが記録できず)
⇒実物の神書赤版を提示。
証人E:これは持っていない。文庫本サイズのもの(を購入した)。
笠原弁護人:ほぅ、文庫本サイズのものね。それを持ち歩いていたのか。
笠原弁護人:祭典に出席するときは祝詞を持参したのか。
証人E:していない。
笠原弁護人:祝詞を唱和したことはあるでしょ?
証人E:唱和?(先生が読み上げていたというような返答)。

(8)H先生のカウンセリングについて
笠原弁護人:どういう能力があると紹介されていたか。神霊能力があると説明を受けたことがなかったか。
証人E:・・・。
笠原弁護人:(どんなことを言われたかというような質問だったと思うがメモできず)。
証人E:御肉筆コースを勧められた。
■裁判長:何?おにくひつ?どういう字?
証人E:お肉に筆です。・・・どういうものかを説明、御肉筆(神書を書かれた方の書いた文字)の額のある部屋でカウンセリングを受けるといった意味合いだったと思われる)。
笠原弁護人:どんなことを相談したか。仕事と体調?
証人E:いいえ、仕事と恋愛です。
⇒カウンセリングの記録(資料3)を提示。
⇒担当したHが書いた引継ぎメモを確認。
笠原弁護人:Hに特別な能力あるいは・・・言葉のやりとりだけで、子宮が冷えていると言われて疑問を持たなかったのか。
証人E:つながった。Hの言う通りと思った。
笠原弁護人:特別御祈願を受けることになった経緯は?
証人E:紹介された。
笠原弁護人:それはスタッフか?
証人E:・・・。自分のステップアップになると勧められた。

⇒ここで検察官より「時間超過している」と指摘が入った。
⇒裁判長が、「あとどれくらい?」と確認。「あと少し・・・」と笠原弁護人。
⇒裁判長より、ここで一旦休憩の指示。

●14:35〜30分間休憩
●15:05再開
傍聴席着席し、すぐに再開。

(9)wish/願について
⇒支払い一覧表をモニターに提示しながら質問。
笠原弁護人:この「wish/願」とはどういう願いごとか。具体的な内容は?
証人E:おそらく、自分のステップアップのためのもの。
笠原弁護人:調書に書かれているが覚えていないのか。
証人E:・・・。
⇒笠原が内容を読み上げると証人、思い出す。仕事に関する内容のことだった。
笠原弁護人:職場関係がよくなったのではないの?刑事に話したのではないの?
証人E:はい。
笠原弁護人:結果に満足していたわけでしょ?
証人E:(しばらく迷いながら、「はい」というような趣旨の返答)。
笠原弁護人:誰からそういう結果を頂いたと思っていたか?
証人E:・・・(「神様」と答えたのかもしれないが確認できず)。

