裁判所への意見書(2)

 斉藤亨ら4名の被告は公判の中でごく短い反省の弁を述べたに留まり、被告や神世界関係者は未だに記者会見に応じず、公の場で被害者に直接謝罪する行動を一切行っていません。まだ目が覚めない現役会員らに対しても、「神世界は詐欺集団であった」と真実を告げる行動も一切行っていません。私からの度重なる呼びかけに対しても完全無視の姿勢を貫き、何一つとして真摯な反省の態度を表さない被告人らに対しては、然るべき機関で矯正教育を長期間受けさせ、事件を引き起こした責任の重大さを気づかせ、心の底から反省させる以外に残された方法はないと思われます。
 このため、横浜地方裁判所第5刑事部に対し、被告人らに厳しい判決を下すよう求める意見書を再度送付することにしました。下記がその意見書です。賛同される方がございましたら、ぜひ同様の、被告人らを厳罰に処すように求める意見書を裁判所にお送りください。

平成23年(わ)第458号 被告人 杉本(吉田)明枝
平成23年(わ)第972号 被告人 佐野孝、淺原史利、淺原嘉子
平成23年(わ)第1633号 被告人 斉藤亨
上記3件の罪状:組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)

平成24年4月6日

横浜地方裁判所第5刑事部 御中
〒102-0083
東京都千代田区麹町4丁目7番地
麹町パークサイドビルディング3階
リンク総合法律事務所気付
電話 03(3515)6681
藤谷 歩湖 

被告人を厳罰に処すよう求める意見書

 平成24年3月27日に結審した上記被告人らの裁判について、下記の意見を述べさせていただく。なお、私が貴裁判所に対してこの事件で意見を述べるのは、今回が二度目である。

1、被告人は反省などしていない
 3月27日に行われた裁判に於いて、被告弁護人は斉藤亨被告らに対する最終弁論「総括」で、「被告人らは、それぞれの立場での責任を痛感していると同時に反省している」、「各被告人は長期にわたる拘留、インターネット掲示板やマスコミ報道により、事実上制裁を十分受けている」と述べ、「執行猶予付きの寛大なる判決を・・」と結んだ。
 しかし、神世界事件の被害者は、被告人に寛大な刑など全く望んではいない。なぜならば、被告人らは未だに被害者に対して公の場で一言の謝罪もしておらず、真摯に被害者に向き合おうとしていないからだ。
 被告人らは神世界という組織に属する者達であるが、被告人や、まだ逮捕されていない神世界関係者が地裁内部で被害者に対して示す態度は、反省とはほど遠いものがある。地裁内で被害者を敵対視する姿勢をとり続けている被告人や神世界関係者の態度からは、被告人らが反省しているとは到底思えないのが実態である。
 被告人が公判で述べた、「反省している」、「被害者に申し訳ない」等の言動は、自らの刑を軽くしてもらうための”ポーズ”に過ぎない。
 こうした事実を精査すれば、「被告人は反省している」として刑を減ずるのは大きな誤りである。

2、被告人は社会的制裁など受けていない
 弁護人は、「各被告人は長期にわたる拘留、インターネット掲示板やマスコミ報道により、事実上制裁を十分受けている」とも述べたが、それは全く見当違いでしかない。
 インターネット上に設けられた、「ヒーリングサロン告発掲示板」に書かれている事柄は、神世界事件にまつわる事実であり、被害者が受けた被害の実態、神世界のサロン内部でどのようなことが行われてきたかの事実、神世界事件によって傷ついた被害者の思いを率直に綴った内容など、全て事実をありのままに記述しているに過ぎない。万一、掲示板や「ヒーリングサロンによる被害」に書かれている内容が事実無根であり、神世界に対する営業妨害、被告らの名誉毀損に該当するのであれば、掲示板管理者であり、同サイトを主宰している私を、被告人や神世界は告訴すべきであるが、被告人らはそうした反論をこれまで一切行っていない。被告人らが反論できないのは、書かれていることが事実だからである。
 事実を書かれただけで、被告人らがそれを制裁と受け留めるのは、一重に被告人らが行ってきたことが違法であったからに外ならない。また、インターネット上に被告らの犯行を告発しただけで、それが制裁を受けたことになるというのであれば、警察も裁判所も要らないことになってしまうではないか。告発は告発でしかなく、制裁とは全く関係ない。
 マスコミの報道も事実を報道しているだけであり、被告人や神世界はマスコミからの取材要請に対してかたくなに口を閉ざし、決して取材に応じようとはしてこなかったために、被告人らの反論が報道されることがなかっただけである。自ら口を閉ざし、マスコミに対して誠実に対応してこなかったのは被告人らであり、今になってマスコミの報道が被告人らにとって制裁だ等と言うのは、言いがかり以外のなにものでもない。
 神世界事件の被告人は、全員が起訴事実を認めており、被告人らが組織的詐欺を働いてきたことについては何ら争う余地がない明白な事実だ。被告人らの不当・不法な行為によって死亡したり、重篤な病気に苦しんでいる被害者も複数名存在している事実を直視すれば、被告人らが犯した罪は重大であり、被告人らの氏名がマスコミで実名報道されるのは至極当然のことである。犯した罪の重大さから考えれば、その程度のことは、社会的制裁と呼ぶほど処罰的な意味合いを持つものではない。
 よって、「被告人らは社会的制裁をすでに受けている」として被告人の罪を減ずるのは誤りである。

3、勾留について
 弁護人は、「各被告人は長期にわたり拘留(されていた)」と、被告人らが逮捕・起訴された後、公判が始まるまでの間、勾留されていたことを制裁の一環と捉えているが、被告人らが犯した罪の大きさを考えれば、ごく短期間の勾留など、とるに足らないものでしかない。被告人らが本当に反省していると言うのであれば、保釈申請を行い大金の保釈保証金を預託して拘留途中で娑婆に出てくるようなことをせず、「勾留」という名の「制裁」を判決の日まで受けるべきであった。被告人らが勾留途中で保釈申請し、大金の保釈保証金を積んで早期に娑婆に出てきた姿を目の当たりにした被害者は、著しく被害感情を逆なでされた。この点だけを見ても被告人らは、被害者の感情など全く分かっていないことを如実に表している。
 この点からも、「被告人が反省している」と見るのは誤りであり、法が許す最高限度の処罰を被告人に与えるべきである。

4、被害弁済
 弁護人は総括の中で、「刑事民事問わず被害弁償を行い」と、被告人らが被害者に金を返したことによって罪が減じられるかのごとく述べているが、それで済めば警察は要らないのである。法廷で弁護人のこの言葉を聞いた被害者は、「万引きが見つかったあとで、『ちゃんと返したんだからいいでしょ』と主張することと同じでしかない」と怒りの声を上げている。
 被告人らが被害者に支払った金は元々被害者の金であり、不当・不法な手段で被告人らが被害者から奪ったものであるから、返して当たり前のものだ。被告人らが弁済している金は、多くの被害者から奪取した金のごく一部でしかない。被害に遭ったが、家族や周囲の人に知られたくない等の理由で被害弁済を申し出ることができない被害者が全国に多数おり、こうした被害者に対しては弁済することができないのが現状だ。
 被告人らが本当に反省しているのであれば、被害者に返金できなかった金については然るべき機関に寄付したり、国庫に納めるなどすべきであるが、被告人らは一部の被害者に返金しただけで、「刑事民事問わず被害弁償を行い」と過大評価しているに過ぎない。  よって、一部の被害者にだけしか被害弁済はできておらず、被害弁済を理由にして安易に被告人らの刑を減じてはならない。

5、被告人に寛大な判決は被害者を貶(おとし)め、蔑(さげす)む
 被告人を弁護し、刑が軽くなるように弁護するのは弁護人の任務であるから、弁護人が最終弁論で”常套句”として被告人に寛大な判決を求める発言をしたのは当然である。しかし、被告人らが行ってきた犯罪行為の悪質さを精査すれば、被告人らに厳罰が下されて当然とする思いは、被告弁護人の胸中にも去来していたのではないだろうか。
 詐欺罪や組織的詐欺の最高刑は懲役刑でしかなく、被告人らに死刑判決が下されることを期待することができないのは、「甚だ残念」というのが被害者の偽らざる心情である。
 こうした被害者の心情を何ら理解せず、軽薄な反省の言葉しか口にすることができない被告人らに対して「寛大な判決」や、ましてや「執行猶予付き判決」などが下されることは、被害者は断じて容認できない。
 多くの女性を食い物にして、貴重な時間、貴重な金員、貴重な家族関係、貴重な友人関係、貴重な信用、貴重な人生を奪ってきた神世界事件の被告人には、求刑を上回る厳しい刑を与えて然るべきである。万が一にも求刑を下回る刑が言い渡されたり、被告人らに執行猶予が付くようなことがあれば、それは被害者を著しく貶(おとし)め、蔑(さげす)む結果となる。
 250名以上の神世界事件被害者と密接に関わってきた私は、神世界事件を主導的に指揮してきた被告人らに対しては、被害者と同等の厳しい処罰感情を持っている。被告人らに未だ反省の態度が見られない現実を前にして、被告人らに対する処罰感情は高まるばかりであり、それは全国数千人の被害者も同じである。
 被告人らを論理的に悔悛させることはもはや不可能であり、被告人は然るべき矯正機関に収容し、強制的に矯正教育を行う以外に事件の再発を防止する方法はない。神世界事件の被害者にとって最大の願いは、被告人らに求刑を上回る厳しい実刑判決が下されることである。
 横浜地方裁判所が、被告人らに求刑を上回る厳しい実刑判決を下していただくよう、強く要望する。




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