(10)天野先生のカウンセリングについて
笠原弁護人:天野先生自身から、「私は特別な能力がある」と説明を受けたことがあるのか。
証人E:ない。
笠原弁護人:では、誰から言われたのか。
証人E:・・・。
笠原弁護人:通っている人の中でインチキだと言ったりしている人はいたか。
証人E:(「いない」といった趣旨の返答)。
笠原弁護人:皆さん、能力あると信じていた訳ですね?
証人E:何か見える方だなという認識でした。
笠原弁護人:人から聞いて・・・、信じるに至った根拠は?
証人E:客が奇跡の話をしていた。
笠原弁護人:奇跡とは?
証人E:病気が治ったり、人間関係がよくなったとか。
笠原弁護人:天野先生のカウンセリングは永田町のサロンか?
証人E:はい。
笠原弁護人:全部の部屋に入ったことがあるのか、いくつくらいの部屋に入ったのか、特別室に入ったことはあるのか。
証人E:・・・(図を見れば示すことができるが、特別室というものがどこなのか分からないといった趣旨の返答)。
笠原弁護人:カウンセリングを受けた部屋には祭壇があったか。
証人E:覚えていない。
笠原弁護人:掛け軸のようなものは?
証人E:・・・。
笠原弁護人:「力」とか「大神力」とかは?
証人E:・・・。
■裁判長:「大神力」ってどういう字を書くの?
???:(誰かが大神力の字解をしたが、証人だったかは記録がとれておらず)。
笠原弁護人:「大神力様」ってお呼びしていなかった?
笠原弁護人:御神体って言葉を聞いたことなかった?
笠原弁護人:カウンセリングを受ける際、1礼3拍手をしなかった?
笠原弁護人:天野先生の見解は、医学とは無関係だと思ったのか。医者の資格あると思ったのか。
証人E:天野先生に医者の資格があるのかどうか私は知りません。
笠原弁護人:カウンセリングの際に、医学的な検査を行っていないですよね?
⇒市河弁護士がニヤニヤしている。
笠原弁護人:調書では・・・、医学的外の見解という認識でいたからでしょ?
笠原弁護人:2006年8月26日に受診したのは医学的所見を知りたくて行ったのでしょ?
笠原弁護人:医師から排卵していないと言われたが、排卵していないから生理がこないと受け止めたんでしょ?
笠原弁護人:医師の診察を受けて、(その後)29日に特別御祈願を受けることにしたんですね?
笠原弁護人:検査結果は1週間後に判明すると言われて1週間後に行ったのか。
証人E:行っていない。
笠原弁護人:なぜ?
証人E:仕事の関係で忙しくて。
笠原弁護人:10日後は?
証人E:行っていない。
笠原弁護人:調書に書かれているように医師を信頼していなかったということか。
証人E:医師の話とサロンで言われていたことを天秤にかけていたと思う。
笠原弁護人:感謝祭の後、特別御祈願をした品川のサロンの部屋というのは、御霊光を受ける部屋と同じか、違うか。
■裁判長:受けた部屋はいくつかあるのですか?
証人E:はい。
質問者不詳:それと同じ、祈願を受けた部屋ということですか。
質問者不詳:御祈願の際は、1礼3拍手をしていたか等・・・。
証人E:・・・、壁にした。
⇒淺原が笑う。
笠原弁護人:対象はどこかと聞いている。
証人E:対象?
⇒「質問の意味を理解できない」といったやりとりがしばしあった。
笠原弁護人:そちら(何のことか不明)の方は向いているか。
証人E:そういった意識はない。これからお願いするために・・・。
笠原弁護人:誰に向かって?
証人E:・・・神様?
笠原弁護人:祝詞はどこへ向かって奏上していたのか。
証人E:どこへ向かって?
笠原弁護人:誰に対して奏上していると思ったか。
証人E:・・・。
⇒御礼文(甲23号証?)を提示。
笠原弁護人:素直にあなたは効果を得たと書いたのか。
大久保検事:資料5,7です。(証人に)示していないです。
⇒指摘の証拠資料を証人へ提示。
笠原弁護人:8月29日に御祈願をして満足したのか。
証人E:効果は感じた。
笠原弁護人:御礼をしたことはあるか。
証人E:・・・。
笠原弁護人:大祭に参加したことはあるか。時期は?
証人E:・・・。
笠原弁護人:平成18年9月3日浦安ベイホテル。いつ頃、参加の申し込みをしたか。
笠原弁護人:手帳に記載してありますよね?警察に提出した資料にありますね。
笠原弁護人:一切合切とはどういうものか。文書で見せられたことはあるか。
証人E:口頭だと思う。
笠原弁護人:紙を見せられた覚えがないですか。それでは記憶喚起のために資料提示を・・・。
■裁判長:もうそろそろおやめ頂けますか。
⇒15:50になっていた。
市河弁護人:一点だけ。甲24号証添付資料、御礼文について・・・。
市河弁護人:一切合切は先祖の供養のための祈願という認識があったのか、説明受けたのか。
証人E:・・・。


⇒後は、裁判長から今後の進行について話があり、次回はDさんの被害者尋問。Hの尋問も予定しているとのこと。

●16:00終了
 午前10時から始まった本日の公判がやっと終わった。傍聴者も裁判官達も疲れ果てていた。




地検が訴因変更請求

 横浜地検は、これまで詐欺罪(刑法246条)で起訴されていた佐野孝、淺原史利、淺原嘉子の3被告を、詐欺罪よりも刑罰が重い、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)(平成11年法律第136号第2章第3条13)に訴因変更するよう横浜地裁に申請した。
 3被告は斉藤亨の指揮の下、組織的に一連の詐欺行為を働いてきたのであるから、単なる詐欺罪で裁かれるべきではなく、地検が訴因変更請求を行ったのは極めて妥当な判断と思われる。この訴因変更請求は2011年10月5日付けて行われ、同じく詐欺罪で公判中の、杉本(吉田)明枝被告についても同様の訴因変更請求がなされた。
 横浜地検の堀嗣亜貴次席検事は「事案の実態に即して罪名を変更した」と説明している。



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